「休業手当」について何日かに分けてお話ししてきました。
休業手当について(1)そもそも「休業手当」とは?
休業手当について(2)「使用者の責に帰すべき事由」とは?
休業手当について(2)「使用者の責に帰すべき事由」とは?(「経営上の障害」について)
休業手当について(3)「平均賃金の百分の六十以上」とは?
最後は、最近ニュースなどで取り上げられる機会の多い
「雇用調整助成金」との関係について触れたいと思います。
結論から言いますと、
「各個人に支払う「休業手当」の金額と、「雇用調整助成金」の支給額とは、直接には関係がない」
と理解した方が、誤解は少なくて済むのではないか、と考えます。
これは、本来の「雇用調整助成金」の計算方法でも、
今回の「新型コロナウイルス」対応の中でかなり簡略化された計算方法でも、同じです。
「雇用調整助成金」の支給額の計算方法は、
a.(何らかの方法で計算した)その事業所で、従業員に支給される1日あたりの給与額
×
b.助成率
×
c.延べ休業日数
です。
ここでは、実は「個々の従業員に支給した休業手当の金額」は直接出てきません。
特に、本来の計算方法では、
「a.その事業所で、従業員に支給される1日あたりの給与額」は、
昨年度提出した「労働保険料申告書」で記載された「賃金総額」を、
「所定労働日数×延べ雇用保険被保険者人数」で割って
雇用保険被保険者1人1日当たりの賃金額を計算します。
これをベースにして、さらに「助成率」と「延べ休業日数」を掛けます。
例えば、一昨年度は給与の高い方が多く(=「雇用保険被保険者1人1日当たりの賃金額」が高い)、
今回の給与の安い方が多く休業したような場合ですと、
結果として、実際に支払った「休業手当」よりも、支給される「雇用調整助成金」の金額が多くなる、
なんてケースも発生し得ます。
何故そうなるかと言えば、繰り返しになりますが、
本来の計算方法ですと、
「各個人に支払う「休業手当」の金額と、「雇用調整助成金」の支給額とは全く関係ない」
からなのです。
ただ、個々の休業手当を考慮しなければならないケースがあります。
それは、助成金では一般的に、「労働法規に違反してはならない」という条件があるからです。
ここで、「休業手当は、平均賃金の100分の60以上支払わなければならない」という
労働基準法の条文が生きてきます。
助成金の支給額の計算には、個々の従業員に支給される「休業手当」の金額は関係ないのですが、
そもそも助成金を受給するためには、労働基準法を守っていなければならない、ということで
各従業員に対する「休業手当」の金額がチェックされることになります。
# 今回の「新型コロナウイルス」対応の簡略版では、
「a.その事業所で、従業員に支給される1日あたりの給与額」を、
「実際に従業員に支払った「休業手当」の金額」として計算します。
ただ、その場合も個別に各従業員に支払った金額から直接助成金額を計算するのではなく、
「全従業員に支払った休業手当の総額」を「休業総日数」で割って、
「1人1日あたりの休業手当額」を計算し、
そこに「b.助成率」と「c.休業延べ日数」を掛けて助成金額を計算する、という流れになっています。
この流れに意味があるのが、(今回の補正予算で変わりますが)
どの段階で「上限金額」を適用するのか、という部分です。
本来の計算方法法であれば「a.その事業所で、従業員に支給される1日あたりの給与額」×「b.助成率」を計算した段階で、
簡略版であれば「1人1日あたりの休業手当額」を計算した段階で
上限額と比較し、
上限額を超えていれば上限額を適用して、助成金の支給金額を計算する、という流れになります。
個人個人で計算して、「この人は上限額を超えている」「この人は超えていない」と判断する、
という訳ではないのです。
# 今回の補正予算の中で、「1ケ月あたり33万円」というような文言があって、
これはどのように適用されるのか?要注視、と思っていますが。(2020.6.6現在。)
休業手当について(1)そもそも「休業手当」とは?
休業手当について(2)「使用者の責に帰すべき事由」とは?
休業手当について(2)「使用者の責に帰すべき事由」とは?(「経営上の障害」について)
休業手当について(3)「平均賃金の百分の六十以上」とは?
最後は、最近ニュースなどで取り上げられる機会の多い
「雇用調整助成金」との関係について触れたいと思います。
結論から言いますと、
「各個人に支払う「休業手当」の金額と、「雇用調整助成金」の支給額とは、直接には関係がない」
と理解した方が、誤解は少なくて済むのではないか、と考えます。
これは、本来の「雇用調整助成金」の計算方法でも、
今回の「新型コロナウイルス」対応の中でかなり簡略化された計算方法でも、同じです。
「雇用調整助成金」の支給額の計算方法は、
a.(何らかの方法で計算した)その事業所で、従業員に支給される1日あたりの給与額
×
b.助成率
×
c.延べ休業日数
です。
ここでは、実は「個々の従業員に支給した休業手当の金額」は直接出てきません。
特に、本来の計算方法では、
「a.その事業所で、従業員に支給される1日あたりの給与額」は、
昨年度提出した「労働保険料申告書」で記載された「賃金総額」を、
「所定労働日数×延べ雇用保険被保険者人数」で割って
雇用保険被保険者1人1日当たりの賃金額を計算します。
これをベースにして、さらに「助成率」と「延べ休業日数」を掛けます。
例えば、一昨年度は給与の高い方が多く(=「雇用保険被保険者1人1日当たりの賃金額」が高い)、
今回の給与の安い方が多く休業したような場合ですと、
結果として、実際に支払った「休業手当」よりも、支給される「雇用調整助成金」の金額が多くなる、
なんてケースも発生し得ます。
何故そうなるかと言えば、繰り返しになりますが、
本来の計算方法ですと、
「各個人に支払う「休業手当」の金額と、「雇用調整助成金」の支給額とは全く関係ない」
からなのです。
ただ、個々の休業手当を考慮しなければならないケースがあります。
それは、助成金では一般的に、「労働法規に違反してはならない」という条件があるからです。
ここで、「休業手当は、平均賃金の100分の60以上支払わなければならない」という
労働基準法の条文が生きてきます。
助成金の支給額の計算には、個々の従業員に支給される「休業手当」の金額は関係ないのですが、
そもそも助成金を受給するためには、労働基準法を守っていなければならない、ということで
各従業員に対する「休業手当」の金額がチェックされることになります。
# 今回の「新型コロナウイルス」対応の簡略版では、
「a.その事業所で、従業員に支給される1日あたりの給与額」を、
「実際に従業員に支払った「休業手当」の金額」として計算します。
ただ、その場合も個別に各従業員に支払った金額から直接助成金額を計算するのではなく、
「全従業員に支払った休業手当の総額」を「休業総日数」で割って、
「1人1日あたりの休業手当額」を計算し、
そこに「b.助成率」と「c.休業延べ日数」を掛けて助成金額を計算する、という流れになっています。
この流れに意味があるのが、(今回の補正予算で変わりますが)
どの段階で「上限金額」を適用するのか、という部分です。
本来の計算方法法であれば「a.その事業所で、従業員に支給される1日あたりの給与額」×「b.助成率」を計算した段階で、
簡略版であれば「1人1日あたりの休業手当額」を計算した段階で
上限額と比較し、
上限額を超えていれば上限額を適用して、助成金の支給金額を計算する、という流れになります。
個人個人で計算して、「この人は上限額を超えている」「この人は超えていない」と判断する、
という訳ではないのです。
# 今回の補正予算の中で、「1ケ月あたり33万円」というような文言があって、
これはどのように適用されるのか?要注視、と思っていますが。(2020.6.6現在。)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます