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「小澤征爾さんと、音楽について話をする」書感

2012年01月18日 21時21分05秒 | 音楽
小澤征爾と村上春樹の対談「小澤征爾さんと、音楽について話をする」読了。
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小澤征爾の過去の演奏、バーンスタインやカラヤンとの思い出、
マーラーの音楽、オペラ、近年小澤征爾が力を入れている「教育」、
といった事項について、
様々な内容を小澤征爾と村上春樹が対談していく。
「対談」でなく、普通の文章にすればもっと圧縮してまとめられるのかも知れないが、
小澤が感覚的に捉えてきたことを言語化し、
「どういうことか」考えながら進めていくあたり、
対談形式なればこその逡巡・どう表現して良いか分からない微妙なところが
何となく描かれていて興味深い。

私はクラシックは好きだが演奏は全くやらないので、
楽譜を読んだりした経験はほぼない。
また、様々な演奏を聴いて良し悪しを感じたりはするが、
細かい演奏方法や技術的な面は全く分からない。
演奏家による違いも、全体的な印象としては捉えるが、
特に分析的に見ている訳でもない。

この本は、「楽譜の見方」や「どのように演奏するか」といった話も
かなり詳しく書かれている。
正直、何を言っているか分からないところもないではないが、
全くとっつけない、ということもない。
それは村上春樹が演奏はかなり分析的に捉えているが
楽譜そのものは読めない、
小澤も「楽譜にこう書かれている」といったことを
綿密・詳細に説明するのではなく、おおよその話で説明していく。
そのあたりが私にとっても興味を持てるレベル・バランスで
書かれていると感じた。
演奏する人だったら、もう少し様々なことを感じ取れるかも知れないな。

あと、紹介されている曲・演奏はまた聴いてみたいと思った。
小澤征爾の演奏を何となく避けていたところがあるので、
特にサイトウキネンオーケストラは聴いてみよう、と思う。
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