日光東照宮入り口前を通過しR120号のゆるやかな坂を上がっていくとまもなく左手に「田母沢御用邸記念公園」がある。右手の山中から「田母沢川」が御用邸の脇を流れ落ち一級河川大谷川に注いでいる。この地点から「寂光の滝」入り口の案内標識に従って右折し、狭い坂道を約2km上がっていく。対向車があれば道をゆずりあいながらゆっくりと進む。
沢の音が聞こえるうっそうとした森林に包まれた広い駐車スペースに着くと目の前に古びた若子神社の鳥居が見える。車も人影もまったく見当たらず寂しい雰囲気が漂っている。にわか雨で濡れた昔のままの石が敷かれた階段を上がり、神社の手前で左奥に通じる山道を進むと目の前に滝の姿が現れる。最上部の木陰に隠れた部分もあり七段の滝となっている。日光にはよく知られた滝が多く、この滝は比較的訪れる人も少ないほうだが、ここは「若子神社」も含めて「日光八景」の一つとして「隠れた名所」となっている。
歴史ははるか昔に遡り、日光を訪れた弘法大師空海がこの滝で修行し、弘仁11年(820年)に「寂光寺」を開基したと伝えられている。明治初期の廃仏毀釈後にその伽藍のほんの一部だけが残り「若子神社」として現在に至っているという。
滝つぼの前の倒木は4年前に訪れた時撮影した写真と変わらず同じ場所に横たわっていた。昔のままの大自然に包まれた滝の姿である。(2016.7.30 撮影)
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