◆上九一色地区◆
こんにちは。市民レポーター、「かずさん」こと武田和巳(69才)です。
私は“健康のために甲府の街を散歩しながら、新しい発見をする”を目標に、
市のホームページに掲載されている『甲府市ウォーキングマップ』を見ながら31地区のコースを歩き、中高年の立場で各コースを紹介していきます。
前回<voj.27 新田地区>の記事はコチラ
■これまで歩いたコース
1.東地区Aコース、2.千塚地区北側コース、3.大里地区<アイメッセコース>、4.里垣地区西コース、5.住吉地区全周コース、6.玉諸地区、7.北新地区、8.湯田地区、9.春日地区 、10.石田地区、11.中道地区、12.池田地区、13.国母地区、14.朝日地区、15.甲運地区、16.貢川地区、17.伊勢地区、18.相生地区、19.千代田地区、20.羽黒地、21.大国地区、22.宮本地区、23.能泉地区、24.相川地区、25.穴切地区、26.富士川地区、27.新田地区
番外編1:「米倉山太陽光発電所」と「ゆめソーラー館やまなし」
番外編2:市立甲府病院 栄養管理士さんのお仕事紹介
番外編3:甲府・峡東クリーンセンターの紹介
****コースの紹介****
第28回は、<上九一色地区>です。
上九一色地区は、多くの遺跡や出土遺物があり、縄文中期末から後期初頭の土器片や水晶片等が発掘されており、古くから人が住んでいた地域です。「上九一色」という地名は、天正5年(1577年)に武田勝頼が発給した「九一色郷所役免許」や天正10年(1582年)に徳川家康が発給した「諸商人の課役免除」のご朱印状に認められるそうです。「九一色郷」の由来は、付近の9村がまとまっている地域であり、木工業盛んな工(く)一色(いっしき)の地域で、9村の「九」と木工業の「工」との韻を合わせて「くいしき」と名付けられた説があるようです。
『甲府市ウォーキングマップ』p.22に掲載
上九一色地区のウォーキングマップはコチラ
①2022年5月17日(火曜日)、上九一色地区のBコースを街散歩しました。スタート地点は天神橋です。マップと飲み物を持っていざ出発!!
目的地までは車で国道358号精進ブルーラインを南下して、左右口(うばくち)トンネルを抜け、上九の湯ふれあいセンターを左に見て数100メートル進むと右に進む側道があるので、側道に入ります。赤い橋が見えます。スタート地点の天神橋です。スタートする前に、天神橋からの自然豊かな雄大な景色に見とれてしまいました。
②天神橋を渡り、寺川沿いに川を上って行きます。小河橋を通り過ぎ寺川の景色を眺めながら歩いて行くと、民家の間に道があるので右折します。この先に旧上九一色郵便局があります。
③旧上九一色郵便局は国指定登録有形文化財だそうです。古関郵便取扱所から始まり、明治45年(1912年)、中道往還沿いにこの建物が新築されました。当時では珍しい瓦ぶきで洋風の木造2階建ての建物です。今回は外装工事中でした。修理していた方によると、鬼瓦は「鉄製」だそうです。近くに甲府市古関地区のアメダス気象観測所がありますが、場所の確認はできませんでした。
④川沿いの道に戻り、寺川の上流に向かい歩いて行きます。途中に「古関関所跡」の説明板がありました。甲府と吉原(現静岡県富士市)を結ぶ甲斐九筋の一つで「魚の道」と呼ばれた「中道往還」にあった関所跡です。関所跡は昭和41年(1966年)の台風26号の氾濫で流失したそうです。
その先に右に入る道を進んで行くと吉祥寺があります。
元の道に戻り、少し先に「台風26号遭難者慰霊碑」がありました。大きな被害を受けたそうです。
・甲斐九筋は下記参照下さい。
https://www.pref.yamanashi.jp/maizou-bnk/topics/101-200/0187.html
⑤道なりに進むと、本郷橋に出て、橋手前に「石尊奥氏神」神社がありました。「石尊」とは、神奈川県大山寺が本家で、紀元前97年頃に創建され、古い民俗信仰と山岳仏教が結合したもので、源頼朝、足利尊氏、徳川家光なども深く信仰したそうです。
⑥本郷橋を渡ります。本郷橋からの寺川の景色も素晴らしいです。橋を渡り直ぐに右折して、川沿いを進みます。左側は棚田が続きます。農作業中の渡邉さんにお会いしてお話を伺いました。ここで生まれ育ったそうです。通学には片道4時間掛かった、野草を摘んで、ドクダミの葉を煎じて飲み、桑の葉を天婦羅にして食べているので医者知らずとのこと。炭を焼いてその時に出来る木酢液で殺虫消毒剤にしている、駆除した鹿の頭を柿の木の根元に埋めて肥料にしている、キノコ狩りしているとか、ピザ焼き窯を手作りし毎日作って食べているなど、私の普段の生活とは違うお話を伺えて新鮮な驚きでした。棚田のある右岸には今でも鹿や猪が出るそうで、左岸は人の手が入ってないので、熊も出るそうです。
⑦渡邉さんと別れて先に進みます。途中芝原橋から見る寺川の景色等を見ながら歩くと、県道甲府精進湖線との交差点に出ます。左折して下って行きます。
⑧県道甲府精進湖線から眺めた棚田の景色も素晴らしいです。天神橋で見た大きな防護壁が見えましたが、更に大きな山の一部でした。改めて周りの山の大きさに驚きました。この古関地区の集落も見えました。さらに下って行きます。
⑨芦川の川岸に出てきます。
⑩途中で鹿の角を沢山飾った家がありお伺いした所、梶原さんにお話を聞くことができました。ご自分で罠を作り仕掛け、鹿、熊、猪を害獣駆除として狩猟し、収集しているとの事です。マムシも先に金具のついた短い棒1本で捕まえるそうです。狩猟に使う道具をいろいろ見せて頂きました。ご自宅の作業部屋にはホームセンター以上の工具、部品類があり、何でも修理してしまうそうです。また、こちらでも鹿の頭が4つ土に埋められていました。埋める事で脳味噌などを腐敗させ白骨化させるそうです。
⑪梶原さん宅を後にして、芦川沿いの県道甲府精進湖線に戻り永泰橋(マップの④)を渡り、平川橋を通り過ぎ先に進みます。しばらく歩くと右手に永泰禅寺が見えてきます。永泰禅寺は臨済宗建長寺派で山号を霊亀山というお寺で、県指定有形文化財の「木造釈迦如来立像」と甲府市指定文化財の「永泰寺釈迦堂」や紙本墨画達磨像図、紙本著色夢想国師像図などがあります。永泰禅寺については見所紹介でご紹介します。
⑫芦川沿いの道に戻り先に進むと、程なくしてスタート地点の赤い天神橋が見えてきます。天神橋にGOAL!!
**** お楽しみ紹介 永泰禅寺 ****
夢窓国師が開山し、本尊は木造釈迦如来像と木造観世音菩薩を合祀しています。釈迦如来像は京都嵯峨の清涼寺から広まった清涼寺式と言われています。山門は禅寺らしい茅葺の小さな門で、「霊亀山」と山号が掲げられています。この釈迦如来像には「霊亀の伝説」が伝わっていることから、この山号になったそうです。甲府市指定文化財の「永泰寺釈迦堂」の内部は、江戸期の凝った細工が欄間や天井に施されているそうです。県指定有形文化財の「木造釈迦如来立像」と合わせて機会があれば拝観したいと思います。
**** コースの感想 ****
<上九一色地区>は自宅のある湯田地区から17km離れた場所になります。間近に山が迫り、水量豊富な芦川と芦川に流れ込む寺川など多くの川に恵まれ、今回散歩した古関エリアには棚田もありました。散歩しながら眺めた寺川、周りの山々の景色は同じ甲府市内とは思えない程自然豊かな地区で、のどかな山村でした。散歩の途中で知り合った、渡邉さん、梶原さんのお話は、町なかに住む私にとって、とても刺激的でした。
****【かずさんの勝手に5段階評価☆】****
※トイレ、駐車場は、必ず施設の許可を得てから使用してください。
甲府市ウォーキングマップ
https://www.city.kofu.yamanashi.jp/kenkoese/kenko/kenko/kehatsu/walking.html
参考資料:「こうふ私の地域・歴史探訪」こうふ開府500年記念事業実行委員会発行