◆里垣地区(西コース)◆
こんにちは。今年度の市民レポーター、「かずさん」こと武田和巳(67才)です。
私は“健康のために甲府の街を散歩しながら、新しい発見をする”を目標に、
市のホームページに掲載されている『甲府市ウォーキングマップ』を見ながら31地区のコースを歩き、中高年の立場で各コースを紹介していきます。
****コースの紹介****
第4回は、<里垣地区(西コース)>です。
『甲府市ウォーキングマップ』p6に掲載
~里垣の由来~
明治時代に、坂折村、東光寺村、板垣村が合併し、坂折の「さ」、東光寺の「と」、板垣の「がき」を取り「里垣」と名付けたそうです。
①2020年4月15日、山梨県地場産業センター「かいてらす」からスタートです。
マップと飲み物を持っていざ出発!!
②「かいてらす」を善光寺側に出て、善光寺の脇を南に歩き、「東光寺⇒」の看板に従って右折します。
③しばらく歩くと、右側に子供広場があります。
子供広場を通り過ぎ、愛宕山を見ながら直進。
この道はぶどう畑が多く、車通りが少ないのでのんびり歩けます。
④右手に「東光寺」が見えてきます。中に入って参拝しましょう!
⑤「法蓋山東光寺(ほうがんさんとうこうじ)」は、仏教を深く信仰した武田信玄が定めた甲府五山の一つです。
庭園も山梨県の名勝に指定されているので、最後の“見所”で詳しく紹介します。
⑥東光寺でトイレをお借りして一休みしたら、再出発。
西に向かって歩いて行くと右側に大きな邸宅があるので、そこのT字路を右折します。
「石地蔵」と「熊野権現神社(くまのごんげんじんじゃ)」を見るため、寄り道します。
⑦上り坂を数分歩くと、左手上方に大きな「石地蔵」と「熊野権現神社」が見えてきます。
自然の石(輝石安山岩/きせきあんざんがん)に頭部をのせてあるだけの石地蔵は、「自然石さん」と呼ばれ、1700年頃につくられたとのこと。
熊野権現神社は、和歌山県那智熊野大社とつながっているそうです。
⑧散歩コースに戻ります。そのまま道祖神をめざして直進。
⑨十字路に道祖神が祀られています。
ここで2度目の寄り道!「帰命院(きみょういん)」をめざし、右側に入る道を歩いていきます。
「子安観世音安置 歸命院」の案内の横を上って行きます。
⑩「帰命院」に到着。石段を登ります。
ここは、1556年に武田信玄が創立した浄土宗のお寺。現在改装中でした。
⑪再び散歩コースに出るため、変則十字路に戻ります。
⑫ちょっと歩くと、右手に「正一位 開運出世 稲荷大明神」の石鳥居が見えます。
ご利益がありそうなので、3度目の寄り道! 鳥居をくぐり、急な石段を上ります。
稲荷大明神には、天然記念物の「榊(サカキ)」があるようです。
⑬参道は10分位ですが、鎖場もある急な山道のため、上りきるのは結構きつかったです。
⑭参道を上りきると、祠があるのでお参りします。
そばの竹林の中に、樹高11mを越える立派なサカキ※がそびえていました。
(※ツバキ科のサカキは温暖な土地に育つ常緑樹で、枝葉は玉串として神に供える神木。山梨県内の分布北限は身延町と言われており、甲府のように冬が寒い土地で育つのは珍しいそうで、甲府市の天然記念物に指定されています)
⑮お参りが済んだら、山道を下りてコースに戻り、散歩を続けます。
数分歩くと、右手に甲府五山の一つ、「定林山能成寺(のうじょうじ)」に着きます。
「能成寺」は臨済宗のお寺で、1500年以前に開基(創立)され、1590年代に今の土地に建立されたそうです。武田信玄ゆかりのお寺なので、武田菱があちこちに見られます。
庭の牡丹が綺麗でした。
門を入り直ぐ左手に、松尾芭蕉が1683年に甲斐へ来たときに読んだ句碑があります(1840年建立とのこと)。
「名月や 池をめぐりて 夜もすがら」
⑯能成寺を出たら道路を渡って直進し(散歩コースではT字路を左折)、早野組の会社の前を通り東に向かい東中学校の前を通り過ぎます。
⑰道なりに歩き、つきあたりを左折します。
⑱子安地蔵の角を右折します。
⑲里垣小学校を通り過ぎると、左手に「柴宮神社(しばみやじんじゃ)」があります。ここでもお参りします。
⑳「柴宮神社」の歴史は古く、天照大神の弟スサノオノミコトの正妻、クシイナダヒメノミコトなどが祀られているそうです。
ここの狛犬は阿吽の形式で、毬や子は携えていませんでした。
㉑柴宮神社を出たら、「里垣悠遊館」を通り過ぎ、善光寺参道の信号を左折します。
㉒善光寺を右手に見ながら、スタート地点の「かいてらす」をめざします。
㉓ゴール!!
いろいろ寄り道をしたので、8,7000歩でした。寄り道をしなければ、約3km、4,500歩のコースです。
ひとまずトイレを借りて、かいてらす限定のお菓子と手づくりマスクを購入し、ベンチでお茶をして帰宅しました。大満足の街散歩でした。
**** 見所その1 「東光寺」****
「法蓋山東光寺」は、臨済宗のお寺。1121年に建立され、中国から来た蘭渓道隆(らんけいどうりゅう)が1270年頃に開いたそうです。武田信玄が定めた甲府五山の一つ。仏殿は中世禅宗様建築で国の重要文化財に指定されており、県文化財の薬師如来(鎌倉時代の作品)と従者の十二神将(しんしょう)が安置されています。立派な十二神将は、仏殿の奥にあるため暗くてよく見えませんでした。一度、ゆっくり拝観したい仏像です。
(※掲載は東光寺の許可を得ています)
参道には六地蔵がたくさん並んでいます。
六地蔵は、六道(地獄、飢餓、畜生、阿修羅、人間、天上)の地蔵だそうです。
敷地奥にある庭園では、滝を上った鯉が、竜に化身する様を自然石で石組みしています。手前の池と調和されており、一つの場所から観賞する、いわゆる“池泉観賞式庭園”。
京都の天竜寺、長野の光前寺と並び称され、山梨県の名勝に指定されています。
(※庭園の入園料は300円)
お寺の裏には、信玄の長男、武田義信(1567年没、享年30歳)や、江戸時代の柳沢吉保の嫡子の子どものお墓があります。
**** 見所その2 「輝石安山岩」****
東光寺庭園の石、石地蔵、道祖神、稲荷大明神の石について、山梨県石材技能士協会の深沢会長に写真を見ていただいたところ、どれも里垣地区で産出した「輝石安山岩(きせきあんざんがん)」とのことでした。現在ではほとんど産出されていないようです。
**** コースのお楽しみ紹介 ****
山梨県地場産業センター「かいてらす」では、さまざまな山梨県の特産品が販売されています(甲府市がおすすめする甲府の良きモノ“甲府之証”商品も販売しています!)
私は、かいてらす限定の和菓子「武田兵糧丸」を買いました。
かいてらすの“諏訪御料人”様には、気持よく接客していただきました。
ちなみに、武田信玄の側室“諏訪御料人”は実名不詳。新田次郎の小説『武田信玄』では湖衣姫(こいひめ)、井上靖の小説『風林火山』では由布姫(ゆぶひめ)(大河ドラマではではゆうひめ)と名付けられ、それらが広く使われ始めたようです。
****コースの感想****
<里垣地区西コース>は、善光寺しか知らなかった私ですが、東光寺をはじめ由緒ある古刹がたくさんあり、甲府の歴史を知るうえでとても興味深いコースでした。
途中の寄り道はどこも上り坂が多く、コースを歩く以上に疲れましたが、いずれも楽しめました。トイレはスタートのかいてらすと東光寺にあります。“お楽しみ”は、かいてらす限定の「武田兵糧丸」。おいしく、食べると元気が出ると思います。
おすすめのコースですので、ぜひ足を運んでみてください。
****【かずさんの 勝手に5段階評価☆】****
※トイレ、駐車場は、必ず施設の許可を得てから使用してください
甲府市ウォーキングマップ
https://www.city.kofu.yamanashi.jp/kenkoese/kenko/kenko/kehatsu/walking.html
甲府五山
https://www.city.kofu.yamanashi.jp/welcome/course/9.html
東光寺
http://www.kofu500.com/sightseeing/012.html
能成寺
http://www.kofu500.com/sightseeing/013.html
山梨県地場産業センター「かいてらす」
<参考>
『こうふ 私の地域・歴史探訪 ~甲府を紐解く31地区の軌跡~』
https://www.kofu500.com/event/ev2019/chiiki-rekishi-sa.html