道の駅からのお土産にむかごを頂いた時
これはむかごご飯にして 少女の時にお隣
同士で今はご近所の明子さんにお届けした
いと思った。
一緒に遊んだのは戦争中。当時はむかごも
季節を楽しんで食べると言うような雅なも
のではなかった。母が遺した短歌の中に
むかごを詠んだものがある。
庭隅のおどろが下を這いまわり
むかご拾うわ遊びにあらず
今日のむかごご飯は明子さんにあげるのだ
から いつもより丁寧にお米を洗う。
酒 だし昆布、しおを入れて水加減して
むかごを入れてスイッチオン。
出来上がったのをお味見する。美味しい
これなら上げられる。
お届けすることを電話すると、うれしい
頂きに行きますと明子さんの声。
ママゴトをした庭、マリつきをした玄関の
三和土、山芋の蔓が絡んだ石燈籠ーー
むかごご飯の中に 少女の頃の風景が見え
るかも。ね。