サムイズダート・ロシア

めざせロシア式菜園生活!ダーチャごっことロシア&北海道のお話あれこれ

クストリッツァの猫

2005-08-23 | 映画
エミール・クストリッツァ監督の最新作「ライフ・イズ・ミラクル」。
バルカンの土着的アナーキーなパワーと
愛らしくて切ない寓話的ストーリーもさることながら、
いつもながら素晴らしい動物たちの存在感!

旧共産圏の映画は、どうしてこうも動物の使い方がうまいのか。
猫は猫のまま、犬は犬のまま、ロバはロバのままに、
人の世界に寄り添いながらそこにいる。
この一見自然な絵を撮るために、どれだけの労力が費やされようとも
妥協しない意思の力と忍耐力がまずスゴイ。そもそもこの人たちは
動物についての認識の仕方が西側(死語?)とは違う。
この世は人間だけで成り立っているのではなく、
人間だって愛すべき動物の一種にすぎないと思うからこそ、
人間も動物も等しく魅力的に描けるのだ。
かたや人間絶対主義、文明至上主義に陥っている人たちは、
動物を擬人化して、あざとい演技をつけたがるものです。

にしても、あのデカ猫の演技(演出)は見事な限り!
がっついた食いっぷり、一触即発の犬とのマジ喧嘩、
頭を叩かれたときの「うにゃっ!」というしかめ面や
抱っこされてベッドに連れて行かれるときのブッとした表情、
そして、いつだって人の気配のあるところにちゃんといる。
このコが出ると場内爆笑でした。
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