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懐かしのカルムイク

2013-05-19 | ロシアコラム
少し前の『世界の村で発見!こんなところに日本人2時間スペシャル』にて、
ロシア・カルムイク(カルムイキア)共和国が登場。
シベリア抑留後、ロシア女性との間に子供を授かったがために
日本帰国を断念し、仕事を求めてソ連各地を転々とした末に
日本と同じ仏教国カルムイクに根をおろした元少年兵の流転の人生。
縁あってロシアでできた家族と、望郷の念との間を揺れ動く辛い思いを
宮崎美子さんが寄り添うようにして聞き出していた。

カルムイクを単身訪ねたのは、もう20年近く前なので
首都エリスタの町がずいぶんきれいになっていて驚いたけれど、
何もない空港周辺や、見渡す限りのステップ一本道、
途中で横切る茶色い牛の群れ、ぬかるんだ村の道…などなど
当時と変わらない光景も多く、懐かしく放映を見た。

エリスタ空港は一時、実は空港の免許をとっていなかった(!)
という理由で閉鎖されていたのだが、ちゃんと再開されていて安堵。
番組ではモスクワからの飛行機が「週3便しかない」と言っていたが、
週3便もあれば立派である。
しかもかつては、地元民も知らないブイコヴォ空港発だったのに
今は欧州便が飛ぶドモジェドヴォ空港発!らしい。

この番組は「最果ての日本人モノ」の元祖番組で、
レポーターがたどりつくまでの「大変な旅」もひとつの売りなのだとか。
シェレメーチェヴォ空港からモスクワ市内に出るのに、
エクスプレスを使わずにわざわざ乗り合いバスに乗っていたのも
そのための演出と思われるが、レチノイ・ヴァグザルで
バスから地下鉄に乗り換えて市内入りするルート、
これはこれで貧乏旅行者にはおススメです!

ときに番組では触れられていなかったが、
スターリンの少数民族弾圧により、カルムイク人もまた、
日本兵と同時期にシベリアで強制労働に従事させられていた歴史がある。
抑留された日本兵とシベリア送りになったカルムイク人が
共に働き、交流を深める場面もあったようだ。
「世界の果て」カルムイクには、日本とそんな接点があるのである。

ご興味のある方は、
『旅行人傑作選2 世界が私を呼んでいた!』(旅行人)
93~101頁「カルムイク共和国交友録」をご覧ください。

Comments (2)
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