庄原市東城町千鳥字別尺(べっしゃく)439番地2、かなり曲がりくねった、細い山道を登ると、
視界が開けてくる。「千鳥別尺のヤマザクラ」。広島県下一の巨木にふさわしく、他を圧するよ
うな威容をみせてくれる (写真は5月2日撮影)。
広島県天然記念物 (桜樹のそばに次の説明板がみられる)。
ヤマザクラは、本州、四国、九州、朝鮮半島南部に分布し、広島県内でもごく普通に見られる。
ヤマザクラの若葉は普通赤茶色で、花と同時に開くが、本樹の若葉は、ほとんど赤味を帯びず、
花時にはまだあまり開いていない。ヤマザクラは変異が著しく、多くの変種・品種が知られてい
るが、本樹が既知の何に当たるかは今のところ不明である。本樹は、南側の根元に荒神をま
つった小祠があり、かかわりについてはよく分からないが、地域民の荒神信仰や地域行事など
を行う共有場に、神木または何らかの象徴木として植えられたものではないかと思われる。
ヤマザクラは巨樹が少なく、胸高幹回り4.5mを超えるものは全国的にもあまり多くない。
1990年の記録では国指定8件、各県指定7件にすぎない。このヤマザクラは、現在知られて
いる限りでは広島県内第1位の巨木である。老大木であるにもかかわらず、主幹が空洞化しな
いで健全であるのは珍しい。
根回り周囲 : 6.7m
胸高幹囲 : 4.6m
樹高 : 約27m
枝張り : 北12m 東9m 南10.2m 西12.2m
PENTAX K-5 ”雅”+smc PENTAX-DA 18-135mmF3.5-5.6 ED AL[IF] DC WR で撮った。