1週遅れになってますが、来週MXあにめぞん再放送はお休みだそうなので、楽に追いつけそうです。
オッケーオッケー万事問題無というわけで、前回の続きで御座います。
・第32回「玉子はミステリー?四谷の危険な贈り物」 脚本:伊藤和典 コンテ:小島多美子 演出:吉永尚之 作画監督:服部圭子
…あにめぞん初のオリジナルエピソード、ファンの間で怪作とも迷作とも語り継がれる回。
脚本を担当した伊藤氏は、めぞんの中で四谷さんが1番のお気に入りキャラだったらしい。
スタッフ就任当初のインタビューで、「四谷というキャラを膨らましたい」との抱負を、熱く語ってらした事を思い出す。
原作では本名・職業・生い立ちの一切が謎に包まれてるからね~、膨らまし甲斐の有るキャラだわな。(同作者の短期連載「ダストスパート!!」のHCIA諜報員、背古井さんにそっくりな事から、同一人物説を立てるファンも在り。)
留美子先生という方は、あまりキャラを造りこまない。
朱美さんや一の瀬一家や坂本や惣一郎さん…四谷さん程ではないが、生い立ちや暮らしなど、謎に包まれている。
所謂「設定廚」じゃないって事で、主筋に絡まないなら無駄に考えない性分なのでしょう。
片や主役である響子さん五代君は、原作でかなり設定煮詰められてて、膨らませられる隙が見付からず、伊藤氏にとっちゃ魅力の薄いキャラに感じたんだろう。
と或る夜更け、四谷は五代に玉子を渡し、何処へか旅立った。
それだけの話だが「四谷さんから貰った」事により、一刻館を揺るがす大騒動に発展してしまう。
「四谷さんが他人に物をあげるなんて、有っちゃいけない事なんだよ」
「果たして本当にくれた物なのか?後で返せと言われたら、食べたりなんかできない」
「そもそもこれって生でしょうか?茹でてあるんでしょうか?」
「四谷さんの事だから、玉子を孵そうと温めていたのよ。ところが用事ができたから、五代君にピンチヒッターを頼んだんじゃない?」
「そういう理由なら冷蔵庫に入れられないですね」
「要するに玉子だよな…」
「解らないわよ~。あの四谷さんがくれた物だもん。中から四谷さんそっくりの小人が生れたりして♪」
「ハハハ…そんな馬鹿な…」
「とにかく生か茹でてあるかを先ず見極めましょう。対処法が分かれます」
「玉子を割らずに生か茹でてあるかを見極める方法ですか?」
「この世のありとあらゆる災いが詰まってるかもしれないからねぇ、おいそれとは割れないんだよ」
「随分危険な玉子ですねぇ」
針小棒大、玉子1つで最後まで引っ張るとは天晴れ。(笑)
何だかんだ文句を付けつつ、どんな風に決着するか、最後まで見届けた原作ファンは多いんじゃないかな?
オチが大多数の読み通りだったのと、朱美さんが何度も惣一郎さん(犬)に玉子を食べさせようとするのが不可解でなければ、○を付けてたよ。
ごく自然にオールキャラ活躍させてるのも素晴しい。(マスターまで)
この「ごく自然に」というのが至極重要、1例を挙げると「らんま劇場版1」のオープニングとか、世の中不自然にわらわらオールキャラ出すアニメが多過ぎるんで。
それと「めぞん一刻」という作品は、世界がかっちり纏まり過ぎてるせいで、アニメのオリジナル話は作れないだろうとの自分的読みを、覆された事に感動を覚えたです。
とまぁ個人的には快作だと思うんだけど、ぶっちゃけこの回を批判する原作ファンは少なくない。
回の出来云々より、「何故ここでこんな話をやる!?」、という批判なのですよ。
というのも原作では第30・31回の後に、後日談的なエピソードを挟んでいる。
アニメではその話をはしょった為に、質に入れられた筈の五代の荷物を、どうやって元に戻したかが不明。
五代は風邪をこじらせてたのにあっさり治ってて、まるで家出なんて無かったかのような平常運転。
話間の繋ぎが無い為、ぷっつり途切れてる印象。
これが「うる星」だったら、破壊された友引高校や諸星家が次回元通りになってても、全く不自然さを感じないんですけどね~。(笑)
恐らくは原作での後日談が、五代の妄想フルスロットルな内容で、監督の趣味に叶わなかったんだろうと。
それならそれでアニメ独自の後日談を挟むべきだったと思う。
1話完結の「うる星」とは違い、「めぞん」は連続するエピソードが特徴、だからこそ「うる星」には無い、リアリティを醸している。
後日談を済ませて後このオリジナル回を放送してたなら、もっとファンから冷静に評価して貰えてたに違いない。
ちなみに実はこの回、押井監督のOVA「天使のたまご」のパロである。
四谷さんが旅の途中で牛丼食ってるのも、監督を意識しての事だろう。
いや~たまごって、本当に恐ろしい物ですね~。
窓辺に吊るされた洗濯物が揺れる音、夜に窓螺子を締める描写など、中期に入ってから生活感の出し方が上手い。
朝~昼~夕~夜と1日を追う緻密な構成にも好感。
避ける通行人も非常にリアルな動きだなぁと。
よく観るとキャラクターがそれぞれ別の動きしてるんですよ。
細々とした日常的演出が積み重なって行き、自然なリズムが生れてる。
こういうリズムに気付けるか気付けないかで、中期の評価は変ってしまうんだろうなと。
作画について、今回キャラがアニメ「きまぐれオレンジロード」に似てた。
響子さんなんか、まどかさんが大人になったみたいだ。
同じ高田明美キャラデザという他に、「オレンジロード」の原画スタッフが参加するようになったのも理由じゃないかと。
(個人的評価) 脚本△ 演出○ 作画△ …生か茹でかは回せば見極められる。良く回れば茹で玉子、回りが鈍ければ生玉子。
【続】
オッケーオッケー万事問題無というわけで、前回の続きで御座います。
・第32回「玉子はミステリー?四谷の危険な贈り物」 脚本:伊藤和典 コンテ:小島多美子 演出:吉永尚之 作画監督:服部圭子
…あにめぞん初のオリジナルエピソード、ファンの間で怪作とも迷作とも語り継がれる回。
脚本を担当した伊藤氏は、めぞんの中で四谷さんが1番のお気に入りキャラだったらしい。
スタッフ就任当初のインタビューで、「四谷というキャラを膨らましたい」との抱負を、熱く語ってらした事を思い出す。
原作では本名・職業・生い立ちの一切が謎に包まれてるからね~、膨らまし甲斐の有るキャラだわな。(同作者の短期連載「ダストスパート!!」のHCIA諜報員、背古井さんにそっくりな事から、同一人物説を立てるファンも在り。)
留美子先生という方は、あまりキャラを造りこまない。
朱美さんや一の瀬一家や坂本や惣一郎さん…四谷さん程ではないが、生い立ちや暮らしなど、謎に包まれている。
所謂「設定廚」じゃないって事で、主筋に絡まないなら無駄に考えない性分なのでしょう。
片や主役である響子さん五代君は、原作でかなり設定煮詰められてて、膨らませられる隙が見付からず、伊藤氏にとっちゃ魅力の薄いキャラに感じたんだろう。
と或る夜更け、四谷は五代に玉子を渡し、何処へか旅立った。
それだけの話だが「四谷さんから貰った」事により、一刻館を揺るがす大騒動に発展してしまう。
「四谷さんが他人に物をあげるなんて、有っちゃいけない事なんだよ」
「果たして本当にくれた物なのか?後で返せと言われたら、食べたりなんかできない」
「そもそもこれって生でしょうか?茹でてあるんでしょうか?」
「四谷さんの事だから、玉子を孵そうと温めていたのよ。ところが用事ができたから、五代君にピンチヒッターを頼んだんじゃない?」
「そういう理由なら冷蔵庫に入れられないですね」
「要するに玉子だよな…」
「解らないわよ~。あの四谷さんがくれた物だもん。中から四谷さんそっくりの小人が生れたりして♪」
「ハハハ…そんな馬鹿な…」
「とにかく生か茹でてあるかを先ず見極めましょう。対処法が分かれます」
「玉子を割らずに生か茹でてあるかを見極める方法ですか?」
「この世のありとあらゆる災いが詰まってるかもしれないからねぇ、おいそれとは割れないんだよ」
「随分危険な玉子ですねぇ」
針小棒大、玉子1つで最後まで引っ張るとは天晴れ。(笑)
何だかんだ文句を付けつつ、どんな風に決着するか、最後まで見届けた原作ファンは多いんじゃないかな?
オチが大多数の読み通りだったのと、朱美さんが何度も惣一郎さん(犬)に玉子を食べさせようとするのが不可解でなければ、○を付けてたよ。
ごく自然にオールキャラ活躍させてるのも素晴しい。(マスターまで)
この「ごく自然に」というのが至極重要、1例を挙げると「らんま劇場版1」のオープニングとか、世の中不自然にわらわらオールキャラ出すアニメが多過ぎるんで。
それと「めぞん一刻」という作品は、世界がかっちり纏まり過ぎてるせいで、アニメのオリジナル話は作れないだろうとの自分的読みを、覆された事に感動を覚えたです。
とまぁ個人的には快作だと思うんだけど、ぶっちゃけこの回を批判する原作ファンは少なくない。
回の出来云々より、「何故ここでこんな話をやる!?」、という批判なのですよ。
というのも原作では第30・31回の後に、後日談的なエピソードを挟んでいる。
アニメではその話をはしょった為に、質に入れられた筈の五代の荷物を、どうやって元に戻したかが不明。
五代は風邪をこじらせてたのにあっさり治ってて、まるで家出なんて無かったかのような平常運転。
話間の繋ぎが無い為、ぷっつり途切れてる印象。
これが「うる星」だったら、破壊された友引高校や諸星家が次回元通りになってても、全く不自然さを感じないんですけどね~。(笑)
恐らくは原作での後日談が、五代の妄想フルスロットルな内容で、監督の趣味に叶わなかったんだろうと。
それならそれでアニメ独自の後日談を挟むべきだったと思う。
1話完結の「うる星」とは違い、「めぞん」は連続するエピソードが特徴、だからこそ「うる星」には無い、リアリティを醸している。
後日談を済ませて後このオリジナル回を放送してたなら、もっとファンから冷静に評価して貰えてたに違いない。
ちなみに実はこの回、押井監督のOVA「天使のたまご」のパロである。
四谷さんが旅の途中で牛丼食ってるのも、監督を意識しての事だろう。
いや~たまごって、本当に恐ろしい物ですね~。
窓辺に吊るされた洗濯物が揺れる音、夜に窓螺子を締める描写など、中期に入ってから生活感の出し方が上手い。
朝~昼~夕~夜と1日を追う緻密な構成にも好感。
避ける通行人も非常にリアルな動きだなぁと。
よく観るとキャラクターがそれぞれ別の動きしてるんですよ。
細々とした日常的演出が積み重なって行き、自然なリズムが生れてる。
こういうリズムに気付けるか気付けないかで、中期の評価は変ってしまうんだろうなと。
作画について、今回キャラがアニメ「きまぐれオレンジロード」に似てた。
響子さんなんか、まどかさんが大人になったみたいだ。
同じ高田明美キャラデザという他に、「オレンジロード」の原画スタッフが参加するようになったのも理由じゃないかと。
(個人的評価) 脚本△ 演出○ 作画△ …生か茹でかは回せば見極められる。良く回れば茹で玉子、回りが鈍ければ生玉子。
【続】