リハビリから帰る途中、石材店があったところに見慣れない看板が掲げてあった。『木菟』なる漢字が彫られた趣向ある一枚板で、どうやら古本屋さんらしい。営業は木曜日から日曜日とあり、その日は休みであったが、ちょっと覗くと奥行きがあり本がずらりと並んでいた。このわくわく感は本好きでないと分からない。
というわけで昨日、行ってきたのだが、期待以上の品揃えであった。学術書・専門書はないものの、人文社会、歴 . . . 本文を読む
身辺の雑事に追われ、ブログ更新をさぼっていた。書くネタはあれど、文章として仕上げられない。主題設定が散漫なのか、論理の展開が甘いのか、途中でなにやら気力が失墜する。そんなときは休むにかぎる。
雨がやんで朝からお天道様が顔を出した。今日は雑用もなく、すこし体を動かして秋の風を感じてみたい、と殊勝な心もちになった。で、久々に自転車に乗ってみようと、ぺちゃんこになったタイヤに空気を詰めるうちに、なぜか . . . 本文を読む
今年は台風の当たり年なんであろうか。10月1日未明、これまでにない強風が吹き荒れた。家の中でも相当な風圧を感じたし、近所では何かが倒されたり、吹き飛ばされるような物音がした。一軒向うの家の、大きな金木犀が強い香りを放っていたが、一夜にして掻き消えてしまい残念だ。
川の氾濫、土砂崩れなどによる犠牲者がいなかったのは幸いである(?)。思ったよりも被害は少なかったのではないか。
ただ . . . 本文を読む
連日の酷暑、炎熱がやっとやわらいだ。
「命にかかわる」は、嘘でも脅しでもなかった。多くの方々があの世に逝ってしまった。
屋根を叩くような強い雨が降って、そのお蔭で寝苦しさがすっ飛び、ぐっすり眠れることができた。
今日は散歩に出て、柔らかい湿った土の上を歩きたいと思った。となると、お寺さん、墓所が手っ取り早い。
午後二時ごろから日射しがぎらつきだしたが、風は爽やかに吹いていて気持ち良かった。 . . . 本文を読む
梅雨入りとの知らせ。一日あけたら青天とはいかに。
アジサイには雨が似合う。花の色がいちだんと際立ち、生命力を感じさせる。雨しずくに濡れたアジサイの花を撮りたかった。近頃ごぶさたの田端駅南口の崖上には、紫陽花とどんぐりの穴場があるのだ。
▲田端駅近く
「紫陽花」の字を当てるアジサイは、青色がやっぱり格上かと思いきや、いやいや赤もいい。そのどちらでもない、紫色のアジサイも捨て . . . 本文を読む
▲代々木公園に架かる橋の上から会場をみる。混乱せずに、屋台に並ぶ列の隙間を人々がすりぬける。雑然としているが、平穏なのだ、この賑わいの中でも。
代々木公園のベトナム・フェスティバルに行ってきた。澄みきった青空の下、たくさんの人、屋台、ブースが会場を埋め尽くす。
行き交う人たちは半分以上がベトナム語を話している。ほとんどが20代の若者たちだと思われる。東京近隣に住むベトナム人が、一斉にここに . . . 本文を読む
バレンタインの日。何が目当てか知らないが、淡い青色の、いかにも可愛いげなパッケージを妻が持ってきた。
案の定、フランスのチョコ。感謝の意を表すが、毎年の行事だったか、特別の何かなのか、俄かに判じ難い。認知を疑う我は、一考して事なきをえる。
つまり、今月は誕生日だからね、と妻に念を押されたような心持になり、我れに帰ったわけだ。いやいや、お互いに思いやる気持ちを強く刻む、そう祈念す . . . 本文を読む
年の瀬が迫っている。といっても、昔ほどの忙しさもなく、年賀状の作成にちょっと頭を絞るぐらい。デザインはカミさん任せだが、その分あちこちの「断捨離」をやってくれとのお達し。不用品やら本の整理をしろと・・。あーでもない・こーでもないと考え、取捨選択は遅々として進まない。特に本は文庫本といえども、右から左に簡単に捨てられない。売って二束三文でも、買うとなれば定価より高い古本の文庫もあるからだ。その . . . 本文を読む
▲歩行者天国。万世橋から御徒町方面をのぞむ。
何年前だったか、秋葉原の中央通りの路上で大量殺人事件があった。一瞬、その惨事の映像が脳裏をよぎった。実際には、多くの人たちが楽しそうに行き交う、和気あいあいとした歩行者天国の光景。平和で安心に満ちた現実を目の前にする。ISがEU諸国で実行したテロ事件を考えるなぞ厳に慎め! と、天からの声が聞こえる。なんて無駄口を傍らの妻に呟いてみ . . . 本文を読む
『いきの構造』で知られる哲学者九鬼周造は、東京の芝あたりで生まれ育ったものと思い込んでいた。(松岡正剛の何かで読んだ)最近、未読であった九鬼の随筆集(岩波文庫)を読み、年少の頃根岸で暮らしていたとある。最初に「根岸」、最後に「岡倉覚三氏の思い出」を配した随筆集。なんと、菅野昭正による編纂であったとは迂闊、もっと早く読むべきだった。
さて、この二つの . . . 本文を読む
吾が棲む町は、通称「谷根千」といって今や都内でも有数の、街歩きの人気スポットになった。作家森まゆみさんが主宰した、コミュニティ誌のタイトルが由来。谷中と、根津、千駄木を包括した名称で、食べ歩きの楽しさや見どころがより広く、深くなった感じだ。 (湯島、日暮里にも客足は伸びている)
コミュニティ誌は残念ながら廃刊になったが、名前は独り立ちして、今やこの「YANESEN」は外国にも知ら . . . 本文を読む
この頃の梅雨は,局地的ではげしい。ひと昔前だったら、「しとしと」と優しい雨が、いつまでも静かに降っていた。 大地はたっぷりと水分をふくみ、新緑の青みに深みがます。この時季の木々、葉っぱの匂いは、こころの渇きを癒すようなほっとする潤いをもたらす。 どんなふり方にせよ、大地と植物にとっては恵みの雨には変わりはないはずだが・・。
さて、二、三日前に岳父を見舞いに行き、その後病院関係者と面会するまで . . . 本文を読む