ビデオニュースになんと、例の加計学園問題で脚光を浴びている前文部科学事務次官の前川喜平氏が登場した。先の森友学園と同じく、仲良しのお友達を優遇したかの疑惑で、首相自身の出処進退を問われるかどうかを左右するキー・パースンとされる。
前川氏は今年初めだったか、文科省の天下りの問題で責任をとって辞任したばかり。私人になった早々、なんともお忙しいことだが、一流紙と言われる新聞にもプライバ . . . 本文を読む
アイデンティティとか文化といった高度に複雑な問題が、まるで漫画の世界に存在するかのように扱われ、容赦なく殴り合いを続けるポパイとプルートーのように、一方がつねに相手方よりも徳が高く優位にある、というようなかたちで描かれている。 E.W.サイード「戦争とプロパガンダ」より
▲自室のノートPCでブログを書く。ほぼ満開となったソメイヨシノ。残念ながら天気悪し。
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世間を騒がせている森友問題。ほとんど内輪モメというか、正当か逸脱かという見えない齟齬をめぐって、安倍首相を中心とした内紛のようで、面白おかしく眺めていた。どうやら、当事者のプレイヤーが出そろった感じだが、今後、行政側からのエビデンスが漏れる以外のほかに、巷を驚かすような進展はないだろうとみた。
ということで私としては、森友問題はどのような形で決着するか目に見える気がし、自分なりの . . . 本文を読む
大衆というものは、その本質上、自分自身の存在を指導することもできなければ、また指導すべきでもなく、ましてや社会を支配統治するなど及びもつかないことである。この大衆が完全な社会的権力の座に登ったという事実は、・・民族や文化が遭遇しうる最大の危機に直面していることを意味している。こうした危機は、歴史上すでに幾度か襲来しており、その様相も、それがもたらす結果も、またその名称も周知のところ . . . 本文を読む
ヨーロッパの知の歴史は、プラトンに対する厖大な脚注の歴史にほかならない。
アーサー・O・ラブジョイ 「存在の大いなる連鎖」より
イギリスがEUから離脱した背景を、大雑把だが自分なりに考えた。今回の件は、いわゆるトランプ現象と同根の背景があると思うし、グローバリズムへの逆噴射が遂に、英国でも本格化し . . . 本文を読む
エドワード・スノーデンに関する若干の説明を補足したい。ブログとはいえ、記事の事実関係はそれなりに正確を期しているつもりだが、後になって冷や汗ものの間違いが見つかることがある。恥をかくのもいいが、読んだ方が真に受けてそのことで恥をかくことは、私にとっても不本意である。
まあ、真に受ける人なぞ皆無であろうが・・。ともあれ前回の記事に関して基本的な誤りがあったので、その . . . 本文を読む
東大の福武ホールに行った。自由人権協会が主催する70周年プレシンポジウム「監視の今を考える」に、偶然にも参加できた。機密情報暴露の、あのスノーデンがネット経由ながら同時インタビューに応じるという企画に、まず飛びついた。しかも驚くことに、同時通訳付きで参加費無料である。後半のシンポジウムでは、スノーデンの法律アドバイザーであるベン・ワイズナー、ビデオニュースでも顔なじみの青木理、宮下 . . . 本文を読む
オバマ大統領が広島を訪問したことは、私だけでなく多くの人々にいろいろな感慨を抱かせたのではなかろうか。
核廃絶を謳いノーベル平和賞をもらったオバマの、実質的な大統領任期は今年までだろうから、この度の広島訪問は彼にとって、「有終の美」の仕事として臨んだことと思う。
平和記念公園での演説は、就任演説のときの静かなパッションを彷彿とさせたし、練りに練られた卓越した表現との評価が高い。残念 . . . 本文を読む
老いてからの自問自答ー② 柄谷行人の「憲法の無意識」を読みながら
①国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として現在及び将来の国民に与へられる。
②この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、これらの権利は、過去幾多の試練に堪へ、現在及び将来の . . . 本文を読む
民主党が民進党に改名した。私にとってどうでもいいことだ。多分わたし以外の多くの方も,同様の感想を持っているのではないか。
彼らは、「命名」というものに意味を見出している。殆ど、幻想である。替えることの対費用効果、イメージ戦略、選挙対策などのメリットを想定しても、これだと思い当たる理由が見つからない。岡田代表はじめ誰もが、万人を納得させられるような弁を語ることができない。
根拠の . . . 本文を読む
トランプ氏は「憎悪や恨みなど心の闇を引きだす。対立を煽って、自らの支持を引きだす。心の闇を引きだされた人はそうそう後には引けない」と、宮子あずさは書く(東京新聞3月7日朝刊)。
「こう思うのは、私が看護師として、患者の暴力や暴言に直面してきたからだろう。弱者とみなされる人が牙をむくと、こちらの反論はすべて権威的とみなされる。そこだけみれば、どちらが強者かわからない。」 . . . 本文を読む
サウジアラビアとイランが国交断絶した。すなわち、両国が互いに戦争を厭わないという状態に入ったのである。
三、四日ほど前に佐藤優と山内昌之が出演した「プライムニュース」(BSフジ)をみた。二人とも国際関係の知識と分析にかけては群を抜いているが、なんと「第3次世界大戦」にいたる不安要素があり、想定を超える新たな戦争の視座を解説してみせたのである。
特に佐藤は、今回の . . . 本文を読む
毎度、筆に随う。
現在の世界を人口動態的に大きくみると、10代から20代の人口比率が多い後進国で発火現象がおきている。
地理的には中東、アフリカ、東南アジアだ。宗教的に区分すればイスラム圏。(この圏は、地勢的に世界を覆う)
貧しい彼らは今のところ希望を見いだせない。生計をたてる場所がなく、生きるための強い根拠が得られない。
グローバリゼーションの圧倒的な影響で、あふれるほど . . . 本文を読む
ほとんどの憲法学者が違憲であると認め、私をふくめ、多くの国民がNOと意義申し立てをした。そんななかでも、安保関連法案が可決・成立した。昨年4月には武器輸出を原則認める防衛装備移転三原則が閣議決定。昨日の新聞では、民間企業が武器輸出を円滑に行えるよう、つまり赤字になってもほぼ100%税金で損失補てんする独立行政法人「日本貿易保険(NEXI)」の存在も明らかになった。独力で自分たちの安 . . . 本文を読む
「ペンは剣よりも強し」この格言は、言葉は権力よりも強いという意味だ。武力よりも言論のほうが人々の心に訴え、支持をえる。言葉の表現力は、社会を変えるほどの力を持っている。
かつてナチスはそうした言葉の力を利用し、プロパガンダを駆使して国民の支持をひろげた。国内ポピュリズムの地固めをしつつ、ナチスは科学の粋を集めた強力な戦力によって近隣諸国を侵略し、国富を増した。そのナチスの核心的な . . . 本文を読む