小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

啓蟄のひと月まへに亀ゐづる

2019年02月08日 | 日記

二十四節気のひとつ、「啓蟄」はだいたい雛祭りが終わったころにやって来る。陰暦の暦ゆえ、今年は何日か調べたところ、3月6日とのことだ。

ご承知だろうが、冬の間、土の下に籠っている虫等が這い出ることを「啓蟄(けいちつ)」という。家に閉じこもる「蟄居」の「蟄」と、「穴を開く」の意の「啓」の字をあてて、「啓蟄」とは意味深い漢字といえよう。春の陽気がいよいよ本格化して、冬籠りしていた獣たちも動きはじめるといった様子を端的に表している。

我が家の二匹の亀たちも例年だと、「啓蟄」の頃に決まって半冬眠の状態から脱し、やおら動き回って餌をねだってくるのだが・・。

3,4日前の20度前後の暖かい日には熟睡していたのに、それが今日、なんと二匹とも目覚めゴソゴソし出した。本来の暦なら「立春」であるから、春の兆しを感じるぐらいの時季だ。「啓蟄」より一か月も前であるのに、やはりこのところの気象異常が影響しているのであろう。

▲家人に猛反対されるもあえて掲出。確かに可愛さは欠ける。けど、生きるパワーを感じる。

週末は再び厳しい寒さが戻るらしいから、また震え、静かになって冬眠場所にリターンするはず。それにしても、夏も冬もいや一年中、気象状況が安定しないから、人間も動物も調子を崩さざるをえまい。これも地球温暖化の悪影響だとしたら、今年の夏も何が起きるやら思いやられる。お天道様にひたすら祈るのみだ。


それにひきかえ渡り鳥は、彼らが好む気候の地をもとめて越冬するのだから羨ましい。と思ったが、全世界的に異常気象なのだから、行った先でいろいろ苦労することがあるのかもしれない。何千キロも離れたところから、全エネルギーを絞って渡るのだから、鳥たちの「生の消耗」もそうとう激しいのであろう。

そういえば、朝刊の最終面に「ミサゴ(鶚)」という鳥の写真が掲載されていた。けっこう大きなボラを鷲づかみで大空を飛んでいる姿が、いかにも猛禽類のたくましさを感じさせる、頗るいい写真であった(ちなみに、ミサゴ(鶚)は渡り鳥でなく「留鳥」とのこと)。

記事を読むと、なんと英語で「オスプレイ」だという。例の米軍の垂直離着陸輸送機の「オスプレイ」は、この鳥から命名されたようで、「ホバリングで魚を見つけて豪快な狩りをする」とは、言い得て妙。

「ファルコン」だの「ホーク」だの、米軍の飛行機関連のネーミングは、自然界の鳥にあやかって命名しているのだ。ならば、もう少し自然に畏敬の念をもった政策やら理念を打ち出していただきたいものだ。パリ協定を離脱したのは、なんたる不見識としかいいようがない。

▲写真:東京新聞・堀内洋助氏 茨城県稲敷市の小野川付近にて。1月22日撮影。紙面上の写真を拝借しました。



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