急遽、マイナンバーカードについての私見を覚書として残すことにした。
一昨日のこと(11/22)、グーグルニュースのまとめサイト(各メディアの主要トピックニュース・地方新聞含)を読んでいたら、NHKニュースの「暗証番号 設定必要ないマイナンバーカード12月中に導入へ」という見出しに目が留まった。記事としては以下の通り(ですます調を直し)。
総務省は、認知症の人や高齢者に加え、希望するすべての人にマイナカードの対象を拡大し、来月中に導入する方向で調整を進めている。マイナカードの申請には暗証番号が必要だが、「設定や管理が難しい」という声が多く、当時の総務大臣が暗証番号のないカードを11月に導入する方針を示していた。また、すでに交付されたカードも暗証番号なしに切り替えが可能とのこと。総務省は自治体の準備期間を考慮して、来月中に導入する方向。なお、コンビニでの各種証明書の発行など、暗証番号が必要なサービスの利用はできないが、顔認証を使って健康保険証と一体化した『マイナ保険証」としては利用可能とのこと。(NHKの元記事をたどったら、「総務省は、交付事務を担う自治体の準備期間を考慮して、来月中に導入する方向です」とあり、決定なのかが判然としない)。
現在、マイナンバーカードで利用できる暗証番号は4種類が必要であるとされる。1種類に統一できるのか、それはできないのか、自治体のホームぺージでは詳しいことは分らない。ちなみに、必要とされるのは以下の4つの証明書を発行するときだそうだ。(ランダムに沖縄県南城市のものを参考にさせていただく)
■署名用電子証明書 英数字6〜16文字 各種申請・申告に必要(印鑑に相当)
■利用者証明用電子証明書 数字4文字 コンビニでの住民票等交付 各種サービスのログイン・利用に必要(本人証明に相当)
■住民基本台帳用 数字4文字 転入、転居手続 戸籍届出 利用者証明用電子証明書 新規発行等
■券面事項入力補助用 数字4文字 記載される4情報(氏名・住所・生年月日・性別)を読み取り、必要箇所に転記
この暗証番号はすべてが4桁ではない。また、年金や交付金を受け取るときの取引銀行でつかう同じ4桁の番号を使いまわすと、なにか不都合のことがおきるのだろうか? 筆者は沖縄県南城市のものを参考にしたが、他の自治体によっては、設定、方法に違いはあるのか? 南城市では「マイナンバーカードをお渡しする際、下記の4種類の暗証番号を設定していただいています。暗証番号は大切に保管し、他の方に教えないようにしてください」とあった。
筆者は、マイナンバーカードの申請すら忌避するひねくれ者。それは将来のこの身を案じてのことだ。というより、こんな煩雑なことは誰もがやらない。だから暗証番号なしで申請できるように変更したのであろう。
さて、誰もが高齢者になるし、寝たきりや認知症になるやも知れない。そうなれば、第三者にカードを託さざるを得ない状況になる。最悪のことを考えるならば、様々なトラブルを想定してしまう。身の周りをいろいろサポートしてくれるのであるから、個人であれグループ・法人であれ、その善意に感謝し、もっと信頼しなければと思う。
「マイナンバーカードの怪」という記事をかいてやく半年。未だにこの問題、決着の道筋のみえないのが不思議で、その課題、改善点はあらかた表出したかと思われる。
であるが、責任の所在や改善の難点をクリアにすると、自分たちの政治責任はじめ関係当事者の手抜き、失敗を露わにすることになるから、どうも決定的な打開策が打ち出せないのかもしれない。誰もがどうすることもできないから、しばらく前には、〆切期限を決めてごり押しで乗り切ろうとしていた。医療保険証や運転免許証を統合すれば、どうしたって国民はマイナンバーカードを持たざるを得なくなる、と。
私見を述べれば、問題解決の道筋は、個人情報を集約したカードは、年金・交付金など入出金情報がわかる預金口座番号および4桁の暗証番号と絶対に紐づけしてはならない、ということだ。もっと要約すれば、個人情報と財産管理情報は分離せよ、という考え方である。「銀行取引の暗証番号は絶対に使用しないでください」と、しっかり銘記するようにしてもらいたい。
今になっても、論議の話題にもならないが、当初はマイナンバーカードを取得すると証券会社と取引できる銀行口座が簡単に登録できるというのが謳い文句であった。つまり、NISA開設に口座が手軽にできて、株取引を無税で行えるというものだ。
もうこの時点で、寝たきりや認知症の高齢者のみならず、低所得の老人たちのことは考えに及んでいないことがわかる。確かにNISAは今年、新NISAとして非課税枠やら手数料などは、加入者のメリットは拡大した。だが、最大1800万円もの株取引をもくろむ老人は全体の何パーセントになるであろうか。
ともあれ、26年度まで申請が延長される動きもあるし、デジタル庁の河野大臣も相変わらず判で押したような回答しか言わない。改善点を何も提示せず、うだうだと期限延長をくり返していれば、国民の不安はいつまでたっても払拭されませんよ。
以前に書いたブログのリンクを貼った➡マイナンバーカードの怪 (23・5/10)
顔の見える普段の生活、医療や運転免許などは性善説で良いけど、不特定多数(世界)相手のクレジットや銀行などの財産管理は性悪説で考えるのは当然。
それを一括で良いとするのは「社会学の初歩を知らない、哲学の貧困」以外の何物でもない、と思います。
性悪か性善かで、きっちり分けるよりも人間というものは、「善いこともすれば悪いこともする」ぐらいの緩い考えでいいのではないでしょうか。
でも、マイナカードには、善悪のメリハリがないと、問題は波及することは自明です。
どんな着地点をみつけるか、まあ見ものですね。
コメントありがとうございます。