小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

うつ病について何を知っているか、私は

2021年06月03日 | 日記

全仏オープンを棄権することになった大阪なおみさんに、多くのアスリートたちが励ましのメッセージを送っている。少しでも彼女の傷んだ心を癒してくれたらと願う。

うつ病を発症したのは、明らかに2018年全米オープン優勝後の記者会見、その他のインタビューであったと思う。その時の映像を見、それに付された最新の様々なコメントを読んだ。当時二十歳そこそこの彼女、女子テニスの女王になったとはいえ、繊細で心の優しい女の子だった。

残酷で無遠慮な野次、ブーイングを浴びるなかでも、彼女はまず敗者への敬意を忘れなかった。それから、自分が為したことを少しも誇らず、涙を見せつつも謙虚に語った。彼女は強く、優しく、賢かった。でも、それがうつ病のトリガーになったのだ、たぶん。

プロ・テニスプレイヤーの多くが、そのインタビューに応答する大阪さんが発した言葉、健気な振舞いを記憶していたであろう。そして今、自分の身に置き換えて、彼女の心痛を理解できたのだと考える。それが現在に結びつく励ましのメッセージになったんだと思う。

うつ病について詳しいことは知らないが、私の無知が原因で、たいせつな友人と疎遠になったことがある。詳しいことはここでは書けない。今でもトラウマとして残るぐらいに心は痛み、その時のうつ病にたいする偏見、無知であったことを深く後悔している。覆水盆に返らずではないが、それはもう修復はできないし、過去の出来事として封印している。

(うつ病に対する私の偏見とは、いま喧伝されている自己責任、自己管理の欠如が一因だと考えていた。現在、それはまったく当たらないものだと分っている。過度のストレスから起因する脳の病気であり、本人が治すものでも、何とかできるものでもさらさらない。医師やカウンセラーの治療を要する病気である)

それからは、そんな自分の無知を反省し、うつ病はじめ心を患う人には、できる限り寄りそえるようにしたいと決心はした。

去年、コロナで日本人みんながギクシャクしはじめた頃、ある人から統合失調症で苦しんでいると告白された。今もほとんど毎日、同じ時間に電話がかかってくる。決して嫌がらず、話だけは聞くようにしている。こちらが言えることは、「どうしようもないことはある、ゆったりと生きよう」、そんな決まり文句みたいなことしか言えないのだけれど・・。

うつ病は個人差はあるだろうし、医者がどう対処しているかも知れない。たぶん本人がなんとかしなくてならない病気かもしれない。だからといって、自己責任といって突き放すのはどうかと思う。今回の大阪さんに対するマスメディアの報道のなされかたも、何かしら違和感があり、思惑・憶測が入り込んでいる。まあ、プロの世界のことであり、国際的にもいろいろ事情や背景があろう。これ以上の言及を差し控えよう。

一日もはやく、世界のひのき舞台でプレーできる大阪さんの姿をみたいものである。

 

記事と関係ないのだが、この季節はやはり紫陽花が美しい。近くの田端にはお気に入りの場所があって、今日そこへ行ったら、例年ほどではなかったがまずまずの咲きっぷりであった。花をさがして歩く、これはもう「心の散歩」でもある。

▲形態は額アジサイなのに、色は普通のアジサイのよう。ハイブリッドな色彩とカタチだ。土壌もミックスであろう。

 

 近所の坂にあるタイサンボクの花芽。


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