参院選の翌日7月22日になって、東京電力は福島第一原発から放射線汚染水が海洋に流出している事実を認めた。
専用港内において、ストロンチウム汚染が場所によって法定濃度の10倍以上とのこと。
そのほかトリチウムは水溶性であるため、放射線汚染水は港外へ流出し、汚染が拡散していくものと懸念されている。(東京新聞7月31日付)
また、それ以前の18日頃だったか、福一の3号機から湯気が出ているという報道があり、いまだに原因、事実関係について納得のいく説明はなされていない。
この3号機に関しては東電は2年以上たっても、核爆発したであろうと海外の科学者が分析したにもかかわらず、最終的な原因究明、調査結果はおろか、建屋内の内部さえも公開していない。
わたしの想像だが、メルトダウン及びなんらかの爆発的事象(なつかしいフレーズ)にともなって、放射能は空中はもちろん地下へにも大量に浸潤したのではないか。
福島3号機の爆発(1号機の水素爆発とは違って、構造物・土などの粉じんを含んでいるのが明らか)
マスコミが3号機の爆発映像を自主規制するほんとの理由を知りたいのだが・・。
なんであれ、3号機は相当の放射線量をいまだに放出していて、線量が強烈ゆえに本格的な作業に手をつけることができないのかもしれない。
話はかわって鮫川村の放射性廃棄物・実験焼却炉の問題。もう全体の施設ができあがり、去る7月18日に一般公開されたようだ。
遅ればせながら、ユーストリームでその模様が紹介されていて、2時間あまりの取材内容を見せてもらった。
やはり、焼却設備、排気などメイン施設を中心に報道陣は取材した。
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/91823
わたしの関心はそこだけではない。むしろ、その後の焼却灰の処理、そのセメント固形化の設備、さらにそれを一時保管する場所の映像を期待して最後まで見たが・・。
それらに一切触れることなく、報道陣の皆さんは(満足げに?)焼却施設を後にするのを見て、わたしは少しめまいを覚えた。
放射性廃棄物を焼却できたとしても、放射能は燃えてなくなることはない。
牧草、稲わら、枝木などに付着した放射能を凝縮すること。それが焼却の本質である。
どんなことをしても放射能は焼失しない。
広範囲に拡散した放射能をあつめ(焼却灰として濃縮すること)、それをセメント等に凝固させて一か所に集中して管理する。それが「除染」というコンセプトであり、環境省・国の狙いである。
焼却目的の設備であるにしても、末端プロセスの最終処理設備・保管管理の施設こそ取材対象の本丸なのだ、とわたしは考える。
「一般公開」という絶好のチャンスをみすみす逃したかもしれない。これは意図的なのか、単なる勉強不足なのか。環境省の役人が腰を低くして説明していたが、排気ダクトや制御ルームでの説明でほぼ終わったようなかたちになって、内心は「良かった、これで終わりそうだな」と、舌をだしてほくそ笑んだに違いない。
次の公開があるとしたら、ぜひとも末端処理プロセスを重点的に取材願いたい。
環境省の一般公開説明資料レジュメのなかのイメージ図を見ると「セメント固形化室」が独立している。また一時保管場所も離れた位置にあり、福一原発の汚染水で問題が起きた遮水シートを使ったもの。「水との接触を何重にも防止」とうたっているが、この図をみて「何重にも」といえる自信は恐ろしいものがある。こんな体たらくでは禍根をのこすしかないだろう。
最後に、これもいやな話題だが福一を24時間監視しているサイトがあって、26日になんか異常な発光があったらしい。3号機周辺は目が離せない状態になっているかもしれない。
http://saigaijyouhou.com/blog-entry-597.html
※2号機の爆発が深夜だったことは周知の事実である。だが、その爆発的現象(?)の映像を見た人はいない。映像そのものがないのだろうか?