「Go toトラベル」が全国一斉の停止とあいなった。遅かったという声が多い。旅行会社に四国のツアーを予約していたが、感染拡大が怖くて自主的に、先々月末にキャンセルした。この第3波では、目立って高齢者の感染が多かったし、なにか嫌な予感がしたら、まあ的中した。
案の定、重症化・死亡する高齢者が増えている。病院や介護施設などでクラスターが発生したからだというが、今になっても医療体制の逼迫が叫ばれている(それでも欧米の70~100分の1ほどの致死率)。準備を怠っていたからだろうか、補強すべきところに手を抜いたのか・・。確か4、5月頃10兆円のコロナ対策の補正予算を組んだのに、現在に至っても2,3割しか使っていない。コロナ専門病院では、医師や看護師がどんどん辞めていったニュースもあった。酷い話だ。
さてと、こちらは第1波のときのように、自家に引きこもることにしょう。といっても謹慎ではなく、リハビリにも行くし、散歩にだって出かけようと思う。マスクしながらのジムはしんどいので退会した。だが、やるべきことをやっていたら、おいそれと感染はしない。たぶん今は、誰もが暗中模索なんであろう。手洗い、消毒はもうルーチン化した(うっかり忘れることもありますが・・)ので、気を引き締めて年を越したい。
話は変わって、自宅に引きこもってから読書量はまあまあ増えた。そして、その質や関心の幅もひろがった。ウィルスを中心に感染症史や生物学関係、アメリカ大統領選の影響からアメリカの歴史や地勢学など、これまで関心のない領域に手を出している。コロナ禍がなければ読んでいない。
そして読書だけでなく、やはりネットに費やす時間が増えた。その多くがYouTubeを視聴することに費やしたといっていい。コロナの前は、ときおり音楽ビデオを観るくらいで、子どもたちがなりたい人気職業というユーチューバーには、少しながら偏見があったと思う。
最初は、英会話を勉強する目的で、ネイティブの方が運営する英語学習チャンネルを選んで見ていた。そんな講師たちは実はユーチューバーでもあり、国際カップルであるケースが多かったのだ。視聴を重ねるにつれて、彼らのプライベートな面にも関心をもち、その他のカップルのYouTubeを見るようになったのは、ひたすらわが好奇心あるのみ。
男性が日本人で、お相手が英語を話す外国の女性という組合せが好きで、プロのバレエダンサーのカップル「ヤマカイTV」、世界一周旅行をした日独カップルの「LT VLOG」は2年前にさかのぼってすべて視聴した。
一番のお気に入りは「BAPPA SHOTA」という20代後半のカップル動画。翔太というやや情動的な男性は、日本に居心地の悪さを感じて19歳のときに海外へ放浪の旅に出た。若い頃は鬱にもなり、死ぬことも考えたらしい。旅に出てから、人間が変わったという。タトゥーをしているが強面のところは全くない、気さくな好青年である。ブロークンだが英語、スペイン語は堪能。彼のモロッコ、スペイン旅行の滞在動画はいろんな意味で、若い人たちにとって必見だとおもう。
さて、翔太さんは、4年ほど前にルースというスコットランド人女性と出会い恋に落ちる。それから二人であちこちの海外を旅するようになり、今年の2月頃から車に寝泊まりしながら、日本一周の旅をいまも続けている。
スコットランド訛りなのか、ルースさんが話すクイーンズイングリッシュが大好きだ。最近は彼氏のボケ・ツッコミの洗礼を受け、たどたどしかった日本語もなんとか様になってきた。ルースさんの「なんや、その顔は~!」はほんとに可笑しい。
ヴェジタリアンで和食好きの彼女と、肉食・ラーメン好きの彼氏のやりとりが面白く、近頃はまるで関西の夫婦漫才を観ている感じだ。彼らの話す日本語を字幕の英語でみたり、英語でかわす会話は、編集で字幕を付けてくれるので、英語の勉強にもなる。
彼らの旅の目的は、車中泊をしながら、日本の名峰に登ることをはじめ数々の美しい自然に触れること。そして、現地の人々と交流し、かつ美味しいものを食べること。春は四国一周、夏から10月までの北海道では、利尻・礼文の山に行き、知床半島にある山奥の秘湯、さらに最高峰、旭岳に登って日の出を拝むという、ちょっと過酷なハイキングも経験した。この動画を見て、こちらがもらい泣きするほど感動した。その他にも、ヒグマの出没する山に分け入り、秘湯中の秘湯という温泉を探しに行く。
▲いま二人は、本州を通り越して九州の宮崎を旅してる? 人気のあるユーチューバーとして、なんとニッサンのVAN「新キャラバン」のCMにも起用された。ドローン撮影も目を見張る。
▲北海道最高峰旭岳をめざすルースさん。インスタ画像をフォロワーに送ってくれる。納豆、梅干し、うどんが大好き。
お気に入りのユーチューバーはまだいる。素人なのかプロなのか分からないのだが、絵を描いているところの動画を観るのが好きだ。いつか描いてみたいという願望があるだけなのだが、ラフなスケッチにパレットで混ぜた絵の具をのせて、色彩を重ねていく、そのプロセスを観ているだけで心が充たされてゆく。
柴崎春通さんというご高齢の水彩画家がいて、人物画や風景画などを一から手ほどきしてくれるYouTube「Watercolor by Shibasaki 」も大好きでよく観ている。なんと最近は海外でも注目されているらしく、CNNニュースでも紹介されたらしい。日本ユーチューバーはけっこう海外で人気があるのだろうか。
紹介したいのは、Paul Bartonさんという絵画・彫刻の芸術家のこと。年配であるのだが、タイに住んでいて現地の女性と結婚し、幼い女の子もいる。そのバートンさんが娘と一緒に絵を描いたり、彫刻をつくっている姿が実にいい。赤ん坊のころから一緒に絵を描いているのは微笑ましく、ちょっと過剰な英才教育ではないかと訝ってしまうが、さにあらん。三つ子の魂百までということが肌で感じる、凄い動画となっている。
彫刻をつくっているシークエンスがある。最初にどこかで見た黒人の女性の顔のデッサンだと思った。その絵をもとに粘土で彫像をつくっていく。表情が肉付けされてゆくと、ニーナ・シモンだと分かる。アメージング! 鳥肌が立つほどのリアリティがある。
彼のことは最初、気づかなったのだが、以前見たことがあった、象たちにピアノを聴かす人と同一人物だと後で確認できた。素人の域をこえるピアニストでもあったのだ。娘に音楽を聴かしながらピアノを弾く動画がある。これも卓越した情操教育といえるが、零歳から4、5歳までぐらいの上達度プロセスが、さまざまな動画におさめられて、これらを見だすと時間を忘れてしまうほどである。
Daddy-Daughter Painting 20 Portraits Together - Baby to 5-Years-Old
Daddy-Daughter 20 Piano Moments #1 - Baby to 5-Years-Old
▲最近の動画は、娘さん(Emilie)がヴォーカリストに成長している。“My Favorite Things”は、絵画編と音楽編があり、これまた泣ける。