秘境という名の山村から(東祖谷)

にちにちこれこうにち 秘境奥祖谷(東祖谷山)

菜菜子の気ままにエッセイ(終焉と時々私とセンチメンタル)

2013年03月21日 | Weblog

叔母さん(ヴヴヴ星人)の家に 置かれたままになっていた、ご先祖様のお位牌。
『高知には、仏さんは、持ってこんぞ~祖谷にいんで、また一人で、山でおるんじゃ~』
頑なに、ずっと言いはっていた 叔母さん。

叔母さんの、娘は、空き家になった自分の生家の仏様を、高知で毎日お祭りしたくて
ずっと心を痛めていた。
今日、従姉妹は叔母さんに内緒で、祖谷に帰ってきた。
祖谷に住む、親戚が数人集まってお墓参りをすませ、お坊さんを待っていた。
40年近く、お祭りしてきた、お仏壇。

当時の金額は、確か200万円位だった
退職金を受け取る前に、病気で亡くなった夫の為に、叔母さんが購入した。
『仕事ばっかりして、お金遣う前に、死んで父ちゃんがむごい…』
妻からの 愛を込めた、お仏壇。

そして、親戚が集まると必ず、手を合わしていた、場所。

私も、この二年間は、叔母さんの誰もいない家に行き、戸を開けて、風を入れて
お仏壇の扉を開けて お供えをして、般若心行を唱え、一人で寝そべったりしていた。
庭の雑草。倒れた木。スギシバとの格闘。側溝掃除。お墓の掃除。
お茶積み…数えあげたら、切りのない程、私はこの家を透しながら、ずっと四季を見てきた。

お坊さんがお経をあげて下さり、
用意した小さなお仏壇に、再びお経をあげて下さり、
〈仏様の引っ越し〉
は つつがなく、終わった。

従姉妹は、中をきれいに拭いていた。
従姉妹に 扉を閉めて貰った。
扉を閉める従姉妹の背中越しに、仏壇に手を合わせた。
『今までありがとうございました…』

親戚が帰って行った。従姉妹には、『叔母さんが位牌を見て、びっくりしたらいけないから
いつか、祖谷に帰って来た時は、位牌を一緒に連れて帰れるからって、言いなよ~』
と念を押しながら、伝えておいた。

庭に出たら、
赤い梅の花が、いつものように、咲いていた。
もうこの庭に立ち、
向かい側の山々を、二人で見ることは、ないんだろうな…

楽しかった時間が、走馬灯のように 過ぎっていった
春夏秋冬
誰かと、一緒に過ごしていたから、
〈想い出〉
が 生まれる
〈想い出〉
と 呼べる
そして、その想い出は心の中で温める限り、永遠に消えはしない。
……
……
で 気になるでしょう
従姉妹が高知に帰って、ヴヴヴ星人が どんなだったか?
お仏壇と お位牌を見て 何と言ったか?

本日は、夜届いた、従姉妹からのメール文を そのまま引用いたします
※申し上げますが、従姉妹は、漢字変換を余り使いません。メールは、ひらがなが多いです。
絵文字もありません。あしからず



案ずるよりやったわ、きてしもうたのうや、ゆうたき、また、つれて帰れるって
坊さんがゆうたって、ゆうたら、そうか、そうかやと

草 々





















































コメント
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