初秋 大地を焼き焦がすごとき連日の猛暑に身の置きどころも無くて
近くの自然の樹木のすき間に入れてもらった
樹木、草花たちも雨の降らない猛暑に少々うんざりぎみであったようで
年寄りの胡散臭いひとりの男がコソコソと木陰を探して徘徊しているのを
迷惑そうな顔をして眺めていたが、愚痴気味にぼそぼそと呟いているようだ
静寂のなかで、小耳を立てて聞いてみると、まあ、人間さまも苦労しているな
猛暑に、ゲリラ豪雨、地震と気象変動に右往左往しているな、もとはと云えば
人間さま自身が欲張りな暮らしをしたつけの結果が大方のことなのに気の毒にな
しかしなあ、これは、我々樹木、草花の自然にも及んでいるのだから暢気にも
しておれないよな、でも、ここの山はまだ良いほうだ、我々もまだ元気だし
草花たちもいっぱい咲き誇っているからなあ
祖谷の山々は草花のような下草は一面無くて丸坊主、樹木も皮をくるりと剥かれて枯れて
哀れな自然になっているらしい、
何れは自分たちも哀れな風景になるのだろうが、それもこれも、人間さまの御蔭だ
人間さまさえ地球に居なければなあ、自然の我々は万々歳なのだがなあ