8月14日朝。快晴。7時前。
集落の方々が、集まってきた。
初盆の《ひとぼし》
の送り火が儀式が 始まる。
昔は日の出と共に、行われたと言う 集落もあるが、こちら側に住む者の事情によって
数々の風習も、少しずつ変わっていく。
変わらないのは、仏様に対する 村人独特の葬送の根源にある、強い思いいれの ようなもの。
四季折々、村の人々は、絶えず何かしらに、拝む。
この拝むと言う行為が、義務的に感じる人々が増えた時、数々の風習は
本当の意味で、消滅してしまうのだろう…か。
……
窓の外
ミンミン蝉が、夏を頑張っている。
意地になって 鳴いているように…も思える。
……で
……で
夕べの奥祖谷夏祭りの、花火大会の 花火をどこで?見たかって?聞いたか?
誰か 今 聞いたか?
あのね、
あのね
祖谷八景にね、またまたお邪魔して、あの秘密の場所から、眺めたのだ~~!
10人くらいで、
真っ暗な真っ暗な山道を
祖谷八景の主様の《自家発電灯》を頼りに?歩いて
小学生のチビも 2名参加。
主様、チビを従えて、いつになく、真面目に護衛しながら、先頭を歩いておりました。
※普段が不真面目とか、普段がしゃべりすぎるとか、そんなことは、一言も言ってはないよ~
…で
8時30分。
対岸斜め、奥祖谷夏祭りの会場当たりの 空をじっと 見つめながら、
周りは 漆黒の真っ暗闇~
無音…
いつもなら、いつもなら、
『この場所は、ワシが一人でこつこつ、切り開いた場所なんよ~!!!』
と 熱く熱く説明する 主様だが、今宵は 何も言わない。
どうしたんだ~!
あの 熱い 暑苦しく?自然公園プレゼン会議は、しないのか~?
と 心配して
耳を澄ませば、聞こえてきた。
主様の ボソボソお声
……チビに言っているみたい
『ここから、さきは行ったら危ないけんな』
『おっちゃんから先は出たら、危ないけんな』
『向こうの山から、花火上がるけんな』
主様
やっぱり やっぱり 単純に
《ええ人》
チビの安全が、頭の中でイッパイ・イッパイで、熱いプレゼンを、忘れていたんだ。
漆黒の空に
ぽっちゃり三日月
どっか~~んと 打ち上げ花火っ!15分~!
そして まさかの最高の贈り物~~~
ベルセウス流星っ~~流れた~~
思わず 全員 拍手~~~!!!歓声~!!!
盆の打ち上げ花火は
空に住む 者々への、
鎮魂歌
こちらは、元気だよ。だから、心配しないでよ。
ひとぼしの 竹の燃え尽きた跡の、小さな囁くような残骸の音。
打ち上げ花火の 残り火の消え去る 余韻。
静かなる
静かなる
自然界に 抱かれて
また 夏が 逝く。
魂への 合掌。