30坪+20坪の菜園

BIG FARMの農事日誌です。

暇人だからできる花豆の甘煮

2013-12-07 | その他

花豆を煮た。4日もかかってしまった。暇人だからこそできる一品である。

「花豆を買ってきたから」とわたしに声がかかった。わたしの出番である。どうして花豆となるとやらなければならないのかというと、わたしがはじめて花豆を煮たときうまくできたからだ。レシピに忠実に作ったのだが、これが大当たり。まさにビギナーズラックだ。それが始まりで、花豆の煮物といえばわたしの出番というか当番になる。といっても何度も作ってきたわけではなく、せいぜいこれまで3回ぐらいの経験しかない。

花豆の甘煮はできあがるまでに時間がかかる。じっくり腰を据えてかからなければならない。あわてると見た目にもきれいに煮えない。それだから忙しい人はできないというわけではないが、できればヒマなひとがやるのが望ましい。うまくできる確率は高いと思う。

それに、うまい具合にわたしは両刀遣い。甘いものにも目がないし、花豆の甘煮は好きだ。ここは腕の見せ所と、がぜんやる気が出てくる。

といっても花豆の甘煮はしばらくつくっていない。3年ぶりになる。そこでネットでレシピを調べ、わたしの経験と腕をもとに、これなら私でもできると思えるレシピを2,3取り出す。いいとこ取りをして組み合わせ、わたしなりの作り方を構成する。といったところですべてが“盗作”であり、すべてがまねごとだ。

さあ開始。
豆の重さを量っておく。今回は500グラム。

1、豆はたっぷりの水につけて戻す。今年収穫した新豆だという。それなら一晩水に浸しておけばふっくらすると思っていたのだが、なかなかしわが伸びない。だれかの顔のしわと同じだな。ビシッ、バシッ。憎まれ口をたたかないで、ここは仕事に集中だ。結局は2日も水に浸しておいた。

2、3日目。たっぷりの水に入れて火にかける。落としブタをしてさらに蓋をする。中火だとぐらぐらと沸騰してしまう。皮が破けてしまうから、弱火の強にしてことこと煮る。

3、2度ほど茹でこぼした。茹でた汁を新しい水に替えるときは、茹で汁を一気に捨てないで、鍋にちょろちょろと水を入れてゆっくりと冷ましてから水を替えていく。一気に水を替えるとしわが寄るというのだが、これまでその失敗はない。ここは慎重にやるに越したことはない。ゆっくり茹でて、茹でこぼしもゆっくりと水を替えていく。なんともまどろっこしい。人の何十倍もせっかちなわたしだが、ここで失敗しては元も子もない。このあたりの作業がポイントかもしれない。
ほとんどのレシピを見ると、3、4度ほど茹でこぼすとあったので、そのつもりでいたのだが、2度目の茹でこぼしのときに豆の具合を見た。えっ!と思うほどやわらかくなっていた。豆がやわらかくなるのはまだ先だと思っていただけに、ここでストップ。

4、別の鍋に豆と同じ重さの砂糖500グラム、5カップの水に入れて火にかける。透明になるまで煮る。

5、ここに水を切った豆を入れ、味をなじませ、しみ込ませるため一晩寝かす。ここまで作業開始してから3日。

6、4日目。火にかけて、醤油を大さじ2杯入れる。甘いだけの味が変化して、味が締まり、甘みを引き立たせる。不思議だ。

日にちはかかったが、実際の作業時間はごくみじかい。これで終了。冷めるまで待つ。

味見してもらう。
「上品な味に仕上がったわね」
「そうだね。何日も手間ヒマがいるのは、作り手の人品が味に出るというからね」
なんていってしまった。

つややかに輝く花豆の甘煮ができた。


    


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