黄昏れたフクロウ

黄昏が近づくとフクロウは飛び立つ準備を始めます。暗闇で木に激突。最近は夜目、遠目が効かなくなって来ました。

JR北海道の問題とリニア新幹線

2013-09-24 | エッセー
 JR北海道が基準を超えたレールの幅などを補修せずに放置していた問題がとりざたされている。

 安全運転という点では許されざるべきことだが、整備するための予算がないことが根本原因だとすると、問題の根は深く、そして広い。

 現在の日本の置かれた、少子化とそれに伴う縮小する経済を考えると、これから同じことがJR四国やJR九州で起こるだろう。乗客がこれからどんどん減っていくということは覆すことのできない事実で、売上が減るから、補修費用がでない。もっとちゃんとしろ、などという精神論ではどうにもならないということだ。

 同じようなことが他のインフラストラクチャにも起こるはずだ。例えば、3ルートも造ってしまった本州四国連絡橋。100円の収入を得るのに211円の経費がかかるという赤字体質が改善する見込みは無く、これからどんどん増えていく補修費用をまかなえるはずもない。

 このような社会環境の中でリニア新幹線を作るという。東海道新幹線の乗客数は1991年をピークとし、この20年は減少傾向にある。これは人口減少によるものだろうが、これからはビジネス客の減少が急速に進むと思われる。インターネットの発達により、移動すること無く商談を進めることができる。そうなると、たとえ東京と名古屋間を40分で移動できるとしても、全くの無駄な時間と言わざる得ない。



 輸送能力に対するニーズが減少する中、リニア新幹線の黒字化は難しいのではないか。その中でも補修費用はどんどん発生する。

 しかし最大の問題点は技術の方向が間違っているのではないかということ。従来新幹線の3倍のエネルギーを必要とし、1編成あたり従来新幹線の7割くらいの乗客しか運べないリニア新幹線、旅客機の3倍の燃料を必要として100席しかなかったコンコルドを思い出させる。リニア新幹線がコンコルドの轍を踏むのは明らかだ。

 それでは鉄道に未来はないのだろうか。そんなことはない。鉄道は旅行の手段だという原点に立ち返れば、切符の買えないカシオペアを見るまでもなく、将来は明るい。今は自分で運転して旅行に出かけている世代がやがて公共輸送手段を使うことになっていく。

 北海道という観光資源を持つJR北海道、安全でちょっと豪華な観光用列車を走らせれば必ず乗客は増えるはず。これから鉄道に要求されるのはスピードではない。サービス業としての鉄道事業を早急に再構築必要がある。残された時間は少ない、私にとってもだが、、、



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