男子たるもの常に危急に備えている必要がある。予想もできない突発事故が発生したとき愛するものを守るのは男の務めだ。そんな時、知力の限りを尽くして困難に立ち向かうのだが、それでもちょっとした道具があると易々と危機を脱することができることになる。
問題はどのような道具を用意しておけば良いかだが、当然ながらこれはあらかじめ分かることではない。危機はいろいろな形をとるのだから。まあそう言っていると話しにならないのだが、実は解はある。それは
「十徳ナイフ」
昔から想像力の限りを尽くしていろいろな機能を詰め込んだナイフが市販されている。おおよそ人生において起こりうる危機に対応できると言うことで当然ながら私も常に持ち歩いている。
最初に購入したのがビクトリノックス社製のスーベニア。もう25年も昔のことになる。十徳ナイフと言うにはちょっとシンプルだが、大小二枚の刃がついただけのもの。1975年、エベレストに女性として初登頂した田部井淳子が隊員全員にビクトリノックスの携帯を義務づけたのでも有名だ。

彼女は寝るときもスーベニアを首から下げているという。実際になだれの下敷きになった時、雪の重みで手が自由に動かない、しかも真っ暗な中でナイフをまさぐって、歯で刃をこじあけ、テントを切ろうとしたらしい。こういう場合軽くて簡単に取り出せることが重要だと言う。
この話に感化された私は、当然首からスーベニアをつるして東京まで毎日通勤したのだが、やはり機能が物足りない。それに都会派には少し大きすぎるので一回り小さい同じくビクトリノックス社製のクラシックを持ち歩くようになった、なにしろ爪楊枝や爪やすりまで付いているし。

それからはあれもこれもと十徳ナイフ遍歴が始まった。左は珍しいBE-PALのサバイバルツール。10年ほど毎日かばんの中に入れていたが、幸か不幸か一度も活躍の場は無かった。あとの二つはレザーマンのツールだがペンチが付いているというだけで購入。いずれもアクセサリーとして以上の使われ方はしていない。

ところでこの十徳ナイフに似て非なるものがある。それはソムリエナイフ。十徳ナイフに毛の生えたようなものがソムリエナイフなどという暴論もあるが、正確には十徳ナイフの毛が三本足りないのがソムリエナイフである。だいたい十徳ナイフとソムリエナイフとではそのコンセプトが正反対なのだ。

第一にソムリエナイフはワインのボトルを開けるというたった一つの目的のために存在している。それに対し十徳ナイフは森羅万象、無限の可能性を秘めていなくてはならない。
第二にソムリエナイフは実際の役に立つ。ところが十徳ナイフは決して役に立つことは無い。たとえば私の十徳ナイフのコレクションの中で実際に役に立ったのはビクトリノックス社のクラシックについている爪楊枝だけだ。爪楊枝をテーブルにおいていない場末のフレンチレストランでコーヒーを飲みながら歯に挟まったチーズのかけらを取り除くのに重宝したものだ。
スキーに出かけるときはやはりシンプルなスーベニアを首から下げていこうと思っている。クラシックなどを持っていって雪崩に巻き込まれたとする。急いで流れ止めを切断しなくては脱出できない。息も絶え絶えだが、かろうじて動く右腕でクラシックを探り当て、歯でナイフの刃を開いたら 、、、、、、、、 爪やすりだったという悲劇を避けることができるから。
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問題はどのような道具を用意しておけば良いかだが、当然ながらこれはあらかじめ分かることではない。危機はいろいろな形をとるのだから。まあそう言っていると話しにならないのだが、実は解はある。それは
「十徳ナイフ」
昔から想像力の限りを尽くしていろいろな機能を詰め込んだナイフが市販されている。おおよそ人生において起こりうる危機に対応できると言うことで当然ながら私も常に持ち歩いている。
最初に購入したのがビクトリノックス社製のスーベニア。もう25年も昔のことになる。十徳ナイフと言うにはちょっとシンプルだが、大小二枚の刃がついただけのもの。1975年、エベレストに女性として初登頂した田部井淳子が隊員全員にビクトリノックスの携帯を義務づけたのでも有名だ。

彼女は寝るときもスーベニアを首から下げているという。実際になだれの下敷きになった時、雪の重みで手が自由に動かない、しかも真っ暗な中でナイフをまさぐって、歯で刃をこじあけ、テントを切ろうとしたらしい。こういう場合軽くて簡単に取り出せることが重要だと言う。
この話に感化された私は、当然首からスーベニアをつるして東京まで毎日通勤したのだが、やはり機能が物足りない。それに都会派には少し大きすぎるので一回り小さい同じくビクトリノックス社製のクラシックを持ち歩くようになった、なにしろ爪楊枝や爪やすりまで付いているし。

それからはあれもこれもと十徳ナイフ遍歴が始まった。左は珍しいBE-PALのサバイバルツール。10年ほど毎日かばんの中に入れていたが、幸か不幸か一度も活躍の場は無かった。あとの二つはレザーマンのツールだがペンチが付いているというだけで購入。いずれもアクセサリーとして以上の使われ方はしていない。



ところでこの十徳ナイフに似て非なるものがある。それはソムリエナイフ。十徳ナイフに毛の生えたようなものがソムリエナイフなどという暴論もあるが、正確には十徳ナイフの毛が三本足りないのがソムリエナイフである。だいたい十徳ナイフとソムリエナイフとではそのコンセプトが正反対なのだ。

第一にソムリエナイフはワインのボトルを開けるというたった一つの目的のために存在している。それに対し十徳ナイフは森羅万象、無限の可能性を秘めていなくてはならない。
第二にソムリエナイフは実際の役に立つ。ところが十徳ナイフは決して役に立つことは無い。たとえば私の十徳ナイフのコレクションの中で実際に役に立ったのはビクトリノックス社のクラシックについている爪楊枝だけだ。爪楊枝をテーブルにおいていない場末のフレンチレストランでコーヒーを飲みながら歯に挟まったチーズのかけらを取り除くのに重宝したものだ。
スキーに出かけるときはやはりシンプルなスーベニアを首から下げていこうと思っている。クラシックなどを持っていって雪崩に巻き込まれたとする。急いで流れ止めを切断しなくては脱出できない。息も絶え絶えだが、かろうじて動く右腕でクラシックを探り当て、歯でナイフの刃を開いたら 、、、、、、、、 爪やすりだったという悲劇を避けることができるから。
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