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電気時計と電波時計と東日本大震災

 我が家では電気時計を愛用している。これが震災後大きく揺らいできた。

 昔からある電気時計は商用電源を使っていて、表示に発光ダイオードをつかっていることが多く、夜中でも見やすいので愛用してきたのだ。

 最近は精度の高い電波時計が主流のようだが、この昔からある電気時計も精度では劣ることは無い。電気時計は商用電源の周波数を基準として使っている。では商用電源の周波数はそんなに正確なのかというと、実に驚くほど正確なのである。こんな資料がある。

 商用電源の周波数は,瞬時で 60.0±0.1 Hz 以内,1時間あたりで 60.00±0.01 Hz 以内,1か月あたりでは 60.00000±0.00001 Hz 以内になるように自動制御されている(1か月あたりの電気時計の狂いを1秒以下にすることが目標)。
 中部電力の資料より(1992年12月)

 つまり周波数そのものは0.1%ほどの大きな誤差があるが、電気時計の狂いを1秒以下にするように一ヶ月での積算サイクル数が制御されていたのだ。

 ところが今回の震災後、周波数の制御が出来ていないようだ。これが震災3日後の電気時計の表示と電波時計の表示を比較したもの。

電気時計と電波時計

 1分20秒の誤差が発生している。もう一台の電気時計も同じ時刻を表示していたから電源周波数の制御がうまく出来ていないと考えてよいのだろう。

 その上、計画停電などと言われると、停電のたびに時刻あわせをしなくてはならないわけで、そんな面倒なことはやってられないと、我が家の電気時計は全て電源オフ。電波時計の天下になってしまった。

 しかし、、、、なにかおかしい。電波時計がうまく標準時を受信していないのだ。セイコーの置時計もシチズン腕時計も受信していない。

 震災の影響は電波時計にも及んでいた。

 電波時計のための電波は国内では2箇所から送信されている。一箇所は九州にあり、もう一箇所が福島にある。この福島県大鷹鳥谷山の送信所が福島第一原発の20キロ圏内にあり、送信を停止しているのだ。

 九州の送信所のサービスエリアは神奈川が北限だが、残念ながら我が家のちょっと古いセイコーの置時計もシチズンの腕時計も受信できないようだ。

 文明とはなんと脆弱なものと感慨に浸っていたら、こいつは元気に動いていた。

GW-M5600

 映画「スピード」でキアヌリーブスが着用していたカシオのG-Shock。これの電波時計版GW-M5600を愛用しているのだが、こいつはちゃんと受信している。さすがタフソーラー、アルファ腕時計に昇進である、、、、、、、




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計画停電と非常用電源

 少し前まで薄暗い車庫の中で不遇をかこっていたインバーターが、今、客間で大きな顔をしている。計画停電の最中、部屋の照明とテレビを見せてくれるのだから当然の待遇とは言える。

 ここで言っているインバーターとはバッテリーからAC100Vを発生する装置だ。東電から電気が供給されている間にバッテリーを充電しておき、停電になったらバッテリーから100Vの電気を得ることが出来る。

 使っている正弦波インバーターは350W出力のCOTEK社のSK350-112。これに100Ahのバッテリーを接続し、バッテリーそのものはやはりCOTEK社のPB-1210というバッテリーチャージャーで深夜に充電している。

正弦波インバーター

 これらの機器はもともとPCのファイルサーバー用の無停電電源として使っていたのだが、計画停電に伴う目的外使用ということになる。

 バッテリーが100Ahあるということは1200Whということだから、400Wの電力を3時間使うことが出来るということだ。居間、廊下、居室の天井に40W相当の明るさという消費電力6WのLED電球を取り付けたが、ファイルサーバーと共用してもあと200Wは使える。
 
 そこで消費電力75Wと表記してあるSONYのブラウン管テレビに接続し、スイッチを入れたらいきなり保護回路が働いてしまった。うむ、思ったより電源投入時のサージ電流が大きいようだ。(インバーターの耐サージ電力は700W)一秒ほど保護回路が働いて後は普通にテレビを見ることが出来るのだが、この電源の瞬断はファイルサーバーにとっては致命的。もともと雷などで東電の電気が瞬断しても良いようにと導入した電源バックアップシステムだからこれが瞬断するようでは困るのである。

 ただし、最近の地デジ対応のテレビはあまり大きな突入電流が流れることも無く、快適に見ることが出来る。

 そんなわけで安全のためファイルサーバーは計画停電の間はシャットダウンし、発生した電力をテレビとPCとモデムに振り当てるという、全く本末転倒な使い方をしている。

 そうそう、これらのシステムを車庫から客間に移したのは、不確定な電力消費に対応するため、充電状態を頻繁に確認したいためである。お陰で客間にバッテリーの匂いが充満し、本来だと顰蹙を買うところだが、停電の最中でもテレビが見られるということで我慢してもらっている。

 最近、気温の上昇と共に計画停電の実施が見送られることが多い。インバーターシステム一式を、また車庫に戻そうか思案しているところである。


注記

インバーターには正弦波型と矩形波型とがある。矩形波型は安価だが、接続した家電製品を壊すことがあるので、正弦波型を使うことをお勧めする。




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映画、ミックマック

 最近の目黒シネマは日本映画が多く、外国のミニシアター系の映画が流れてくるのを待っている私としては出番が少なくなってきた。そこに、ミックマックとリトル・ランボーズの二本立てがやって来た。出かけざる得まい。

 ミックマックはフランス映画。あのアメリの監督の作品だがテイストはだいぶ異なる。

 主人公のバジルは、父親をモロッコの戦場で亡くし施設で成長していくことになる。成人したバジルはビデオショップで働いているが、街中での銃撃戦のとばっちりで頭に銃弾を受けてしまう。銃弾を取り除くと植物人間になってしまうということで、頭に銃弾を残したまま退院したバジルを待っていたのは職も住居も失ってしまったという現実だった。

 そんな彼を助けてくれたのが、廃品置き場に住み着いている個性的な人たち。彼らの力を借りて、父親を奪った地雷を製造したメーカーと、自分の頭に残っている弾丸の製造メーカーに対し復讐を仕掛けるのである。

ミックマック

 ミックマックはフランス語でいたずらという意味があるらしい。巨大な軍需産業への復讐に銃ではなく、色々な仕掛けをして、、、、、というのがあらすじ。

 この映画、軍需産業への復讐劇だが、殺伐としたところは微塵も無い。フランス映画らしいエスプリが効いていて、笑える小さなエピソードがたくさんちりばめられている。

 詩人のランボーが会話に出てくるが、彼も武器商人だったなどというエピソードもくすっと笑える。そして、二本立てのもう一本がリトル・ランボーズというのも、成る程、駄洒落かと納得したりする。

 美術も、映像も監督としてこんなことをやりたかったのだろうな、という映画に仕上がっている。ちょっとした息抜きにお勧めの映画だ。



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