Kuniのウィンディ・シティへの手紙

シカゴ駐在生活を振り返りながら、帰国子女動向、日本の教育、アート、音楽、芸能、社会問題、日常生活等の情報を発信。

美しい自然保護地区、Prairie Crossingというコミュニティ

2015-07-18 | Weblog
私がシカゴで滞在するのは、シカゴ郊外北部のGrayslake市のPrairie Crossingという自然保護地区の美しいコミュニティの中のコンドミニアム。

1992年アメリカの通信社のシカゴ支局で記者をしていた時、知り合ったアメリカ人の親友ベスとパートナーのマットが住んでいる。
親友といってもお姉さんのような存在のベスなので、「ベスねえ」と呼んでいる。
当時シカゴのダウンタウンのスタジオを借りて、勤めた通信社に日本人はいなくて、夜になると孤独だった私に「部屋をシェアしないか」とベスが誘ってくれた。
ベスはダウンタウンのレンガ造りの素敵なタウンハウスに住んでいて、家賃も安かったのですぐに引っ越し、そこから通信社のオフィスがある先物取引で有名なシカゴマーカンタイル取引所に通った。
8年後に偶然うちの駐在もシカゴになり、ベスとの交流も復活したというわけ。
つくづくシカゴとは縁があったんだなと思う。

到着の夜中は時差ぼけでウトウトして、鳥のさえずりで目を覚まし、なかなかほかほかのベットから立ち上がれない。
早朝ボーッとした頭でいたが、オーガニックの野菜サラダにマット特製のギリシャ風ドレッシングをかけ、大好きなTrader Joe’s (通称トレジョー)のオーガニックのココナッツオイルをトーストにつけて食べたら、体が浄化されたみたいに元気になってくる。

オーガニック野菜はJewelなどの普通のスーパーに売っているという。
7年前はオーガニック専門店のWhole Foodsで買ってたよなあ…いろんなことが変わっているらしい。

トレジョーのコーヒーにマットオススメのトレジョーの南米産の天然スイーツのsteviaというのをレモンいりの水に数滴垂らして飲んだら、眠気がすう~と消えて、コンドミニアムから見下ろす木々の緑と水色のだだっ広い空を見上げていたら、やたらエネルギーが出てきた。
今日はおそらく昼間猛烈な眠気に襲われるかもしれないので、この美しいコミュニティの自然の草原の中を散歩することにした。

マットの話では、このコミュニティの家々は小さなサイズの部屋が多く、小ぶりらしい。



conservation community (自然保護地区)という珍しい町で、保育所や小学校、牧場や畑などがある。
自然を守るために、あるいはエネルギーや天然資源を節約するために設けたさまざまな規制は守らなければならないが、自然を愛する人々でコミュニティを作っている。



各家々のフロントヤードは美しく花や植物が配置され、プレイリーという名のごとく自然の植物があちこちに広々と茂り、家々ときれいなコントラストを描いている。





おそらく大草原の自然な姿を保ちながら、家々をうまく配置し、道路や公園を築いて行ったのだろう。
コミュニティ内に美しい公園も10個ぐらいあり、バレーコートやテニスコートも隣接されている。
様々な見たことがないような形態の小さな鳥たち。
鳥のさえずりとさやさやと木々を揺らす風の音。
懐かしい芝生を刈る音。
こりゃまさに楽園だわなあ…と心の中でつぶやく。



大好きだったお目あての湖を目指して、突き進む。
シダや葦などで囲まれた湖は、大きなビオトープって感じ。





小さな魚たちがうじょうじょいる。
以前ここで泳いだときに、魚に足を噛まれて痛かった。

砂浜には8羽のカナディアンギース軍団と小さなボートやヨット。



カナディアンギースには近づかない。
昔幼児の次男と襲われそうになった経験から。
私が湖に来たときは、女の人が1人台で日光浴をしていたが、その人がいなくなったら、8羽のギースたちが我が物顔に湖を泳いだり、ビーチで毛づくろいしたりとせわしなく動く。



こんな美しい湖と景色が日常とともにあるなんて、なんと贅沢な生活なんだろう。
季節のいい時期は、毎日が避暑地。




以前ここにきたときにそう思ったが、日本に住んでいる身としては、ますますその思いが強くなる。冬の寒さは想像を絶するし、風も「ウインディ・シティ」の異名を持つシカゴのダウンタウンよりすさまじく強いらしいから、自然の良さ悪さを常に意識させられる場所といえる。

シカゴオヘア空港到着!

2015-07-18 | アメリカ生活雑感
久しぶりの長時間の国際線は映画1本観て本を読んだり、仮眠とったらあっという間。
かつて駐在していた時のように、飛行機がシカゴの地へ着いた途端、別世界が広がる。

当たり前だが、シカゴオヘア空港は、日本人以外の人種の人々と表示も流れる言葉もすべて英語。
入国審査のブースに入る時も身構えた。
自分で手続きをするブースがいくつもあり、昔と変わっていることにびっくり。
おそらくアメリカに住んでいる人、Residents用だろう。
どのブースなのか聞こうとして、とっさに英語で言いたいことがでてこないと戸惑っていたら「ESTA, for the first time?」と聞かれたので、すぐにブースに入れた。
ESTA(エスタ)とはアメリカに入るためのビザのようなもので、インターネットでお金を払って申請すれば一瞬で取れるので、昔のように大使館でビザを取る手間が省けて便利。

「しまった!カブスかホワイトソックスの帽子を持って来ればよかった」と一瞬後悔。
駐在時は、カブスファンかソックスファンというのがわかると、途端に入国審査官との会話がはずんで、フレンドリーになりいい感じで入国できたから。
今回はキレイな金髪のお姉さん相手だったが、えらく仏頂面。
事務的に聞かれて指紋と顔の照会終わり何事もなくホッとした。

荷物の受け取りでは、私のスーツケースは他の人のに比べてあまりに小さくてびっくりした。
自分では結構必要ないものも入れて重くなったと思ったのだが、8キロぐらい。

到着ロビーに誰もいなくて心細かったけど、30分ぐらい待ったらマットが来てくれてホッとした。6年9ケ月ぶりに見るシカゴのハイウエイからの風景は、昔と変わらず、懐かしい芝生が広がる。

いざ、シカゴへ里帰り!

2015-07-17 | アメリカ生活雑感
現在成田国際空港なう。
搭乗始まっているので大急ぎで書いています。
これからシカゴへ飛びます。
約7年ぶり。
故郷へ戻る気分。
次男は来週1人でシカゴへきます。
念願でした。

シカゴでも時々投稿できればと思います。
WiFiレンタルしないので、メールもブログ投稿もままならないかもしれませんが。
8月5日に戻ります。

US新聞に早川俊二展レビュー記事掲載!

2015-07-01 | アート
大変お待たせしました。

今週早川俊二長野展のレビュー記事がUS新聞の私のコラムに掲載されたので、お知らせします。
http://www.usshimbun.com/column/Baba2/Baba2-4.html


同僚の友達もさいたまから新幹線で行ってくれた。

藤原真理コラボコンサートの様子や藤原氏と早川氏のミニ対談、読売新聞編集委員芥川喜好氏の講演会など詳しくリポートしていますので、ぜひ読んでください。

早川俊二長野展は先月末大盛況のもとに終了。
地元のテレビ信州、信濃毎日新聞、週刊長野、市民新聞などが続々報道し、観客数も徐々に上昇。



後半は毎日新聞のウェッブのコラムでも紹介されたり、読売新聞の人気コラム「時の余白に」でも大きく取り上げられ、全国から足を運んだ観客動員数を大幅に増やし、市民の手作りによる大成功の展覧会になったそうです。

http://mainichi.jp/feature/news/20150623org00m070004000c.html


長野早川俊二展開催!~チェリスト藤原真理コラボコンサート大成功~その3!

2015-06-15 | アート
芥川氏の講演会の記事は後日詳しくレポートし直すとして、注目の6月6日の藤原真理コラボコンサートをレポートしよう。



藤原真理氏は日本を代表する世界的なチェリスト。
チェロの女王とも呼ばれ、フランスのバイオリニスト、ジャン=ジャック・カントロフ、メンデルスゾーンの子孫であるルーマニアのビオラ奏者、ウラディーミル・メンデルスゾーンという2人の巨匠と「モーツァルト・トリオ」を組むほどの実力の持ち主。

最近ではNHKの大河ドラマ「八重の桜」のエンディング・テーマソングを坂本龍一と共に演奏。
クラシックはもとより、宮沢賢治へのオマージュと幅広いジャンルで活躍している。

その藤原真理の演奏が早川絵画に囲まれた静謐空間に流れるという夢のような贅沢極まりないビッグイベントがついに実現した。

コンサート会場は北野カルチュラルセンターの1階で、早川絵画ファンと共に藤原真理ファンも全国から駆けつけたようで、このジャンルの違う芸術のぶつかり合いがどういう化学反応を起こすか興味津々といった面持ち。
2階は吹き抜けになっていて、2階にいる人々もコンサートの音が楽しめるような構造になっている。
ベートーベンの『モーツァルトの歌劇「魔笛」の主題による7つの変奏曲』から始まった。
コンサートホールのように演奏者が段上ではなく、小さなスペースで観客と同じ床で演奏するので、その透き通ったチェロの波動が直接私たちの体に響く。

世界の藤原真理が手の届く場所にいるという高揚感もあり、いつものコンサートより迫力を感じる。
藤原氏の背景に見えているのは、早川氏の初期の暗い重々しい絵の具のまだ発展途上だった女性像。
その女性像のイメージの残像が2009年の洗練された女性像と重なり合って、穏やかなチェロの音色と呼応し合う。



藤原氏を囲んだ早川絵画の女性像が呼吸し、空間に漂い、その無数の色彩の渦が舞っていくかのようだ。



早川絵画とのコラボの頂点はやはり「バッハ無伴奏チェロ組曲」。
一台のチェロという楽器が奏でる無限の広がりを感じされるような音の宇宙が生み出されるため、この曲は「チェリストたちの金字塔」と言われる。

1978年第6回チャイコフスキー国際コンクールで2位入賞した藤原氏は、この「バッハ無伴奏チェロ組曲」の録音で文化庁芸術祭作品賞を受賞。
藤原氏にとっても特別な曲らしく、毎年自分の誕生日にはこの曲を演奏する。



そして、元々この曲を敬愛し、長年さまざまなチェリストの演奏を聴き続けてきた早川氏。
藤原氏のコラボコンサート開催が決まって以来、藤原氏の「バッハ無伴奏チェロ組曲」を聴きながら、ある種のインスピレーションを得て、創作に没頭したという。

3月のメールで早川氏は、「伝わってくる音色の小さな波動と大きな波動が聞こえてくるようだ。自分の絵がそれと同じように、光の波動が二重に発散するような絵を描きたいと思っている」と記している。

私が感覚的に藤原氏のチェロの音色と早川氏の絵画の印象が重なり合うのではないかと思ったのは間違いなかったように思う。
このときの感覚はうまく言葉では言い表せないが、絵画と音楽の融合による無限の宇宙への広がりは増幅され、崇高な光が発せられたかのような瞬間が各観客には訪れたのではないか・・・

藤原氏も静謐な絵画空間に囲まれ、気持ちよく演奏できたようだ。



具体的な藤原氏と早川氏の感想と演奏写真などはUS新聞に掲載予定なので、ぜひ後日読んでほしい。

この項追加します。








読売新聞編集委員芥川喜好氏、早川俊二氏を日本近代美術史上稀有な作家と絶賛!!~その2

2015-06-14 | アート
長野の早川俊二展の続きで、世界的なチェリスト藤原真理氏の6月6日のコラボコンサートをフォーカスして書こうとおもっていたのだが、とんでもない速報が入ってきたので、取り急ぎお知らせします。

昨日6月13日、読売新聞編集委員芥川喜好氏の講演会での発言。



いまだに興奮冷めやらずって感じのことを芥川氏は淡々とした口調で言ってのけたのだ。
最初は雑談風の話で、私は写真を撮るのに専念していたら、いつの間にやら日本近代美術史における早川俊二の立ち位置にまで発展していき…

かいつまんで言うと、早川氏のパリでの42年間の修行は、過去も現在も含めて他の日本作家が成し得なかったとてつもないことなんだそうだ。
あの浅井忠しかり、小出楢重しかり、そして岡鹿之助も早川氏にはまったく及ばないと。
みな欧州に行って何年か滞在して修行するが、途中であきらめて、日本へ帰国していたと。
「(早川氏は)稀有の人である。驚異の人、比類ない、空前絶後の人である」と断言。
この言葉を何回か繰り返すほどだったので、これはもう「巨匠になるべき人」と断言したようなものじゃないか!



いやあ、びっくりしたなあ。
芥川氏は長年読売新聞で美術記者をやってきて、11年続いた「日本の四季」で日本記者クラブ賞受賞、現在は読売新聞の人気コラム「時の余白に」を執筆中という美術界では影響力のある書き手。
その人がここまで早川氏を評価しているとは!
私も前にUS新聞で「巨匠になるのを感じさせるような作家」と書いたけど、その直感は正しかったのかもと1人でジーンと感動に浸っていた。



講演会には、早川氏を見いだしたアスクエア神田ギャラリーの伊藤厚美氏とその才能を最初に評価し、月刊美術に記事を書いた群馬県立近代美術館長の井出洋一郎氏もいて、久しぶりに3人で再会を喜んでいた。




この講演会は録音したので、後日藤原真理コラボコンサートとともにもう少し詳しく投稿します。




早川俊二展開催!~長野の北野カルチュラルセンターにて~その1

2015-06-10 | アート
週末長野の北野カルチュラルセンターでの「早川俊二 遥かな風景の旅」展に友達と行ってきました。

なんて表現したらいいのでしょうか・・・

早川絵画から生み出される不思議な力強い磁力によって、私たちの身体と心が美術館の空間と一体化し、目に見えない風となり、それが小さな竜巻のごとく体中を駆け巡っているような感じ。
しばらく足が宙に浮き、体がフワフワしていたような高揚感。
とにかく言葉が見つからないほどよかった・・・



今まで数年おきに狭いスペースのアスクエア神田ギャラリーでの作品発表で、そのたびにファンが広がり、コツコツ実績を積み上げてきたパリ在住の作家が早川俊二。
決して既存の美術団体には所属せず、日本での商業主義的なものから離れ、パリに住み続けて40年という独立独歩の道を選ぶ。



24歳で渡欧し、本場のミケランジェロやダビンチの西洋絵画の名作に衝撃を受け、黙々とデッサンに励み、20代はデッサンを確立するのに費やす。
自分なりの絵具の色を探し求めて、その色を探求し続けた30代。
その後もとほうもない時間を美の普遍性の創造に費やしてきた。
私たちには想像もつかない40年間の日々の努力の成果がこの回顧展には結実しているといえよう。
この展覧会は、3年前に長野で生まれ育った早川氏の同級生が中心となって、全国のファンを中心とした人々に呼びかけ、500人もの市民の協賛金や作品のカレンダーやハガキなどの収益金で開催された。
市民による手作りの稀有な展覧会であるといえる。

さて、展覧会の会場である北野カルチュラルセンターは、善光寺境内の参道から続く道に位置し、和情緒溢れる環境の中、3階建のクリーム色のモダンな建物が人々の目を引く。
この建物の1階から3階までのスペースが早川氏の人物画の大作や静物画の小品で埋め尽くされ、日本でのデビュー以来の63点もの作品が展示されるという贅沢な異空間となっている。



1階はデッサンの大作や1997年の名作「アフリカの壺」を含む初期の作品で始まり、私が1992年ジャパンタイムズの取材で取り上げた「右向きのアトランティック」という作品に23年ぶりに再会した。
水色を基調とした厚いマチエールでアトランティックという少女を立体的にテンペラ画風に重厚に描かれた作品は衝撃的だった記憶がある。



23年もの月日が経っても今だに変らない存在感を感じさせるこの少女とひとしきり対話でき、ある種の懐かしさを覚えた。

2009年の前回のアスクエア神田ギャラリーでの個展では、神々しい女性像の大作群が反響を呼び、読売新聞や月刊美術などでも大きく取り上げられ、私もUS新聞にインタビューを含む長い展覧会レビュー記事を書いた。その時の大作が1階と2階に数点展示されている。
人物像から発する神秘的な光によってか、風景へと通じる宇宙観も感じられる。
みずみずしい透明感に満ち、聡明できりりとした女性像と宗教画に出てきそうな穏やかな表情の女性像の対比が私たちを惑わせる。



その横には、早川夫妻の愛猫が愛らしくまどろんでいる。



年々早川氏の絵画技術は向上しているのだろうが、2009年の個展以前の作品も秀作ぞろいだ。

一緒に観ていた女友達と私が一致して気に入ったのが、1998年の「着衣するVera ・ Ⅱ」という幻想的な作品。



夢の中でゆらめく女性像が私たちの心の奥にしまっておいた母性のような何かを解放し、引き出してくれる。
たおやかな女性像は観るものの心に自然に同化し、私たちの心身をすっぽりと包みこんでいく。

一つの宇宙観を奏で、空気感をはらむ静物画も私たちの気持ちを落ち着かせる強い魔力を持つ。
そして、早川俊二の作品を観た者は、自分の精神を解放し、自分なりの解釈を考え、それぞれの言葉を紡いでいく。
そう、誰もが自分の感性を研ぎ澄ませた詩人にもエッセイストにもなれるのだ。
それが早川絵画の最大の魅力ではないだろうか。

この投稿に写真追加します。












早川俊二展ポスターとチラシ写真

2015-05-21 | アート



早川俊二展6月4日より長野にて開催!~藤原真理チェロコンサートのコラボイベントも

2015-05-21 | アート
お久しぶりです!新緑のいい季節で清々しい!
フェイスブックやLINEばかりに目がいって、ブログをさぼりにさぼって、久しぶりにブログ見たら、1年半ぐらい書いてなくて愕然。
大事なお知らせがあるのに、うまく筆が進むんだろうか・・・

いよいよ待ちに待ったパリ在住画家、早川俊二氏の大規模な展覧会「早川俊二の世界 遥かな風景の旅」が6月4日(木)より長野の北野カルチュラルセンターで開催される。



前回の投稿で書いたような経緯で、早川氏の同級生を中心とした450余名の市民による協賛と支援でこの展覧会は支えられている。
開催地は早川氏の故郷長野であるが、全国各地の早川ファンは、新作20点とデッサン1点含む65点もの珠玉の作品群が現れるのを今か今かと心待ちにしているであろう。



6月6日(土)7日(日)の2日間は、なんと世界的に有名なチェロの女王と呼ばれる藤原真理氏のコンサートもコラボイベントとして展覧会場で開催される。
幻想的で静謐な早川絵画空間に藤原氏の透き通ったチェロの音色が流れると、私たちの体と心がどういう化学反応を起こし、どんな感覚で満たされるのか・・・

なお、6月13日(土)に讀賣新聞編集委員で人気コラム「時の余白に」執筆者の芥川喜好氏の講演会もある。
芥川氏は早くから早川氏の稀有な才能を評価し、ときおり新聞や雑誌の記事でとりあげてきた。
今までにない話も聴けるというから、絶対見逃せない講演となるであろう。

早川氏はすでに結子夫人と帰国し、展覧会の準備をしながら体調を整えている模様。
会期中は毎日会場に二人で待機しているようなので、ファンの方々もこの機会にぜひ早川氏に一声かけられたらどうだろう。
私も初めてのビッグな早川絵画の世界へ向かって、どんな出会いが待っているか今からドキドキしてきている。



「早川俊二の世界 遥かな風景への旅」展は、以下の国内4ヵ所で巡回される。

◆ 長野展: 北野カルチュラルセンター 2015年6月4日(木)-6月28日(日)10:00-18:00 月曜休館
TEL: 026-235-4111
藤原真里チェロコンサート 6月6日(土)15:00開演、6月7日(日)15:00開演
芥川喜好氏講演会 6月13日(土)15:00開演

◆ 札幌展: HOKUBU記念絵画館 2015年7月16日(木)-10月4日(日)10:00-17:00 月、火、水曜休館
TEL: 011-822-0306

◆ 新潟展: 砂丘館 2015年10月30日(金)-11月29日(日)9:00-21:00 月曜休館・祝日の場合は翌日
TEL: 025-222-2676

◆ 酒田展: 酒田市美術館 2016年1月5日(火)-1月26日(火)9:00-17:00 月曜休館・終日の場合は翌日 TEL: 0234-31-0095

♦︎ 早川俊二長野展実行委員会事務局 TEL: 026-268-0333 FAX: 026-268-0336
Email: info@shunji-hayakawa.com

早川俊二長野展URL: http://www.shunji-hayakawa.com

♦︎ 早川俊二国内展事務局 アスクエア神田ギャラリー内 TEL: 03-3219-7373 Email: kanda-gallery@asquare.jp


ポスターとチラシの写真がいい大きさにならないので、次の投稿にそのまま写真を入れておきますので、ご堪能ください。






早川俊二展2015年に長野、札幌、新潟で開催!~2014年度カレンダー好評発売中

2013-12-21 | アート
今日は、パリ在住の画家早川俊二氏の日本での展覧会が2015年に3ヵ所で開催されるといううれしいニュースを報告したい。
新作はもとより過去の主要な大作の人物画や小品の静物画が集められ、6月の長野を皮切りに、札幌、新潟へと巡回されるという大規模な展覧展となる。
今まで早川氏はアスクエア神田ギャラリーのみで数年ごとに新作を発表してきたので、このような大規模な個展は初めての試みであり、早川ファンにとってこの個展は絶対逃せないであろう。
2009年のアスクエア神田ギャラリーでの個展の大作展の作品の一部はこれ。


「まどろむAmery-2」油彩 2008年


「まどろむAmery-1」油彩 2009年

長野展は北野美術館別館(北野カルチュアルセンター)にて2015年6月4日から28日まで、札幌展はHOKUBU記念絵画館にて2015年7月16日から10月4日まで、そして、新潟展は、砂丘館にて2015年10月30日から11月29日までという予定。
もしかしたら、3ヵ所回る熱狂的なファンも現れるのではないか。


去年この展覧会のことで一時帰国し、銀座でお会いしたときの早川氏

去年12月に銀座で早川氏からこの展覧会の詳しい内容を聞いたとき、早川氏は初めての大規模な個展に興奮した面持ちだった。
2010年11月に崇拝するミケランジェロのデッサン展をウイーンのアルベルチーナ美術館で観て、大きなインスピレーションを得て、自分の作品に取り組もうと思った矢先に、2011年3月の東日本大震災によって、被災した友達のことを考え、パリにいる自分自身も混乱状態に陥り、一時期作品に向かえなくなったという。
その状態は2012年春まで続き、夏ぐらいから創作意欲がわいてきて、「試行錯誤で絵具をつけたり消したりして、一段上がってこれならいける・・・ミケランジェロ(のデッサン)から得たオーラみたいなものが油絵にでてくるかという感触がでてきた」と去年の取材のときに語っていた。
しかし、この1年は展覧会にからむさまざまな雑用でまったく作品はできなかったらしい。
だが、「常に絵のことは頭から離れない。絵の具を閑があれば、つけては消してつけては消すという作業をして、イメージしている。そうするとだんだん見えてくる。蕪とか(に色を)つけている」と言う。
「いつも前回(前の展覧会の作品)できなかったところをやろうと心がけている。今現在の絵が見えない・・・一つ一つ解決しながら上に上がっていく。そういうものが芸術だと思っている」と熱く語る。
「日本の美術とは様式を作って完成する。琳派なら琳派の様式をコピーすれば絵ができる。でも僕は様式を作ることを拒む」ときっぱりと宣言する。
「ミケランジェロとかセザンヌとか世の中に芸術の世界を示した人たちに一歩でも二歩でも近づきたい」と言う。
ミケランジェロのデッサン展以来、そのとてつもない感動に値した作品には出会っていないという。
今は現在やっている好きな作家、ブラック展を観に行くのを楽しみにしているらしい。

この展覧会開催の発端は、長野出身の早川氏の同級生を中心に賛同して、昨年の7月に実行委員会が作られ、着々と準備が進められている。
美術と関係のない一般の人々が立ち上がって、展覧会の企画開催をして同級生である早川氏を励ますというめずらしい展覧会。
「俊二君は今もこれからも絵具をつくり、キャンパスに向かい物質の存在を追求していく。そんな哲学に定年などあるはずもない。そんな毎日から休ませてやりたいのです。そんな俊二君を生まれ育った信州長野に呼んで励ます会をやりたいんです。小さい頃から俊二君に絵の具を与え続けたおふくろさんの努力をたたえたいんです。」という同級生の強いよびかけが、去年8月の「早川俊二長野展会報No.1」の1ページ目に書かれている。

展覧会の資金は実行委員会やファンなどのカンパで、また資金の一部は、2014年度の早川作品のカレンダーやポストカード、一筆賤販売の収入でまかなわれる。
早川ファンの方はこの機会に吸い込まれるような美しいカレンダーを購入して、早川氏の展覧会をサポートしていただければと願う。



展覧会とカレンダーなどのグッズの購入の仕方は、早川俊二オフィシャルサイトにでている。
ここには2009年の早川氏の個展の際に私が書いたUS新聞の個展レビュー記事もプロフィールの欄にでている。

http://www.shunji-hayakawa.com/