小田原にいると自然の美しさに感動することばかりではない!
驚いたことは、さまざまなイベントの多さ。
毎週末何かのお祭りがあちこちで行われ、「私たち市民はいったいどこに行ったらいいの!」とうれしい悲鳴を上げることに・・・
昨日はその小田原の大きなイベントの一つとして定着してきている「小田原城ミュージックストリート」の一部を取材してきた。
平成19年に誕生し、今年で5回目となり、100組以上のミュージシャンが出演するという神奈川県下最大の野外音楽イベントに成長。
去年は10万人もの来場者を集めたという。(文化政策課「小田原城ミュージックストリートについて」より)
今年も秋のさわやかな青空のもと、小田原駅東口周辺と小田原城址公園内の11カ所で、さまざまなミュージックのパフォーマンスが繰り広げられた。
小田原城址公園ではオダワラ・フード・フェスタや北條六斎市という大骨董市もドーンと広げられ、音楽と食べ物が混然一体となった超巨大空間が野外に出没!
まさに小田原の人々の熱気に圧倒された一日であったといっても過言ない!
このミュージックストリートの取材は、小田原市文化政策課が主催する文化情報紙制作ワークショップの実践編。
ワークショップの講師は、アートディレクターとして長年活躍されている芹川明義氏で、初心者向けの制作ノウハウを伝授するという市民にとって夢のような企画。
「小田原市やってくれるわぁ!!こういう企画って少ないんじゃないか!」と飛びついた私。
芹川氏はユーモアあふれる話術と高度なプロの写真技術、企画力、編集力、取材力、文章力で、講義を聴いているメンバーを鼓舞する。
というわけでみんなで小田原市の紫色の腕章をつけて正々堂々と正式取材に突入!
北條ポケットパークにて、一人のミュージシャンの演奏が終わるや否やみんなで囲んでインタビュー。
美しいプロのゲストインタビュアーが、最初に質問のお手本を披露する間、みんな一斉にメモをとる。
その後、3、4人のグループに分かれて取材に行く。
私たちのグループは情緒あふれる城址公園へ。
あちこちでギターをかかえたボォーカルたちを見る輪や店の前に小さなステージができている。
中には飛び入りでパフォーマンスするグループあり、その横でうれしそうに応援しながらビールを飲み干す友達あり。
城址公園のおいしそうな全国からの屋台を横目に、奥の水の公園というお堀横の巨大な車でできたステージをめざす。
そこでパフォーマンスをしていたのは、なんと<2人の人間+1頭の雌馬>。
いや馬のかぶり物をしていたのは、おそらくうら若き美しい女性であろう。
なんともったいない!
ボォーカルとみられたロンゲのサングラスをした男性は、黒い大きなカーボーイハットをかぶりウエスタンな装い。
もう一人の女性は真っ黒のドレスに身を包む。
なんとも表現のしようのない不思議な組合せのこの3人は、バラエティを売りにした米々クラブをどことなく彷彿させる。
観客もその奇妙な取り合わせからかもしだされる独特のオーラに引き込まれ、パフォーマンスが終わってもじっと彼らを見ている。
もうこれはインタビューするっきゃない!
CDをみんなが買いはじめたので、私たちはひたすら待つ。
その間そのまか不思議なお馬ちゃんが来てくれたので、インタビューを申し込んだが、首を振るだけで、何もしゃべってくれない・・・
うーん、こんなミュージシャンもいるのか・・・
以下、インタビュー内容を簡単に記す。
彼らのグループ名は「TOPLESS(トップレス)」で、海賊がテーマのコスチュームを身にまとい、小田原出身の「プリケツ船長」、同じく小田原出身の「とらわれの姫」、現代アートから抜け出てきたようなシュールな雌馬ちゃんは「非常食」というメンバーなんだそうな。
我々観客はクルーというイメージらしいから、一緒に音楽を楽しもうという感じなのかな。
メンバーの入れ替えはあったらしいが、このスタイルになって4、5年。
まだインディーズだが、4、5本都内を中心にライブ活動を行い、「うたげロック」という音楽をベースに、メジャーデビューをめざしているそうだ。
今回はこのイベント初参加で、私たちは写真も撮り、ブログ掲載許可をいただいた。
ちなみに、船長さんこと平城ケン氏はイラストレーターでもあり、トップレスのイラストがかわいい!
TOPLESSのHPと船長のブログは、 http://topless-web.com/ http://gree.jp/topless
お城を背景にトップレスにポーズをとっていただいた そのアンバランスなとりあわせに絶句!
こういうユニークなミュージシャンやごくごく普通の庶民的な音楽家などが総動員して、小田原城ミュージックストリートを盛り上げている。
このトップレスを知ってしまい、私たちのテンションは上がる一方。
一気にダンスを見に行こうということになり、「おだちか」に直行する。
小田原駅地下街にある「おだちか」では、高校生によるダンスパフォーマンス(高校生以外のグループも超カッコよかった)が華々しく披露され、多くの観客がかたずをのんで見ていた。
いやもう、現代の高校生のパフォーマンスレベルの高いこと。
私たちが見たのは、西湘高校と小田原高校の生徒たちのダンス。
本格的なブレークダンスやヒップホップダンス、そしてクリエーティブなロボットダンスっぽいのまで、私たちを大いに楽しませてくれた。
こういうのを見ると、K-Pop人気の影響もあってか、今の日本はダンスばやりなんだと実感する。
息子も高校の文化祭で女子とダンスを披露するらしい。
みんな勉強や他の活動をやりながら、なんとも器用に複雑なダンスをマスターするから、私たちはその活動を応援するのみ。
時間がなくて、この高校生たちにインタビューできなかったのが残念だったが、また時間があれば文化祭でその踊りを見に行こうっと。
さて、一通り取材が終わって、みんなは講師のもとに集合し、取材内容をやや興奮気味にお互い伝え合う。
みんなインタビューをしっかりしていて、一般記者とは一味違った市民の目線での素晴らしい取材をされている。
こんな素敵な感想を聞くと、ある意味市民記者って必要なんじゃないかと思う。
芹川先生の感想は「小田原は音楽の町だと思う・・・初めて会うのにジャムセッションできたり・・・(この音楽ストリートは)ずっと10年と続くだろう」とさらりといってのける。
小田原市文化政策課の方は、「市民による市民のための個性ある面白い文化情報紙を作ってほしい・・・行政が伝えても面白くない。今回の切り口はミュージックストリートだったが、産業祭りや食べ物の祭りなどさまざまなイベントがあるので、(今回のイベントに)こだわらずに、小田原の街づくりがどうなっているか伝えてもらいたい」という本当の意味での市民の立場に立った気持ちのいい言葉でまとめられた。
次回は、昨日撮影した写真を持ち寄り、自分たちが作成する文化情報紙のタイトルを考えてくることが宿題。
文化情報紙を作ってみたいが、具体的に作るとなると難しい!
芹川先生も作られるというから、どんな感じに仕上がるか楽しみである。
文化政策課の方々、9月からのこの講座の企画及び講座準備を毎回入念にやっていただき、本当にありがとうございました。
ネットワークも広がりそうな予感もあり、小田原市の魅力がますますわかってきました。