Kuniのウィンディ・シティへの手紙

シカゴ駐在生活を振り返りながら、帰国子女動向、日本の教育、アート、音楽、芸能、社会問題、日常生活等の情報を発信。

小田原での川の学習

2010-10-24 | 日本の教育一般
先週下の息子は疲れで軽い風邪を引いた。
1日で治ったのでよかった。

5年生の理科の学習の一環で、学年全員で酒匂川を散策し、川の水の流れを学習したという。
大きなベンケイガニをとろうとしたら穴に逃げられたらしい。
そんなに生物はいなかったらしいが、普段の理科の授業中にカニが見れるとは!
息子が通う小学校から日本でも有名な水のきれいな酒匂川まで歩いていけるという贅沢な環境。
ちょうど小田原へ向かう電車から見える鉄橋のあたりの酒匂川は美しい白いサギがいつも何羽もいる。

金曜日は息子と2人で近所の小ぶりの川を散策。
この川にはウナギやコイがいると看板にでている。
近所の人たちが清掃してくれているらしい。

コサギが数メートルおきにいて、近づくと優雅に白い翼を広げ、足をまっすぐのばし、移動する。
その美しさにため息をついていたら、息子が小さな魚たちの群れに遭遇。
群れが右に左に移動している。

ある1ヵ所に黒い大きなコイたちがうじゃうじゃいた。
何十匹というあまりのコイの多さに気持ち悪くなっていたら、パンをあげていた子連れのお母さんが、「みんながえさをやるからここに集まってくる」

階段があって、川に下りられる場所があった。
排水は流れているのだが、不思議に水が透き通っている。
「ここは外側だから水の流れは早いなぁ・・・」「どれどれ、ここの泥はどんな感じだろう」などと水や泥にさわりながら息子は分析している。
授業でやったことを自然に復習しているようだ。

向こう岸のほうの流れにときどきしぶきの水が光っているのもときおり見つける。
「あの辺に何か生物がいるなぁ・・・どんな魚だろう?」
息子は今にもじゃぶじゃぶ川に入っていきそうだ。

昨日は素晴らしい秋晴れだったので、息子は主人と真鶴に行き、生物の観察。
自然に囲まれた生活を満喫しているようだ。

学校の時間数もさいたまより少なく、本当にゆったりしている。
宿題以外の課題がない。
今は学校から帰ると、ゆったりとした時間で読書や将棋にいそしんでいる。

自然と生物の大好きなのんびり屋の息子に小田原の小学校はぴったりだ。
小学校も残り1年数ヶ月。
思い切って小田原に引っ越して、本当によかった。



大久保山散策~本庄にて

2010-10-17 | 日本の教育一般
昨日は秋晴れの澄んだ空気の中、埼玉の最北本庄市に位置する大久保山の散策ツアーに参加した。
これは長男の通う私立高校の「保護者の会」文化事業委員会が企画。
「秋の大久保山散策」という毎年人気のイベントのせいか、参加した保護者の数も多かった。

ガイドは全国森林インストラクターのこの学校の先生。
学校では、生徒たちと一緒の畑の作物やしいたけ栽培の指導もされているという。
優しいまなざしで、所々かなり細かい説明をして、時間延長するほど熱心に大久保山を案内してくださった。

この学校の男子は学ランの子が多いが、息子のようにかなりラフな格好をしている子や茶髪の生徒もいる。
校則のない学校なので、すべて自己責任というわけだろう。
自由な校風の学校って、各生徒の個性が感じられていいなぁ・・・
格好だけでなく、内面も個性的な生徒が多いらしい。
だからこの学校は帰国生も多く、彼らにとって居心地がいいわけだ。

この高校のキャンパスは大久保山に位置するとあって、ひろ~い!
いったいどこに何があるのだか・・・
事務所集合とあったが、セキュリティの人に聞かなければならないほどだった。


おっと、こんな看板もあちこちに目立つ。事実ツアーの最中、大きなまむしに遭遇!学校のHPにも「まむしがでました!」などと注意書きもあった。

さて、大久保山案内はかなり面白かった。
案内してくださった先生は、キノコの専門家らしく、キノコツアーに徹していて、参加者はキノコに関する知識が増えた。
大久保山には300種ものキノコがあるという。
かなりの種類で毒キノコがあり、毒キノコに見えないものでも猛毒を持っているという説明で納得。
今年は、猛暑が続いたあと10月に雨が続き、松茸も豊作とのこと。
あちこちの山でキノコがうじゃうじゃはえているだろうから、取って食べるときは気をつけなければならない。

メモをとらなかったので、印象に残り、なんとか名前を覚えているキノコしか紹介できないが、少し紹介してみよう。
一番きれいでユニークな造詣だったのがタマゴタケ。

食べられるそうな。おいしそうだが・・・

卵の殻に、赤いキノコがはいっているかのようで、その赤い表面も光っている。
こんな形のキノコがあるとはびっくり!


先生はさまざまなキノコを次から次へと説明してくださる。
「これは毒キノコ」「これは食べられます」
とときどきちぎって、味を見てから何というキノコが言い当てる。
味が苦いので、「これはニガクリタケ」
「ちょっと先生、大丈夫?」と心配になるが、先生は悠々としている。

ツアーの最後のほうで、テングタケの軍団に遭遇した。
見事というか、整然というか、きれいな形で輪を作って「ここは我々の場所!」と主張しているかのよう。
「こんなにすごいテングタケは大久保山で見たことがない!」と先生は感動しながら、写真を撮っている。
いやあ、こんな場面に出会えるとはラッキーである。
参加者もみんなびっくりしながら、写真をバチバチ。

丘陵で、お弁当を食べて、この学校の収蔵庫へ。
一昔前のニューギニアの彫刻群などを見せてもらう。
古代にあったかのようなすさまじい形相の仮面の数々。
ドラマ「ゲゲゲの女房」の水木しげる氏のコレクションで紹介されたものと同じ。
抽象的な現代アートにも通じるものがある。

最後、予定より大幅に時間は過ぎていたが、大久保山の古墳群でとれたさまざまな縄文時代などの器や土器などを見せてもらった。
結構歩き回り、疲れてはいたが、秋の1日を素晴らしい森林の中で過ごし、普段のストレスが解消。

詳しく丁寧に教えてくださった先生、保護者の会の皆さま、コレクションを紹介してくださった先生方本当に本当にありがとうございました。
また、来年もぜひ参加したい!


浦和実業生物部公開講座~地域への貢献度の高さ!

2010-10-10 | 日本の教育一般
昨日はいつものように浦和実業生物部の公開講座に下の息子は参加。
6月も先月も参加しているから、今年は今の所皆勤賞。
風邪を引いて前日までセキをしていたのだが、はるばる小田原から「なにがなんでも絶対参加する!」と意気込んでいた。

この公開講座は地域の人々に開かれていて、生物部で飼われているさまざまな生物や動物たちにふれあい、生態観察がじっくりでき、先生や生徒たちがその生態や飼い方などを詳しく説明してくれる。
さまざまな工夫をこらしたワークショップも同時に行われ、生物に興味がない子どもでも楽しく参加できる。
今回は植物を使ってクリスマスツリー作り、化石のレプリカ作り、わたがし作りなどワークショップも盛りだくさん。
何か生物をもらえるという特典もあり、生物好きの息子は毎回嬉々として参加している。

昨日は私の勤務する小学校の同僚たちも参加した。
アメリカ人の最強ALTマットと6年生担当のベテラン英語講師のユウコ先生たちだ。
私は小学校でこのマットとコンビで5年生に英語を教えている。
マットはユウコ先生と6年生も教え、近所の中学校でも教えている。

マットは体も大きく声も大きいため、ド迫力で子どもたちに英語を叩き込む。
表情が豊かで動きが予想つかないほど奇想天外。
やることなすこと面白くって、彼にひきつけられている間にいつの間にか英語が身についているって感じ。
みんなマットが大好き!

そのマットが浦和実業生物部に登場。


マットと友人のリエコさん。小さなネズミをかかえるマットの表情がやさしい!

生徒たちはその巨体にびっくりしながらも、なごやかに説明。
マットは爬虫類や両生類が大好きなので、生物部顧問の橋本先生に「埼玉にイモリはいますか?」などと日本語で質問している。


橋本先生とマット。バックに浦和実業の研究活動の記録写真がずらりと並ぶ。

橋本先生は息子の崇拝する先生で、息子のさまざまな細かい質問にいつも実施つきで丁寧にわかりやすく答えてくださる。
決して小学生の質問をバカにせず、息子の知識を生かしながら、本物の生物を使ってさりげなく教えてくださる。

去年の公開講座に初めて参加して、しばらくして息子は「橋本先生に会って、聞きたいことがある」と言って、積極的にアプローチ。
忙しい中、息子と3人の友達に汽水の作り方を伝授し、4人全員にかわいらしいトビハゼをくださった。
そのとき以来、息子にとってさまざまな海洋生物への扉が開かれた。
こういう先生って、私立ならではとつくづく思う。(朝日新聞夕刊でとりあげられる「はなまる先生」という特別な先生は公立にもいるだろうが、少ないだろう)

橋本先生が作られたさまざまな海洋生物が生息する水槽を見て、息子は刺激を受け、アクアリウムを自分でデザインしてセッティングするようになった。
橋本先生のおかげで息子の生物に対する真剣さは本物になり、ますますのめりこんでいった。

ほとんど弟子入りしたかの息子は、浦和実業の生物部の合宿にも春夏と2回参加させてもらい、(春三浦半島、夏南伊豆)小学生ながら生物部の仲間としてみんなから温かく迎えられている。
昨日は私も顔なじみの生徒さんたちと会い、いろいろ飼い方を親切に説明してもらった。

潮の満ち引きを再現しているタイドプールの水槽担当の中1のN君は、真剣にアサリの状況を説明。
N君は夏合宿で川で大きな魚を捕まえる執念を見せてくれた。
挨拶もきちんとし、好きなものをとことん追求しているN君のような生徒は、いろんな面でのびていくんだろうな・・・
女子でも好きで世話をしている生徒は、生物に関しては詳しい。
クラゲ担当の高校生の女生徒はいつも親切にわかりやすく説明してくれる。

もう1人の生物部顧問の片岡先生も若い女の先生ながら生物には詳しい。
息子はいつも友達感覚で片岡先生にも生物のことを話し、いろいろ質問する。
片岡先生は、夏の合宿では参加した小学生たち2人にきめ細かく気を配ってくださり、保護者として誠にあり難かった。

3時間半ぐらい生物室にいた息子は、わたがしを作って何回も食べて、「カメレオン2匹にさわれた!」といって大満足で家に帰ってきた。
カメレオンのケージの下には、愛くるしいフクロウが大きな目でこちらを見つめていたのが印象的。



おなじみの大きなカメ君も元気に息子に話しかけていたようだ。



この浦和実業生物部実績もすごいのだ!
世界らん展日本大賞に参加するため、たくさんのらんを栽培し、その地道な活動は各方面で高く評価され、さまざまなメディアから紹介されている。
2005年の夏合宿で、南伊豆にて絶滅危惧植物インドオオイシソウを発見。
合宿ではさまざまな研究を大学教授とともに行っている。
また、細菌研究班は中学1年生5人にもかかわらず、「3秒ルールの検証」というテーマで、去年の私学文化祭作品展研究部門で高校生を相手に最高得点で優秀賞をゲットするという快挙を成し遂げた。
2009年度生物部紀要にこの5人の部員たちの写真が載っているが、みなキュートなイケメンで賢そうだ!


青野川での研究報告

先月の公開講座では、魚すくいをして、美しいブルーのルリスズメダイを4匹もらった。
1匹は先週死んでしまったが、飼っていた1匹のカクレクマノミとうまく共生している。

いつも生物部の皆さま、本当に本当にありがとうございます!
夏合宿の報告は詳しくブログに書きたいと思っています。

次回の浦和実業生物部公開講座は、11月7日(日)1時~4時
http://www.urajitsu.ed.jp/topics/pdf/seibutukoukaikouza2010.pdf

皆さまお見逃しなく!