Kuniのウィンディ・シティへの手紙

シカゴ駐在生活を振り返りながら、帰国子女動向、日本の教育、アート、音楽、芸能、社会問題、日常生活等の情報を発信。

早稲田優勝!50年ぶりの早慶戦優勝決定戦~六大学野球応援リポート

2010-11-03 | 日本プロ野球
東京六大学野球秋季リーグ、1960年秋以来となる早慶の優勝決定戦。
美しく晴れ渡った秋空の下、3万6000人を集めた神宮球場での大試合の優勝旗は早稲田大学に渡された!
この歴史的な試合をなんと学生応援席で観戦しながら、早稲田の一員として熱狂的な大応援団に参加できた。
初めて観戦した六大学の試合が歴史的な優勝決定戦!
ずっと見たかった早稲田のキャプテン斎藤佑樹君の雄姿と早慶戦の熱い応援風景。
その一部となれてサイコーの1日であった。



その試合は斎藤君の素晴らしいピッチングと早稲田打線爆発とで、私たち応援団もめちゃくちゃ盛り上がった。
いやもう、応援団の熱いパフォーマンスはすごかった!
団長を中心に規律正しくみんなが一丸となって声をそろえる。
早稲田が点を入れるたびに知らないもの同士でも肩をさっと組んで体を横に揺らしながら、「紺碧の空」を大声で歌い上げる。
2点入れると2回歌っちゃうわけだから、壮観としかいいようがない。

初めて歌った「紺碧の空」。
それまで歌詞もメロディも知らなかったのに、試合の途中で覚えてしまったほど。
有名な校歌「都の西北」もおごそかに歌った。
最初と7回の攻撃の前、そして試合の後。
「我らが母校・・・」まさに母校の気がしてくる。
「進取の精神 学の独立」この台詞の響きがマッコト(龍馬伝みたい)心にしみる。
歌っている間中ずっとこぶしをつくった右手を上から下にななめに上げては下ろす。
歌が終わっても右手こぶしは上げたままみんなの動きはぴたっと止まっている。
慣れていない私にとってこの瞬間が苦しかった。

応援のエール交換も感動的だった。
お互いが敵の大学を最後「フレーフレー慶應!(早稲田)」と応援し、拍手し、団長は敬礼する。
チアの女子学生の人たちも笑顔を絶やすことなく休みなく踊り続け、応援団の演奏も大いに試合を盛り上げていた。

団長の応援姿も正真正銘の硬派といった感じですごくかっこよかった。
団長が「斎藤佑樹を勝たせるぞ!」などと言うたびに、みんなが「そうだ!」とこぶしを突き上げる。
何を言っているかわからなくても「そうだ!」「そうだ!」と言う。

さまざまな応援歌を応援団の人たちが歌詞が書かれた大きなボードを一々掲げる。
メロディがわからなくても何回も聞いていると覚えてしまう。
臙脂色の厚紙でできたメガフォンを振り回しながら応援。
これは応援部がデザインして作成しているという。

試合の方は7回まで抜群のコントロールで斎藤君がヒットを許さないという最高のピッチング。
あわや「大舞台で斎藤ノーヒットノーランか?!」と思いきや、8回味方のエラーからヒットが続き、5失点し、7対5。
ここで大石君登場。
見事に空振り三振にしとめ、9回最後の打者も三振に。
早稲田優勝が決まった!

斎藤君の試合後の優勝インタビューと早稲田大学大隈講堂前での祝賀会での挨拶が印象的だった。
両方をまとめてざっと記す。

「最後に1つだけ言わせてください。いろんな人からずっと斎藤佑樹は何か持っていると言われ続けてきて、自分自身何かと考えました。今日何を持っているのか確信しました・・・それは仲間です!ここまでチャンスをつないでくれた仲間、早稲田を応援してくれた仲間、そしてここに集まってくれたすべての仲間に感謝します!(中略)今日はありがとうございました!」

やっぱり斎藤祐樹はスーパースターだ!
こんな言葉がでるなんて。
でも今日の言葉はものすごく力強かった!
大学生活最後の試合を優秀の美で飾れる精神力の強さ。
日ハムに入っても大学での経験を糧に活躍することだろう。
早稲田大学野球部、今日の熱い思いをありがとう!
応援部の皆さん、素晴らしいパフォーマンスで盛り上げてくださって、ご苦労様でした。


追伸

応援席に入れたのは、かつて勤めていた航空会社の同期あっちゃんのおかげ。
あっちゃんの息子さんは早稲田の応援部員で活躍中。
学ランを来て楽器を吹く姿、すごくカッコよかったです!
そして、応援団関係の方が席を確保してくださった。
本当にありがとうございました。
あっちゃん、早稲田のおかげで何年ぶりかにまた会えたね。




井口選手、日本へおかえりなさい!~メジャーから千葉ロッテマリーンズ入団へ

2009-01-29 | 日本プロ野球
4年間、アメリカのメジャーリーグでプレーしてきた井口選手が、来季は日本にもどってくる。千葉ロッテマリーンズと契約したのだ。井口選手は、2005年のシカゴ・ホワイトソックスのワールドチャンピオンに貢献し、その後もフィリーズ、パドレス、去年は最後、フィリーズといくつかのメジャー球団でプレーしてきた。

シカゴにいた井口選手は、2006年、シカゴ日本人学校で野球教室を開いてくれたり、生徒たち全員をホワイトソックスの本拠地、USセルラーフィールドの招待してくれたりと、私たちにはなじみが深く、私たちの家族は特別の思いを抱いてきた。私は、メジャーリーガーとしての井口選手の印象があまりに強いため、できれば続けてメジャー球団にいてほしかったけど、日本のプロ野球、しかも関東の球団に移籍するとなると、身近で井口選手が見れるため、気持ちを切り替えて、家族で大喜び。日本に帰ってきてよかった!

いつも井口選手は、自分のブログで動向をファンに報告している。今回もその報告を待っていたら、ロッテマリーンズ入団が決まる前から、そのブログ上のファンの書き込みはすさまじかった。井口選手にもどってきてほしいホークスファンとロッテファンのさまざまな意見が交差し、ブログ炎上状態。太っ腹の井口選手は、どんな批判を受けても、それを消さずに、我が道を行く。日本のプロ野球の事情がわからない私は、「メジャーで活躍するのを期待してます」のようなノーテンキでまとはずれな書き込みを1人していた。メジャーからもいくつかオファーがあったというから、少し期待していたのよね。ホークスからはオファーがなかったと井口選手は正直にブログで報告している。井口選手って、日本のプロ野球ファンにとって、そんなに気になる存在だったのね!シカゴで見かけた井口選手は、メジャーリーガーの存在感をムンムンと発しながらも、誠実な態度で、私たちファンに接してくださった。アメリカ人のファンも全国区でたくさんいるというに。それ以来、私たちも井口選手を身近な存在に感じてきた。でも、日本では、注目度がもっとすごいんだということがわかった。

ロッテマリーンズ入団発表の記者会見の模様もニュースで少し見たが、いつものイグチスマイルは健在。とてもうれしそうに、ロッテマリーンズ入団へ静かに闘志を燃やしている感じだった。主人が、「井口選手は、切り替えが早くて、やはり頭がいいね」と感心していた。メジャーで、ワールドチャンピオンという実績も残し、メジャーに未練なく、スパッと日本に頭を切り替えられるのも井口選手らしい。きっと、メジャーでの経験をチームの若い選手たちにも伝え、千葉ロッテマリーンズは活気付くだろう。パ・リーグの若手ピッチャー、岩隈、涌井、岸、ダルビッシュたちと井口選手との対戦を見れるかと思うと、私たちファンにとっては、たまらない。

11月の日本社会での出来事を報告~やっぱり、日本シリーズでの西武日本一!

2008-11-27 | 日本プロ野球
私たちが11月2日に日本に戻ってきた時のテレビのニュースは、小室氏の詐欺事件とオバマ氏の動向が連日で報道されていた。オバマ氏がアメリカの次期大統領に決まったときも、日本での報道量もすごかった。ああ、私たちもシカゴにいて、その瞬間を一緒に味わいたかった!といっても、自分たちの生活の立ち上げで、その一大イベントも横目にという感じだったが・・・

その間、ずっと流れ続けていたニュースは、「振り込め詐欺」だった。息子と偽って親たちに多額のお金を銀行名義に振り込ませるという前から問題になっていた詐欺が今年ますます増え続けているという。手口も巧妙になり、声が多少違っても、風邪を引いていると言うと、いとも簡単にお年寄りは引っかかってしまう。ワイドショーやNHKのクローズアップ現代等でも特集を組むほど社会問題になっている。NHKのコマーシャルで、萩本欽ちゃんたちが、「気をつけよう!」と呼びかけるほどだ。自分の息子の携帯の番号がわからないほど、みんな連絡をとりあっていないのだろうか。

そうこうしているうちに、元厚生事務次官宅が襲われ、二人の元事務次官とその妻が死傷されるという痛ましい出来事もあり、テロではないかと疑われているうちに、一人の男が自首。30年以上も前、自分の飼っていた犬が保健所で殺された腹いせにやったと供述。なんとも不可解な事件だ。2箇所で事件が起こったのだが、そのうちの1箇所はうちからもそう遠くない場所で同じさいたま市。宅配便をよそおって、箱を受け取るところをナイフで刺したというから、恐ろしい。

しかし、私にとって、11月中一番興味を持って見た出来事は、プロ野球日本シリーズ、西武対巨人で、西武が日本一になった瞬間が見られたこと。大昔は、元々巨人ファンの私だったが、何年ぶりかに日本のプロ野球をパッと見て、若くてカッコいい選手が多い西武をひたすら応援。なんたって、地元埼玉ですから、西武は。名前も「埼玉西武」となっている。

とくに、若い岸投手の活躍が目をみはった。第4戦目で、初登板初完封の快挙。3勝3敗の決戦では、中2日の91球救援を成し遂げ、巨人打線を完璧に抑える。そのため、岸投手は、このシリーズのMVPに選ばれる。たった68キロしかない、超細身の体で、このスタミナと気力。そんなに球速はないのだが、いいところでカーブがきれいに決まる。端正なイケメンの面構えで、淡々として、常に落ち着いていた。


左の写真は、11月6日付「朝日新聞」スポーツ欄より、右は11月10日付「日刊スポーツ」一面より 両写真ともに岸投手 西武の渡辺監督の写真入れなくてごめんなさい

他の西武の選手も若々しく、西武のユニフォームが足腰に微妙にまとわりつく、野球のユニフォームらしからぬカッコいい雰囲気をかもしだしていた。岸君は、(こういいたくなるほど、さりげない野球選手)松坂や野茂のように日本人の投手にありがちな、がっちりとした足腰ではなく、スポーツをする普通の人といった風情なのがいい。ダルビッシュにしてもモデル並みのルックスと体型だし、西武のメンバーも打順1番片岡、2番栗山、3番中島とイケメン軍団だし。日本のプロ野球選手って実力、外見ともにそろっていて、話題性にこと欠かない。

アメリカでは、日本人メジャーリーガーたちの活躍を見るのが楽しかったけれど、日本は日本で若き獅子たちの活躍を見るのが楽しみである。