Kuniのウィンディ・シティへの手紙

シカゴ駐在生活を振り返りながら、帰国子女動向、日本の教育、アート、音楽、芸能、社会問題、日常生活等の情報を発信。

ハーパー・カレッジ「アメリカ野球の歴史」のクラス始まる

2008-06-10 | ハーパー・カレッジ
今日からハーパー・カレッジの夏学期が始まった。今回は、「今の私にとって、これしかない」というクレディットのクラス、「ベースボール・ヒストリー」を初めて聴講生として、受講する。教えるのは、ヒストリー・デパートメントで、ハーパーでナンバー1とみんなの評価の高いトーマス・デパルマ教授。

秋・春学期が、「デッサン1」と「デッサン2」とたて続きにアートという実技のクラスを取ったので、今回はじっくりお勉強に取り組む。野球がアメリカという国に今までどういう役割をしてきたか、歴史とどうかかわってきたのか、一般の歴史の視点とは、また違った見方で、アメリカという国を見れるのではないかと思い、このクラスを取った。夏は、息子たちの野球活動で忙しいので、今回はテストや宿題を真剣にしなくても気が楽な聴講という形にした。

今日は1日目ということもあり、生徒1人1人が、なぜこのクラスを取ったのか説明した。カブスファンとホワイトソックスファンとほぼ真っ二つに分かれ、みんな小さいころからの野球への熱い思いを語る。16人ぐらいいるうち、女の人は、私を含めてたった3人。みんな父親が他の地域の出身で、父親が「ツインズのファン」とか「レッズのファン」とか、「祖父の影響で20年間アリゾナキャンプに行き続けている」などと家族の影響が大きいことを言っている。

デパルマ教授は、シカゴ出身なので、熱狂的なカブスファンらしい。最後に私の番。「私は、子供の頃、父の影響で、読売ジャイアンツの熱烈なファン(今は違うけど)で、サダハル・オーが、ハンク・アーロンのホームラン記録を破った756号を見た!その頃、長嶋と王は、日本のプロ野球にとって、カリズマティックな存在でした。」と言うと、みんなびっくりしている。「オーは、たしか今ソフトバンク・ホークスの監督だよね。」とデパルマ教授が言うので、「そうです。オーは、前回のワールド・ベースボール・クラシックで、最後アメリカを破ったジャパンの監督でした。(みんなまたしても「ほほー!」とびっくりしている。ウウッ、快感だわ!)今は、ホシノ・ジャパンになってます。ホワイトソックスにいたイグチは、素晴らしくて・・・・フクドメは・・・・私は、息子たちのリトルリーグを通して、アメリカ人にとって野球というものが生活の一部だと実感しているので、もっと深くその関係が知りたくて、ジャーナリストとして、このクラスを取りました。」と一気にまくしたてた。隣に座っていたカブスファンの男の人が、一言「テリフィック!」とつぶやく。

今日の授業は、野球の歴史と1800年代後半のアメリカの歴史とのかかわりなどの大まかな説明があった。人種差別や政治の荒廃、世の中の暴動などの出来事は、野球のさまざまな歴史にも反映されていると教授が強調。その時代に活躍した野球人のビデオでの紹介。私には、サイ・ヤングぐらいしかわからなかった。この時代の面白いびっくりするようなルールの変換なども詳しく説明があった。

しかし、それにしてもデパルマ教授の野球データがすごい!歴史のエクスパートとはいえ、よほど野球が好きで研究していなければ、すべての細かいデータを覚えていられないだろう。帰ったら、早速息子に「今度の教授は、あんたのデータの100倍ぐらいすごい人だよ。」と教えてやった。博士号まで持っている研究者とは、常人とはやはり違う。今日の宿題は、配られたページ数の多いプリントを読んで、感想や質問などをジャーナルとして書くこと。また、じっくりこのクラスを紹介していきたい。


ハーパー・カレッジの春学期の成績来る!

2008-05-31 | ハーパー・カレッジ
昨日、ハーパー・カレッジの春学期取っていた「デッサン2」のクラスの成績表が送られてきた。今回は、忙しくて、日本に3月一時帰国して、クラスも休み、プロジェクトによって、メタメタの評価があったので、「B」を覚悟していた。

しかし・・・封を切ると、なんと「A」。ウーン、最後のコラージュ作品で、思い切り盛り返し、その作品が教授のペリーも気に入り、サンプル作品として大学に保管されたとはいえ、不思議だ。かなり、ペリーの恩恵ありか。ペリーに感謝!

ペリーとは、「デッサン1」からの付き合いで、お互い性格も良く知り合うほど、仲良くなっている。(ちょっとした喧嘩もするほど)ペリーは、アーティストゆえ、教授くさくない。突然、床に寝そべったり、とんでもない言葉を発したり、ハーパーの教授陣の中でも、ユニークな部類だろう。

「まあ、いっか。取ってしまえば、こっちのもの。」と私は、一気に心配が吹っ飛び、GPA(今までのクレディットのクラスの成績の平均値)をチェック。30時間(1科目3時間なので、10科目取ったということ)で、3.90ポイント。「A」が4ポイントなので、限りなくオールAに近い成績。1回だけ文学の「創作詩」のクラスでBを取ったためだ。「フィクション」のクラスでもBを取ったことがあるのだが、もう一度別の教授の「フィクション」のクラスでAを取ったので、「フィクション」の評価はいいほうのAとめでたくなった。

アメリカの大学の成績というのは、一生生きているようで、大昔、留学していたときに取ったクレディットのクラスの成績というのも、その大学に頼めば、その時の成績をハーパーに送ってくれて、加算されるクラスもある。たとえ、日本に帰国しても、ハーパーでとったこの成績は、ずっと生き続け、いつかまたアメリカの大学に通うときがあれば、加算される。まさに、生涯教育だ。同じクラスを何度も取るおばちゃんもアート・ディパートメントにはいるようだ。ハーパーのようなコミュニティ・カレッジは、学費も安く、低所得者の家族に属する学生たちや年配の人々にも入りやすい。いつでも、簡単に入れて、一つのクラスだけでも取れて、いつでも継続できるアメリカのコミュニティ・カレッジのようなシステムが日本にもできるといいのに。留学して、日本にずっといて、アメリカの大学にもどるのが夢だった私。「いつの日かアメリカの大学を卒業できたら、いいなあ。」とかなわない夢をいだいている私なので、多少つらくても、ハーパーに通い続ける日々だ。


写真は、教授のペリーと同級生のヒロミさんと、ハーパーのアート・ディパートメントにあるギャラリーにて。今学期が終わって、みんなほっとしている。ことのきは、ハーパーの学生のいい作品が展示されていた。このギャラリーは、各地から有名なアーティストの作品展も行われる。

ハーパーカレッジ、「デッサン2」のクラスの作品発表会

2008-05-18 | ハーパー・カレッジ
今週木曜日で、今学期私がとっていたハーパーカレッジの「デッサン2」のクラスが終了。最終日は、最後のコラージュのプロジェクトの提出とともに、全員が自分の今までの作品をみんなに紹介し、何を学んだか感想をのべ、みんなから感想をもらいあった。

みんな今学期の各プロジェクトの作品4つを壁に張り、自分の気に入った作品や逆に苦労して嫌いになった作品などを口々に言い合った。中には、度肝を抜くような強烈な作品もあって、学生の個性に驚いた。芸術性のかなり高い作品もあり、そのままアーティストとして、ギャラリーに飾っておきたいような作品もあった。

さて、自分自身の作品はというと、日本に帰国して、プロジェクトの時間がとれず、1日でいっきに仕上げて、まったく不本意な作品となったものが1つある。色をよく考えずにただ置いていっただけなので、ジャシカからは、「ああ、あのレインボウ・ガイの作品」と言われるぐらいカラフルで、けばい。しかし、人間好みがあるもので、男性のアメリカ人の学生の1人は、この作品を気に入ってくれた。教授のペリーからの評価はごまかせず、ひどい点数をくらったが。

ただ、最後の私のコラージュ作品は成功。コーヒーフィルターの粉をとった後のしみ模様と古いフォールダーを引きちぎったのを張り合わせた作品。発表の時も、ペリーから評価され、やれやれだったし、女の人たちから、この作品は気に入られた。ペリーが、前学期の「デッサン1」のクラスで、作品のフロー(流れ)が重要だと説いていたので、それをとくに気をつけて張り合わせていった。作品全体の構想とやってみて生まれる偶然性の兼ね合い。それがうまくお互いはまるか、アートなるものむつかしい。

私が好きな学生の作品は、日本人のヒロミさんのペンギンを大きく引きのばし、さまざまな色にグラジュエーションをつけてダイナミックに仕上げた作品。完成度がかなり高く、みんなの中で、群を抜いてよかった。

ジェシカのコラージュは、雑誌から体のあらゆる部分を切り取り、面白く張り合わせていたのが、シュールな作品に仕上がっていた。色合いもよく、若い感性がにじみでていて、大成功。

また、男性のコラージュ作品で、シカゴのダウンタウンの夜景を細かく切り取り、きちんとしたフォームをつくり、立体的な空間をだしている完成度の高い作品にも驚いた。この人は、最初のプロジェクトなどで、色の出し方などに苦労していて、こつこつやりながら、作品ではあまり目立たなかったのに、最後にこのコラージュで、私たちをあっと言わせた。

というわけで、とりあえず、今回のクラスは、自分の点数は気にせず、みんなの作品過程を楽しんだというか。ということにしておこう。私の大学生活、山あり谷あり。また、ハーパーカレッジのアートのクラスをとれるといいが。これが、なかなか自分のスケジュールにぴたっと合わないもので。いつ帰国になるかわからない身なので、取れる科目を取っていくという感じだ。皆さんも大学のクラスも楽しんでみたらいかがでしょうか。


写真は、日本人ヒロミさんの発表風景。右の作品が、私の気に入ったペンギンの大作。これからのシカゴでのアーティストとしてのヒロミさんの活躍を期待してまーす。ジャーナリスト、kuniの最初のお勧めアーティストです。

ハーパー・カレッジ「デッサン2」のクラス、最後のコラージュのプロジェクトに向かって!

2008-05-13 | ハーパー・カレッジ
体調が思わしくない中、木曜日の朝締め切りのハーパー・カレッジのデッサン2のクラスの最後のプロジェクトの追い込みに忙しい。先週、下の息子が学校をずっと休んだため、私も大学のクラスを休むはめになり、家で少しづつ最後のプロジェクトを進めた。

最後のプロジェクトは、抽象的なコラージュ作品というむずかしい課題。抽象的な作品は、まったく作ったことがない。ゴミでも何でもいいから、それを使って、具体的な形を見せてはいけないと教授のペリーはいう。

今日、クラスはなかったのだが、2回も休んだので、アドバイスを受けにペリーのクラスに行く。私の作品は、コーヒーを入れた後の、コーヒー豆を取り除いた茶色のフィルターを乾かし、染めた感じになったものを手で引きちぎったものと、古いフォールダーを裂いたものを組み合わせてできる。去年集めた茶色の枯葉も2枚埋め込んだのだが、形が見え見えで、それをとりのぞくか、破って葉とわからない形にしなければいけないとペリーは言う。このままの方がアーティスティックなのに・・・ルールを設定した方が、いい作品ができるとのペリーの持論。

「昨日の母の日はどうしてたか。」とペリーとお互い話す。ペリーは奥さんとどうだったか聞くと、「内緒だ。」とニヤニヤしている。やれやれ、ご馳走様!ペリーのコメントを入れたUS新聞のエドワード・ホッパー展の記事をパソコン上で見せると、すごく喜んでくれた。「君はハードワーカーだ!」とほめてくれる。できれば、作品をそうほめてほしいんだけど・・・

同じクラスの日本人の才能あふれるヒロミさんは、地図を切り貼りするようだ。かなりの時間を費やして構想を練っている。私のように行き当たりばったりの作品とは違う。いつもみんなをあっと驚かすようなハイレベルの作品を仕上げるヒロミさん。ハーパーの中でも際立っている。同じ日本人としてうれしい。というか、うらやましい!

ヒロミさんとは、英語が飛び交う中、2人でぶつぶつ日本語をしゃべりながら、作品を仕上げる。何年もハーパーに通っていながら、初めての日本人のクラスメートだ。といっても、今週でその仲もおしまい。夏からは、お互いバラバラ。なんだか、さびしい。このクラスの学生たちは、みんな感じがよかった。

ジェシカとは、前回とった「デッサン1」から一緒で、最初は、ジェシカがちょっとこわい雰囲気で、近寄りがたかったけど、今じゃお互いアドバイスし合う仲。一番話しやすい。ジェシカは、夏からダウンタウンのコロンビア・カレッジにトランスファーすると言って、うきうきしている。いいなあ。将来、プロダクトデザインの仕事がしたいらしい。ジェシカとは、音楽を聴きながら、鼻歌を歌い合って、いつも「そうそう、この曲好き!」と言い合っている。若いジェシカとそういう会話ができるのがうれしい。

年配のディーナとクリスの女性二人は、いろいろと親切で、道具も貸してくれる。この2人もいい作品を仕上げていた。もう1人の日本人ノゾムさんは、とてもまじめな大学生で、作品のクオリティも高い。勿論、完全なバイリンガル。日本語も敬語が完璧で、うらやましい。人間もできていそうで、うちの息子もこんな風になってほしいもんだ。

なんか、今日はつれづれなるままに、つづったあ。このままたわごとを送っちゃいますね。大学は、時には苦しく、時には楽しく・・・ついついふらふらとレジストしてしまう。麻薬のようなものです。でも、ハーパーがあるおかげで、私のシカゴ生活は、充実しています。

ハーパーカレッジ、英語科ウィルソン教授の日本への思い入れ

2008-03-07 | ハーパー・カレッジ
今日は、ハーパー・カレッジの英語科の教授であり、成績のいい学生たちがとるオーナーズ・プログラムのコーディネーターでもあるアンドリュー・ウィルソン氏のことを紹介したい。

彼の専門はアメリカ文学なのだが、日本文化に造詣が深く、去年の春休みに「日本へ旅行する」というヒューマニティの特別なクラスまで作ってしまったという日本通の教授だ。このクラスは、学生に事前にエッセイなどを提出して7人を選び、日本に関する本を数冊読ませながら、1週間日本各地を旅行し、またエッセイを提出して、2クレジットがもらえるというかなりおいしいクラス。私も旅行の途中の広島ツアーに参加し、京都と秋葉原を少し案内した。学生達は、京都旅行の後、高野山の修行体験、そして東京に着くと、いきなりアキバへ直行。アキバでは、学生たちがどうしても、メイドカフェに行きたいというので、私も初体験。みんな目が点になって、規律正しい仏教文化とオタク文化のギャップに驚いていたようだった。メイドカフェから、タクシーに飛び乗り、(私はここで帰宅)日本古来の狂言鑑賞とすさまじいスケジュールをこなしていた。現代風俗の日本から、私たちでさえ、あまり行ったことのない、昔の文化体験へとタイムスリップしたような感覚であろう。

アメリカ人の大学生たちの素朴な質問が面白く、まるで彼らの母のようにウイルソンと共に面倒を観るのが楽しかった。今日久し振りに彼と話したら、来年日本文学のクラスを企画しているという。おとどし、フィクションのクラスで、吉本ばななと村上春樹の本を読ませて、彼なりの独自の解釈で現代日本文学を学生たちに紹介していた。本当に日本の文学、文化が大好きなのだ。

2004年、ハーパーカレッジのクラスを初めて取り出したとき、アメリカ文学で、このウイルソン教授のクラスだった。その時から、なんとなく感覚的にピーンとくるものがあり、続けて彼のクラスを取った。彼がアドバイザーをするオーナーズプログラムのクラスで、「チャレンジャー」というニュースレターを月1回づつ出版するというクラスを取ったときも彼の的確なエディットで、クオリティの高い内容のものができている。私の書いたエッセイをエディトするやり方がすごい。ノン・ネィティブのわかりずらい文章ももとの文体を生かしながら、大幅に変えず、文法だけ整えていく。過去英語のメディアに書いてきて、(ほんの少しの経験だが)私の英文をエディットされた経験では、なかなかそういうエディターには出会えないものだった。(勿論、プロのエディターと大学の教授とは比べられないが)

親しくなってから、ウィルソン教授が日本文化が好きだとわかった。私の直感もまんざらでもないなと思った。

「デッサン2」クラスのプロジェクトとへビィな記事を同時並行でやる

2008-02-29 | ハーパー・カレッジ
今週は忙しかった。先週取材した記事のテープ起こしをして、記事をこつこつ書きながら、ハーパーカレッジの「デッサン2」のクラスのプロジェクトの仕上げをやっていたからだ。

今回のペリー(教授)のデッサン2のクラスは、みんな真剣にアートに取り組んでいる生徒たちばかりで、おしゃべりをしながらも、手は確実に動いている。さっさと仕上げている人もいるし、みんな色使いが斬新だったり、細かく陰影を作り出し、見事な出来栄えの人が多い。横目で見ながら、自分の作品を見ると、がっくりして反省点ばかりだ。

しかし、今週ペリーのアドバイスで、影の部分が自分なりに納得のいく色がでて、なおかつグラディエーションをつけるのに成功したので、ほっとした。

水曜日に、ダウンタウンのアートインスティチュートへ、注目のエドワード・ホッパーの展覧会を観に行くという企画をペリーがしてくれたのだが、大事な記事を書き上げなくてはいけないので、泣く泣く断念した。ペリーと一緒に行って、ホッパー絵画の世界を満喫しようと思ったけど・・・残念!

ペリーは、おとといのクラスで、みんなに大学内にあるカフェのスタバのコーヒーをおごってくれた。注文をとって、8人分も一緒にコーヒーを運んだ。ペリーとは2学期目なので、なんだか教授といえども、お互いバディ気分になっている。同じクラスのヒロミさんと「ペリーの顔を見ると、ほっとするね。」と言い合っていた。

同じクラスのもう一人の日本人ノゾムさんは、超まじめな大学生。日本語も英語も完璧にしゃべる。デッサンの才能もすごい!とことんつきつめてやるタイプ。ウーン、どうやったら、こんな子が育つんだろう。お母さんに会ってみたい!

さて、今日は次のプロジェクトに入った。マンガやぬりえからヒントを得て、それを変えながら、作品に仕上げるという難物。家中のマンガや絵本をひっくり返して、いいキャラを探す。本屋でも目をさらのようにして、面白いキャラがないか探す。ポケモン、トトロ、ウルトラマン、カービィ、スパイダーマン、ディズニーなどなど。ナイ!これっと思うのが。今日は、記事も仕上げなくてはならず、またまた重いテーマの記事とギャップのある超軽いマンガの世界を行き来した。頭の中が支離滅裂である。誰かいいキャラがあったら、教えて欲しい!

記事は、まもなくUS新聞に掲載されますので、また読んでください。今回も、かなり力を入れて、書きました!




いざ、ハーパーカレッジのぺリーのドローイングのクラスへ

2008-01-30 | ハーパー・カレッジ
先ほどの投稿の続きです。さて、日本人学校を出て、大急ぎで、ハーパーカレッジのペリーのドローイング2のクラスへ向かい、いつものスタジオに入った。ペリーには、今日子供の学校の交流学習で遅れると言ってある。しかし、みんなの雰囲気が・・・すごい集中力とパワーを感じる。前回のやや怠惰な学生がいたドローイング1のクラスの雰囲気とまったく違う。

ペリーは、すでに一通り今日の説明をサンプル作品とともにし終わっていて、生徒たちと談笑したり、1人1人の指導に入っている。急いで、先週知り合った、日本人のヒロミさんにどうするかを聞く。

今回のプロジェクトの第一弾は、なんの変哲もないやや小ぶりのオブジェを二つ配置して、まずグラディエーションをつけながら、鉛筆で描く。私は、何のオブジェにするか、先週迷いに迷って、コーヒーカップの紙でできた台形のカバーと小さな同じ黄銅色のボックスに決めたのだが・・・

台形のカバーは描けたんだけど、2点遠近法を使って、横にボックスを描かなくてはいけない。できない!まわりがすでにかなり進んでいるのが気になって、集中力ゼロ。どうしても、うまくできず、頭をかきむしり、他のオブジェを探しまくる。

鍵やらカンやら取り出して、あたふたしていると、ペリーが「何やっているんだ?」

I cannot draw the box! I jsut can't.

「まったく君は、遅れてきて、騒いで、できないだと!」とみんなの前で小さな子供のように初めておこられる。前回のクラスでは、私は優等生だったのに・・・うう、泣きたい!

「こっちへこい!」とペリーーが黒板に2点遠近法をささっと描く。私はオブジェを箱から別の丸いものにしたいのに。ペリーはこれにしないといけないと言う。しょうがない。やるか!開き直って、やり始める。隣のヒロミさんは、とっくに第1弾は終わっていて、照明を使いながら、すでに第2弾の光と影をつけるドローイングに入っている。ますますあせる。

2点遠近法で、なんとかボックスを描き上げたが、ペリーが、「濃淡がおかしい。」と言う。またしてもやり直し。前回のクラスでも何回もやり直しをしたプロジェクトがあった。よし、明日、また大学に行って、やり直すことにしよう。またまた、気を取り直す。

そして、帰りに、英語科に寄って、一番の仲良しの教授、ウィルソンに会って、ほっとする。ペリーとまったくタイプの違う人。両方私は気が合うんだよね、なぜか。横にシカゴ文学というクラスでお世話になったディビス女教授もいる。久し振り!3人で、いろんな世間話をしてたら、今日の失敗の落ち込みはどこかへ行ってしまった。ウィルソン教授が、「去年、Kuniも大学からのジャパントリップというクラスで、一緒にヒロシマに行ったんだよ。」とディビス教授にうれしそうに教えている。この話は、またゆっくりブログでします。すごくエキサイティングな日本旅行をアメリカ人の学生たちと去年の3月しました。

今日は、子供のことでも、自分のことでも気を取り直した日だった。こんな風にして、私のシカゴの冬の1日は過ぎていくのである。

ペリーのドローイング2クラス@ハーパー・カレッジ

2008-01-23 | ハーパー・カレッジ
今日は、春学期が始まったので、約1ヵ月ぶりに、ハーパー・カレッジに行った。子供たちを朝バスストップに送っていった時、昨晩の雪と凍結で、道路のコンディションが危険な状態だったので、行けるかどうか心配したが、家を出る頃には、メインの道路の雪と氷は解けて、大丈夫だった。しかし、パーキングロットは、新学期が始まった初日のため、込んでいたので、雪で埋まった黄色い線を見分けるのが苦労した。

さて、私が取ったのは、「ドローイング2(デッサン)」のクラス。9月から取っていた「ドローイング1」で、デッサンの面白さにのめり込んだため、続けて取ってみた。教授は、ペリー・ポロックという正真正銘のアーティスト。彼の授業が面白く、人間味溢れていたため、またまた彼のドローイングのクラスを取ってみた。

今日は、さすがに、新しいクラスで、新しいメンバーのため、ちょっとアイロニックな冗談あふれるポロック節はでなかったけど、ちょいお茶目でハンサムなペリーの顔を久し振りに拝めて、安心した。やっと私の居場所にもどってきたって感じ。

授業の前に、隣に座っていた人が、大人の女の人だったので、すぐ話しかけてみたら、私のようにクラスは、1クラスのみしかとっていないという。すでに、アートの分野では、「デザイン1」「ドローイング1」「美術史1」を取っているという。働きながら、大学に通っているというから、同じような境遇だと(私の場合家事と子育てだけど)妙に安心した。前回のクラスでは、ほとんど若いフルタイムの学生たちがほとんどだったので、ざっくばらんに話せる雰囲気じゃなかった。

日本人の人も一人いるようだ。この大学に通い始めて、ずいぶんたつけど、日本人の学生と一緒にクラスになったのは、初めてだ。

ペリーは、スライドを使って、過去の学生たちがこのクラスでやったプロジェクトを見せている。ドローイングというよりもデザインに近いかのような作品群。抽象的な作品もあれば、今風のアニメ的な若々しい作品もあり、ちょっと私の分野じゃないぞという印象だ。私は、見たままをデッサンしたいんだけど・・・

前回は、鉛筆、チャコールなど白黒で勝負していたけど、今回は、ウォーターカラーやらパステルなど色のついた材料を使って、作品に挑む。うーん、自信がない!
と言っていたら、「大丈夫、君ならやれる!」とペリーに励まされ、というか丸め込まれて、家路についた。