Kuniのウィンディ・シティへの手紙

シカゴ駐在生活を振り返りながら、帰国子女動向、日本の教育、アート、音楽、芸能、社会問題、日常生活等の情報を発信。

パリ在住画家、早川俊二新作大作展、アスクエア神田ギャラリーにて好評開催中!

2009-03-26 | アート
先日投稿したしたパリ在住画家、早川俊二氏の新作大作個展が、東京のアスクエア神田ギャラリーにて今週から始まった。強風の吹き荒れる21日の内見会に友達2人と行って来た。まさに息を飲む色彩づくめで、至福のひとときを過ごした。

今回は、6点がすべて大画面での人物画。いつもは、小品と共に数点人物画が飾られるのだが、大作でさほど広くない画廊が占められ、一つ一つの作品が神々しく光り輝いているため、まばゆいばかりであった。詳しい作品説明は、US新聞の私の記事を読んでみてください。

絵心のあるシカゴ仲間、ハルミさんとヨシコさんも同行。早川氏の魅惑的な絵画の世界に酔いしれて、私の取材にも急遽加入し、バシバシと鋭い質問を早川さんに投げかけた。さすがは、海外駐在生活ベテランの2人だね。

さて、今回の個展の6点は文句のつけどころはないのだが、個人的にとても気に入った作品を紹介しよう。ハルミさんもヨシコさんもしばしうっとりしていたのが、これ。


「まどろむアメリー」というタイトル。私たちもアメリーとともに夢心地の気分であった。

そして、下の2枚の写真の作品、大画面の茶色の基調の2点の「風景へ」が胸につきささる迫力だった。





この大作展は、4月8日まで。もう一度見に行きたいが、時間があるかどうか。
パート2の小品展は、壺などの静物ばかりで構成され、4月14日から5月2日まで。ぜひ多くの皆さんに早川絵画の真髄を味わってほしい!


早川氏と満足感に浸っているシカゴ仲間2人


早川俊二展
      part I 4月8日まで

      part II 4月14日から5月2日まで

アスクエア神田ギャラリー:03-3219-7373

この投稿の写真提供は、アスクエア神田ギャラリー。アスクエアの伊藤さん、US新聞の取材ではお世話になり、ありがとうございました。

WBC優勝おめでとう!侍ジャパン、夢と勇気をありがとう!侍ジャパン

2009-03-25 | WBC
昨日は、侍ジャパンの動向とWBC優勝の興奮で、1日が過ぎた。今週書いている記事があと少しで仕上がるという所で、WBC決勝戦。いてもたってもいられない。シカゴに住んでいる仲良しの友達、リカさんとその息子で下の息子の親友、リオ君とリク君がうちに遊びに来た。

韓国との決戦を手に汗を握りながら、リカさんと2人で観戦。息子たちは、見たり見なかったり。私たち2人は、ずっとテンションを上げながら、侍ジャパンを応援した。

日本は私の予想通り、岩隈の先発。ときどき、さわやかな笑みをこぼしながら、抜群の制球力で、冷静のピッチング。このWBCの活躍で、私は岩隈の大ファンになった。できれば、MVPを岩隈にあげたかったほどいい内容だった。

日本はヒットを重ねるが、なかなか点に結びつかず、(14残塁)決勝戦にふさわしく、日本のリードを韓国が追い上げる接戦の試合運び。8回裏、3対2と追いつかれ、さすがの岩隈も杉内にバトンタッチ。9回も杉内がそのまま投げるのかと思ったら、ダルビッシュのお出ましとなった。このとき、リカさんと私は、「なぜダルなのか?!」と大ブーイング。1回もヒットを打たれていない杉内を続投させればいいじゃないか。ダルビッシュで大丈夫なのか!という不安でいっぱいだった。やはり、日本のエース、ダルビッシュを最後に投入させ、日本を印象付けたいのだろうか。藤川の調子が悪かったせいなのか。

案の定、予感があたり、ダルがフォアボールを連発し、3対3に追いつかれる。やれやれ、どうしよう!私たちの心臓はバクバク状態で、顔をおおいたくなった。リオ君は心配で別の部屋へ逃げてしまうし・・・

しかし、ダルなんとか逃げ切り、忘れられない10回表の侍ジャパンの攻撃を迎える。2死2、3塁で、イチローが打席。この日はイチロー当たってる。ファールを4発も連発。打ち気満々で、イチローの気迫がみんなに伝わってきた。野球人生のすべてを賭けているような感じで、打席に立っている。イチローのあの独特の構えに入る前のバットを一旦突き出し、顔の半分を隠す儀式が、勝利の儀式に見えた。

パンときれいにセンターに抜けるイチローらしいパーフェクトなヒット。2打点をかせぐ。さぞや、イチロー心の中のもやもやがすべて消えていったことだろう。韓国の監督は試合後のインタビューで、「イチローと勝負したのが裏目にでた」と正直に告白している。ほんと、真っ向勝負したのが、運のつき。でも、このときのヤクルトのストッパーでもある韓国のピッチャーは、あっぱれ、えらい、イチローとの勝負を選んでくれた。とほめたくなるほどだ。

ダルビッシュが10回を無難に抑え、最後の打者を三振にとると、仁王立ちになって、雄たけびをあげた。城島と抱き合う。侍たちがマウンドに集まってきて、大はしゃぎ。イチローが一番はしゃいでいたかもしれない。試合直後もシャンパンファイトでのインタビューも子供のように大声で、興奮状態を隠しきれなかった。びしょ濡れの中、弟分の川崎が横に来る。イチローのことを心底尊敬する川崎の表情が、超キュートだった。ムードメーカーの川崎のひたむきなプレーもよかったあ!みんながイチローのことを心配し、逆にイチローを引っ張り、盛り立てていったWBC。その中で、調子の悪かったイチローの胸の苦しみは、想像を絶する。最後の方は、痛みとなっていったというから、かわいそうだ。苦しみを乗り越え、無邪気に喜ぶ、こういうイチローって人間っぽくっていいなあ。今回のWBC、やはりイチローの苦しみに始まって、イチローの大喜びで終わった感がある。

MVPは、3勝した松坂。前回に続いてのMVP。これで、名実ともに、「世界ナンバー1のピッチャー」となったわけだ。「今回の日本の勝因は、投手力につきる」と新聞に分析されている。日本のピッチャーの防御率が群を抜いてよかったらしいから、ますます日本のピッチャーは、メジャーから注目されることだろう。ダルは勿論すでにたびたびESPNでも紹介されているが、岩隈、杉内、田中マー君なども。岩隈さん、メジャーに挑戦してほしいような、してほしくないような・・・

シャンパンファイトの原監督の掛け声は、まるで時代劇の中の年寄りのお母さんが息子たちにさとすように、「おまえさんたち・・・強い侍になったなあ!」と役者してたね。

日本の中学生の精神年齢が幼くなっている~中学の懇談会より

2009-03-20 | 日本の中学校
昨日、上の息子の公立中学で、今年度最後の学年全体の保護者会とクラス会があった。2月の福島でのスキー教室の写真をスライドで見せてくれて、いい雰囲気の中、生活指導の先生がこの一年間を振り返って、総括してくれた。

淡々と終始ソフトな口調で話されたが、話の内容は苦渋に満ちたものだった。それでいて話されている内容が、あまりに理路整然としていたので、逆に重々しく感じたほどだった。先生の話では、一部の生徒たちが、休み時間にどこかへ行ってしまい、その生徒たちを捜したり、その子たちが給食時間に帰ってきたら、別室で授業を受けてない分を自習させたりと、とても苦労されたらしい。何の連絡もなく休む生徒たちの家に訪問もしなければならなかったようだ。中2の全生徒240人中、17人もの生徒が一年を通して、30日以上休んでいたので、学校生活になじめずにいる生徒がかなりいたということだ。これは、きっと日本全国でも同じような傾向であろう。メディア等で報道される不登校という文字が現実なのだとつくづく実感した。

そして、現代の日本の子供たちがかかえている大きな問題について言及された。「今の子供たちは、親をこえる力はない」とよく言われる。これは、「家族の一員として、忍耐強く何かしなくてはいけない」という意識に欠けるということ。習い事や塾等で子供たちの日々が忙しく、何でも親が手をだしてしまうので、生活体験がきわめて未熟で、親の世代を越える子供たちがだんだんなくなってきているらしい。「世の中をどう生きていくか・・・わが子に世の中をたって歩かせる力が必要」と強調された。これは、小学生からひきずられている問題だと思う。今の小中学生は、習い事や部活、そして塾とあまりに忙しすぎる。

現代の子供たちは、どんどん幼くなっていき、実際の年齢×0.7と言われる報道もあるという。13歳なら10歳の精神年齢。(信じられない現実)先生は続ける。自己主張はするが、自分がいやなことを言われていると思うと、立ち去ってしまい、落ち着いて人の話を聞く力がなくなっている。「学力がつくための重要な話だと気付く切り替えがへただ」とも言われた。

息子が、シカゴ日本人学校全日校からこちらに編入してきて、気がついたことと先生の話は一致していた。息子にこの先生の話をすると、「うんうん、まさにその通り!」とうなずきながら、その先生がいつもいい話をされるのだが、話をしているときに、ヤジをとばしたり、聞かずに勝手に話している生徒がかなりいることが信じられないと言っていた。このように必死に生徒たちのことを日々思い、彼らの面倒を見ている誠実な先生たちに、息子はいつも同情し、私もいたく心配していた。先生たちは、明らかに疲れている。もう「あまりおこる気になれない」と淡々と言われた。おこったように言われなかったので、保護者たちに果たして響いたであろうか。

最後に、子供に対して、腫れ物にさわるように接してはいけないとアドバイスをくれた。どんな突拍子もない悪いことをしても、「あなたを救えるのは、私たち親しかない!」とドーンと構えるように言われた。そして、高校選びも親と子供ですれ違いが起こった場合、子供に最終判断をさせるように言われた。「そうしたら、子は、入った学校で何かあっても、自分で選んだ道と耐えていける。子は教員でなく、親を本当は頼りにしている」と締めくくられた。

なんだか、ジーンとくる内容であった。この先生の体験談をもっと聞きたかったほど。私立のエリート校では、聞けない内容であろう。どうやって、現状を打破していけばいいのだろう。先生たちの力ではどうにもならない現実。親たちが協力して、子供たちの生活習慣自体を改善していけなければ、現状は変わらないであろう。それは、小学校から始まっているので、もう遅いのだろうか?親たちがもっともっと認識しなくてはいけない。現代日本がかかえる問題の縮図が公立中学にある。

追伸

WBC、日本は韓国に勝利!心配したけど、今日はすっきりですね。あのジャパンキラーの韓国ピッチャーもカモにしてしまったね。それにしても、青木ってすごい!攻守走すべてに光ってる。息子いわく、「イチロー2世」というよりか、「イチローが元祖となるアオキ」って感じになってきているとコメント。小笠原は、気迫のヒットって感じです。このいきおいで、決勝まで突っ走ってほしい!

今日は月に1回公立小学校で、担任の先生とじっくり話せる日!

2009-03-18 | 日本の小学校
今日は、下の息子の小学校の毎月恒例の「さわやかディ」と言われる日で、月に1回ぐらいの割合で、担任の先生とさまざまなことを相談できる日。自由に申し込めて、生活面から学習面まで、普段心配していることなどをじっくり担任の先生に相談できるという、帰国子女の保護者にとって、誠にありがたい貴重な日である。

11月に帰国してから、この「さわやかディ」を使って、担任の先生にこまごました心配事や息子の学校での様子を聞かせてもらった。息子は、給食に慣れるまでそこそこ時間がかかり、12月始め頃まで、かなり文句を言っていたが、いつの間にか、嫌いな緑系の野菜なども食べれるようになり、大嫌いなイチゴをしっかり食べれたというから、慣れというのは、すごい!その後、息子は毎日張り切って学校に行っていたから、日本の小学校にすっかりなじんだのかと思っていた。

しかし、担任の先生は、「まだまだいろんな面で、とまどっているような感じです。」と息子の様子を話してくださる。アメリカではカストディアンがやっていて、生徒たちはやっていなかったそうじなども息子はとまどっている感じ。息子も「給食とそうじは好きではない」とはっきり言っている。この先生は、1月から出産休暇に入った女の担任の先生から代わった若い男の先生。ほんの2ヶ月弱しかクラスを見ていないのに、息子のこともかなり気にかけてみてくださっているようだ。

そして、とてもうれしいことを指摘してくださった。息子が最近みんなの輪の中に自分から少しづつ入っているようだと。息子は、「25分休みや昼休みは、1人で近くのブックワールド(というミニ図書館)に行っている」と言っていたので、内心私はとても心配していたのだ。友達とも遊ぶ約束をしてきたことがなかったので、仲のいい友達がいないのかといたく心配していた。しかし、ここにきて、やっと友達とも約束してくるようになり、一安心。少し前に、この男の担任の先生が、「新しく転入してきたのだから、仲のいい友達というのは、時間をかけながら、少しづつ少しづつできるものです。大丈夫ですよ。」と言われていたが、その通りなのかもしれない。

先生と話して、日本に帰ってきて、日本の小学校に入ったということは、息子にとって大きなことだったのだなとつくづく思う。社会のテストなどは、さいたま市の地理などで、何も習っていない息子にとってさぞやチンプンカンプンであろう。先生が、一緒にさいたま市の地形を感じるために、いろんな場所を親子で回ることを提案してくれた。地理が専門の先生とあって、このあたりの地形を詳しく教えてくださった。こういう先生にしばらく息子を見てもらいたいと強く思うが、残念ながら、後数日でこの先生ともお別れだ。「お世話になりました」と深く頭を下げ、丁寧に玄関まで見送ってくださった。うれしかったけど、なんだかとてもさびしい。息子の話では、厳しいときは、厳しく、面白いときは面白いという雰囲気の先生らしい。3年生にはちょうどいい感じだった。

この先生は、出産休暇などで、先生のお呼びがかかったときに、臨時で先生をするという派遣の先生らしい。こんなにできる先生が、臨時とは・・・驚愕だ。なぜこういう先生に担任を持ってもらって、じょじょにいい学校が築けないのだろうか?もし、一年間、この先生が担任を持たれたら・・・と想像してしまう。勿論、こういうスキルのある先生だからこそ、臨時でも急遽対応可能なのかもしれないが・・・でも、あまりのもったいなさに、しばらく考え込んでしまった。思わず、「上の息子の中学に次は来てください!」と何度も懇願してしまったほど。しかし、先生の話だと、次はどこの学校に行くのかまったくわからないとのこと。いったいどうなっているのだろう。誰が決めるのかわからないが、もっと、もっとこの先生のような貴重な人材を大切にしてほしいと思う。子供たちの将来がかかっているのだから。

追伸

今日のWBCの試合、日本は韓国に負けた。韓国の隙のない攻撃、集中力のある守りを見て、日本より一枚上手(うわて)だと思った。ダルビッシュの立ち上がりが悪く、良くなってからも、日本は打線がまったくつながらず、せっかくのダルの好投もおよばず。それにしても、韓国を倒して、世界一になるのは・・・至難の業。

パリ在住の画家早川俊二氏、3年ぶりの沈黙を破る!~24日からアスクエア神田ギャラリーにて個展開催

2009-03-17 | アート
私の大好きなパリ在住の画家、早川俊二氏の個展が3年ぶりに日本で行われる。早川氏は、1950年長野生まれの59歳。1974年に渡仏して以来、35年間もパリで画家として自身の進むべき道を黙々と模索しながら、一歩一歩精進されている。

今回の個展の作品の代表作が早川氏よりメールで届いた。写真だが、思わず息をのんでしまうほど神々しい色彩の美しさ。本物に出会ったら、どう感じるのだろうか。1人でも多くの方に早川作品を見てもらいたいので、今回の投稿で、早川さんの許可を経て、個展の前に3点紹介しよう。


「まどろむアメリー 1」2008年 写真提供 早川俊二

「「光と陰」とは、絵の具では「白と、黒・茶」になりますが、僕はそれらの絵の具の性質と溶剤のバランスに向かい合い、長い年月を要しています。迷いなく外に向かう光の強さと、目立たぬ存在でありながら静かにうちに向かう陰の強さ、という関係で世界が釣り合うような絵をイメージしています。頭の中では、これらの絵の具と溶剤を自由に思いのままに使いこなせた時には、僕の求めている世界、空間が、自然に生まれ出てくるものと見えています。幾つもの越えねばならぬ壁はありますが、この3年間の中でまた一歩、望む世界に近づけたように感じています。」(早川俊二)氏本人の個展案内文より


「静物 (アフリカの壷、貝、碗)」2008年 写真提供 早川俊二

「この作品は、物が置いてある床部と背景にあたる部分の境目が、向かって壷の左側に認められるが、右側にはほとんどない。モチーフを俯瞰ではなく、ほぼ水平に見ている図としては、挑戦である。3個のモチーフのそれぞれの位置にも注目したい。それぞれの位置が、そこに物自らを落ち着かせ、空間を生んでいる。その空間は、揺らぎを伴いながら広がりを創り出している。」(伊藤厚美)「AS アート・スクエアの会」会報誌 2009年3月号 VOL31より


私が早川さんと出会ったのは、1992年の日本での初個展の英字新聞、ジャパン・タイムズでの取材だった。当時アラフォーに突入したばかりの早川さんは、まだ日本では無名で、話を聞きながら、純粋にご自身の芸術を磨かれている若き修行僧のような印象を受けた。黒目がちの大きな目が彼の芸術に対する純粋さを映しだしていた。

その時のジャパン・タイムズの私のアートレビューを振り返ると、「In search of the universality of beauty 」(「美の普遍性を求めて」)という見出しで(1992年12月6日付)、1枚の少女の絵を紹介している。



「私は、美の普遍性を求めたい。それは、我々が実在としてつかむことができない神のようなものだ。」と語る早川さんの言葉で記事は始まっている。早川さんの幾度も塗り込められたであろう分厚い絵肌の中で、浮き出てくる「アトランティック」という少女の存在感は、白黒の新聞の紙面で、あたかも彫刻のように浮き出ていた。その吸引力はそれまで味わったことのないほど強いもので、だからこそ、どうしても記事にしたかったのだ。

その後、何回か彼の個展を拝見した。アートの専門家ではない私でも、早川さんの絵画を見ると、なぜか穏やかな気持ちになれ、その絵画の持つ不思議な魅力に磁石のように引き込まれ、気持ちが一体となれた。そういう絵というのは、なかなかない。パリの町で、早川絵画を見い出したアスクエア神田ギャラリーの画廊主、伊藤厚美氏とも親しくなり、「よくぞパリにいた日本人画家を発掘したものだ」と感心したものだ。

その後、1997年にアスクエア神田ギャラリーの個展で発表した「アフリカの壷」という作品が、読売新聞の日曜版の第一面の芥川喜好氏による「絵は風景」という人気コーナーで、1ページにわたってカラーで大きく取り上げられ、日経新聞や朝日新聞などでも個展がたびたび紹介されるようになり、一般のアート愛好家にも早川氏の存在が知られるようになる。



芥川氏は、そのときの記事で、「自然で柔らか 空間の不思議」と題して、その絵をこう表現している。「さわさわと、空気の粒子が手に触れんばかりに粒立って視界を侵している。そのなかに影のように壷はあらわれる。むしろ、空気の粒子がそこだけ壷のかたちに凝集して周囲と連続しているという感覚だ。つまり壷と空間はほとんど同質のものに見える。粒立つ空気の摩擦によるものか、画面は内側からほのかな熱と光を発して適度な温かみをたたえている。そのまま包みこまれてしまいそうな、快適な深みをもつ空間が生まれている。こんな絵に接するのは初めてという気がする」(1997年12月7日付読売新聞日曜版より)「さほど広くはないが清潔な印象の画廊の壁面で、絵は周囲の空気とひそかに通じあいながら静かに燃焼していた。様式を主張するのでも、描かれるものを強調するのでもない、もっと自然で柔らかな吸引力にみちた画面だ。」と芥川氏は続く。

早川氏の空間表現の巧みさ、そして、「内なる光をもつ」作品(佐藤よりこ氏)と批評家は指摘する。専門的な解釈は批評家に任せて、言葉に邪魔されることなく、私たちは早川作品とじっくり対話しよう。そう、世の中のさまざまな煩わしいことから離れて、自分自身ともゆっくり向き合えるような時間と空間を作り出す威力が早川絵画にはあるのだ。


「まどろむアメリー 2」2008年 写真提供 早川俊二

早川さんは、東京の創形美術学校を卒業して、1974年パリに渡り、パリ国立美術学校で、彫刻の教授であるマルセル・ジリ氏の下で、1976年から1981年の間、デッサンの勉強をした。西欧美術の巨匠作品に囲まれながら、黙々とデッサンに励んだ早川氏。1983年、パリにて初個展。1984年、グループ展として、FIACに出展するが、絵の具の研究の必要性から出展活動を止める。(アスクエア神田ギャラリー個展案内より)その後、30代からは、20年以上もの長い月日を絵の具の製作研究に費やす。気の遠くなるような時間だ。最後の個展から今回の個展まで3年もの月日が必要だったのは、その絵の具の改良にまたしても時間がかかったという。

中3のときに、セザンヌの絵画に出会って以来、この道をめざしたという早川さんだが、やはり朝型人間。毎日、明け方の3時から4時ごろから7時ぐらいまでが一番集中して作品にとりくむことができるという。ときには2時ぐらいから始めるというから、並みの人間ではまねができない。絵描きとしての早川さんを生活面や精神面で長年ささえ続けてきた奥様、結子さんと2人で菜食主義を貫き、無駄なものをすべてそぎ落として、芸術家としてまい進されている。最初に早川俊二の才能を見出した結子さんという存在がなければ、この稀有な早川絵画の世界は開花されなかっただろう。女性の力というものはすごい!早川さんは、今こそ基本にもどって、自然を大事にする日本文化や日本人の感性をもっと世界に訴えていくべきだと言う。この100年に一度の経済危機と言われる現代の日本で、日本人が忘れてしまっていた大事なものがすべて見直されている中、早川さんの絵画、そして生き方は、私たちの心をとらえて離さないであろう。


早川俊二展  PART I  大作展 3月24日(火)~4月8日(水)
       PART II 小品展 4月14日(火)~5月2日(土)


会場:アスクエア神田ギャラリー

〒101-0054 東京都千代田区神田錦町1-8 伊藤ビル4F(本郷通り)

TEL: 03-3219-7373 FAX: 03-3219-7375

E-mail: kanda-gallery@asquare.jp

URL: http://asquare.jp


松坂、キューバ打線を封印!~侍ジャパン、キューバに6対0で快勝!

2009-03-16 | WBC
今日の早朝5時台から午前中は、テレビにかじりつきだった。むくっと起きたら、松坂投手の堂々としたピッチングに、眠気も吹き飛ぶ。WBCの第2ラウンドがサンディエゴのペトコパークにて、日本対キューバ戦が行われた。

日本のエース、松坂の見事なピッチングと打線の適時打で点を重ね、あの強豪キューパを6対0と快勝。松坂は、6回を86球投げ、8奪三振、5被安打とキューバ打線をシャットアウト。松坂の後のピッチャーも次々に好投。ピッチャーの調子がいいと、打線もつながる。あの164キロをだすと言われたひょろ長い全身バネのようなチャップマンを連続安打で、マウンドから引きずりおろした侍ジャパン打線。きっと今までのすべての彼の投球などを研究し尽くしていたのだろう。ああ、気持ちがいい!

1人の打者に、イチロー、城島と連続してファウルを落球するという予期せぬアクシデントにも松坂は耐え、その打者を三振にきってとる。気がつくと、なんとフォアボールはゼロではないか!やっぱり、大試合には松坂だ。まつざか、まつざか、まつざか!あなたがいる限り、日本は負けない!と叫びたくなるほど、うれしい。

3回の日本の先攻は見事だった。城島、岩村、片岡のヒットで、1アウト満塁で、チャップマンは交代。ワイルドピッチで、岩村がホームインし、その後3番青木が右中間へ意地のタイムリーヒット。これで2対0。勿論、続く4番の村田も犠打で、追加点で、3点目をもぎとる。その後の青木の果敢な走りもキューバのピッチャーを揺さぶったことだろう。青木の存在感光ってました。

最初のワイルドピッチで先攻したときの原監督のうれしそうな顔が印象的だった。原監督の表情が、生き生きしている。試合中のテレビに映った横顔が、選手のように若々しい。原監督のスマイルがずっとテレビ画面に映り続けてほしい。そして、最後は若々しい監督が宙に舞いますように!

今日韓国はメキシコに快勝!ということで、あさって日本は韓国と対戦。水曜日、日本時間11時50分より。勝てば、ベスト4が決定。最初に圧勝し、2回目の対戦で、惜敗した相手韓国。油断できない。ダルビッシュ、頼む!もしも、少しでもぐらついたら、どんどんピッチャーを総動員して、強打線を抑えてほしい。あのふてぶてしい韓国の4番、恐るべし!今日のメキシコ戦での驚異のバッティングを見てしまった。

先週現地に着いた直後の選手たちの様子は、我らがMJのまとめ役で、メジャーに近しいキシダさんのリポートによると、「決して勝利に向かいがむしゃらにという雰囲気ではなく試合は真剣、プライベートはリラックス」というような感じもただよっていたとか。うん、うん、そうこなくちゃ!せっかくサンディエゴに滞在しているのだから、マー君たちのような若い選手たちも、ぜひいろいろ楽しんでほしいと思う。


写真は、マクドナルドで、息子がもらってきたフォールダー。松坂、藤川、小笠原、岩村、川崎、そして青木が写っている。前回のWBCのときの写真を使用しているようだ。なぜかというと、小笠原が髭をはやしている。岩村の雰囲気も違って、なんかスッとした感じ。去年のレイズでの優勝争いまでのぼりつめた活躍もあり、今は、もっと闘志が燃えたぎっているような気がする。

マックの応援サイト:http:w/mdj/jp/pw





「おくりびと」を観る!~やっぱり、納棺師としてのもっくんがすごい!

2009-03-13 | スポーツ一般・娯楽
今日は、ついに話題のアカデミー賞における外国語映画賞受賞作、「おくりびと」を観た。今日の朝のテレビ番組で、音楽担当の久石譲氏がゲストででて、「おくりびと」のテーマソングをピアノで演奏しているのを見てから、友達を急遽誘って、さいたま新都心の人気の「シアターコクーン」へ出動。さっぱりした気性の頼りになるママ友、アヤちゃんが、愛車白のカローラで、送り迎えをしてくれるという大サービス。2人とも「ああ、本当に映画っていいですね!」という台詞がでそうな心境である。さすがに、中高年の観客が多かったけど・・・



とくに、ストーリーに大きな盛り上がりがあるわけでなく、淡々と1人の男の人のキャリアの転職を描く。納棺師という稀有な職業に焦点をあて、人間の生と死の根源を考えさせる。



遠い昔の祖父の葬式の場面の記憶をたどりながら、もックンの納棺師としての所作の美しさに魅入る。祖父が交通事故で突然亡くなったときは、どんな納棺だったのか、納棺師がどんなことをしたのか、まったく記憶にない。というか、そんな儀式はなかったのではないか。初めて目撃した納棺の正式な儀式が、静謐とした空間に輝いてくる。その儀式の中で、死者に化粧をほどこすと、死者に崇高なものさえただよってくる。見ている家族の驚異の視線。死者への悲しみが増す中で、死者に対して尊敬の念が強まる。死ぬということは、一段上の世界へ「旅立つ」ことへの準備という日本人の持つ独特の死生観。そう考えると、不思議と心が落ち着く。死への恐怖心がなくなる。

美しい東北の自然とともに、自分の原風景を振り返る。どこにでもある田舎の日本の原風景が、日本の文化によりそう。これは、私たちみんなが持っている原風景ではないだろうか。

日本人の尊い文化と自然観をこんな風に海外の人々にアピールできた映画。その結果が、アカデミー賞を受賞した。そのおかげで、そのことをますますさまざまな人々に知らしめることができる。日本人として、本当に誇らしいことだ。ありがとう!もっくん、滝田洋二郎監督、映画関係者の方たちみんな。そして、本当に受賞おめでとう!滝田監督は、「バッテリー」も手がけていると公式サイトにありました。

音楽担当の久石氏がおりなす、チェロの響きが、映画を盛り上げる。音が映像にはまりすぎて、気がつかないほどだ。東北の自然の中で、1人でチェロを演奏する主人公の姿が本当に美しかった。

このテーマを長年温め、映画化までもってきて、主演したもっくんこと木本雅弘氏は、20日に、このシアターコクーンで、埼玉県民栄誉章を受賞する。もっくんは、桶川市出身で、しぶがき隊に所属していたアイドル時代、甲子園常連校、浦和学院に通っていたのは、有名だっとの友達の話。それにしても、同じしぶがき隊にいて、現在朝の番組「はなまる」で司会をやっているやックンたちと大きく差が広がったものだ。でも、アカデミー賞受賞の次の日のインタビューで、やックンが親友の快挙を一番喜んでいたような感じがする。もっくんは、本当にまじめで、自分の信じた道を黙々と突き進む努力の人のような印象。また、この映画をもう一度見に行きたくなった。

http://prosv.pref.saitama.lg.jp/scripts/news/news.cgi?mode=ref&yy=2009&mm=3&seq=34

もっくん以外の脇役の味わい深い演技も光っていた。しぶ~い納棺師の社長を演じる山崎努、「天地人」の秀吉役で活躍中のベテラン俳優、笹野高史、もっくんの奥さん役の広末涼子など。暗い題材だから、明るく吹き飛ばすような笑いを誘う箇所も絶妙にはさまれている。久し振りに大いに笑って、ストレス解消!

「おくりびと」公式サイト:http://www.okuribito.jp/

4月からの新しい仕事を決める!~日本での生活の立ち上げその12

2009-03-11 | 日本生活雑感
今年の自分の仕事の方向性が一部決まった。一部というのは、7年ぶりの日本でさまざまなことを模索しているため、フリーでいろんなことをやってみようと思うからだ。自分がどんな目標を持って、今後の日本での人生を進むか、まだまったくの未知数だ。数年間の海外での駐在生活とは、それほど自分の人生に大きな影響をもたらす。それをいかに自分の糧にしていくか、今この時期の努力で決まってくるような気もする。いろんなことを調べて、人々に聞いて、今までの経験と照らし合わせて、ベストなことに挑戦していくしかない。とにかく、一歩を踏み出そう!そんな気分で、今週紹介された仕事をやることに決めた。重くのしかかる重圧と戦いながら・・・でも、方向性が決まったので気分は晴れ晴れ。

しかし、日本に帰国して、根本的な生活の立ち上げに3ヶ月は要しただろうか。2月もぽろぽろと生活上やらなければならないこと、自動車の購入、それに伴なう煩雑な手続き(主人がやってくれたが)大きな生活用品の購入などが必要だった。自動車の運転にいたっては、1回だけ恐る恐る運転したが、あまりに道路がせまくて、怖いのなんのって。普通に乗り回せるようになるまで、主人に隣に乗ってもらい、かなりの練習を要するであろう。

2月は、その間、自分にできる仕事を探していた。この際、何でもいいからバイトでお金を稼ごうと思って、午前中だけでいいというスーパーの仕出しという力仕事にも応募してみたが、土日両方でなければいけないとわかり、即却下。拘束時間がよく、学校の行事にも対応してくれるという小中学生の子供がいる主婦にはありがたいパート。定期的に入ってくるお金がほしいが、土日は部活の試合も入ってきて、お茶当番もあるだろうし、試合も見に行きたい。いくつか英語を使う仕事を物色していた。しかし、夕方にかかるというのもネック。子供の負担を避ける自分の能力を生かせる仕事を探すのは至難の業。履歴書を時間をかけながら書いて、応募しながら、結局、面接や試験を受けには行かなかった。

そうこうしていたら、さいたま市の教育委員会から連絡があり、英会話の講師として登録しているので、いくつかの小学校を紹介してもらえた。今年度の講師の方がやめないことには、仕事がこないので、ラッキーなことである。しかし、紹介された小学校は、自宅からかなり遠く、通うのに不可能。また駅に近い小学校があったが、教える時間数が多く、「経験の少ない私の力量では無理」とあきらめていたら・・・今週、自転車でも通えそうな小学校を紹介してもらった。なんという幸運!親からの協力もとりつけて、思い切ってやってみようと決めた。まったく自信はないが、アメリカでのさまざまな教育ボランティア活動の経験をこの仕事に生かせればと思う。教育の仕事にかかわれるというのは、興味が膨らんでいる私にとって大きい。なんといっても、子供たちがお世話になっているさいたま市のためにボランティア講師(謝礼はもらうが、民間の講師ほどの額ではないため、ボランティア講師という位置づけらしい)として、教育活動のお手伝いができるのは意義深い。

今、日本の教育は大きな転換期を迎えている。今週、小学校から、平成21年度4月から新しい小学校学習指導要領の先行実施のお知らせのプリントが届いた。新学習指導要領の全面的な実施は、平成23年度からだが、平成21年度から算数、理科を中心に新しい内容を一部先行して学習するとある。

この件に関する重要な情報源は、文部科学省のホームページに詳しく掲載されている。「新学習指導要領等は、子どもたちの「生きる力」をはぐくむ具体的な手立てとして、約60年振りに改正された教育基本法を踏まえた教育内容の改善を行うこと、学力の重要な要素である基礎的・基本的な知識・技能の習得、思考力・判断力・表現力等の育成及び学習意欲の向上を図るために、授業時数増を図り、特に言語活動や理数教育を充実すること、子どもたちの豊かな心と健やかな体をはぐくむために道徳教育や体育を充実すること、といった基本的な考え方に基づいている。」(文科省ウェッブサイトより)海外におられる方は、日本に関する情報が少ないと思うので、今後の日本の教育の変化を読み取るために、ぜひこのページを読まれることを勧める。

学校からのプリントでは、小学4年生を例にとると、算数と理科の時間が増え、新しい内容が加わる。各学年総授業時数が1時間ほど増えるようだ。(文科省のサイトには、1、2年生は2時間とあり、プリントの内容では全学年1時間づつ増えるとある。実際の授業時数や時間割は、この時数をもとにそれぞれの学校で決められていますとプリントに記載)新しい内容を学習するため、教科書会社が作成した「補助教材」がすべての児童に配布されるとある。英語活動も小学5、6年生に「英語ノート」が配布される。(必ずしも使用しなくてもいいとホームページにはある)いよいよ英語活動の時間も本格化していくのだろうか。英語以外の各教科に、新しい内容が加わるということで、また現場は混乱するかもしれない。ただ、その動向をまじかに見れるというか、つくっていくお手伝いが少しでもできるというのは、うれしい。私にできるのかどうか、本当に心配ではあるが、体当たり精神でやるだけやってみよう!

新しい要領の内容に関しては、熟読してまた投稿してみたい。また、新しい情報をお持ちの読者がおられたら、教えていただきたい。


新しい指導要領に関する文科省のホームページのサイト:

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/index.htm


シカゴ日本人学校のカントリー調ミニチュアと黄色いスクールバスミニチュア

2009-03-09 | シカゴ日本人学校全日校
先週、シカゴ出張からもどった主人が驚きのうれしいおみやげをもって帰ってくれた。仲良しの友達ヨシミさんからのプレゼントで、なんとシカゴ日本人学校の建物をを模したマグネット。カントリー調の味わい深い色合いで包まれている。真ん中に、「CHICAGO FUTABAKAI JAPANESE SCHOOL」 左の旗に「ARLINGTON HTS. ILLINOIS」と入っている。



これを見たとき、私は胸が熱くなった。「ヨシミさん、ありがとう!」と何度も心で叫んだ。そして、うれしさのあまり、シカゴ日本人学校の黄色のミニチュアのスクールバスとダウンタウンの全米一のっぽで有名なシアズ・タワーのミニチュアと一緒に並べて、記念撮影までしてしまったほどだ。



このミニチュアスクールバスは、2006年、シカゴ双葉会日本語学校創立40周年記念として、PTA執行部の方たちが、私たち全日校保護者たちに注文をとって、うちは息子2人のために、2台手に入れた貴重な記念品。アメリカみやげの中でも、いつも手元に飾っておきたい一品。アメリカ生活で、子供たちが、毎日通った思い出深い、アメリカの学校のシンボルの一つの黄色いスクールバス。ミニチュアバスの車体の横に学校名が入っている。透明のケースに入れて飾っているが、このときは、学校の正面玄関の写真などもケースのバックに入れてくれた。



このバスを見ていると、いつでも、シカゴ双葉会日本人学校がそばにいて、そのスクールバスが、子供たちを守ってくれているようなそんな気さえしてくる。大雪の日、運転が大変なときでも、また美しい緑溢れる晴天の日でも、毎朝バスストップに子供たちを送り出すとき、ドライバーさんに感謝しながら、無事を祈り、「今日も1日日本人学校で楽しんでおいで!」と心の中でそっと呼びかける。子供たちが、バスからうれしそうに降りてくると、「今日も無事に帰ってきたね!」とドライバーさんに感謝した。私たちの7年間のアメリカ生活は、いつもこの黄色のバスに守られてきた。さまざまな先人の人々のご苦労また、日々の努力で、学校のスクールバスのシステムが出来上がり、アメリカ生活を安泰に過ごせたと思う。感謝してもしきれないと感じる。そして、毎日、下校のときは、全日校の暖かい先生たちがみんなで、子供たちを1人1人点検し送り出しながら、最後はいつも手を思い切り振りながら、黄色いバスに乗った子供たちを名残惜しそうに見送っていた。先生方の深い愛情を感じる感動する瞬間だ。下の息子は、この黄色いバスに乗るのが大好きで、バスに乗り遅れそうにならないよう毎朝必死で用意していた。

今日もスクールバスは、全日校も補習校も元気な双葉の子供たちを守っていることだろう。

WBC開幕!サムライジャパン、中国に4対0で快勝!

2009-03-05 | WBC
今日は、夕方6時半頃から、家族3人はテレビにくぎ付けとなった。いよいよ待ちに待った第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の幕明け。東京ドームで、日本はまず中国と対戦した。

強化試合から日本のメンバーを見ているが、まさに怪物打線!(息子が名づけた)今日なんて、打順7、8、9番が、メジャーリーガーのオンパレード、下位打線が、福留、城島、岩村と貫禄の打線が続くとあって、中国の選手はびびっていただろう。クリーンアップが終わってからも、またまた3番からのクリーンアップが続く感じだと主人が言っていた。福留選手は、たしか強化試合の初日の選手紹介のときに、1番うれしそうに、グランドに走っていったのが印象に残っている。国際試合で、5ホーマーと強い数字を残している福留選手。前回のWBCでは、代打でホームランという勝負強さを見せた。肝っ玉が据わっているというわけか。というわけで、原監督は、先発で、福留選手を起用した。熱烈なシカゴ・カブスファンの私たちとしては、誠にうれしい!福留選手も落ち着いて、フォアボールを選び、いつもの選球眼のよさをアピール。

しかし、あの中国にあの打線で、4点はないぜ!リーダーのイチロー選手が5打数無安打と調子がでていないせいもあるかもしれないが・・・目のさめるような見事な連続安打の安打製造機の青木選手とメジャーばりの低い球をすくいあげて、ホームランにして、見せてくれた5番の村田選手の2人が、打者では今日は印象に残るだけだ。中国の選手は、守備があまりうまくなく、エラーが多かった。だとすると、もう少し、たたみかけるような日本の攻撃がほしかった。追加点がなかったのに物足りなさが残る試合だった。

ただ、とてもうれしかったのが、先発のダルビッシュ投手が、強化試合とはうってかわって、見事なピッチングを展開。4回を無安打。決め球は、ストレートが多かった。日本のエースは、こうこなくっちゃ!190センチ以上もある長身からのストレートは、背の低めの中国の選手をさぞや威圧したことだろう。ダルの調子がよく、球数も多くなかったので、今後も期待。ああ、すっきりした。インタビューのダルは、あまり表情を変えず、淡々と話していた。

とりあえず、原監督もほっとしたことだろう。イチローの調子が悪いので・・・と心配する記事が多いだろうが、ヒット性のあたりをイチローの見事なファインプレーで、ピッチャーを救ったのも大きい。きっと、日本がピンチになってきたら、イチローが調子を上げてくるに違いない。

サムライ・ジャパンのヘルメットの横には、「世界をつかもう」との文字が大きく入っている。果たして、もう一度日本は世界一になれるか!