Kuniのウィンディ・シティへの手紙

シカゴ駐在生活を振り返りながら、帰国子女動向、日本の教育、アート、音楽、芸能、社会問題、日常生活等の情報を発信。

関ヶ原をへて、石田三成死す、直江兼続、義と愛の道へ進む~NHK大河ドラマ「天地人」

2009-09-22 | 日本生活雑感
注目のNHK大河ドラマ「天地人」がついに天下分け目の合戦、「関ヶ原」を終えた。優柔不断な小早川秀秋の裏切りをきっかけに、西軍は総崩れとなり、1日にして大敗。石田三成は、徳川家康に捕らえられ、斬首。関ヶ原の西軍の大敗を知って愕然とする我らが直江兼続だが、すぐに頭を切り替え、主君上杉景勝とともに、会津へ撤退していく。

小栗旬演ずる三成と妻夫木聡演ずる兼続の2人の盟友の熱い友情が、大きな柱となって、私たちに迫ってくる。先週のタイトルは、「三成の遺言」で、兼続に残す遺言という意味だ。三成が入れられている牢屋を訪れた裏切り者、小早川に対して、三成は恨み言を言わず、「兼続に伝えよ!」「なにとぞ生きて、我らの正義を後世に伝えよ!」と心の底からしぼりだすように叫ぶ。このときの小栗旬の目がいい!このドラマにでてきた最初の頃から、なまいきそうな鋭い目がいいと思っていたが。三成登場最後の回は、その目にくやしさと無念さがにじみでていた。

それを聞いた兼続は、呆然とし、「おぬしの志、しかと受け取ったぞ!わしは生きる。生きて後世に伝えるぞ。我らの正義を!」と強く誓う。そうよ!あのたぬきおやじのにっくき家康をしたたかに利用して、上杉家よ生き延びよ!と思わず言いたくなる。このドラマでは、松方弘樹演ずる家康は、徹底的にワルの役どころ。あの小栗旬演じる三成を殺した奴となれば、女性ファンは許しておかない。歴女には、最近三成ファンが多いというから、みんな先週はとても悲しかったろうなあ。私も「かわいそうで、見れないわ~」と言いながら、しかと見たのだ。

という具合に、私たちを歴史ドラマの真っ只中に誘ってくれる「天地人」であるが、クライマックスである関ヶ原が終わったとはいえ、兼続の活躍はこれからが本番である。苦闘の道のりからどうやって上杉家を守っていくのか、そして、彼の本当の意味の義と愛の道へ入っていくのか楽しみだわ!




さいたま市の名所を英語で紹介しよう~小学校の英会話の授業

2009-09-20 | 日本の教育一般
今月の小学校6年生の英会話の単元のテーマは、「ふるさとから世界へ」。まず、さいたま市の名所の写真を見せながら、外国人にも伝えられるよう、英語の表現を学ぶ。私たち住民でさえ、さいたま市の名所って、知っているようで知らない場所も多い。子供たちも知らない名所が結構ある。

写真を見せながら、「Where is it?」(ここはどこ)と聞く。「大宮氷川神社」、「見沼通船堀」、「埼玉スタジアム2002」、「さいたま新都心」、「鉄道博物館」、このあたりは、みんな即座にばっちりわかる。「埼玉スタジアム2002」の日本語の呼び方が、私ははっきりしていなかった。「さいたまスタジアム にー、まる、まる、にー」というんだそうだ。「にー、ぜろ、ぜろ、にー」か「二千二」と読むのかと思いきや、授業の前、職員室でほかの先生に確認すると、「みんなそう(まる、まると)よんでますよ」と教えてもらう。2002年の2月にシカゴに行ってから2008年11月に帰国するまでの日本の出来事がぶっとんでいるので、こんなささいなことでも曖昧なことが多い。

英語の呼び方も全部確認して、みんなに伝える。氷川神社が、Hikawa Shrine。 このShrine の発音がみんななかなかできなかった。見沼通船堀は、Minuma Canal。これは、いいやすく、すぐにマスター。鉄道博物館は、The Railway Museum。こ のRailwayも苦戦。それでも、みんな一生懸命英語で名所を表現する。さて、バラで有名な「与野公園」、「大宮花の丘農林公園」、大宮の「盆栽町」。これらの写真を見てもピンとこなかったようだ。みんなあまり訪れていないのかもしれない。(私もまだ行ったことがない)「田島が原サクラソウ自生地」は、数人の子がわかったようだ。今回のことで、各名所も調べていたら、サクラソウ自生地は、天然記念物に指定されているとか。来年の春はぜひ見に行きたいもの。

さて、次のグループ活動は、8班に分かれて、英語のさいたま市の絵地図から、私たち指導者が英語で場所を聞く。「Where is Minuma Canal?」すると、子供たちが、探し出すと、「It's here!」と言いながら指し示し、シールを貼る。みんなさいたま市の地図を配られただけで興味深々。この英語の絵地図は、同僚の5年生担当のユウコ先生からの借り物。絵地図は、裏で、表はさいたま市の詳しい大きな地図。外人用にさいたま市が作成したのだろう。先輩英会話教師のユウコ先生が、いろんな市役所を回り、子供たちの英語学習のために調達したという。ありがとう、ユウコ先生!

最後のコミュニケーション活動は、外人グループと日本人グループに分かれて、自分の持っている絵地図のコピーの場所を外人グループが聞き、日本人グループが場所を教えて、丸をつける。「Where is ~? 」「It's here.」と言い合う。みんなはりきって聞き合っていた。「オレ、外人!」となりきって英語を使っている子も結構いた。最後のクラスが終わった瞬間、1人の英語を積極的に話す一番前の男の子が、「あ~!楽しかった!」と一言。うれしかったなあ、その一言。

この単元は、さいたま市から他の県の紹介、そして、他の国々へと発展していく。やっぱり、1時間目は、まず自分の住んでいる地域から出発。3、4年生の社会で、さいたま市のことは学んでいる子供たち。社会見学でもさまざまなさいたま市の場所に出かけているから、私よりもさいたま市のことは知っているはず。国際交流を意識しながら、英語で表現を学び、自分たちの住んでいる地域のことを今一度意識する。一石二鳥の英語の授業。今回の授業で、私もまだ訪れていないさいたま市の名所に行きたくなった。下の息子がもうすぐ井沢弥惣兵衛が作った見沼通船掘の歴史を社会の授業で学ぶので、ぜひ行ってみたい。区役所で、「見沼田園の散歩みち」というパンフレットで、地域の散策場所を紹介しているので、これを参考に散策してみようと思う。

http://www.minumatanbo-saitama.jp
http://www.city.saitama.jp/

追伸

それにしても、2学期にはいって、子供たちがだんだん慣れてきてくれた。この小学校の子供たちは、とても素直で、かわいい!1人の女の子が。私にマンガの主人公の絵を描いてプレゼントしてくれた。とても丁寧に上手にかかれていたので、驚く。学校の門の近くで女の子たちに会ったとき、日本語で話しかけられたので、日本語で話したら、「エッ、先生外人じゃないの?」とまたまた驚かれる。一緒に英語活動を行う担任の先生たちも積極的に英語で子供たちを引っ張っていく。私のように経験の少ない英語講師にとって、先生たちの力は大きい。担任の先生たちがリードしてくれないと、いい英語の授業にはならない。コミュニケーションを学びながら、英語を吸収していくというさいたま市の英語活動だが、さまざまな要素を含んでいる。

長澤英俊展、埼玉3ヶ所で開催中~埼玉県立近代美術館にて

2009-09-17 | アート
今週は、久しぶりに現代アートの醍醐味を味わった。イタリアを拠点に活躍する彫刻家、長澤英俊の個展を北浦和にある埼玉県立近代美術館で見た。この美術館は、こぎれいな北浦和公園内にあり、昔から私のお気に入りのさいたま市の場所。7、8年ぶりに訪れたが、まったく変わっていない。クラシック音楽に合わせて、噴水が飛び出してくるというユニークな趣向も変わらず。

さて肝心な長澤英俊の作品は、多種多様であった。驚いたのは、巨大な木の柱をさまざまな方向から組み合わせて、部屋にすくっと立たせていること。緻密に計算して、立つように組み合わせたのだろうが、美術館の空間とうまく呼応していて、不思議な安定感を生み出している。

かと思えば、大理石をきれいにきりとって、(彫って)突き出させたりしているのが、いとおしい。なぜだか、重々しい感じがなく、白い大理石が自由に浮揚しているようにも感じる。大理石で、まったく同じ石まで作ってしまうという発想には驚く。東洋的な作品もあり、ギリシャ風な作品もありとイタリアで長年住みながら、創作してきた日本人ならではの作品群だ。リサーチしたり、各作品をじっくり味わう時間がないので、長澤氏の作品に対する哲学は、今分析できないが、素人にも充分現代美術の醍醐味が感じられる展覧会だと思う。

同時期に川越市立美術館と埼玉県川島町にある遠山記念館でも作品展が開催されている。展覧会は、9月23日まで。

埼玉県立近代美術館: http://www.momas.jp

川越市立美術館: http://www.city.kawagoe.saitama.jp

イチロー史上初の9年連続200安打達成!~野球殿堂入りへの道

2009-09-15 | メジャーリーグ
昨日、またまたイチローがメジャー新記録となる9年連続200安打というとてつもない記録を達成した。1894年~1901年にウィリー・キーラーがマークした8年連続という最長記録を108年ぶりに破ったという。このキーラーの写真が新聞やテレビででてくるが、その昔ブラックソックス・スキャンダルで球界永久追放になった悲劇のヒーロー、シューレスジョー・ジャクソンになんとなく似ている。イチローもあの時代に生まれていたら、どんな感じだったのだろう。

昨日のNHKの「スポーツ大陸」では、記録達成日にイチロー特集を放映していた。おそらく事前にインタビューし、編集して、当日の映像を大急ぎで、編集したのだろう。NHKご苦労さまである。(私は、この「スポーツ大陸」のテーマ音楽がいたく気に入っている。最近、メジャーから帰ってきた井口選手のロッテでの活躍も特集されていた)イチローが毎年200安打を達成するまでの想像を絶する重圧や苦悩を映し出していた。その重圧やストレスによって、安打製造機と呼ばれるバッティングフォームを微妙に狂わせたり、しいては守備にまで影響するというから、いつものイチローの何事にも恐れない表情からは想像できない。

ただ、とてもうれしかった事実は、あのWBCでの打てなかった苦悩を乗り越えて、決勝での大活躍がその後の自信になったということ。あの瞬間の日本国中からのイチローにそそがれる視線の重圧というのは、はかりしれない。どんなドラマや映画の主人公を見るより、あのときのイチローの表情、そして一挙手一動にはかなわない!そして、絵に描いたようなあの見事なタイムリーヒットは、私たちの心にずっと刻まれていくだろう。

そして、これまでの道のりでは、あるときは、チームメートからも疎まれ、メディアからも非難されたときがあったというから、まさに孤高の人。今年、イチローの敬愛するケン・グリフィー・ジュニアが、マリナーズにもどってきて、(去年ホワイトソックスではイマイチだったよねえ)イチローの気持ちをなごませているという。グリフィーがイチローをくすぐって、励ましている映像が微笑ましい。あのいつも険しい表情のイチローが子供のようにゲラゲラ笑っている。グリフィーは、イチローのことを「イチ」と呼ぶ。息子と一緒にテレビを見ていて、「グリフィーだからイチローにあんなことができるんだねえ」と言っていた。同僚マリナーズの城島は、イチローのことを「イチさん」と呼び、その試合への取り組み方や体調管理のすごさを尊敬する。

シーズン200安打の回数は、イチローはこれでみんなに恐れられたあの最強打者、タイ・カップに並んだ。(血の気が多く、すごい形相でスパイク立てて盗塁してたという人)トップは10回のピート・ローズ。(ローズも野球賭博で球界永久追放で、殿堂入りしていない。でも殿堂博物館にはローズのグッズは飾ってあったけど)ローズの記録を抜くのは時間の問題だし、クーパーズタウンにある野球殿堂入りするのも間違いないようだ。殿堂入りするには、メジャーで10年以上プレーする必要がある。たしか、毎年何人かづつ選ばれて、その栄光をたたえられる。息子の話では、引退してから、何年と殿堂入りする資格が決まっているらしいから、イチローの殿堂入りはまだまだずっと先のことだ。私たちが去年訪れた偉大な野球殿堂博物館に、今回の記録で、またイチローのスパイクやバットなどが展示されるのだろう。殿堂入りした選手たちは、金色のプレートに顔を彫られて、飾られているのだが、あの輝く金色のプレートにイチローの顔が出たら、クーパーズタウンをまたぜひ家族で訪れてみたい。去年アメリカ駐在中最後の年に、家族でクーパーズタウンを訪れたときのことは、一生忘れないだろう。イチローのプレートを見に再び訪れるのは、私たち夫婦の老後の楽しみってわけだ。(でも、各選手の金色のプレートの顔って、あまり本物に似てないんだよね。イチローってどんな風に彫られるんだろう?)

高校受験、第一志望校は公立と決まったが・・・早慶はどうする?

2009-09-13 | 日本の教育一般
夏休みが終わり、9月10月の週末は高校の文化祭花盛り。上の息子も先週末は、友達と一緒に気になる高校の文化祭に繰り出す。今日私は、下の息子とともに近所の浦和実業の文化祭に出かけた。夏休み中、上の息子は、受験勉強の合間をぬって、7~8校ぐらいさまざまな高校の説明会、学校見学、部活動に参加。公立、国立、私立と一通り回ったおかげで、自分に合った志望校がしぼれてきたようだ。

私たちが希望するすべてを網羅する学校というのは、なかなかないが、息子の希望をだいたい備えた公立高校が見つかった。その公立高校の教頭先生に先週3教科の帰国枠受験の話も電話で聞いてみたら、親切に教えてくださった。結論としては、やはり、一般受験の5教科で受験するほうが良さそうだ。帰国枠の3教科だと一般の生徒たちの3教科と勝負するため、少しでも苦手な部分があると、他の2教科でカバーできないため、リスクが高そうだ。息子の場合、社会が強く、最近苦手だった理科ものびてきた。国語、英語は安定しているが、ひょっと数学でいつものようなケアレスがでたりしたときには、理社で盛り返せるので、やはり、一般受験の方がいいかもしれない。

国立も見学しにいったが、校舎が古く、ちょっと遠い。私は、プログラム内容が良さそうだったので、押してみたが、施設が息子にとってイマイチだったらしい。「床がミシミシいっていたよ!」とあっけなく、志望校から消してしまった。国立を受験するとなると、今のようなのんびりした週一の個別塾では到底無理なので、私としてはほっとした。8月に初めて受けた駿台模試もあまりのむずかしさに息子は辟易していた。3教科はなんとかなったが、理社は、習っていないところばかりで歯がたたなかったとか。やっぱり、塾に行ってないと国立はむずかしいなあ。

滑り止めの埼玉の私立も息子はすぐに決めた。学校案内を先生が丁寧にしてくれて、息子がとても気に入っている学校だ。この学校のできれば特待をとりたいらしいが、偏差値に波があるので、それもなかなか難しい。頑張れ、息子よ!

というわけで、とりあえず、志望校を公立にしぼって、受験勉強に望む。しかし、公立も難関校を志望校にしているため、現在業者テストで安全圏にいるとはいえ、かなり頑張らなくてはいけない。きっとできる子供たちは、みんな志望校のレベルを落としてくるだろう。しかも人気校を志望校にしているため、倍率が上がるのは必死。相当きちんとした対策を立てないと。息子は、グループの塾に通っていないため、回りからの刺激が少なく、危機意識も薄い。私立の確約をとるのに大事な9月の北辰テストもケアレスミスを連発したらしい。前回、盛り返し、上昇にもっていこうとしたのに、アップアンドダウンの激しい北辰テスト。このままでは・・・

塾の先生の話では、難関公立校を受ける子供たちは、早慶も受けるため、早慶にも対応した受験準備もすべきだという。塾の資料を見ると、公立を受けるまでに受けられる早慶の学校のスケジュール対策もしっかりと明記してある。まず、滑り止めの私立校が前哨戦。そして、2月7日の慶応志木から始まって、9日早稲田本庄、10日早稲田実業、11日早稲田学院、13日慶応義塾と続く。16日の公立受験日に、慶応義塾の2次面接が重なる。しかし、共学希望の息子が受けられる早慶の学校も限られている。男子校でいいという友達は、選択肢が広がるので、うらやましい!先週何年ぶりかで会った昔のママ友達の息子さんは、男子校希望なので、県立浦和高校を第一志望にして、早稲田学院を受けるつもりだという。いいなあ、いろいろ受けられて。早慶を受けても、早稲田大学や慶応大学にあまりこだわらない息子としては、受ける意味はあるのかなあ。自己推薦って、公立志望でも可能なのだろうか?私には、わからないことだらけ。主人は、息子は絶対慶応というタイプではなく、早稲田だ!などとブツブツ。

あげくのはて、「芦屋の(主人の死んだ)じいちゃんが東大大学院卒で、学者になり、(物理の)教授だったから、(息子にも)そういう血が流れているかもしれないから、やっぱり東大がいいんじゃないか!」などとけしかける始末。この芦屋のおじいちゃんは、かなり有名な人だったようで、日本を代表する大手の電機メーカーで、執行役員やその研究所の所長までこなし、関西学院大学の教授だったそうな。亡くなった時は、新聞の訃報欄には出るし、某電機メーカーの人たちがお葬式の手伝いに来るわ、当時の業界では有名な社長までお葬式に出席したほど。(ちなみにこの方と義母は、同級生でよく知っているらしい)息子は、よく「芦屋のじいちゃんと一度でいいから、いろんな話をしてみたかった!」と残念そう。おっと、受験から話がそれてしまった。

塾の資料には、「ハイレベルな受験生が集まる難関校の入試は、自ずから雰囲気が引き締まり、他とはまったくちがう緊迫感が漂います。早期に行われる慶応志木や早大本庄の一次試験でこれを経験しておくと、その後の日程に必ず生きてきます。早慶志願の生徒は当然ですが、5科進学校をめざしている人も必ずこのステップを踏んでください」(「国立・開成・早慶がわかる!」2010年最難関校高校突破ガイドブック、栄光ゼミナールより)とある。

しかし、進研ゼミで公立対策をやりながら、塾で早慶対策をやるって、そんな時間あるかなあ・・・それにしても、息子の勉強時間は他の子に比べてあまりに少ない!受験生に見えない!しょっちゅう読書をしている。こんなことなら、本人の希望を聞かず、しっかりグループの塾に入れておけばよかった。そうしたら、私もやきもきせず、安心だったなあ。


日本の中学校の体育祭の盛り上がり!

2009-09-12 | 日本の中学校
今日は、上の息子の公立中学校の体育祭。あいにくの天気で、雨がぽつりぽつりと降るのを気にしながらも、後半なんとか天気も持ち直し、無事に中学最後の体育祭は幕を下ろした。といっても、私たち元駐在員家族にとって、初めての日本の中学での体育祭。人数が多いので、あっという間に終わって、盛り上がりもないのではと期待していなかったのだが、なかなかどうして、生徒たちは勿論、保護者たちも大声で声援して盛り上がっていた。



7年弱いたシカゴ日本人学校全日校の運動会は、毎年美しい芝生でゆったりとピクニック気分で見られた。テーブルやローンチェアを持ち出して、家族でお弁当もゆっくり食べれた。しかし、日本の中学は、土まみれの中、人数が多いため、座れない。保護者たちは回りをぐるりと囲んで、立ちっぱなしのため、自分の子供が出る競技だけ見て、さっさと帰る人も多い。日本人学校では、赤白に分かれて、保護者を感動の渦に巻き込む熱血の応援合戦もない。


体育委員による聖火の点火の演出がすごくよかった!

うちの息子の中学は、クラスごとにチームの色が決まっていて、クラス対抗の戦い。3年生は6クラスあり、息子のクラスは黄色。赤、白、緑、赤、オレンジで、グラウンドのバックには、各クラスのスローガンがカラフルな旗に大きく掲げられ、派手な演出。息子のクラスは、息子のスローガンが選ばれている。そのスローガンは、「Winds of God」あの神風特攻隊を題材にした同名タイトルの映画のパクリだ。意味が「神風」なんて、誰もわからないなあ!ま、いっかあ!と息子も私も言い合う。でも、要は盛り上がればいいわけ。



一番面白かった競技は、やはりムカデ競争。1年から始まって、だんだん人数が増え、3年生はなんとクラス全員が一つのムカデとなって各クラスで競争。ちょっと想像できないでしょ。そして、今年もまた去年に続いて、息子はまん前だ。同じ野球部のメンバーW君と組んで、一番重要な前を進む。去年もまん前でみんなをリードし、ぶっちぎりで、一番を勝ち取ったのだが・・・今年は、なかなか大変そうだった。


40人ぐらいのクラス全員が綱で結ばれて動く 真ん中に女子を固めて、男子が引っ張るらしい

みんなかなり健闘していたが、うちのクラスは2回戦平均真ん中あたりの順位。ぶっちぎりの1組は、女の先生が横にずっとついて、熱血指導。子供たちをあおりまくる。1組は、ぴたっと動きが全員きまっていて、その団結力がすごかった。

最後のクラス対抗リレーは、うちのクラスは女子が1位で、男子が6位。息子もでて健闘していたが、息子の次の選手が転倒してしまった。しかし、女子のおかげで、うちのクラスは3位に食い込む。ありがとう、女子!1位はやはり1組であった。

体育祭の間、私たちは、いつものように、幼稚園時代一緒だった仲良しのママ友たちとしゃべりまくる。みんなの面白かったコメントは、体育祭の競技の前の準備体操の話。準備体操の後、この中学独自のエアロビクス体操が面白いのだ。私はこのエアロビを見ても、とくになんとも思わなかったのだが、ママ友たちにとっては特別な感慨があるらしい。数年前の先輩たちがこのエアロビ体操を編み出したらしいが、みんな中学に入ってから、これを覚えるのに時間がかかったらしい。そして、それができるようになってからやっているのを見ると、「ああ、うちの子が元気でよかったあ!」と感動を覚えるのだという。みんな母親たちは、その音楽を聞いただけでも、涙がでるのだという。みんなが「そうだ、そうだ!」と納得しているのだが、ウーン、私にはまったくその気持ちがわからない!うちの息子は3回で覚えちゃったって言うし。それに、息子の動きは他の子に比べてかなりよかった。(体が異常に柔らかいため、踊りにかけてはうまいんだ)「やっぱり、みんなとは中学で、保護者として過ごした時間が違う!」と最後、妙にしらけていた私であった。


イチロー、メジャー通算2000本安打達成!~イチローがアメリカで存在する意義

2009-09-08 | メジャーリーグ
イチローが、メジャー通算2000本安打を大リーグに移籍して9年目で達成した。10シーズンかからずに2000本安打をマークしたのは、史上初。1402試合目での到達では、20~40代に活躍したアル・シモンズの1390試合に次ぐ史上2番目の早さと報道されている。あのジョージ・しスラーの1414試合を上回る早さ。このアル・シモンズという人が活躍した時代は、球場の状況やピッチャーの球速などさまざまな面で、現代のメジャー環境とかなり違うだろうから、イチローの記録の偉大さがわかる。

今回のイチローのコメントで面白いのは、マリナーズ入団1年目の2001年4月にこの記録を達成した同じ場所、敵地オークランド・コロシアム球場で、初めてプレーしたときのことを思い出したという。アスレティックスファンから、頭にコインをぶつけられたり、アイスクリームが飛んできたりと、過激な洗礼を受けたという。記録達成の日、敵地の16000人の観客は立ち上がり、この偉大な35歳の選手に大きな拍手を送った。「この球場でヒットを打って、観客から祝福を受けられたのは感慨深かった。」とイチローは言う。

まず、自分自身の記録の偉大さを誇るよりも、ファンの反応に体も心も真っ先に反応するとは、徹底的にプロに徹した人というか、常に客観的に自分自身を見ているというか・・・イチローは、8年間アメリカでプレーしてきて、アメリカ人が彼を日本人メジャーリーガーとしてではなく、偉大なメジャーリーガーの1人として認めてくれているのを心の底から喜んでいるのだろう。

去年、私がシカゴのハーパー・カレッジで「アメリカ野球の歴史」のクラスをとったとき、野球狂の教授も生徒たちもイチローを日本人としてまったく特別視していなかった。ベーブ・ルース、ジャッキー・ロビンソン、ピート・ローズなど球史に輝く偉大な選手たちを古びた映像とともに学んでいったのだが、イチローのこともなにげなくみんな語っていた。1人のメジャーリーガーとして。あたかもアメリカ人の1人として、自分の仲間を誇っているかのように・・・そうなのだ、イチローはすでに日本が誇るイチローではなく、アメリカ人にとっても誇りなのだ。それも子供から年寄りまで。

そんな風に考えると、イチローがアメリカにいて活躍し続けることの意義ははかりしれない。ひょっとすると、日本の総理大臣よりもイチローがコメントしたほうがインパクトは強く、アメリカ人はよく聞くかもしれない。さて、次のイチローの目標の「9年連続のシーズン200本安打」まで後5本。

知力の甲子園、「高校生クイズ」で日本のスーパーエリート集団を見る!

2009-09-04 | 日本の教育一般
今日は、「第29回高校生クイズ」という日本テレビの番組で、日本中の名門校の壮絶な知のバトルが行われた。噂には聞いていたこの番組。かなり前から、エカミルさんに「面白いからのがすな!」と教えてもらっていた。初めて見たのだが・・・しかし、ここまで難問が続くとは・・・そして、それにといとも簡単に涼しげな顔で答えるスーパー高校生たち。想像を絶する受験競争に勝って、自身の知力を高めることに努力を惜しまないスーパーエリート集団の結集だ!

普段名門校の名前を言われても、「ふん」という感じなのだが、やはり天才的な頭脳を見せ付けられると、「ハハーッ!」と言う感じで、ひれふしてしまう。だって、問題自体が私たちには理解不能なものがほとんど。(といっても、文系の問題は私でもわかったものがあったわ!)上の息子もその高レベルの難問さにびっくりしている。でも、得意の歴史の問題には、むきになって答えている。

さて、見ていると準決勝あたりから面白くなっていた。東大合格率ナンバー1の開成、京大合格率ナンバー1の奈良の東大寺学院、九州の名門校、医学部合格率ナンバー1の鹿児島ラ・サール、そして、我らが地元の名門校、県立浦和高校が勝ち残っていた。浦高だけが、唯一公立である。浦高すごしである。過去優勝経験も2回。勿論、私は、大声で浦高を応援した。リーダーの杉本君は、50冊の問題集で5万問もの問題を解いていたという。しかし、浦高は、難解な問題を解けていたのに、ケアレスミスで、あっけなく、敗退した。ものすごく悔しそうな表情で、涙しながら、浦高のメンバー3人は去っていった。来年、優勝しろよ!

そして、私が応援していたもう1校は、開成。だって、リーダーの田村君がイケメンで、瞬時に解答するものだから、あまりにカッコよくて・・・田村君は、東大理Iをめざしていると番組で紹介していた。こんなに頭が良くて、ルックスもいい子が開成にはいるんだ!やっぱり、開成ってすごい!と単純に見方を変えてしまう私。でも、この番組って、すごい高校の宣伝になるわね。

しかし、残念ながら、開成も敗退。最後決勝は、東大寺学園VSラ・サール。決勝戦は、壮絶なバトルが続いた。結局は、天才的な記憶力を誇るリーダー中村君率いる東大寺学園が優勝!ほとんど知力に差はなかったのではないかと思わせるほどの闘いだった。ラ・サールのメンバー3人もなかなかイケメン風。3人がさまざまな違う知力を結集して、準優勝を勝ち取った。

こういう番組を見て、すごい能力を持つ若者たちを見ると、日本の将来も心配ないのではないかと思う。今の中高校生たちは、私たちが思っているより、ずっと上を見て、常に自己鍛錬して、向上心を持って、全力投球でいろんなことに取り組んでいるんではないかと思う。高校生たち、素晴らしい知力を見せてくれてありがとう!来年も楽しみにしています!

仕事復帰!~小学校の英会話講師の新学期始まる

2009-09-03 | 日本の教育一般
新学期が始まった!といきなり、2日から小学校の英会話の時間も始まった。ウーン、もう少しリハビリほしいけど・・・なんて言っている場合じゃない!容赦なく小学校の仕事は始まるのだ。小学校の先生たちは、夏休みの終わり頃からすでにとばしている。夏休み最後の週頃に、打ち合わせの電話をしたら、2学期の先のことまで言われ、小学校の大変さを知る。

さて、9月の1週目は、「アイスブレイキングタイム」ということで、大きな単元に入る前のウォーミングアップみたいな授業内容。ラッキーなことに、初日に相棒のきれるALT、オスカーがいてくれたので、楽だった。オスカー主導のもと、その日のウォーミングアップは、映画「スパイダーマン」のキャラを用いた簡単なゲーム。3つのグループに分かれて、さまざまなカテゴリーの言葉を使って、次々に質問し、隣の人が答えて、一番早く終わったチームがスパイダーマンのポイントをもらい、ビルをかけのぼっていき、最後スパイダーマンの恋人、メアリーケイを助けたチームが勝ち。これが結構盛り上がった。6年生でも結構むきになって、みんなチームのために、頑張る。チームを勝たせたい一心で、みんな早口で英語の表現がでてくる。「What sport do you like?」「 I like baseball. 」このsportの部分を「food」「color」などといろいろ変えてもみんなしっかり対応している。英語に自信のない子でも、すらすらとでてくる。いやはや、素晴らしい!の一言。ゲームの力というのはすごい!

その日は、ゲームの大サービスで、トランプのダウトもグループに分かれてやる。ダウトの代わりに「Really?」を言う。デモで、担任の先生を含む私たち指導者も全員、「ダウト」と言ってしまい、みんな大笑いだった。

みんな1学期の始めより気軽に私に話しかけたり、質問したり、廊下で会うと、きちんと英語で挨拶をしてくれるようになった。授業のあと、1人の先生と日本語で打ち合わせをしていると、「なんだあ!先生ペラペラじゃん!」と大きな声で1人の男の子が言う。「え~!日本語、英語どっちが?」と聞くと、「日本語も英語もペラペラなんだね!」とその男の子が言う。すかさず、私も「君だって、英語じょうずだよ!」ときり返した。ゲームのルールなどで英語がややっこしいときは、日本語で説明しているのだが、一部の子供たちは、私が日本語が普通にしゃべると不思議な模様。顔もしっかり日本人なのになあ。英語で授業を進める英語の先生は、特別な感じがするのかな。どっちにしても、子供たちの反応はさまざまで面白い!今学期もみんな子供たちも私も楽しみながら、英語を話そう!