Kuniのウィンディ・シティへの手紙

シカゴ駐在生活を振り返りながら、帰国子女動向、日本の教育、アート、音楽、芸能、社会問題、日常生活等の情報を発信。

世界中から愛されるシカゴ美術館の魅力

2015-09-05 | シカゴダウンタウン
前々回の投稿がシカゴ滞在のダウンタウンで終わっていた。
18日間も滞在したのに、毎日忙しくてブログに投稿できずにすみません。
あっという間に暑い暑い日本の夏も終って、この夏の忘れられないシカゴでの出来事を書き残さねば!

ユニオン駅から最初にダウンタウンで直行した場所は勿論ミレニアムパーク。
前回の投稿の写真でミレニアムパークがいかに様々な人々を惹きつけているかわかるであろう。

その真横に位置するのが、世界一の人気を誇り、アメリカ三大美術館の一つと言われるシカゴ美術館。


US新聞ライター3人組。編集長のしょうこさんと主に美術担当の斉藤さんと。

2頭のライオンの彫刻がにらみをきかせる表玄関の階段を上り、再び入口の階段を掛け上ると正面が一番人気の印象派の部屋。
なんとギャラリートークで人だかりの前は、スーラの点描画の代表作「グランド・ジャット島の日曜日‐1884 A Sunday on La Grande Jatte-1884」にすりかわっているではないか!



シカゴ美術館の目玉でもあるこの作品はもっと先にあったはずなのに、ここに頓挫している。

私の大好きなカイユボットの大作「パリの通り、雨の日 Paris Street; Rainy Day」がないのだ。
愕然としてまわりを見回すとルノワールやマネやモネの作品は変わっていないようだ。
事情を聞くと、ワシントン・ナショナル・ギャラリーでのカイユボット回顧展(「Gustave Caillebotte: The Painter's Eye」)に貸し出されていると言う。(10月4日まで)

若い頃初めてシカゴ美術館を訪れたとき、雨の日のパリにたたずむカップルを抒情的に描いたカイユボットの代表作にいっぺんで魅せられて、以来シカゴ美術館に来るたびにこの作品と対話するのを楽しみにしていた。
奥行のある雨の日のパリでのしめった空気が画面いっぱいにただよっている。
2013年の東京のブリヂストン美術館での日本初のカイユボット回顧展にも出展されていなかった。
2014年にはフランスのイェ―ルのカイユボットの父親の邸宅(Propriette Caillebotte)でも回顧展が開催され、ワシントン・ナショナル・ギャラリーでの回顧展は11月8日からテキサスのキンベル美術館へと巡回されるから、印象派の画家として一般にあまり知られていなかったカイユボットの評価が各地で高まってきているのだろう。

気を取り直して、印象派の作品群を楽しむ。







ラッキーなことに、ドガの特別展コーナーがあった。
ドガの英語は、「デガ~」と最後を上げて発音するとアメリカ人のべスから教わる。
こちらは逆にドガの大作をナショナルギャラリーから借りている。



一部屋ドガのおなじみのバレリーナシリーズに囲まれ、1880年代後半のフランスにタイムスリップした気分になる。





ゴッホ、ゴーギャンなどの巨匠たちの作品を経て、やってきました、モネの部屋!







パステルカラーで彩られ、刻一刻と変わっていく季節や時間の移ろいを同じ場所から描いた6点の積み藁シリーズの作品が横に一気に並べられ、この美術館の宝物なんだそうだ。





モネを堪能できる場所ですよ。

しかし次から次へと巨匠の作品が表れてくる。
ショバンヌ、セザンヌ、ピサロ・・・





吸い込まれそうな気品のあるマリア像と天使を描いた作品に思わず見入っていると、なんとボッティチェルリ!
赤と青緑のドレスと上着が際立ってマリアの優美さを強調させて目立つ作品は、17世紀の写実の鬼才カラヴァッジョだった。



こうしていつの間にか宗教画のセクションにきている。
いよいよ私の一番のお気に入りの作品が間もなく現れるな・・・ドキドキ。

ザーバラン (Zurbaran)の大作「磔刑 The Crucifixion, 1627」だ。



エル・グレコの大作で美術館の目玉「聖母被昇天 The Assumption of the Virgin」に対峙する形で展示されている。



ミケランジェロの彫刻のような美しい筋肉の裸体と甘いマスクのキリストが左からの光で神々しく浮かび上がっている。
バックは真っ黒の空間で腰にまとわりつく白い布とのコントラストがきいている。
初めてこの作品の前に立った時、この絶対的な存在感を放つこの作品の前に圧倒されて体が凍り付いてしまった。
ハーパーカレッジの2005年秋学期の「Art History II」のクラスで、シカゴ美術館の作品を選んでレポートを書くという課題にこの作品を選んだほど惚れ込んでいた。

その他レンブラント、ルーベンス、プッサン、ターナー、クールベ、コローなどなど、数えきれないほどの巨匠の素晴らしい作品があちこちにさりげなく配置されているという贅沢な空間。

勿論、ピカソやブラック、マティスなどの近代美術や現代美術のコレクションも盛りだくさん。

エドワード・ホッパーの有名な「ナイトホークス」も異彩を放っている。


誠にアメリカ美術らしいといえるアメリカの代表作かな。
都市に住む人々の孤独を描いたホッパーの頂点ともいえる作品。
シカゴという街にピッタリの夜中のダイナ―にひっそりと座っている4人を描かれた1942年の作品は、意外と小さいのに驚く。


30万以上もの名作をかかえたこのアメリカが誇る偉大なシカゴ美術館は、何度足を運んでも飽きない。
もっともっといろんな作品のことを書きたいのだが、きりがないのでこの辺で筆を置こう。
















シカゴダウンタウンの摩天楼 vs ビーン~ミレニアムパークにて

2015-07-26 | シカゴダウンタウン
シカゴに着いて3日目は、ベスとマットの通うWoodstockにある教会へ連れて行ってもらい、礼拝受ける。
言っていることは文章ごとになんとなくわかるのだが、結びついていかない。

4日目、まだ時差ぼけがひどくほとんど寝れず、だるい朝を迎えるが、いてもたってもいられず、シカゴのダウンタウンを目指した。
ベスの所からメトラの駅まで歩いて5分。
こんな便利な場所ってありえない。
車で送り迎えされる必要なくてラッキー!



メトラはほぼ時間通りに来て、2階席に座る。
無人駅なので、車内でconductor (車掌さん)から切符を買ったら、conductorが座席の横に切符をはさんでくれる。
これってアメリカの鉄道は昔から変わらなくて、切符なくさなくていい方法だと思う。
日本みたいに混まないから快適な旅。

メトラに乗って1時間ちょっとで、突如巨大な摩天楼群が現れる。
黒いのっぽのビルはシカゴが誇る全米2位の443mの高さのウイリスタワー。
いやシアーズタワーだ!



数年前名前がウイリスタワーに変わったらしいが、誰もそう呼ばない。
シアーズタワーはシアーズタワー。
私たちが駐在の頃は全米一ののっぽビルだったのに、名前も変わるし…
と、ユニオン駅に着く。

このユニオン駅は1987年の映画『アンタッチャブル』のクライマックスシーンの銃撃戦の舞台になった。
巨大な空間の待合室はギリシャ風の柱や彫刻の内装で占められ、シカゴであることを一瞬忘れるほど荘厳で美しいので思わずうっとりして、駅にしばらくたたずんでいた。



駅から外に出ると、次から次へと目の前にシャープな建物が迫ってくる。
ふっと見上げると、やけに長~いビルと思ったら、あれまあ、シアーズタワーが見下ろしてる。



橋の斜め向かいに1992年に私が若い頃勤めたアメリカの通信社、Knight-Ridder Financial News のシカゴ支局のオフィスがあったChicago Mercantile Exchange (シカゴ・マーカンタイル・エクスチェンジ、取引所)の二つのビルが堂々とそびえ立っている。



いつ見てもクールだよなあ、マーカンタイル・エクスチェンジは。
毎日トレーダーに英語で取材だったから緊張してたっけ。

夏休みなので、シアーズタワーの入口からすごい人が並んでいて、外まであふれていた。

ジャクソン沿いにずんずん進むと、ラサールという通りのドンつきに重厚な歴史のあるChicago Board of Trade (シカゴ・ボード・オブ・トレード、シカゴ商品取引所)という建物が見えてくる。



私が1992年秋にKnight-Ridder の記者として最初にカバーしたのがnight bondで、全く動きがなく、つまらなかった。
環境に慣れて徐々に昼間の株の先物とかカバーさせてもらったけど、野獣のようなトレーダーの間をぬって歩いて取材したのは勇気あったよな。
若かったの一言。

連邦政府センタープラザにあるカルダー作のオレンジ色の「フラミンゴ」を横目に見ながら進み、やっとお目当のミレニアムパークへ。





シカゴのダウンタウンの中心とでも言おうか。
観光はまずはここから出発する。
2005年にできた美しさではNo.1の公園。



向かい合う大きな人の顔の映像が流れる2つのタワーからわんさか水が流れる。
突如映像の口から水が出てくるというユーモラスなCrown Fountainという作品。



バルセロナの美術家ハウメ・プレンサのデザイン。



その後ろにいたいた。
大目玉の通称ビーンとシカゴニアンに親しまれている巨大オブジェ。



ビーンを取り巻く美しい摩天楼がビーンに反射して、摩訶不思議な景色をシルバーの中に閉じ込めてしまう。
ビーンに映った自分の姿と摩天楼を比べながら、ファンタジックな瞬間を味わえる。





やっぱり一番人気の場所。



正式名はCloud Gateだが、みんな知らないんじゃない。



この日は時間がないので、大好きなPaneraでスープとサンドイッチのランチして、すぐにシカゴ美術館へ。



ループでダウンタウンを見よう!~ガーフィールド・コンサバトリ~マーチャンダイズ・マート~CME

2008-06-28 | シカゴダウンタウン
6月末のさわやかな夏の日の金曜日、シカゴのダウンタウンで、久し振りにループを利用して、数時間で3箇所を回った。朝9時にでて、家にもどってきたのが、3時45分頃なので、かなり効率のいいまわり方ができたといえる。

親友のべスとオゴビー駅で待ち合わせして、クリントン駅からループのグリーンラインでコンサバトリ駅で降り、ガーフィールド・コンサバトリという植物園へ行く。残念ながら、今日はカメラのバッテリーを家に忘れ、写真をここで紹介できない。重い一眼レフを運びながら、なんとむなしいこと。でも、写真を撮らなければ撮らないで、じっくりいろんなものが観察できる。たまにはいいよな。

べスの話によると、このコンサバトリは、かなり古くからあり、べスがシカゴのダウンタウンに住みだした80年代は、手入れがなされず、まわりの環境も悪く、荒れ果てていたという。最近になって、改装されて、建物自体が美しく生まれ変わり、訪れる人が増えてきたという。数年前にあったガラスを使ったアーティスト、チフリ(?)の展覧会もここであり、植物とのコラボレーションが素晴らしく、大きな反響があったという。

ガラス張りの建物の中に入ると、所せましとさまざまな植物がうえてある。花もあるのだが、しだやコケなどの緑の植物群の種類がすさまじい。緑、緑、緑・・・サボテンだらけの建物もある。花が多い建物に入ると、なんとまったく不似合いなナンセンスな音楽が鳴っていた。べスと2人で、「植物が喜ぶわけないよな・・・普通ならクラシックだよね。」とぶつぶつ文句を言い合っていた。

タダの植物鑑賞は、そんなに時間がかからず、すんなり終わったので、すぐにループに飛び乗り、グリーンラインからブラウンラインに乗り換え、マーチャンダイズ・マートへ向かう。ここは、一度も訪れたことがなかった。何もイベントがなさそうだったので、ランチをとって、建物を通り抜ける。普通のお店が並ぶ中、シカゴのFMハードロックステーション、97.9のスタジオを見つける。なんだか、うれしい。マートとつながっている隣のビルへ行く。

そこは、なんと有名なサン・タイムズのビル。知らなかった、マートとこのビルがつながっているとは。メトラで、オゴビー駅に着く直前に川沿いに大きくそびえたつあのビルだ。サン・タイムズは大衆紙というイメージが強いが、なんといってもシカゴ・トリビューンと並ぶシカゴの主要紙である。いつも遠くから眺めていたビルの中に入れてうれしい。

その上にホリディ・インホテルがあった。ラウンジロビィーがなんと15階。ずうずしくそこにお邪魔する・・・すると、そこには、思ってもいなかった絶景が広がっていた。摩天楼群は、脇役で、コンドミニアムやアパート群が広がる。その谷間に巨大なフィットネスセンターの屋上に大きな屋外プールが3つ見える。「こんな施設を利用するのは、金持ちよねえ!」とまたべスとぶつぶつ。

地上に降りて、川をはさんだ素晴らしい摩天楼の光景に絶句!写真が撮れないのがくやしい!橋をゆっくりわたり、オゴビー駅の方向に向かって歩く。マディソン通りあたりで、オペラハウスの古い建物が見えるので、べスにオペラは面白いか聞くが、面白くないという。やはりね。

その隣に、かつて私が勤めていたシカゴ・マーカンタイル・エクスチェンジ(先物取引所通称CME)の双子のビルが見えてきた。1階の入り口には、CMEの歴史がわかるギャラリーもある。



ここの10階に勤めていたアメリカの通信社のオフィスがあり、私は、金融記者として、SP500(株の先物)などのマーケットの動きをカバーしていた。英語で取材し、1分1秒を争い、すごい勢いで英語で記事をだしていたので、日本人としては、かなり大変な仕事だった。最初は、取引所の中の独特の喧騒の環境に慣れるのに苦労して、みんなに声をかけるのも躊躇した。でも、仲良くなれば、トレーダーの人たちは、みんな親切で、いい人たちばかりだった。シカゴっていう土地柄もあるのだろうか。日本人が1人で、アメリカ人の中で働くのは、私にとって快感だった。どうしようもなく、孤独にさいなまれるときも多々あったけど、充実した日々だった。そんな孤独な私を救ってくれたのが、べスだった。そのときの話は、また別のときにしよう。なんだか、話がそれてしまったなあ。皆さん、許して!

ボーッとべスとCMEのビルを見ながら、オゴビー駅にもどった。今日は、カブス対ホワイトソックスのクロスタウンシリーズがサウスサイドに移った第1戦目。みんなそれぞれのチームのティーシャツを着て、電車から降りてくるのが見えた。中には、4人のグループで、2人づつカブスあるいは、ホワイトソックスのティーシャツを仲良く着ている。なんだか、すごく粋な光景だ。この間のクロスタウンシリーズは、リグレーフィールドで、カブがスイープしたが、今日はUSセルラーで、ホワイトソックスの勝利。私たち日本人は、どちらが勝っても動じないけど・・・

今日は、写真がなくて、すみません。

ダウンタウンのグリーク・タウンからシカゴ・ボード・オブ・トレード(シカゴ商品取引所)へ

2008-05-29 | シカゴダウンタウン
今日は、まだややひんやりした空気のただよう快晴のダウンタウンに、全米一と言われるグリーク・タウン(ギリシャ街)を訪れてみた。いつものように、アーリントン・ハイツ駅から9時32分発のメトラに乗って、オゴビー駅でおり、湖とは反対の方角に4ブロックほど歩き、90の高速を越して、ホルムステッドという通りへでると、「GREEK TOWN」というあの角ばったギリシャ文字風の英語で書かれた旗が見えてくる。

ギリシャ風の神殿の柱のミニチュア版の休憩兼オブジェがあり、いかにもギリシャ街といった趣。その通りをずんずん南に向かって歩くと、グリーク・レストランが建ち並ぶ。だいたい、オゴビー駅の前のマディソンからバン・ビューレンあたりまでのとても短い距離。途中、東側を見ると、目の前が開けて、シアーズ・タワーの裏からと新しそうな双子のホテルの建物が立ち並ぶビューが圧巻。こんな風景も面白い。オゴビー駅からいつも湖に向かって歩いていくのが恒例なので、こんな摩天楼の姿を見るのは初めてだ。ダウンタウンもいろんな角度から眺めてみるといい。いつもと違った発見がある。

さて、何か面白いレストラン以外のギリシャのお店があるかどうか探索したが、ハルステッド通りより1つ向こう側に行くと何もないようだ。なーんだ、単に短いレストラン街なのね、と一緒に来た日本人の友達とちょっとがっくり。なんで、これが、全米一のギリシャ街なのか疑問だ。すでに、11時前だったので、時間も限られているので、すぐにランチをするレストランを物色。

高そうに見えたけど、新聞の記事が並ぶレストランへエイやと入る。お店の人に聞くと「全米一のギリシャレストラン」だと言う「グリーク・アイランズ」。まだ、人もまばらだった。地中海風のインテリアで、音楽もギリシャ系か。気分転換にもってこい。受付の若いお兄さんもいかにもギリシャ人っぽいし、数の多いウエイターは、みんななまりがあって、みんなギリシャ人と思われる。いったい、どこにこんなにギリシャ人がシカゴに住んでいるのだろうかと思わせるほど。

友達と2人で、ギリシャ風のオリーブオイルであえたサラダとエビとカラマリのアプタイザー、そして、ジャイロといわれるサンドイッチをオーダーする。2人で各料理を分けたので、かなりリーゾナブル。これで、チップ込みで、1人12ドル50セントなり。カラマリとエビがさっぱりしていて、とても美味だった。ジャイロは、ぱさぱさしていて、私にとってイマイチ。ちょっとかじっただけで、ほとんど残してしまった。これを薦めてくれた友達は、しっかり全部食べ終わる。

レストランを出て、肌寒いダウンタウンを湖の方に向かって歩く。川沿いに見えるかつて私が働いていた先物取引所、シカゴ・マーカンタイル・エクスチェインジの双子のビルの前で記念撮影。勤めていたアメリカの通信社のオフィスが10階にあった。シアーズ・タワーまできて、1階を偵察。鉄骨のシカゴ在住の彫刻家の作品が展示されていた。

ラサール・ストリートまできて、私が勤めていたもう1つの古い先物取引所、シカゴ・ボード・オブ・トレード(CBT)をまじかに見る。取引所の中を見学できるかどうか確認のために寄ると、1階にビジターセンターがあり、取引所のちょっとした歴史が一目でわかる。この建物は、1920年代後期アートデコ様式といわれる幾何学的な単純さと磨きのかかった鏡のような表面が、いたるところで見られるという。1930年、当時シカゴで最も高いビルとしてジャクソンとラサールの交差点に誕生。ビルのてっぺんにアルミ製のケレス(ローマの穀物と収穫の女神)の女神像がシンボルとなって、人々の目を引く。

私が、1992年最初シカゴに赴任してきて、始めのころ、CBTに勤めていたときは、ナイトボンドという夜の債券先物のマーケットの動きを通信社の記者としてカバーしていたので、夜の11時過ぎにここをでると、シーンとして、人っ子1人いないシカゴの金融街をさびしくタクシーに乗ったものだ。昼間は、こんなににぎやかなのに、夜は一変して、こわかった。シカゴ滞在中に、2つの取引所のトレーディング風景をもう一度見てみたいが、そんな機会があるだろうか。9・11以来、観光目的では、見学も許されていないという。

そんなことを考えながら、オゴビー駅に向かって帰る。帰りは、1時半のメトラに乗る。この時間に乗ると、小学生である子供たちのお迎え3時半に充分間に合う。誰に迷惑をかけるでもなく、私たちのようなダウンタウンに車でこれない駐妻でも、約3時間のダウンタウン探索ができる。「また、ダウンタウンに来ようね!」と友達と約束しながら、気分は爽快であった。皆さんもたまには、タウンタウンにでて、ぜひ英気を養ってください。


Greek Islands 200 S.Halsted St. Chicago
312-782-9855

写真は、グリーク・アイランズではありません。こんな感じのグリーク・レストランが並ぶハルムステッド通り。



冬のシカゴ・ダウンタウンを歩く!

2008-02-14 | シカゴダウンタウン
今日は、何ヶ月かぶりにシカゴのダウンタウンへ行った。とてもとても久し振りだったので、9時半前にアーリントン駅に着いて、いつものようにメトラの切符を買い、10年以上前ダウンタウンで働いていた時のように、カフェのコーヒーを買ったり、ニューススタンドの雑誌をじっと眺めたりすることさえ、新鮮だった。今日はダウンタウンでの取材だったので、行くときの気合の入れ方が遊びに行くときと違う!一緒にメトラを待っている人たちに「私も仲間よ!」って言いたくなりそうになったぐらい。

めずらしく今日は電車が遅れてびっくりしたが、終点のオゴビー駅の様子も変わっていた。雑誌専門のお店があり、そこになんと朝日新聞と日経新聞を見つけた。メトラで郊外から通っている日本人用ってわけね。

US新聞の取材のため、エディター兼フォトグラファーの藤河さんと待ち合わせをする。藤河さんシカゴアン風の黒い厚めのコートで、カメラをぶらさげて微笑んでいる。ウーン、まちがいなく私よりずっと年下なのに、なぜかお兄さんのようなやさしさと暖かさを持つ方。さて、取材の内容は、またまた記事ができてからのお楽しみということで、話はとぶ。

取材が終わって、ミレニアムパークで今話題のアイスに描かれたアート作品を見に行く。「Painting Below Zero」というタイトルで、ゴードン・ハロランというカナダ人の作品。「氷のジャイアント・ペインティング」などとトリビューンに宣伝されていたので、さぞや巨大な作品かと思いきや、小さくて貧弱。その前でニュースの取材かなにかで、道行く人にインタビューしている。藤河さんと二人で、「こんなのがねえ・・・」とぶつぶつ文句。

その作品のまん前に、あの存在感のある銀色に輝くビーンがドデーンと座り込んでいるもんだから、どうしようもないね。藤河さんをモデルにこの両方の巨大オブジェの前で写真を撮ったが、どうみても、ビーンの方がいい。しかし、今日の投稿の写真は、新しいアート作品の前でたたずむ(というか私に無理矢理立たされた)若き日本人フォトグラファーってことで、よろしくう!

藤河さんは、この近所に住んでいるため、いつもこのようにカメラをぶらさげ、さりげなく、ダウンタウンの写真をとっているらしい。いいなあ。私のように、いかにもおのぼりさん風に「撮ります!」っていう感じじゃないのが。一年に10万枚もの写真を撮っているという。気が遠くなるような作業だ。「ユキノヒノシマウマ」のクールな写真群は、「この一眼レフが撮っているのかしら?」としげしげとそのカメラを見てしまった。レンズ代だけで、私の一眼レフ代+レンズ代+アクセサリー代を優に上回る。彼の今のブログは、秋に訪れたペルー特集だが、ペルーではどんなカメラで撮ったのだろうか。ああ、また聞くのを忘れました。ペルーの写真、すごくいい色と子供たちの表情が生きています。そう、写真に吸い込まれそうな輝きがある!

http://wanderphoto.com/blog/

その後、すぐ近くのカルチャーセンターに寄って、レバノン人の白黒写真を観て、(ここのギャラリーはただで、建物も由緒あるので、ぜひ寄ってみてください)タイ料理を食べに行った。今日は、風がなかったので、そんなに寒さも感じず、久し振りにダウンタウンを歩き、英気を養った一日でした。


追伸

長時間ダウンタウンにいられたのは、コウキ君の母であるヒロコさんがうちの息子たちをバスストップから家に送り届けてくれたおかげ。同じバスストップの友達は、いつもこうして何かと助けてくれる。感謝、感謝!

5時前に家に着き、子供たちの様子を見て、(上の息子は定期テストのため、勉強中で、私に目もくれない。)下の子をスイミングに連れて行く。最近知り合った韓国人のお母さんと、英語でぺらぺらしゃべりまくる。彼女が今読んでいる韓国語で書かれた「ローマ・ギリシャ神話」を見せてもらう。ウーン、全然神話の中の神たちと不似合いな言語だ。

帰って、超手抜きのうなぎをだして、主人に「ごめんねー!今日はダウンタウンで取材だったから。」と言ったら、「ふーん。(よかったねえ)」とニコニコしていた。