Kuniのウィンディ・シティへの手紙

シカゴ駐在生活を振り返りながら、帰国子女動向、日本の教育、アート、音楽、芸能、社会問題、日常生活等の情報を発信。

シカゴ仲間の帰国子女高校受験情報に感謝!

2009-11-13 | 帰国子女動向
今日は、久しぶりにフレンチレストランでランチ。たとえ多少値が張っても、今日は絶対に見逃せないランチであった。2人の先輩ママたち、シカゴ日本人学校時代のママ友とその友達から帰国子女の高校受験情報を細かく教えてもらえたからだ。

1人は、息子の同級生のお母さんで、上の息子さんは、倍率の高い人気公立高校の2年生。もう1人は、2人の息子さんたちを最難関私立高校に入れたお母さん。お兄さんの方は、その高校の付属の大学2年生で、現在海外留学中だという。もうこれを聞いただけで、受験前の息子を持つ母としては、「うらやましい!」と思わず憧れのまなざしで二人を見てしまう。

今日の彼女たちの詳しい話で、帰国子女は、やはり帰国子女を持つ親たちの情報が一番だということがよくわかった。受験校の選び方、帰国枠で受けるか否か、塾の選び方などさまざまな方法が的確にわかってくる。自分の子供たちのたどってきた道をもとに、あらゆる方向から学校を吟味して、受験校を順番に決めている。中3の始めに聞くべきだったかも・・・いや、志望校が固まってきた今こそ、こういう情報が生きてくるのかもしれない。息子の志望校の偏差値の高めの滑り止め校の選び方のポイントを教えてもらった。おかげで、私たちが選択していなかった学校が、今日いきなり浮上してきた。なぜ、そこまで子供たちに合う志望校をしぼれたかというと、帰国のお母さん同士で常に受験の情報交換ができたからだという。勿論、兄弟で高校受験を経験してさまざまな学校を見てきたからこそ、的確な判断ができるのだろう。周りにそういう仲間がいなかった私は、今まで孤軍奮闘であった。周りの息子の中学の友達とは、まったく状況が違うため、みんなの情報では足りないのだ。息子が通っている個別の塾も帰国子女情報がほとんどない。「やはり、帰国子女に強い塾に聞いてみなくては」との思いを強くした。受験勉強に忙しいこの時期の帰国子女たちの受験は、親たちの情報量にかかっているのだ!

今日は、2人に感謝、感謝であった。


帰国後一年、帰国子女としての息子のつぶやき~「やっぱり日本人学校でよかった」

2009-11-04 | 帰国子女動向
今日、上の息子と受験勉強の話をしていたら、「もしも現地校に行っていたら、どうなっていただろうか」という話になった。息子は、英会話はある程度できるが、現地校に行っていた友達の英語力に対しては「到底かなわない」と思っている。きっと心のどこかですらすらネイティブのように英語がでてくる現地校出身の帰国子女たちのことをうらやましいと感じることもあるだろう。だが、息子はきっぱり言った。「やはり日本人学校(全日校)でよかった!」と。

現地校に行っていたら、「今のような(絶対的な)日本語力はつかなかったろう」と言う。「きっと、日本語がおかしくなっていただろうなぁ・・・」とつくづく言う。息子にとっての最大の武器は、膨大な読書量できたえてきた、日本語能力だ。そして、勿論全日校でのいたせりつくせりの面倒見のいいプログラム内容が、いつ帰国してもいいように、日本の教育に準拠し、それ以上のものを息子にたたきこんでくれた。おかげで、塾に行かなくても、受験において、国語や英語はまったく問題ないし、(理科、社会は言うまでもない)今の中学校ではリーダーシップをすみずみまで発揮している。去年の11月の始めに日本に帰国して、あっという間にみんなをまとめるようになり、3年生からクラス委員となり、この2学期は、クラス委員会の学年代表にまでのしあがった。日本人学校では、日本人としてのアイデンティティも意識して、規律や礼儀なども年齢に応じて、子供たちを指導してくれた。そのため、息子は、帰国子女ながら、日本にいる中学生より、もっと礼儀正しい日本人のような気がする。最近では、私が変な日本語を使ったり、トンチンカンなことをすると、息子にしかられる次第である。

日本に帰国する前は、帰国子女なので、公立の中学だといじめられるのではないかと心配したが、幼馴染の友達も多いせいか、まったく問題なかった。超まじめな態度なので、ちょっと周りから浮いているが、それを気にせず堂々と自分のスタイルを通せるのも、みんなが反論できない強い言語能力のせいかもしれない。おかげで、私はいつも息子に日本語、とくに漢字を確認する。「どこに子供に漢字を聞く親がいるかなあ・・・まったく」とあきれられているが、ちょっとボケ気味の頭になりつつある私にとって、頼りにするしかない。

私はこの投稿で、日本人学校をみんなに勧めているわけではない。あくまでも息子の場合を述べただけである。うちににもう1人女の子がいたら、現地校を経験させたかった。現地校に通っていたら、月刊誌「海外子女教育」という雑誌に載っているようなさまざまな新しい経験ができただろうから。これからアメリカに赴任する家族は、日本人学校か現地校にしようかと選択をみんな迷うだろうが、子供たちの性格に合った学校を慎重に選ぶことが大事である。

帰国子女動向その3~国立学芸大付属高校へ進学したSちゃんの場合

2009-07-27 | 帰国子女動向
このブログの読者は、シカゴ日本人学校出身の家族の友達が多いが、その輪もじょじょに広がって、ときどき思わぬ人からシカゴ友達を通して連絡がきたりする。ブログの影響は大きい。最近、私が息子の受験状況を書いていたら、シカゴ仲間からうれしいメールが届いた。私たちより一足早く日本に帰国したKさんからの高校受験に関する貴重な体験談である。Kさんの一家は、聡明な女の子3人。上のお嬢さん、Sちゃんは、シカゴ日本人学校全日校をへて、中学のとき現地校へ移り、真ん中のYちゃんは、ずっと全日校でうちの息子の同級生。末っ子のMちゃんは、ずっと現地校と三人三様だった。

現在Sちゃんは、国立学芸大学付属高校の2年生で、日々充実した高校生活を送っている。以下、Kさんからのメール内容を彼女の許可をへて、記して置く。


最近のkuniさんのブログで塾や高校のことについて考えておられる様子なので、我が家の経験が少しでも参考になればと思い、メールしました。

長女(Sちゃん)は現在国立附属高校の2年生です。中2の10月に帰国し、地元の公立中学に編入しました。部活動の大変盛んな学校で全国大会まで行く部活がいくつもあります。その中で編入してすぐ吹奏楽部に入り、中3の10月末まで活動しました。学校に通いはじめて1ヶ月ほどで本人が塾に通いたいと言い、ほとんど休みのない部活動を考え、自宅から近いこと、難関校への合格の実績があるという2点を条件に塾を探し、12月から通いはじめました。

2年生の間は、英国数、3年生からは、英国数に加えて国立を目指す生徒のための理社のクラスにも通いました。ただ、部活が優先されるため、塾の遅刻、欠席は非常に多かったです。でも塾の先生方は一生懸命やってくださり、補習や授業のDVDの貸し出しで対応してくださいました。国立や私立の難関校は塾のテスト(駿台模試)を受けないと自分がどのくらいの実力があるのかもわからないし、また、実際受験のスケジュール(本命校やすべり止め校の選択)の組み立ても学校の成績ではなく、模試の結果から判断していくので、塾は娘にとっては、必要不可欠なものでした。

受験校の決定は塾と話し合い、学校には報告して内申書を書いてもらうだけでした。また、一緒に塾で過ごした友達の存在も大きかったと思います。学校では難関校を目指す子は少ないけれど、能力別のクラス編成を行っている塾では、同じ目標に向かって勉強している子ばかりなのでよい影響を受けたようです。

最後に現在通う高校についてですが、内部進学が3分の2、帰国生も含めた外部が3
分の1です。外部生は100パーセント塾通いをしていたようですが、勉強ばかりをしていたわけではなく、部活の部長であったり、生徒会で活躍していたりと多方面において能力が高い子がほとんどです。学校はテスト、レポートが多く大変ですが、行事の時には皆一生懸命取り組むです。何に対してもモチベーションが高いので学校全体に活気があります。

受験まであと半年、精一杯、悔いのないようがんばってくださいね。


大変参考になる経験談である。難関校に受かるには、大変な努力を要するということだろう。でも、ここまでいろんなことをきちんとやれば、どういう結果になっても悔いはなしということだろう。

帰国子女動向その2~みんな日本大好き!

2009-01-27 | 帰国子女動向
今日は、上の息子のシカゴ日本人学校全日校のクラスのお母さんたち8人に新宿の伊勢丹で会う。みんなのお姉さんのような存在であるべテランキコク母、ハルミさん(年齢は若いんだけど)が、みんなに連絡してくれて、何年ぶりかで再会した友達もいた。みんな全然変わっていない!昔のままで、ほっとする。

このメンバーは、神奈川、東京、埼玉の関東組。息子が、小学2年生から3、4年間一緒だった子供たちのお母さんと久し振りに会う。もう日本に帰国して、数年経過している。帰国子女がどのような道をたどったのか、興味深々で聞くと、みんな「日本が大好き!もう一度アメリカに住みたいかと聞くと、遊びには行きたいけど、住みたくないという」と女の子のお母さん。その友達の話では、他の帰国子女のクラスメートもまったく英語など振り返らず、日本の生活にどっぷりつかっているという。みんなが必死に受験する英検も興味がないキコクの子もいるというから、不思議。さまざまな移り変わりの激しい文化を持つ日本とは、日本人である子供たちにとって、サイコーに楽しい居場所らしい。

そして、みんなの一番の話の盛り上がりは、受験情報。上の息子や娘たちの高校の話を聞く。「あの子は、慶応志木」「あの子は、学芸大付属」など有名校の名前が飛び交う。その中で、うちの近所に住んでいる人の息子さんが、このあたりでは、人気のある公立高校に通っているとのこと。私がちょっと目をつけている学校だ。その学校の名前がでたとたん、身をのりだしてしまった。息子さんは、とても楽しく通っていて、雰囲気のいい学校だという。帰国子女枠で、3教科で受けたとのこと。しかし、帰国枠で、5教科受けなければいけないところを3教科にしぼれたが、やはり、その3教科は他の一般受験の生徒たちと同じ土俵で争ったという。部活から毎日8時に帰って、受験と両立させたという。倍率の高い学校なので、その状況で合格できたなんて、すごい!

うちが、「今は塾に通ってなくて、来年部活が終わった夏あたりから通おうか」とのんびりしたことを言ったら、「サピックスのような難関私立をめざす塾だと、あまり遅いと(塾にも)入れなくなるよ」とくぎをさされた。まあ、うちの息子は、難関私立はめざさないと思うけど・・・まだまだ、何も調べてなくて、のんきな私たち。来年の今頃は、身震いしている自分がいるのだろうか。まったく、想像がつかない。

わりと息子と仲の良かった、小学5年生ぐらいに帰国した男の子K君は、東京の郊外の公立中学で、学年トップの成績。息子と同じく、野球も続けていて、塾にも通わず、頑張っているらしい。マイペースを保てる、自分を強く持った個性的な男の子だった。シカゴ駐在中は、シカゴ・ホワイトソックスの熱狂的なファンの家族だった。ホワイトソックスが、2005年11月にワールドチャンピオンになった直後に帰国した。そのとき、この家族は、記念ティーシャツを買いまくって、家に飾っていたのを思い出す。そのことにふれると、K君は、今はまったくメジャーリーグには興味がないという。またしても、帰国子女が日本に根付いたのね。それでいいんだよね。

さて、友達の話では、来年度の埼玉の公立の高校受験は、かなりの変更があるらしい。まだ、まったく調べていない。まあ、もともとの内容を知らないわけだから、私たちには、その変更も関係ないけど。しかし、子供たちが通う高校の名前を聞いただけで、「あの子はやはりできたからね」という日本のお決まりのパターンって、どうにかならないのだろうか!どんなお母さんたちのグループと会ってもみんな同じだ。志望校を決めるのも、偏差値を見て、自分のレベルの学校をだいたい決めるという。いつまでたってもこのシステムというのは、私たちの時代から変わらない。子供たちの教育の理想はわかっていながらも、親の見栄というのは、見え隠れするものだ。

ハルミさん、いろいろとランチの場所の設定から、全員の飲み物クーポンまで持ってきてくれて、ありがとう。とても楽しいひとときでした。


英検、漢検の季節がやってきた!

2009-01-12 | 帰国子女動向
1月25日は、英検の一次試験日、2月1日は、漢検の試験日。いつも英検と漢検は続けざまにあるので、両方受ける子供たちは、かなりのプレッシャーがかかるだろう。うちは、上の息子は、今回両方受ける。なぜかと言うと、野球の試合のシーズンオフだから。シーズンが始まってしまうと、試合がたてこみ、試験が受けづらくなるためだ。

超マイペースの小学3年生の下の息子は、漢検のみ。去年の秋から英検を受けるのを勧めたが、しり込みして、受けていない。日本人学校の息子の英会話担当の先生からは、「受ければよかったのに」と残念がられたが、私も帰国直前で超忙しかったので、やめた。今回英語力が落ちていない時期(もう何もしていないから、落ちているかもしれないが)に英検を受けさせたかったが、本人自ら、「漢検を受けたい」と言い出した。兄が受けるので、漢字が大好きな次男も漢検に初めて挑戦したくなったようだ。毎日漢検の問題集を1項目づつ、楽しみながら、コツコツ勉強している。今のところ、問題はほとんどできている。日本人学校全日校での熱心な漢字への取り組みと日本の小学校での毎日のきっちりした漢字の宿題をこなしているおかげである。海外にいながら、こんなに漢字を好きになれたなんて、本当に日本人学校のおかげだ。毎日日本人学校全日校の3年生のクラスの宿題でやった「漢字博士」よ、ありがとう!

さて、肝心の上の息子だが、先月冬休みに英語の塾のお試しをやって、今月から通うはずだったのだが、風邪で体調をくずし、微熱が続き、この塾に通えなくなってしまった。せっかくやる気になっていたのに・・・やはり、車社会のシカゴに比べて気温が高いとはいえ、防寒着もなく、制服で30分も歩いて学校に通い、激しい体力を消耗する部活を数時間外でやるという生活がたたったのか。日本にいる生徒たちは、中1からこの生活をしているから、じょじょに体も慣れていっているのだろうが、息子はいきなりこの生活に入ったので、疲れもたまっていたに違いない。微熱がなかなかひかない。朝ひいても、夜ぶりかえす日々。治ったと思って、部活をやると、また微熱がでてしまった。

というわけで、英検試験日2週間前をきった今日から、いよいよ私が英検の勉強をしない息子にムチを入れることになった。いままでまったく息子の勉強は見ていなかった私。というか、たまに唯一口出しできる英語を見ても、いつもけんかで終わっていた。シカゴでは、中学に入って、面倒見のいい日本人の家庭教師の先生に英文法を見てもらっていた。カワセさんという人気の先生で、厳しさもあり優しさもありと中学生をうまく勉強するようにもっていくスキルのある方。おかげで、学校の英文法は、心配がなかった。しかし、今となっては、毎週シカゴの家に来てくれていたその頼みのカワセさんもいない。日本の家では、私がやるしかない。

春、夏の英検は野球の試合で受けられないことを想定して、受験が本格化する前の秋の目標級の合格をめざして、息子のおしりをたたくことになる。もともと勉強の時間数が少ない息子。勉強時間が少なくても、英語以外の教科は得意の速読と集中力で点数がとれてきた。しかし、英検の2級以上は語彙力が勝負。勉強をコツコツしなければ絶対に合格できない。なんで、こんな日常会話にでてくるような単語を知らんのか!と驚き、ついつい口に出してしまう私。「そんなの知るかあ!聞いたこともないわ!」と答える息子。息子の家庭教師を親がやるというのは、いかにむつかしいことか、身に沁みてわかった。しかし、英検の勉強を一緒に真剣に少ししてみると、ホント、会話で使わないようなどうでもいい単語があることに気がついた。勿論、ほとんどの単語は、将来知っていて役に立つものなのだが・・・
しかし、息子の英検のテキストを真剣にやると、「なーんだ、私がやる気になれば、塾に通わなくても充分教えられるのね!」という気にもなってくる。日本に帰ってくると、塾代などの教育費もかなりの家計圧迫にはなる。今まで上の息子の教育はほったらかしだった私。いっちょうやってみるか!という気になってきた。
ただし、本人がやる気になってくれればの話ですが・・・なんとかおだてて、やる気にせねば!





帰国子女たちの動向~その1

2008-12-16 | 帰国子女動向
今日は、久し振りにかつてのシカゴでの仲間たちに会った。私の都合に合わせてもらったので、2人のママ友だけであったが、私たちよりも前に日本に帰国しているキコクの先輩ママたちなので、貴重な体験談を聞くことができた。


大事な友達、カオリさんとハルミさん 携帯で撮った写真なので、ボケててごめん!

今日会えたのは、上の息子がシカゴ日本人学校全日校の小学6年生のときの仲が良かったクラスメートのお母さんたち、ハルミさんとカオリさん。新宿の紀伊国屋書店で待ち合わせたのだが、駅が大幅に変わっていたので、いったいどこから出たらアルタ方面に行けるかがわからない。やれやれ。紀伊国屋書店のまん前にグッチのお店なんてあったっけ?新宿も様子も少しづつ変わっている。


しかし、紀伊国屋書店、サイコー!ありとあらゆる本がそろっている。今日は野茂選手の特集本を買った



カオリさんは、看護婦のパートの仕事を見つけて、毎日元気に働いている。小、中高校生と3人の女の子の母でもあるので、無理をしないで、基本的には1時までの勤務だという。看護婦としてのキャリアがあったので、シカゴ駐在後のこのご時勢でも、すぐに仕事が見つかって、仕事の勘を取り戻すのにも時間がかからなかったというから、すごい!ハルミさんと私は羨望のまなざしで、カオリさんを見つめる。

ハルミさんは、人を包み込むような優しさと思いやりを持ったお姉さんタイプ。シカゴでも何度助けてもらったことか。すでに成人し、就職した長女、カッコいい大学生の次男、そして、息子と仲良しだった中2生のカンちゃんという男の子を持つベテランママ。駐在経験もアジア、アメリカと豊富。

カオリさんの話では、3姉妹のうち、意外と小学生の末っ子の女の子が日本の学校になじむのに時間がかかったという。小学2年生の10月に帰国してきて、神奈川の2学期制の小学校の新学期から通いだしたのだが、学校に楽しく行けるようになるまで、数ヶ月かかったという。この3女は、現在小学4年生で、今はまったく問題なく楽しく学校に通っているというから、安心した。

対して、息子の同級生であった次女のユキちゃんは、妹さんと同じ公立の小学校6年生に編入。普通に考えると、小学校6年生の10月だと、すでにクラスは出来上がっていて、卒業前で、クラスに溶け込むにもむつかしそうに思える。しかし、ユキちゃんは、みんなから慕われて、あっと言う間に、クラスに溶け込んだ。カオリさんが言うには、ユキちゃんのあまり強く自分を人前にださない性格がみんなに受け入れられたんだという。その時の担任の先生の話では、帰国子女は、日本に帰国してしばらくすると、強く自分の意見などを出してしまうため、クラスから浮いてしまうケースが多いらしい。ユキちゃんが、編入した学校は、神奈川でも帰国子女がわりと多い学校で、先生もキコクの子供たちの受け入れを何度かしていた経験上、その話をしてくれたという。彼女の話を聞いていて、子供たちの世界というのは、親が考えている以上に、繊細なのだということがわかる。

うちの上の息子は、帰国1ヶ月で、本人の多大な努力のおかげで、すんなり公立の中学に溶け込んでいった。しかし、下の息子は、帰国してすぐは、公立の小学校で、楽しそうにしていたが、1ヶ月ぐらいたつ頃、急に「学校に行きたくない!」と言い出した。やっとこのところじょじょに学校に慣れていっている状態だ。口の悪いクラスメートに慣れ、(野菜嫌いの彼の場合は、給食嫌いなのが大きな理由なのだが・・・)理科や社会は、進み具合が違うので、テストではとまどいも大きい。いろんなことを少しづつやりながら、じょじょにじょじょに慣れていくのである。私たち親は、下の息子のように、小学校低、中学年ぐらいの帰国子女の子供たちが、あっという間に日本の学校に慣れるかと思いがちだが、必ずしもそうでない場合が多いのかもしれない。海外の日本人学校全日校にいたからと言って、すぐに日本の学校に溶け込めるとは限らない。私たちが考えている以上に、さまざまな場面で、子供たちが直面するとまどいというのは、大きいのだろう。

ユキちゃんは、バスケット、カンちゃんもバスケットと2人とも部活で活躍しているという。カンちゃんは、部活で忙しい中、週2回塾でも勉強に頑張っているという。運動神経抜群のカンちゃんは、明るい性格で、男の子たちからの信頼も厚いであろう。シカゴ時代の息子の友達が、日本の中学で頑張っている話を聞くと、とてもうれしい!