前々回の投稿がシカゴ滞在のダウンタウンで終わっていた。
18日間も滞在したのに、毎日忙しくてブログに投稿できずにすみません。
あっという間に暑い暑い日本の夏も終って、この夏の忘れられないシカゴでの出来事を書き残さねば!
ユニオン駅から最初にダウンタウンで直行した場所は勿論ミレニアムパーク。
前回の投稿の写真でミレニアムパークがいかに様々な人々を惹きつけているかわかるであろう。
その真横に位置するのが、世界一の人気を誇り、アメリカ三大美術館の一つと言われるシカゴ美術館。
US新聞ライター3人組。編集長のしょうこさんと主に美術担当の斉藤さんと。
2頭のライオンの彫刻がにらみをきかせる表玄関の階段を上り、再び入口の階段を掛け上ると正面が一番人気の印象派の部屋。
なんとギャラリートークで人だかりの前は、スーラの点描画の代表作「グランド・ジャット島の日曜日‐1884 A Sunday on La Grande Jatte-1884」にすりかわっているではないか!
シカゴ美術館の目玉でもあるこの作品はもっと先にあったはずなのに、ここに頓挫している。
私の大好きなカイユボットの大作「パリの通り、雨の日 Paris Street; Rainy Day」がないのだ。
愕然としてまわりを見回すとルノワールやマネやモネの作品は変わっていないようだ。
事情を聞くと、ワシントン・ナショナル・ギャラリーでのカイユボット回顧展(「Gustave Caillebotte: The Painter's Eye」)に貸し出されていると言う。(10月4日まで)
若い頃初めてシカゴ美術館を訪れたとき、雨の日のパリにたたずむカップルを抒情的に描いたカイユボットの代表作にいっぺんで魅せられて、以来シカゴ美術館に来るたびにこの作品と対話するのを楽しみにしていた。
奥行のある雨の日のパリでのしめった空気が画面いっぱいにただよっている。
2013年の東京のブリヂストン美術館での日本初のカイユボット回顧展にも出展されていなかった。
2014年にはフランスのイェ―ルのカイユボットの父親の邸宅(Propriette Caillebotte)でも回顧展が開催され、ワシントン・ナショナル・ギャラリーでの回顧展は11月8日からテキサスのキンベル美術館へと巡回されるから、印象派の画家として一般にあまり知られていなかったカイユボットの評価が各地で高まってきているのだろう。
気を取り直して、印象派の作品群を楽しむ。
ラッキーなことに、ドガの特別展コーナーがあった。
ドガの英語は、「デガ~」と最後を上げて発音するとアメリカ人のべスから教わる。
こちらは逆にドガの大作をナショナルギャラリーから借りている。
一部屋ドガのおなじみのバレリーナシリーズに囲まれ、1880年代後半のフランスにタイムスリップした気分になる。
ゴッホ、ゴーギャンなどの巨匠たちの作品を経て、やってきました、モネの部屋!
パステルカラーで彩られ、刻一刻と変わっていく季節や時間の移ろいを同じ場所から描いた6点の積み藁シリーズの作品が横に一気に並べられ、この美術館の宝物なんだそうだ。
モネを堪能できる場所ですよ。
しかし次から次へと巨匠の作品が表れてくる。
ショバンヌ、セザンヌ、ピサロ・・・
吸い込まれそうな気品のあるマリア像と天使を描いた作品に思わず見入っていると、なんとボッティチェルリ!
赤と青緑のドレスと上着が際立ってマリアの優美さを強調させて目立つ作品は、17世紀の写実の鬼才カラヴァッジョだった。
こうしていつの間にか宗教画のセクションにきている。
いよいよ私の一番のお気に入りの作品が間もなく現れるな・・・ドキドキ。
ザーバラン (Zurbaran)の大作「磔刑 The Crucifixion, 1627」だ。
エル・グレコの大作で美術館の目玉「聖母被昇天 The Assumption of the Virgin」に対峙する形で展示されている。
ミケランジェロの彫刻のような美しい筋肉の裸体と甘いマスクのキリストが左からの光で神々しく浮かび上がっている。
バックは真っ黒の空間で腰にまとわりつく白い布とのコントラストがきいている。
初めてこの作品の前に立った時、この絶対的な存在感を放つこの作品の前に圧倒されて体が凍り付いてしまった。
ハーパーカレッジの2005年秋学期の「Art History II」のクラスで、シカゴ美術館の作品を選んでレポートを書くという課題にこの作品を選んだほど惚れ込んでいた。
その他レンブラント、ルーベンス、プッサン、ターナー、クールベ、コローなどなど、数えきれないほどの巨匠の素晴らしい作品があちこちにさりげなく配置されているという贅沢な空間。
勿論、ピカソやブラック、マティスなどの近代美術や現代美術のコレクションも盛りだくさん。
エドワード・ホッパーの有名な「ナイトホークス」も異彩を放っている。
誠にアメリカ美術らしいといえるアメリカの代表作かな。
都市に住む人々の孤独を描いたホッパーの頂点ともいえる作品。
シカゴという街にピッタリの夜中のダイナ―にひっそりと座っている4人を描かれた1942年の作品は、意外と小さいのに驚く。
30万以上もの名作をかかえたこのアメリカが誇る偉大なシカゴ美術館は、何度足を運んでも飽きない。
もっともっといろんな作品のことを書きたいのだが、きりがないのでこの辺で筆を置こう。
18日間も滞在したのに、毎日忙しくてブログに投稿できずにすみません。
あっという間に暑い暑い日本の夏も終って、この夏の忘れられないシカゴでの出来事を書き残さねば!
ユニオン駅から最初にダウンタウンで直行した場所は勿論ミレニアムパーク。
前回の投稿の写真でミレニアムパークがいかに様々な人々を惹きつけているかわかるであろう。
その真横に位置するのが、世界一の人気を誇り、アメリカ三大美術館の一つと言われるシカゴ美術館。
US新聞ライター3人組。編集長のしょうこさんと主に美術担当の斉藤さんと。
2頭のライオンの彫刻がにらみをきかせる表玄関の階段を上り、再び入口の階段を掛け上ると正面が一番人気の印象派の部屋。
なんとギャラリートークで人だかりの前は、スーラの点描画の代表作「グランド・ジャット島の日曜日‐1884 A Sunday on La Grande Jatte-1884」にすりかわっているではないか!
シカゴ美術館の目玉でもあるこの作品はもっと先にあったはずなのに、ここに頓挫している。
私の大好きなカイユボットの大作「パリの通り、雨の日 Paris Street; Rainy Day」がないのだ。
愕然としてまわりを見回すとルノワールやマネやモネの作品は変わっていないようだ。
事情を聞くと、ワシントン・ナショナル・ギャラリーでのカイユボット回顧展(「Gustave Caillebotte: The Painter's Eye」)に貸し出されていると言う。(10月4日まで)
若い頃初めてシカゴ美術館を訪れたとき、雨の日のパリにたたずむカップルを抒情的に描いたカイユボットの代表作にいっぺんで魅せられて、以来シカゴ美術館に来るたびにこの作品と対話するのを楽しみにしていた。
奥行のある雨の日のパリでのしめった空気が画面いっぱいにただよっている。
2013年の東京のブリヂストン美術館での日本初のカイユボット回顧展にも出展されていなかった。
2014年にはフランスのイェ―ルのカイユボットの父親の邸宅(Propriette Caillebotte)でも回顧展が開催され、ワシントン・ナショナル・ギャラリーでの回顧展は11月8日からテキサスのキンベル美術館へと巡回されるから、印象派の画家として一般にあまり知られていなかったカイユボットの評価が各地で高まってきているのだろう。
気を取り直して、印象派の作品群を楽しむ。
ラッキーなことに、ドガの特別展コーナーがあった。
ドガの英語は、「デガ~」と最後を上げて発音するとアメリカ人のべスから教わる。
こちらは逆にドガの大作をナショナルギャラリーから借りている。
一部屋ドガのおなじみのバレリーナシリーズに囲まれ、1880年代後半のフランスにタイムスリップした気分になる。
ゴッホ、ゴーギャンなどの巨匠たちの作品を経て、やってきました、モネの部屋!
パステルカラーで彩られ、刻一刻と変わっていく季節や時間の移ろいを同じ場所から描いた6点の積み藁シリーズの作品が横に一気に並べられ、この美術館の宝物なんだそうだ。
モネを堪能できる場所ですよ。
しかし次から次へと巨匠の作品が表れてくる。
ショバンヌ、セザンヌ、ピサロ・・・
吸い込まれそうな気品のあるマリア像と天使を描いた作品に思わず見入っていると、なんとボッティチェルリ!
赤と青緑のドレスと上着が際立ってマリアの優美さを強調させて目立つ作品は、17世紀の写実の鬼才カラヴァッジョだった。
こうしていつの間にか宗教画のセクションにきている。
いよいよ私の一番のお気に入りの作品が間もなく現れるな・・・ドキドキ。
ザーバラン (Zurbaran)の大作「磔刑 The Crucifixion, 1627」だ。
エル・グレコの大作で美術館の目玉「聖母被昇天 The Assumption of the Virgin」に対峙する形で展示されている。
ミケランジェロの彫刻のような美しい筋肉の裸体と甘いマスクのキリストが左からの光で神々しく浮かび上がっている。
バックは真っ黒の空間で腰にまとわりつく白い布とのコントラストがきいている。
初めてこの作品の前に立った時、この絶対的な存在感を放つこの作品の前に圧倒されて体が凍り付いてしまった。
ハーパーカレッジの2005年秋学期の「Art History II」のクラスで、シカゴ美術館の作品を選んでレポートを書くという課題にこの作品を選んだほど惚れ込んでいた。
その他レンブラント、ルーベンス、プッサン、ターナー、クールベ、コローなどなど、数えきれないほどの巨匠の素晴らしい作品があちこちにさりげなく配置されているという贅沢な空間。
勿論、ピカソやブラック、マティスなどの近代美術や現代美術のコレクションも盛りだくさん。
エドワード・ホッパーの有名な「ナイトホークス」も異彩を放っている。
誠にアメリカ美術らしいといえるアメリカの代表作かな。
都市に住む人々の孤独を描いたホッパーの頂点ともいえる作品。
シカゴという街にピッタリの夜中のダイナ―にひっそりと座っている4人を描かれた1942年の作品は、意外と小さいのに驚く。
30万以上もの名作をかかえたこのアメリカが誇る偉大なシカゴ美術館は、何度足を運んでも飽きない。
もっともっといろんな作品のことを書きたいのだが、きりがないのでこの辺で筆を置こう。