Kuniのウィンディ・シティへの手紙

シカゴ駐在生活を振り返りながら、帰国子女動向、日本の教育、アート、音楽、芸能、社会問題、日常生活等の情報を発信。

下の息子、持久走でなんなく完走!~日本の小学校その2

2008-12-03 | 日本の小学校
今日は、下の息子が通う小学校の冬恒例の持久走が行われた。12月だというのに、ぽかぽかと暖かい日差しと雲一つ無い真っ青な空の下、男女に分かれて、各学年の子供たちがいっせいに走り、日ごろの持久力を競った。



息子は、持久走に参加するのは、初めて。11月に何回か行われた練習では、「きついから、歩くしかない!」などと言っていたので、私はやきもきして、息子にとって、先月の音楽会に続いて、大きなチャレンジングなイベントとかなり心配した。

1、2年生が800メートル、3、4年生が1200メートル、5、6年生が1700メートルの距離を走り、校庭を半周から2周して、学校の外を簡単にぐるりと周る。知り合いのお母さんたちの話によると、この距離は子供たちの持久力を比べるのには、短いのだそうだ。本当の意味での持久力は、もっと長い距離でないと、わからなくて、この距離だと持久力が足りなくても、短距離が速い子供が気力で、突っ走り、上位を獲得してしまうという。

しかし、うちの息子にとっては、長距離を走ったことがないので、とにかく遅くてもいいから、完走できるだけでいい。どうか完走できますように!と祈る母。校庭には、多くの母親、及び父親たちがわが子の晴れ姿を見ようと集まっている。ビデオを片手に、自分の子供が上位に入る自信がある親たちは、気合がはいっている。日本の母親たちは働いている人が多いから、こういうイベントに無関心かと思えば、みんなパートを遅刻したり休んだりして、ビッグイベントにのぞんでいる。「ナーンだ。日本でもシカゴでも親たちが熱心なのは、みんな同じなのね。」とほっとする。

引越してきて間もないので、知り合いがあまりいなくて、1人さびしく応援するのだと思ったら、次から次へと友達が現われ、「ひさしぶり~!」とぺちゃくちゃ、ぺちゃくちゃ。中には、7年ぶりの古い友達がいて、すごい勢いで、自分自身の話をし、アメリカのことを質問される。私はその勢いにポカ~ンとしてしまう。数人の友達が、息子と同じ学年の友達を紹介してくれる。他のクラスだが、彼女らの子供が男の子とのこと。初めて話すが、なごやかに、情報交換。ラッキー!こういうイベントがあると助かる。

さて、息子たち3年生は、一番に走る。息子たち男の子たちは、最初の女の子軍団の後だ。1クラス33人ぐらいで、4クラスだから、130人ぐらいだろうか。その半分だから、70人前後か。すごい固まりの男の子たちが一斉に飛び出す。



友達の話では、このときが危ないのだそうだ。過去、このときに勢いがありすぎて、ころんで怪我をする子供たちがいたという。他の学年だが、骨折をした男の子もいたそうだ。日本の小学校は、年々子供の数が少なくなっているとはいえ、1学年1クラスしかないシカゴに比べると、ド迫力だ。

さて、息子は黙々と無表情で、走る。最初は、後半より後ろの方だったが、抜かしたりしている。「がんばれ~!息子よ!」



校庭を2週して、外へみんな出て行く。大急ぎで、外を見に行く。あっという間に、先頭集団が学校の校門にもどってくる。速い!息子の数少ない友達のケンちゃんが、その中にいる。ケンちゃんは剣道をしている。普段からきたえているんだろうなあ。ケンちゃんのお母さんもお父さんと応援に熱がこもる。「ケン、がんばれ~!」ケンちゃん、堂々の3位でゴール。

息子が、外から校門に向かってくる。後方軍団の中だが、まだまだ、後方に何人もいる。やったじゃん。スピードもおちていない。「ケンちゃん、3位よ~!」歓喜するケンちゃんのお母さんの横で、もっと大げさに興奮して「息子が完走できて、本当によかったあ!」と私は飛び上がるぐらい大喜びする。周りから見れば、なぜ??と思われただろう。上の息子の友達のお母さんも息子を応援してくれた。シカゴ日本人学校全日校での日々の運動がきいていたのかしら。本当にありがとう、イダせんせ~い!大大感謝!息子でこの調子だから、全日校3年生のみんなは、日本でも絶対大丈夫よ!

息子に続いて、後方の子供たちが、必死で走る。最後の2、3人の子供たちには、みんな拍手で迎える。中には、きつくて歩きたくなる子もいるだろうが、完走することに意義があるのだ。親たちは、上位に勝利した子供の親には、「おめでとう!」と表面上は祝福しているが、なんとなくくやしさがただよっている。子供にとっての一大イベントの持久走。が、親としての威信がかかっているので、親にとっても一大イベントなのだ。私は、息子が完走できて、今日は1日気持ちが良くて、ハッピーだった。息子、第二関門突破!

下の息子の小学校の盛大な音楽会!~日本の小学校その1

2008-11-26 | 日本の小学校
先週の土曜日は、下の息子の小学校の恒例の音楽会が市の大きなホールで行われた。各学年、かなり前から練習を毎日念入りにして、2曲づつ演奏や歌が盛大に披露された。シカゴ日本人学校全日校での恒例の文化祭のような感じで、全校一体で力を入れるイベントとでもいおうか。

息子は、11月5日から(4日は学校はお休み)元気に歩いて登校しだした。息子が編入した小学3年生は、4クラスあり、各33人と中規模の学校。担任の先生は、20代であろうかと思えるほど若い女の先生。シカゴでは、熱血感がほとばしるような個性的な男の先生であったから、かなりのギャップかなあ・・・と一瞬思ったが、「Bさんが学校に慣れるまで、みんな気にかけてあげて」という促しを先生が何回かしてくれ、生徒たちへのケジメのいいきびきびした接し方を見て、安心した。隣に座った女の子が息子の世話をしてくれていた。

この公立の小学校は、生徒たちの質がいいとの近所のお母さん友達の話。ざっと校内を見ても、郷土のいい文化を授業に取り入れ、調べ学習にしていたり、郷土料理を給食に取り入れたりとさまざまな工夫がされている。8日には、この小学校のお祭りがあり、校内を開放して、各教室でさまざまなゲームが行われたり、食べ物や飲み物が売られ、熱心な保護者たちのボランティア活動にささえられているのがわかる。

さて、肝心の音楽会。楽器が得意でない息子にとって、いきなり楽譜を渡され、すでに演奏が出来上がっているほかの子供たちとの練習は、かなりのプレッシャーだったようだ。1曲目は、全員でリコーダーを演奏し、歌う。2曲目は、さまざな楽器の中で、息子はメロディオンを選んだ。ZARDの「負けないで」というむずかしい曲だ。シャープやフラットがでてきて、1オクターブ音が飛ぶ。

最初「こんなのできない!」と息子は泣きそうだったが、毎日自分から進んでリコーダーとメロディオンを持ち帰り、交互に2曲をじっくり練習する。担任の先生も「各章節の最初の音を拾うだけでもいいから」と言って下さったのだが、息子はあきらめずに、毎日1曲づつこつこつゆっくり練習した。おかげで、音楽会の直前にはスローだが、なんとか曲をこなせるようになっていった。

当日の音楽会では、息子もみんなと一緒にノリノリで演奏し、大きく口を開けて楽しそうに歌っている。日本の小学校での第一関門突破か!ほっとする。



終わった後で、思いっきり息子をほめる。 ほかの学年の演奏は、予想以上にすごかった。小学1年生が見事にメロディオンを弾きこなし、5年生はむつかしいリズムの「アフリカン・シンフォニー」を演奏。6年生にいたっては、かの「新世界」の第1楽章をアコーディオン、リコーダー、木琴、メロディオン、打楽器などで演奏。オーケストラがかなでるような音を表現し、聴いていた観客を魅了。日本の小学校の音楽のレベルの高さを思い知った1日であった。



音楽会の帰りは、各学年ごとにホームの前で、親が子供たちを迎えに行くのだが、子供の数があまりに多くて、満員電車のようにもみくちゃになりながら、必死で息子を迎えに行った。今後、息子がうまく日本の学校に溶け込んでいけるか祈るのみの親である。