ホウジョウキ  ++ 小さな引籠り部屋から ~ ゆく川の流れは絶えないね

考えつつ振り返り、走りながらうずくまる日々。刻々と変わる自分と今の時代と大好きなこの国

白井晟一展@パナソニック電工ミュージアムで受けた衝撃

2011-03-27 16:16:34 | art
今日までだった。
お昼ころになってしまったが、入場すると、う~、混んでいる。
混んでいる美術展は、好きじゃない。

このところ、最終日駆け込みの展覧会が続いている。
単に私がグズグズしているからだ。
本人は少しの自覚しかないけれど、子供のころから「お前はグズだ」とよく言われた。
屑じゃないです、念のため、愚図です。

とにかくグズグズしていたら最終日に駆け込む羽目になり
ゆっくり見られなかったのはとても残念。

精緻な製図や、パース図に魅入りながら、
親和銀行東京支店は、何も知らない頃、実際に見た記憶を思い出した。
もう壊されてしまっている。
悲しことだ。

当時、なんだかすごい建物だな、と思った鮮明な記憶がある。
実際の建築物は 無知な通りがかりの女の子の目にも焼き付くほどの迫力だったのだろう。

原爆堂計画のコーナーで、ものすごい衝撃を受けた。
原爆のすべてを物語る、建築物だ思った。
こういう造形を生みだした白井晟一は、確かにすごい。

現実に進行中の核の恐怖と相まって、さらに衝撃が大きかったのかもしれない。

モノリス…も思い出した。(2001年宇宙の旅)

そんな衝撃のなか、とても気になったのが
親和銀行や、原爆堂の モニュメントの書体フォントの美しさだった。

オールドローマン体であることは分かった。
…パペチュアだろうか?

建築の直線と曲線の対比の様子と、この書体はものすごく共鳴しているように思えた。

書に造詣の深い建築家であるから、恐らくタイポグラフィにも造詣が深かったのだろう。
ドイツに留学しているから、尚更だろう。

墨で書かれた書と、タイポグラフィ。
文字というのはなんて美しいのだろう。そう思った。

写真は、浅草に現存する慈照寺(白井設計)