「忘れっぽい天使」という鉛筆の線で描かれた、可愛らしい天使の絵を好きな方、多いのではないでしょうか?
私も初めて見たときから、そのかわいらしさと線の力強さにとりこになりました。
一筆書きのようにシンプル線で、一見子供のいたずら書きのようにくっと描かれているのに
それはそても美しいバランスの造形で、簡単な線がこんなに饒舌なのか、と驚かされます。
クレーの展覧会はこれまでも東京で開催されるたび違うテーマや切り口で、紹介されてきました。
7月31日で終了の、
国立近代美術館「パウルクレー おわらないアトリエ」展
は、国立美術館では初めてのクレーの展覧会だそうです。
「おわらないアトリエ」というテーマの通り
その、創作過程や手法に注目した構成の展覧会でした。
○アトリエの中の作品たち
クレーのアトリエを飾っていた絵に焦点を当てています。
クレーにとって、アトリエ自体が一つの作品のように
綿密に計算されて、自作の絵を選び飾って作られていたことが分かります。
クレーの絵の不思議な空間の描き方を考えると、構造物としての強い空間に意味があったのでしょう。
空間を描くいた絵がたくさんあります。
○油彩転写の作品
素描から、油彩転写の手法を使って油絵にした作品を
素描と油彩転写の作品を並べて、展示してくれています。
素描の印象と、油彩転写になった時の印象の違いが鮮明です。
クレーの線と色彩がいかんに共鳴しているのかがよくわかります。
油彩転写の線の汚れやにじみを生かした表現が、独特のファンタジックさの味わいを生んでいることが
分かります。
○切断・再構成の作品
○切断・分離の作品
切断やその断片を回転したり再配置して新しい表現を模索した様子が紹介されています。
なぜ、わざわざ絵を切断して再構成する必要があったのか。
絵を見ながら考えました。
自分の絵を、完成品ではなく新たな素材として捉えなおして、それをモチーフに切ったり動かすことで
無意識、形而下の作品を生み出すことをしているのだろうと思います。
それは、私たちが(デザイナーが)、PCで画像処理して作品を作る作業に、きっと近いのではないかと思います。
たとえばDJがレコードを使って、新しい音楽をつくるのと根本的には同じなのではないかと考えました。
そう考えると、クレーが作品の一部を切り取って、そこだけを新たな作品にした意味がよくわかります。
クローズアップだったり、切り取る前の作品には表れていない形而下の意味を見いてしているのだ、と。
○うら・おもて両面の作品
なぜ両面に作品を描いたのか。
この展覧会の説明だけでは、私としてはまだ謎です。
「両面に作品を描くことで、時間的、物理的3次元4次元の意味を持つ」という説明ですが
それは、今結果としてそのような意味を見出すことは可能ですが
クレーの意図は分からないままです。
○特別クラスの作品
後世や世の中の評価とは別の、クレーにとって大事な作品があった
それを画家本人がわざわざ分類していたことを知りました。
クレーの大事にしていたモノ、が垣間見られる作品です。
今までとは少し違った角度でのアプローチを試みた展覧会。
「忘れっぽい天使」だけではないクレーを知ることが出来ます。
やはり線の印象深さと、色彩で表現される異次元につながっているかのような空間表現が
印象に残りました。
アトリエの中の作品たちのコーナーに「少女の裸体」という絵
具象画ですが、そぎ落としたタッチで光と影を描いてている
クレーの画家としての力量を感じる印象深い作品でした。
私も初めて見たときから、そのかわいらしさと線の力強さにとりこになりました。
一筆書きのようにシンプル線で、一見子供のいたずら書きのようにくっと描かれているのに
それはそても美しいバランスの造形で、簡単な線がこんなに饒舌なのか、と驚かされます。
クレーの展覧会はこれまでも東京で開催されるたび違うテーマや切り口で、紹介されてきました。
7月31日で終了の、
国立近代美術館「パウルクレー おわらないアトリエ」展
は、国立美術館では初めてのクレーの展覧会だそうです。
「おわらないアトリエ」というテーマの通り
その、創作過程や手法に注目した構成の展覧会でした。
○アトリエの中の作品たち
クレーのアトリエを飾っていた絵に焦点を当てています。
クレーにとって、アトリエ自体が一つの作品のように
綿密に計算されて、自作の絵を選び飾って作られていたことが分かります。
クレーの絵の不思議な空間の描き方を考えると、構造物としての強い空間に意味があったのでしょう。
空間を描くいた絵がたくさんあります。
○油彩転写の作品
素描から、油彩転写の手法を使って油絵にした作品を
素描と油彩転写の作品を並べて、展示してくれています。
素描の印象と、油彩転写になった時の印象の違いが鮮明です。
クレーの線と色彩がいかんに共鳴しているのかがよくわかります。
油彩転写の線の汚れやにじみを生かした表現が、独特のファンタジックさの味わいを生んでいることが
分かります。
○切断・再構成の作品
○切断・分離の作品
切断やその断片を回転したり再配置して新しい表現を模索した様子が紹介されています。
なぜ、わざわざ絵を切断して再構成する必要があったのか。
絵を見ながら考えました。
自分の絵を、完成品ではなく新たな素材として捉えなおして、それをモチーフに切ったり動かすことで
無意識、形而下の作品を生み出すことをしているのだろうと思います。
それは、私たちが(デザイナーが)、PCで画像処理して作品を作る作業に、きっと近いのではないかと思います。
たとえばDJがレコードを使って、新しい音楽をつくるのと根本的には同じなのではないかと考えました。
そう考えると、クレーが作品の一部を切り取って、そこだけを新たな作品にした意味がよくわかります。
クローズアップだったり、切り取る前の作品には表れていない形而下の意味を見いてしているのだ、と。
○うら・おもて両面の作品
なぜ両面に作品を描いたのか。
この展覧会の説明だけでは、私としてはまだ謎です。
「両面に作品を描くことで、時間的、物理的3次元4次元の意味を持つ」という説明ですが
それは、今結果としてそのような意味を見出すことは可能ですが
クレーの意図は分からないままです。
○特別クラスの作品
後世や世の中の評価とは別の、クレーにとって大事な作品があった
それを画家本人がわざわざ分類していたことを知りました。
クレーの大事にしていたモノ、が垣間見られる作品です。
今までとは少し違った角度でのアプローチを試みた展覧会。
「忘れっぽい天使」だけではないクレーを知ることが出来ます。
やはり線の印象深さと、色彩で表現される異次元につながっているかのような空間表現が
印象に残りました。
アトリエの中の作品たちのコーナーに「少女の裸体」という絵
具象画ですが、そぎ落としたタッチで光と影を描いてている
クレーの画家としての力量を感じる印象深い作品でした。