舞蛙堂本舗リターンズ!~スタジオMダンスアカデミーblog

ダンス(フラ・ベリーダンス他)と読書と旅行とカエル三昧の日々を綴る徒然日記。

The Silver Metal Lover

2007-06-18 23:16:08 | ぼくはこんな本を読んできた
ああ、私としたことが、ベタベタの恋愛小説で号泣してしまいました。
しかも「こ、これはやばい」と思って飛ばし読みしたのにですよ。

ご存じの通り私は所謂ラブストーリーというやつが苦手で、特に若者同士の恋愛ものは笑いのネタにしかしないというヘソ曲がりであります。
(ちなみに二次創作で原作にはかけらも描かれてない妄想恋愛譚が語られるのを見るのはわりかし好きです。いや、そうとう好きです。ようするにやっぱりヘソ曲がりなんだな。)
トールキン御大のファンタジーの金字塔を映画化した『ロード・オブ・ザ・リング』も原作より恋愛色が濃くなってるのが気に入らん、と息巻いていた私です。

その私がうっかり滂沱の涙を流してしまった恋愛小説...それは、タニス・リー『銀色の恋人』(原題"Silver Metal Lover"、ハヤカワSF文庫)です。
温室育ちのお嬢さんが街なかで出会った男性に恋をし、厳格な母親などさまざまな障害を乗り越えて二人一緒に束の間の隠遁生活を送るも、あわれ二人は引き裂かれてしまう...という、はしょればどうってことのない(特に私は通常なら蕁麻疹が出るたぐいの)ラブストーリーです。

ただひとつ、恋した男がロボットであることを除けば。

この作品をきっかけに、私はロボットというかAIとか機械(と書いてからくりと読む)に滅法弱いことが判明しました。

つーか、もう少し早く気付けよという感じです。
折原みとさんのティーンズ小説『地球―箱船の惑星』も、コンピュータに意識を移植された女の子が主人公の恋愛小説でしたし、アン・マキャフリー『歌う船』も設定的にはあれにだいぶ近いです。
ちょっと前に映画化された『アンドリューNDR114』もばりばりのロボット小説でした。
これらの小説、どれも私が大量の涙なくしては読めなかった作品ベスト5くらいに入ってますが、よく見たらどれも「身体が機械の人」が主人公じゃないですか。
なんでいままでこの共通点に気付かなかったのか、自分の鈍さの方が今となっては謎です。
だから『恋人』なんてえぐいキーワードが入ってるくせに、この小説を発作的に買ってしまったのね。

まあおそらく、私が機械に異常な情を持ってるのが原因じゃないかと思います。たぶん祖父良美さんの影響ですね(かれは機械いじりのプロでもあり、うちのスタジオや舞台照明はすべて彼の設計したものです)。
良美さんもそうではないかと思われるフシがありますが、私も機械には魂が宿ってると考える傾向があり、機械に話しかけるなど日常茶飯事。機械をいじったり観察したりするのがたまらなく幸せで、よその珍しい機械を見るとついうっかりいじってしまい、古い機械も捨てられず、たまにいうことを聞かない機械に対しては裏切られたような気持ちになり、ほとんど恋人の不実をなじる女々しい女のようになります。

そうそう、前『けろけろ』という人間に変身したカエルの男の子とのラブストーリーもありましたが、それは特にグッとこなかったですねえ。
ストーリーがあまり良くできてなかったことも原因かもしれませんが、私にとってカエルは庇護して囲って侍らせる対象なので、恋愛ものではいまいち乗らなかったのでしょうね。
これが健気な子ガエルの感動冒険譚だったりしたら、恥も外聞もなく大泣きでしょうけど。

ちなみにマミちゃんが弱いのは動物ものです。これまた対照的ですね。
ネコ科の動物が好きみたいですが、それ以外でも動物(毛のモコモコしてるのがいいらしい、でもカエルには特待的に好意を持ってくれている)ならみなオッケー。すべて母の愛の対象に入ります。
この人は私のような恋愛アレルギーじゃないですが、映画で色恋沙汰が始まるとすかさず寝てしまうという点からみて、ある意味私より無関心といえましょう。

まあそれはともかく、ひとたび動物が登場すると、彼女の目は愛情と関心に輝きます。CMで動物が活躍するのを見ればこのうえなく嬉しそうで、最近のお気に入りはなんとかという箱型車のCMです。
だから、感動&感涙ものの動物ネタを見てしまったらもうダメ。とても他人事ではいられません。
あまりに感情移入して泣いてしまうので、動物関係の番組は見られないと申しております。

人それぞれ愛情の方向は違うのですねえ。
って、我々の場合その方向がいくらなんでも異常すぎるて気もしますが。

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