舞蛙堂本舗リターンズ!~スタジオMダンスアカデミーblog

ダンス(フラ・ベリーダンス他)と読書と旅行とカエル三昧の日々を綴る徒然日記。

ダンサーの姿勢

2007-11-10 23:28:25 | ダンス話&スタジオM
いきなりですが、日本の人って年齢をものすごく気にしますよね~。
新聞やテレビを見ても、芸能人であれ事件の容疑者であれ、必ず名前に続けて年齢が書いてある。私には不思議でたまりません。
「85歳の現役ラッパー」とか「2歳で大学に入学」というのなら、そりゃ年齢も重要でしょう。でも、99.9%は年齢と関係ない話題です。

そういえば言葉の上でも、英語だったらbrother/sisterで済ますところを「兄」「弟」/「姉」「妹」と細かく言い分けますよね。
「いとこ」も「おじ」「おば」も、音は同じなのにわざわざ漢字を使い分けて、年齢の上下が分かるようになっています。
意識しているからそういう言い分けが生まれたのか、言葉があるから意識が生まれたのか、今となっては分かりませんが、無駄に年齢を意識しているシチュエーションがやたら多いです。

でも私は実年齢が幾つかなんてそんなの関係ねーと頑に信じて生きてます。
20年前、今よりさらにプライドが高くて不遜だった私(注:当時4歳)は、周りの大人たちから子供扱いされたり幼児言葉で話しかけられたりすると怒髪天をつく勢いで怒り、「生きてる年齢がちょっとばかし少ないからって莫迦にするなっ!!」と吠えていたものです。
しかし、そのまま精神的成長をみずに20年経ってしまったので、今となっては実年齢が精神年齢を追い越してしまいました。

こういう人間ですから、「自分は何歳だ」と意識して生きていることは、あまり好きではありません。少なくとも自分はそうなりたくないです。
自分の専門分野においては若輩であることなど言い訳にならない(なにしろ己のキャリアは年齢と無関係に長いのだ)し、一方で成年になったからといって、自分の好きな玩具や遊びから卒業するのはまっぴらごめんです。
つまり、場面に応じていろんな「設定年齢」があってもいいのではないかと思います。

そんな時、ダンスは自由自在に設定年齢を変えられる点がいいです(ああ、ようやっと本題に辿り着いた)。
うちはレッスンでも衣装選びでもステージでも年齢による差別は一切しない主義で、自分の可能性を年齢を理由に狭めるなんてナンセンス!!踊りたいダンスを着たい衣装で踊るのが一番!!!と思っています。

だからひとたび舞台に上がれば、年齢など曲のイメージや自分の好みで如何様に設定しても全然オッケーなわけですが、そのために姿勢の良さがものすごく重要であることは忘れてはなりません。

はっきりいって、大舞台でお揃いの衣装を着て強い照明を浴びてしまったら、その人がいくつくらいなのかはまったく分からなくなります。
うちの衣装は体型をよく見せることにかなり心血を注いでいるので、スタイルの善し悪しすらさほどハッキリしません。
年齢を判断する材料は唯一、姿勢のみです。
きょくたんな話、どんなに若くても背中が丸まっていればお婆さんに見えてしまうかもしれないし、逆に年がいくつであれ、美しく装いを凝らしてシャンとのびた姿勢で踊っていれば、いくらでも若く見えるのです。
となれば、できる限り姿勢を良くするっきゃないですね!!

でも、ダンスによって求められる「姿勢の良さ」は異なります。
例えばフラの場合、ハワイ語で美しい人をたとえるのに「pali e ke kua=背中は絶壁」という言葉があるように、背筋は天に向かってまっすぐのびていることが望ましい。

わざわざ「天に向かって」と述べているのは、後ろへ反ったりお尻が出っ張ったりしていては、いくら背中がまっすぐでも無意味だからですね。
後ろへ反ることを良い姿勢とみなすダンスもあるので、求められる姿勢の違いに注意が必要です。
また、フラをお尻を出っぱらかして踊るものだと勘違いしている人がいますが、決してそうではありません。ハワイの人やマミちゃんのようにお尻が出っ張っているように見えるけどそれが地の体型というフラの先生がときおりいますが、あれはあくまでわざと出っ張らせているわけではないので、もともとそういう体型でない人は、姿勢をまっすぐに保ちましょう。
わざわざお尻を突き出さなくても、正しくさえ揺らせば十分綺麗に揺れます。

一方、ベリーダンスはフラより官能性を前面に押し出す踊りです。
ということは理想の姿勢も違ってきますね。女性らしいラインを姿勢でもって演出する工夫が必要です。
つまり、元の体型がどうあれ、年齢のみならずプロポーションも姿勢ひとつでいくらでも演出することができるのですね。

ただしここで気をつけなければならないのは、「わざとらしくなったらアウト」ということです。
なまじ官能的な踊りなだけに、ことさらにセクシーに見せようとする意図が丸出しになると、たんなる下品な踊りになってしまいます。
このあたりのさじ加減はベリーダンスの細かいテクニックを身につけるより遥かに難しく、世界を見わたしてもこれを高いレベルでいかにも自然に自分のものにしているダンサーは片手で数えるほどしか知りませんし、若手のベリーダンサーのなかにはただの一人も見かけたことがありません。

だから、実はベリーダンスもフラと同じくらい「自然な振る舞い」が重要な踊りということになりますね。
とくに姿勢をよく保つことは大切ですが、いかにも背筋を伸ばしきってます!!というわざとらしい感じが出ないように注意することはもっと大切です。

理想の姿勢をずっと保つことは大変だけれど、これは日常生活の姿勢を良くする役にも立つと思うので、ぜひ姿勢に気を遣うことをおすすめします。

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