舞蛙堂本舗リターンズ!~スタジオMダンスアカデミーblog

ダンス(フラ・ベリーダンス他)と読書と旅行とカエル三昧の日々を綴る徒然日記。

早乙女太一『蒼伝説』

2007-11-15 23:56:32 | 徒然話
今日、教育会館で行われた早乙女太一君の公演に行って参りました。

早乙女太一君は、稀代の美貌の若手女形役者で、北野武監督作品に出演したりして徐々に注目を集め、最近ではテレビなどでもよく取り上げられています。

ここで早乙女君をご存じの方はお思いになることでしょう。「私の好みとしちゃ若すぎやしないか」と。
いつも公言しているように、私にとって理想の男性は20歳以上年上からで出来ればふたまわりは離れていることが望ましく、40歳未満は男性の範囲外です。
なのに早乙女君ときたら16歳。男性としてはいくらなんでも若すぎです。

しかしこの場合、そんなことはどうだってよいのです。私は早乙女君に惚れていますが、男性としてではありません。
目当てはあくまでも女形の早乙女君なのです。
だから最愛のバーレスク・クィーン、ディータ・ヴォン・ティース様に懸想する気持と同じなんですね。

ディータ様も早乙女君も、生まれもっての美貌だけではなく「完璧に作られ演出された美しさ」である点が素晴らしいです。
私の好きな言葉に「人は女に生まれるのではない。女になるのだ」という格言があるのですが、まさにそれを体現しているお二人といえましょう。
特に早乙女君は素顔は普通の少年なのに卓越した自己演出によって妖艶なる女形に変身する手腕がお見事の一言です。

今回の舞台は二部構成でした。
第一部は私の大好きな大衆演劇のお芝居(ベタな筋書き、クサイ演技、大袈裟なBGMなどがたまりません)で、容赦なく殺りくする殺陣シーン(悪役に改心の余地なし)なども時代劇愛好者としては大いに楽しめましたが、やはり本命は早乙女君が女形を演じる第二部の舞踊ショーでした。

衣装も照明もかなりセンス良い色彩で配され、バックダンサーが舞い踊る中、女形の早乙女君が華麗に登場!!!
もう、めっさ鳥肌立ちました。
う、ううう美しい。美しすぎる。もはや男にも女にも見えません。美しすぎて人間らしさを超越しています。

しかしその美しさは、彼の天性の容貌でもなければ、ましてや若さでもありません。
終演後に「やっぱり若さだね!」と言い合ってたお姉さんがたがいらっしゃったけど、断じて違いますよ。よほど話に割り込んで突っ込もうかと思いました(笑)。
あれはひとえに早乙女君の魅せ方の技術です。

まず化粧、ご本人が自ら施しているというそれは、どの表情がどういう効果を及ぼすか知り尽くしている施し方です。
まるで描かれた絵のように、あるいは人形のように、高い完成度でもって創られた美貌です。

そして踊り!!!
早乙女君の踊りの、なんと完璧なことでしょうか。
若さを賞賛するのなら、その若さそのものではなく、その若さにしてここまでの技術を会得し、自分の見せ方を知り尽くしていることこそ驚嘆に値します。
なおかつ真に素晴らしいのは、隅々まで計算されきった踊りをしつつも、限りなく自然な演技によって、これが計算されたものであることが巧みに隠されているのです。
早乙女君の踊り方はかなり腰を使っているはずですが、それすら見る人が見なければそうと気づかれません。
だから、上辺しか見ていなければ「これは若さだ」と思い込まされてしまっても不思議はありません。


ああ、早乙女君の踊りに比べたら、私の踊りのなんと稚拙なことよ。
「すごく腰が揺れている」と人から言われてしまう、己の踊り方の浅さよ。
早乙女君と同じく生まれたときから踊り手として育ち、23年も踊っていながら、自分のレベルの未熟さを痛感しました。

しかし、そのことが私には嬉しいです。
自分が十分なレベルに達していないと痛感することは、自分にはまだまだこれからも向上する余地があると実感できるということですから。
こんなに楽しいことはないですよ。

やはり、踊り手はさまざまな舞台を見ることが不可欠です。
それもものすごく完成度の高い舞台や優れた踊り手を見て、見る目を養い、刺激を受けまくるのがよろしいかと思います。

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