舞蛙堂本舗リターンズ!~スタジオMダンスアカデミーblog

ダンス(フラ・ベリーダンス他)と読書と旅行とカエル三昧の日々を綴る徒然日記。

メディア・リテラシー

2009-10-13 01:10:02 | ダンス話&スタジオM
「リテラシー」は「読み書き能力」という意味で、「メディア・リテラシー」とはすなわち、新聞や雑誌、テレビ、本などのメディアから、正確な情報を読み解く能力を指します。

大学時代、私はこれを研鑽するよう叩き込まれました。
先生方がおっしゃるには、テレビや活字(最近ではインターネット)が発する情報はついつい正しいと思い込んで鵜呑みにしてしまいがちだけれど、行間に潜む「作り手の意図」を的確に抜き取って、本当の情報をゲットするように努めねばならない、とのことです。
ああ、まったくもってそのとおり。氾濫する情報に踊らされてはいけませんね。

これと同じことがフラ界でも言えます。
そう、今や3誌も発行されている、フラ雑誌の話ですね。
もしあなたが本当に「見る目」を養いたいのなら、踊りを見る目はもちろんのこと、活字情報に対しても見る目を養うことが大切です。
私は一般常識に対しては偏った知識しかもっていませんが、四半世紀を超えるフラ歴をもってすれば、「フラ・リテラシー」を身につけるための秘訣をなにがしかお話しできるかもしれません。


フラにまつわる情報を読み解く方法も一般のメディア・リテラシーと同じです。
つまり、(1) 作り手の意図を見抜く。
(2) 1を排除したところから情報の真実を掘り出す。
(3) 2から更に自分に必要な情報をゲットする。

以上の3ステップで、不要な/歪んだ情報に惑わされず、正しい情報を読み取ることが出来ます。

まあ、何たって難しいのは(1)ですよね。
不思議なことに、活字や映像になってしまうとあたかもそれが「普遍の真理」みたいに感じてしまうものですが、その裏には必ず作り手が存在することを忘れてはなりません。
そして、作り手も人間である以上、自分の意見を持っています。
どれほど公正であろうとしても、自分の意見は自ずと出てしまうものです。まして、狡猾にも、すぐにはそれと分らない方法で意図的に自分の意志を織り込むことさえ可能です。

本当にフェアな書き手なら、まずは真実だけを述べる、あるいはさまざまな立場からの意見を並べた上で、自分の意見をハッキリさせるべきだと、私は思っています。
しかしながら、読者を「意図的にひとつの方向に導きたい場合」は、そんなフェアなことはやってられません。
そこで、今述べたような「狡猾な」方法を採る訳です。

何故そんなアンフェアなことをするのか?
もちろん、そこに利益が絡んでいるからです。
そういう言い方をするとまるで悪いことをしているようですが、まぁ、メディアの作り手だって、作り続けるためにはある程度営利を追求しなければならないでしょうから、仕方ないと言えば仕方ない。
政治や宗教のプロパガンダである場合も同様です。

だからといって「仕方ないね」と踊らされるままじゃアレですよね。
我々読者(視聴者)、ひいては消費者は、そういう中で賢く立ち回る術を身につけなければなりません。

世の中に氾濫する情報すべてに対して賢く立ち回れるようになるのは難しいですが、ことフラの世界においては、これはとっても簡単です。
ぜひ、下記の方法を試してみてください。

フラ雑誌で特定の先生や場所がフィーチャーされているのを見つけたら、記事を鵜呑みにする前に、同じ雑誌にその広告が載ってないか、先ずチェックしてみましょう。

すると、あら不思議。大抵はそこの広告が見つかります

もちろん、「広告が載っていたら本当に良いものではない」というわけではありません。
ただ、記事に取り上げられているというだけで「凄い先生なんだなぁ」とか「素敵な場所なんだろうなぁ」と決めつけてしまうのは時期尚早ということです。

記事にどれほどの美辞麗句が並んでいようとも、それはあくまでも「広告主様だから」である可能性が否めません。
そのことが分っただけでも、かなり冷静に記事を読むことが出来る筈です。
あ、同じことはテレビやラジオとスポンサーの関係にも言えますね。ハワイやフラ関係の番組を視聴するときは、是非、「提供」のテロップやアナウンスを注意深く見聞きしましょう。
ローカル局になると、「ひと番組まるごと買い取る」のも大した額ではないということは、頭に留めておく必要があるかもしれません。

世の中には、この「メディアと広告主様の関係」がもっと巧妙に隠されているものもありますが、フラ雑誌のやり方はまだまだ無邪気なモンですので(笑)、ぜひお試しになることをお勧めします。

まぁ、一般にもフラ歴15年とかの人が随分増えてきた昨今では、もう少し巧妙なやり口も無いではありません。
その場に広告が無くても、特定の誰かや何かを褒め称える記事がある...。
あるメディアが、特定の誰かや何かを強力にプッシュしている...。
そういうときは、是非そのメディア(または記事を書いている個人)と、それが推している誰かあるいは何かとの関係を、過去数年にわたって調べてみると、面白い繋がりが見出せることがあります。

この「面白い」ってのは必ずしもシニカルな意味じゃないですよ(私にしては珍しく)。
ポジティブな意味で「面白い」例と言えば、たとえば、こないだナホクを受賞したミュージシャンのパリさんと、J-WAVEナビゲーターの内田佐知子さんです。
内田さんの著書では沢山の人や場所が紹介されてるにも関わらず、パリさんに対する書き方だけはどこか特別でした。
そう感じた私は早速調べてみて、この二人が来月結婚する間柄で、彼女が愛犬として紹介していたワンちゃんも、元々パリさんのうちの子だったことが分りました。

おぉ、内田さんがハワイに来たのは、パリさんと出会うための運命だったのね。
もう随分長いこと番組を聞いていて、今のハワイの情報を発信する彼女の様子を見ていた私は、「内田さんにはホントにハワイが合ってるよなぁ」と思っていたので、この縁組が我が事のように嬉しかったのです。

そういう楽しい発見も、多角的に情報を受け取ることの良い所です。
自分を守るためだけじゃなく、あらゆることをもっと楽しむためにも、メディア・リテラシーは大切ですね。

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