舞蛙堂本舗リターンズ!~スタジオMダンスアカデミーblog

ダンス(フラ・ベリーダンス他)と読書と旅行とカエル三昧の日々を綴る徒然日記。

Beyonce World Tour 2009 "I Am..."

2009-10-19 00:30:15 | 徒然話
っということで観てきました、ビヨンセ様!!
そのために今朝は早くから起きたので、いつまで身体が保つか分りませんが、意識の続くかぎりリポートしたいと思います


会場は、先ほども書いたとおり「さいたまスーパーアリーナ」です。
例によってPhotomemoにアリーナ席から見た内部の様子を投稿しましたので、今夜3時頃にこのブログにも載ると思います。

ウチの最寄り駅からもあんがい近く、さいたま新都心駅で電車を降りれば会場はすぐそばです。
少し早く着きすぎたので、近くのショッピングセンター(といっても、これまたウチの近辺のと大して変らない)をうろついて待ちました。

そうこうしてるうちに開場時間になり、いよいよゲートへ。
とにかく巨大な会場ですから、座るエリアによって入口が分かれています。
我々は「おまけつき席」という特殊なシロモノなので、これまた別の列が出来ています。
ここに並んだ人々は、他の列と同じようにチケットを提示して荷物検査を受けて中に入ると、その場でオマケがもらえます。

オマケはピンク、白、金、銀のロゴ入バッグでした。
我々はもちろんピンクです。バッグの上部は黒ですから、まさにウチのテーマカラーですね。ウチのピンクよりはだいぶ優しいピンクでしたが。

後で席に着いてからよく見ると、中にもオマケが入ってました。サーモマグとネックストラップと、先ほどお話ししたディズニーカウントダウンみたいなヒカリモノです。
ほんとは使いたくないんですが、他に光り物が無いのでパキッとやりました。結果的にはやはり、これがあった方がライヴで盛り上がれて楽しかったです。

しかし、その席に行くまでが一苦労でした。
こちらからどうぞと通された入口は、我々の席より遥か上部。つまり、断崖絶壁みたいな景色の中を、一番下まで降りていかねばならなかったのです。
なんとか手すりにつかまり、傍目には冷静を装いつつ降り切りました。

アリーナは前方の指定席と後方の立見エリアに分かれています。
同じカテゴリー内でも、アルファベットで細かく仕切られており、柵で区切られていて、各入口にスタッフが立っていて、チケットをチェックしています。

我々の席はアリーナ全体で見ると中央よりちょっと前くらいの位置にあり、細かく区切られたエリアの中では前から2番目でした。
しかも柵の出入り口のすぐそばです。見張り番のスタッフのお兄さんが常駐しています。
けっきょくこのお兄さんは公演中もずっとそこにいて、しゃがんでくれる訳でもなく、私の視界の真正面にいるものですから、正直言って彼さえいなければ見晴らしは言うことなしだったんですが(笑)、まぁこのお兄さんがいたおかげで不届きな人が私の前に割り込まないで済んだ訳ですから(私の前に割り込みたければ、このお兄さんとラブモード全開の超絶至近距離で相対する事になります)、結果オーライってことで。

開場から開演までは1時間半。えらい時間かけますな。
そのくらいかけた方が、短時間内に殺到しなくていいってことなんでしょうね。確かに、開演15分前になってもまだ空いてる席があるくらいで、随分のんびり入ってくる人も多かったようです。

そんな事を思っているうちに、ちょうど開演時間の頃、会場後方で悲鳴のような歓声が上がりました。
えっまさかビヨンセ様、後ろから登場と一瞬驚きましたが、そうではありませんでした。

なんと、叶美香さんが外国人SPを従えて堂々と入っていらしたのです

パニックになる会場。美香さんに向けられる携帯やデジカメ。っておいおい、美香さんはプライベートで来てんじゃん。何でみんな無言でばしばし撮ってるのさ。
私は個人的に「何の断りも無く人にカメラを向けて撮影する行為」はマナー違反だと思っているので、いくら5秒で取り出せる位置に携帯があろうとも、いくら手を伸ばせば届きそうな位置を美香さんが通過していようとも、「やっぱ好み」とか思いながらそっと見つめるに留めました。


予定開演時刻をだいぶ過ぎてから、ようやくステージが始まりました。
おおお、舞台中央にご登場ましましたビヨンセ様遠くからでもハッキリ分る、そのゴージャスなヴィジュアル

ライヴは、しょっぱなからダンサブルな曲で大いに盛り上がりました。
バックダンサーを従えてステージ狭しと駆け回り、ときおり前方の観客と握手しながらパフォーマンスする彼女を見て真っ先に思ったのは、「なんて素敵な声かしら」ということでした。
ゴージャスなルックスもパワフルなダンスも既に良く存じておりますが、こうも魅力的な低音ハスキーヴォイスだったとは。ますます惚れそうです。
しかし、クリントン国務大臣しかり、アメリカの主要テレビ局で活躍する女性ニュースキャスター(それは日本の「女子アナ」とは完全に別種です)しかり、パワフルでブリリアントな女性には、そういう声こそ最も相応しいと思います。
少なくとも私はそういう声が好きです。


声のみならず、ビヨンセ様のステージを見ていると、完全に私好みの「強いオンナ」のイメージが前面に押し出されています。
象徴的なのが、ビヨンセ様のバックバンドですね。
以前から聞いていたとおり、ビヨンセ様のバンドは完全に女性ばかりです。言うまでもありませんが、そのパフォーマンスは十二分にパワフルでソウルフルです。

強いオンナというと、あくまでも男性との対比で強い(「男勝り」って言葉があるようにですね)と捉えられがちですが、ビヨンセ様の「強さ」は最早、男女の上下関係なんてくだらないものを超越した、いえ男性の存在自体を必要としないような、マジもんの強さを感じます。
うおおお、完全に私の好きなタイプだ。というより、私の目指す女性像はそこなんだ。「オンナのくせに」なんてつまらない男尊女卑思想とは、闘うのではなく、蚊帳の外におくのです。

ビヨンセ様においてとりわけ素晴らしいのは、そういう独立不覊の強い人を演じながらも、女性らしいエレガントなドレスも着こなし、女性ならではのセクシーさを兼ね備えているところです。
そういえばディータ様もそうですね。彼女もあれだけ挑発的なショウを演じながら、「男性の目を意識して踊った事は無いわ。女の子たちが私のショウを観て、ランジェリーを着けてバーレスクの真似をしてくれるようになったら素敵ね」と言ってのける、ファービュラスなお方です。

私が思うに、女性ダンサーやアーティストがセクシーでありながらも魅力的であるためには、男性の目を意識すべきではないと思います。
女性が同性を見る目は、異性に対するときよりもシビアですから、単なる媚ではまったく評価されませんが、それゆえに若さやスタイルなどといったつまらないメッキに騙される事なく、真の実力を見抜いてくれます。
そう考えると、コンサートの観客席のかなり多くを女性が占めているビヨンセ様には、やはりアーティストとしての技量、磨き抜かれたセンス、そして尊敬すべき人間性など、ゴージャスな外見のみにとどまらない魅力が充分に備わっていると言えるのです。

これよりビヨンセ

2009-10-18 15:40:05 | 徒然話
只今、さいたまスーパーアリーナに来ております。
このあと4時30分から、ここでビヨンセのコンサートが行われるのです。
日曜日、それもイベントの無い日にやってくれて、ホントに良かったです。おかげで何にも穴を空けずに観に来ることが出来ました。

ビヨンセ様は、ディータ・ヴォン・ティース様と並んで、敬愛して止まない理想の女性です。
ビヨンセ様のプロ意識も凄まじく、ライヴステージには定評があると聞いております。
しかも、今回のは皮切りのニューヨーク公演がすこぶる良かったという噂です。こりゃココロして観ねばなりませんな。

唯一の失敗は、こういう一般的なコンサートに来るのが久々だったもので、ヒカリモノを持ってくるのをスッカリ失念していた事です。
しばし後悔の念が襲いましたが、我々の席は「おまけつき席」というモノで、入口で頂いた袋を漁りますと、ディズニーリゾートのカウントダウンで配られるような素敵な使い切りのヒカリモノが出て参りました。
普段使い切りのモノは勿体無いので取っておく私も、今日ばかりは思いきって使ってしまいましょう。

では、帰宅後に詳細リポート致します!

不毛地帯

2009-10-17 00:52:05 | 徒然話
鳴り物入りで始まったフジテレビ開局50周年(だと思う)特別ドラマ『不毛地帯』を見ました

不毛地帯というのは、第二次大戦後に日本人捕虜が大勢送られたシベリアのことです。
このドラマの主人公・壱岐正さんも、日本軍の優秀なブレインであったがゆえに捕虜として捕えられ、11年をこの極寒の地で過ごしました。

実を言うと、我が祖父・良美さんも捕虜としてシベリアで過ごした経験があります。
もちろん壱岐さんみたいに軍の中枢にいた訳ではありませんし、一説にはヴァイオリンという芸が身を助けたりもし、壱岐さんよりはだいぶ早く帰館することが出来たようです。
とはいえ、祖父もそうとう過酷な目に遭ったであろうことは、想像に難くありません。

しかし、そこは強者祖父・良美さんです。
私が彼を尊敬し誇りに思っているところは沢山ありますが、その最たるものは、決して不平不満や弱音を吐いたりしないことです。
それも、ひたすら耐え忍んでいる訳ではなく、万事を前向きに捉え、専ら明るい面を見ようとする人なのです。
私が祖父から聞かされたシベリアでのエピソードには一切苦労の気配がなく、それどころかすべてが笑い話になっていて、戦争のセの字も知らなかった私など、ユニークな海外滞在経験のひとつだと思い込んでいたほどです。

だから、『不毛地帯』で描かれたシベリアの光景は衝撃のひと言に尽きました。
祖父もこれとさほど変らない経験をしていたのでしょうか。だとしたら彼は私が思っていたよりももっと「強者」です。

ともあれ、このドラマにおいてシベリアのシーンは導入でしかありません。
壱岐さんは無事生還し、妻子と再会した後、社長の熱心な誘いを受けて、今までの経歴とはかけ離れた商社に就職します。

それまで軍一筋で来た人ですので、繊維業のことなど皆目分りません。
なぜ社長はそんな彼を抜擢したのでしょうか? そこには、社長の壮大な目論見があった訳で...。

つーか、この社長、めっちゃ好きです。

う~ん。戦後の高度成長を担ったのは、こういうカリスマ経営者たちだったんだろうなぁ。
まず人の口説き方が恐ろしく巧い。相手のひと言を聞いただけで、彼を落とすために最適な言葉を瞬時でひねり出す。
それでもダメなら、更に壮大な用意周到さでもって、一気に陥落に持ち込みます。

そして発想の仕方が素晴らしいです。やはり、世の中を動かすためには創造性が無くちゃダメです。
社長が壱岐さんに放った決定的な殺し文句、「日本がアメリカに負けたのは、軍部がアメリカって国を正確に把握してなかったからだ」というのは象徴的でしたねぇ。
その発想を本当に戦時中からしている人がいたとしたら、驚嘆すべき頭脳の持ち主です。

それに比べると、流石軍で鍛えただけあって、壱岐さんの考え方はちょっとカタいですね。融通が利かないというか。
もちろん、それはあくまでも開始時の話であり、今後ビジネスの世界で揉まれていくうちに、本来の優秀な頭脳をいかん無く発揮できるようになっていくと期待します。

とにかくもう、社長以下壱岐さんの周りの人間がデキる男ばかりです。それを見ているだけで痛快なのなんのって。
特に光るものを感じたのは、軍の後輩だという同じ商社の人間です。成功に重要な柔軟な発想力を持ち、しかも野心に満ちているところが素敵です。
こういう「プロジェクトX」な男たちにとって、この時代はさぞかし刺激的でやりがいのある時代だったことでしょう。

では一方で、女性たちはどうなのか。
良奈ちゃん、これはちょっと不満だよ。
まぁ時代がそうだったのだろうけど、こんなのイヤ。ヤダダメムリ。

まず第一に、奥さんが旦那に対して敬語なのが、夫婦間の上下関係を象徴していてイヤです。
小生は完全な女系家族なので(曾祖父は曾祖母に決して頭が上がらない間柄で、強者祖父の良美さんさえ、一歩さがって祖母を立てていたフシがあります。そして祖父以降、我が家系図に男性の姿は皆無です)、一家の大黒柱とか家父長制とか、そういうのは生理的に受け付けません。
まして、父と娘ならまだしも、夫婦ですよ。上下関係があるなんて、お天道様が許しても、私が許しません。

会話の端々から、「家庭を支えるのはあくまでもお父さん」なニュアンスが漂い、お母さんの働きが評価されない点も致命的です。
なんせ、どう見ても家事の切り盛りは100%女性の仕事です(その時点でどうかと思うけど)。
特に壱岐さんの奥さんなど、壱岐さんがシベリアに抑留されているあいだも、帰国後身体を壊して働けなかったときも、仕事と子育てを完全に一人で担っていました。
そんな奥さん自身さえ、壱岐さんを立てるようなことばかり言っていて、自分の苦労を過小評価しているきらいがあります。

ああ、なんて女性にとって生きづらい世の中だったのでしょう。
こんな時代に生まれていたら、私は喜んで海外へ出奔するか、過激な政治活動かなんかに身を投じていたに違いありません。
プロジェクトXな男たちが刺激的な生活をしている代償がこれだというなら、決して認める訳には行きません。

幸い、21世紀の今となっては、「草食系男子」なんて言葉まで出来て男女の力関係は完全に覆され(あるいは力関係自体が消失し)、女もだいぶプロジェクトXな生き方が可能になりました。
このドラマを見ていると、その辺の有難みをひしひしと感じますね。

矢板市文化祭

2009-10-15 23:28:37 | ダンス話&スタジオM
このたび、母マミちゃんと私が「矢板市文化祭」に出演させていただくことになりました

第42回矢板市文化祭・芸能発表会は、2009年11月3日(祝)に矢板市文化会館大ホールにて行われます。
私達は午前の部のプログラム17番で、北校フラ・ロケラニの皆さんと一緒に踊ります。

ことの発端は、ロケラニのメンバーの方々からお招きにあずかったことです。
ロケラニは北校のOB会のグループのひとつで、北校クラスの中では二番目に歴史が長く、一番キャリアの長い方で22期、つまり10年近いお付き合いの方もいらっしゃるグループです。

そんなロケラニの方から、「矢板で一番最初からフラをやっている福田先生の踊りを、是非地域の皆さんにお見せしたい」という、身に余る光栄なお話を頂きました
そういうことでしたら、もうひと肌もふた肌も脱いで頑張っちゃいますよ。皆さんのご期待に添えるよう、精一杯踊らせていただきます。
もちろん自分達の出演だけでなく、ロケラニの皆さんの出演に関しても、責任を持ってお手伝い致します。腕が鳴る鳴る~~~。

スタジオMはフラの歴史が長いことも特長のひとつですが、実はマミちゃんにはダンス指導者の他にも顔がありまして、それはスタジオを立ち上げる前に、プロのダンサー向けの振付やステージ演出にも携わっていたことです。
まぁ私が生まれる前ですから、直に見ていた訳じゃないんですが(笑)。
このキャリアが今のイベントや発表会における演出にも一役買ってる訳ですね。

マミちゃんが舞台の大きさを異常に詳しく聞きたがるのと、立ち位置とかフォーメーションにもの凄くこだわるのは、こういう理由があるのです。
プロとして演出に携わる以前に、中学生の頃から体育のダンスの授業で振り付けから演出まで引き受けていたというのですから、年季の入り方が半端じゃないです。

そんな訳で、今日の北校レッスンのあと、会場を下見させていただきました。
矢板市文化会館の大ホールはとても広いです。しかも、客席がゆったりしていて、かなり見やすそう。
寸法だけでなく、照明の当たり方なども詳しく伺ったので、次回のレッスン時には実寸どおりでリハーサルできるでしょう

当日は、まず最初に我々二人がデモを踊ります。
既製の曲を一曲踊るか、得意のスペシャルリミックス(?)で二曲踊るか検討中です。
そのあとロケラニの皆さんが登場し、一曲披露していただいたあと、再び我々が出てきて一緒に踊る,,,というプログラムです。
短い持ち時間ながら、曲目もバラエティに富んでいるし、小道具を出したりもしますので、なかなか見応えのあるステージになるのではないかと思います

つばさよつばさ

2009-10-14 22:02:56 | 徒然話
昨日、この本を紹介する記事を書いたのですが、全部書いて投稿したところでサーバーのエラーがおき、すべて消えてしまいました
あまりのショックに書き直す気力も起きず...。というわけで、本日改めてご紹介致します。

JALの機内月刊誌『SKYWARD』に連載されている浅田次郎さんのエッセイ「つばさよつばさ」が、このたび文庫本になりました(小学館文庫、2009)。
私は元々浅田次郎さんが大好きです。旅と温泉と新選組を愛するところも、軽妙でリズム感に優れた語り口も、生まれも魂もチャキチャキの江戸ッ子なところも素敵です。
何しろ小学生の時分からのファンです。『プリズンホテル』が最初の出会いで、『壬生義士伝』では滂沱の涙を流し、『中原の虹』はまったく知らない中国の張作霖氏の物語だというのに、その美しい文調に惚れました。

そんな浅田さんの書かれるエッセイを、好きにならない訳がありません。
私はJALに乗る旅にこれを読むのを楽しみにしていました。飛行機に搭乗し、身の回りを快適な状態にセットして、乗務員さんに作っていただいた「柚子とスパークリングワインのカクテル」を少しずつ味わいながらこのエッセイを読むのは、私が機内においてひょっとすると機内食タイムと並ぶくらい愛しているひとときです。

流石の私も、空の上では決してお酒をカパカパ飲んだりはしません。
そんなコトしなくたって、飛行中はアルコールが体内に回りやすい状態です。「折角タダなんだから」なんてセコいことを考えるより、お酒の味をゆっくり味わう方が遥かに贅沢です。
ウェルカムドリンク(と自分で勝手に雅語で読んでいる)としてスパークリングワイン(またはそのカクテル)を頂き、お食事の直前から序盤までを白ワインで楽しみ(機内はほどよく暑いので、室温の赤ワインより断然冷えた白です)、お食事の途中からは梅酒です。それも水割りで、氷を溶かしながら少しずつ味わうのがコツです。そして、デザートが済んでからベイリースなどの甘いお酒で〆ると、まどろみながら映画を見る体勢への導入が完了します。

って今日は酒の話じゃないだろ。っつーか、十分「カパカパ飲んでる」じゃん。
ともあれコレ、某缶コーヒーのCMじゃないですが、ファーストクラスに乗らなくたって存分に極上の気分を味わえる秘策ですので、酒(特にワイン系)がお嫌いでなければ是非。

とにかく、浅田次郎さんのエッセイは、そんな贅沢なひとときにピッタリの極上の話ばかりです。
文庫本をゲットして現実世界の日本で読んだけれど、機内で読んだのと同じ輝きがありました。
JALのエッセイですから、話題の殆どは旅にまつわるものです。完全に旅先でのエピソードを紹介しているときもありますし、旅を糸口に浅田さんが思っておられることを綴った随想風のものもあります。
いずれにしても、浅田さん一流の読みやすい文章と、非常にユニークな着眼点、情景がありありと目に浮かぶような生き生きした描写は、まさしく長年のキャリア(なんと浅田さんは小学生の頃から物書きを趣味にしておられたのです)と生まれもっての才能の賜物でしょう。

機内誌での連載は現在も続いているようですので、是非とも続刊を2巻3巻と出していただければと思います。
なにしろ、浅田さんのエッセイを読みたいがために、一時はこの機内誌を定期購読しようかとまで考えたくらいですから。
でも、JALの雑誌を地上で読んだらさぞかし切なくなるであろうと思い、断念した次第です。

それじゃ、浅田さんのエッセイでも飛行機や海外旅行が恋しくなるのではないかというと、これがそうでもないんですね。
浅田さんの文章を読んでいると、むしろ日本の温泉宿に行き、熱い湯につかって絶景を眺めたり、人混みを離れて静謐な場所から夜景を楽しんだりしたくなります。
どうも、光栄なことに浅田さんと私は、旅に求めるものが似ているようですね。

メディア・リテラシー

2009-10-13 01:10:02 | ダンス話&スタジオM
「リテラシー」は「読み書き能力」という意味で、「メディア・リテラシー」とはすなわち、新聞や雑誌、テレビ、本などのメディアから、正確な情報を読み解く能力を指します。

大学時代、私はこれを研鑽するよう叩き込まれました。
先生方がおっしゃるには、テレビや活字(最近ではインターネット)が発する情報はついつい正しいと思い込んで鵜呑みにしてしまいがちだけれど、行間に潜む「作り手の意図」を的確に抜き取って、本当の情報をゲットするように努めねばならない、とのことです。
ああ、まったくもってそのとおり。氾濫する情報に踊らされてはいけませんね。

これと同じことがフラ界でも言えます。
そう、今や3誌も発行されている、フラ雑誌の話ですね。
もしあなたが本当に「見る目」を養いたいのなら、踊りを見る目はもちろんのこと、活字情報に対しても見る目を養うことが大切です。
私は一般常識に対しては偏った知識しかもっていませんが、四半世紀を超えるフラ歴をもってすれば、「フラ・リテラシー」を身につけるための秘訣をなにがしかお話しできるかもしれません。


フラにまつわる情報を読み解く方法も一般のメディア・リテラシーと同じです。
つまり、(1) 作り手の意図を見抜く。
(2) 1を排除したところから情報の真実を掘り出す。
(3) 2から更に自分に必要な情報をゲットする。

以上の3ステップで、不要な/歪んだ情報に惑わされず、正しい情報を読み取ることが出来ます。

まあ、何たって難しいのは(1)ですよね。
不思議なことに、活字や映像になってしまうとあたかもそれが「普遍の真理」みたいに感じてしまうものですが、その裏には必ず作り手が存在することを忘れてはなりません。
そして、作り手も人間である以上、自分の意見を持っています。
どれほど公正であろうとしても、自分の意見は自ずと出てしまうものです。まして、狡猾にも、すぐにはそれと分らない方法で意図的に自分の意志を織り込むことさえ可能です。

本当にフェアな書き手なら、まずは真実だけを述べる、あるいはさまざまな立場からの意見を並べた上で、自分の意見をハッキリさせるべきだと、私は思っています。
しかしながら、読者を「意図的にひとつの方向に導きたい場合」は、そんなフェアなことはやってられません。
そこで、今述べたような「狡猾な」方法を採る訳です。

何故そんなアンフェアなことをするのか?
もちろん、そこに利益が絡んでいるからです。
そういう言い方をするとまるで悪いことをしているようですが、まぁ、メディアの作り手だって、作り続けるためにはある程度営利を追求しなければならないでしょうから、仕方ないと言えば仕方ない。
政治や宗教のプロパガンダである場合も同様です。

だからといって「仕方ないね」と踊らされるままじゃアレですよね。
我々読者(視聴者)、ひいては消費者は、そういう中で賢く立ち回る術を身につけなければなりません。

世の中に氾濫する情報すべてに対して賢く立ち回れるようになるのは難しいですが、ことフラの世界においては、これはとっても簡単です。
ぜひ、下記の方法を試してみてください。

フラ雑誌で特定の先生や場所がフィーチャーされているのを見つけたら、記事を鵜呑みにする前に、同じ雑誌にその広告が載ってないか、先ずチェックしてみましょう。

すると、あら不思議。大抵はそこの広告が見つかります

もちろん、「広告が載っていたら本当に良いものではない」というわけではありません。
ただ、記事に取り上げられているというだけで「凄い先生なんだなぁ」とか「素敵な場所なんだろうなぁ」と決めつけてしまうのは時期尚早ということです。

記事にどれほどの美辞麗句が並んでいようとも、それはあくまでも「広告主様だから」である可能性が否めません。
そのことが分っただけでも、かなり冷静に記事を読むことが出来る筈です。
あ、同じことはテレビやラジオとスポンサーの関係にも言えますね。ハワイやフラ関係の番組を視聴するときは、是非、「提供」のテロップやアナウンスを注意深く見聞きしましょう。
ローカル局になると、「ひと番組まるごと買い取る」のも大した額ではないということは、頭に留めておく必要があるかもしれません。

世の中には、この「メディアと広告主様の関係」がもっと巧妙に隠されているものもありますが、フラ雑誌のやり方はまだまだ無邪気なモンですので(笑)、ぜひお試しになることをお勧めします。

まぁ、一般にもフラ歴15年とかの人が随分増えてきた昨今では、もう少し巧妙なやり口も無いではありません。
その場に広告が無くても、特定の誰かや何かを褒め称える記事がある...。
あるメディアが、特定の誰かや何かを強力にプッシュしている...。
そういうときは、是非そのメディア(または記事を書いている個人)と、それが推している誰かあるいは何かとの関係を、過去数年にわたって調べてみると、面白い繋がりが見出せることがあります。

この「面白い」ってのは必ずしもシニカルな意味じゃないですよ(私にしては珍しく)。
ポジティブな意味で「面白い」例と言えば、たとえば、こないだナホクを受賞したミュージシャンのパリさんと、J-WAVEナビゲーターの内田佐知子さんです。
内田さんの著書では沢山の人や場所が紹介されてるにも関わらず、パリさんに対する書き方だけはどこか特別でした。
そう感じた私は早速調べてみて、この二人が来月結婚する間柄で、彼女が愛犬として紹介していたワンちゃんも、元々パリさんのうちの子だったことが分りました。

おぉ、内田さんがハワイに来たのは、パリさんと出会うための運命だったのね。
もう随分長いこと番組を聞いていて、今のハワイの情報を発信する彼女の様子を見ていた私は、「内田さんにはホントにハワイが合ってるよなぁ」と思っていたので、この縁組が我が事のように嬉しかったのです。

そういう楽しい発見も、多角的に情報を受け取ることの良い所です。
自分を守るためだけじゃなく、あらゆることをもっと楽しむためにも、メディア・リテラシーは大切ですね。

ブログランキング参加してみました。クリックして頂けると幸甚の至りです。