雨の朝・スモークツリー 11月6日
再読です。読書は私にとって「避難港」「清涼剤」小説ではありますが
時代背景、歴史も知り得ます。勿論一番は楽しみです。
医師高松凌雲は幕末、徳川昭武(慶喜の弟)の随行医として、パリへ。
そこで進んだ医学を学び,「神の館」(病院)ではお金持ちも、貧しい人も
同じ高度な医療を受けているのを目の当たりにし、凌雲は感動、
これがのち明治になって政府や財界を動かすことになった。
この留学で学ぶことができたのは、慶喜、昭武のお陰と感謝。
パリ滞在中に大政奉還、幕府崩壊を月遅れで知ることになったが、
昭武はじめ随行員たちが冷静な行動をとれたのは
選ばれた開明な人たちだったからだろう。
榎本武揚とともに函館に赴き、病院を作り、戦で傷ついた兵士を
敵味方なく治療した。
明治になっても新政府は凌雲の技術、人格に敬意を払い
招聘を試みたが、あくまで自分の信念を貫き通し、
貧しくても治療を受けられる病院建設に力を注ぐとともに
若い医師たちの育成にも熱心だった。
この赤十字運動の先駆者は1916年満79歳で亡くなった。
しばらくは吉村昭本を再読することになりそうです。