93歳・老大娘の日記

晩年を生きる

一服の清涼剤

2018-11-06 13:38:19 | 読書

雨の朝・スモークツリー 11月6日

再読です。読書は私にとって「避難港」「清涼剤」小説ではありますが

時代背景、歴史も知り得ます。勿論一番は楽しみです。

  

医師高松凌雲は幕末、徳川昭武(慶喜の弟)の随行医として、パリへ。

そこで進んだ医学を学び,「神の館」(病院)ではお金持ちも、貧しい人も

同じ高度な医療を受けているのを目の当たりにし、凌雲は感動、

これがのち明治になって政府や財界を動かすことになった。

この留学で学ぶことができたのは、慶喜、昭武のお陰と感謝。

パリ滞在中に大政奉還、幕府崩壊を月遅れで知ることになったが、

昭武はじめ随行員たちが冷静な行動をとれたのは

選ばれた開明な人たちだったからだろう。

榎本武揚とともに函館に赴き、病院を作り、戦で傷ついた兵士を

敵味方なく治療した。 

明治になっても新政府は凌雲の技術、人格に敬意を払い

招聘を試みたが、あくまで自分の信念を貫き通し、

貧しくても治療を受けられる病院建設に力を注ぐとともに

若い医師たちの育成にも熱心だった。

この赤十字運動の先駆者は1916年満79歳で亡くなった。

しばらくは吉村昭本を再読することになりそうです。

 

コメント (12)
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