ヒロムは仁との出会いを語り、呼吸のすばらしさを語り、初めて知った至福の感覚についても語った。ヒロムの言葉は感動に満ちていた。そして、その言葉の力で胎動の中にいる人間が引き込まれていくのを目の当たりにした。言葉は発する人間と受け止める人間を作る。そして、従う人間と従わせる人間も作るらしい。ヒロムは行動計画として、現在、僕らが狙われている理由を探し出し、その原因と取り除くことが大切だといった。その前に、僕らの精神的な「行為」を続けていくために新しい「ベース」を作ることが必要だともいった。その言葉の匠さに誰もが反対の意見を言うことはできなかった。仁はずっと、黙ったままだった。そして、「パーク」での活動の継続と新しい「ベース」の構築を開始することになった。
認識することがそんなに大事なことなのだろうか、名前は何のためにあるのか、仁は変わらなかった。薄目を開けて、時々「にっ」と笑って・・・・・
認識することがそんなに大事なことなのだろうか、名前は何のためにあるのか、仁は変わらなかった。薄目を開けて、時々「にっ」と笑って・・・・・