ヒトミは胸の前で腕を組み、そのまま進んだ。中央の円形のステージのところで膝の裏がステージの高くなっているところにあたり、ドスンと尻餅をついた。そのままゆっくりと倒れ込み、立ち膝の格好で天を仰いだ。マサミは予期せぬ展開の中でもその空気を作るように音を続けた。「許し」から次の展開は予定では仁の衣装をアキコとヒトミが厳かに剥ぐ予定だった。仁の目は見開いたままだった。仁が立ち上がった。アキコもヒロムもこれからどうなるのか想像できなかった。ヒデオも同じだった。仁の起立に合わせ3人は立ち上がった。仁が手を開いた。その手をアキコとヒロムが取った。同じようにヒロムが手を差し伸ばしヒデオもその手を取った。仁の呼吸に合わせ、集中した。それはここ数日のリハーサルとは違っていた。かつて道玄坂のテルホでしたときのような興奮と緊張が体の中を駆け巡った。
仁の見開いた目、視線の力に円形のステージの周りに位置した衣装をつけた常任、常連が動いた。立ち膝のまま、中央のステージに進み、ヒトミの衣装に手を掛けた。そして、仁の呼吸のリズムに合わせゆっくりと幾重にも重なる手がヒトミ衣装を引き始めた。ヒトミの衣装は限界まで伸び、張り詰め、その限界を超えた時、勢いよく裂けた。ヒトミはその朝から続く妄想の中のいたのか、それとも、疲労の極限状態でトランス状態に移行したのか、あの時のマサミのように自分の両手を股間に沈めた。仁の目が半開きに戻った。それは次への進行の合図となり、ヒロムとアキコが仁の衣装を厳かに剥いだ。そして、ヒロムの衣装をアキコとヒデオが、アキコの衣装をヒデオが、ヒデオの衣装をアキコが一枚づつ丁寧に剥いだ。といってもこのとき衣装を着けているものたちは衣装の下は何もつけていなかった。全裸になりまた手を繋いで仁の呼吸に集中した。その動きは会場全体に瞬く間に伝染し、仕込みの常連、常任の誘導を待つまでもなくそこにいるすべての人々が自ら衣服を脱ぎまわりの人間と手を繋ぎ、仁の呼吸に集中した。吸い込む呼吸、仁の呼吸の始めのパターンのスーっとゆっくり吸いハーっとゆっくり吐く。その呼吸のテンポに合わせ仁が座った。アキコもヒロムもヒデオもそれに従った。呼吸がシンクロしてゆく。これだけの人数の呼吸が統一されるとそれはうねりとなって会場全体を揺り動かした。仁の呼吸は吐く息への集中に変わっていく。全裸で目を瞑って横たわるヒトミはその呼吸のテンポに合わせて腰を上下し始めた。
ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、
ヒトミはその左手を股間に残し、右手を上に大きく伸ばし呼吸のリズムで舞った。仁が手をほどいた。座禅のような格好に戻った。仁の膝が激しく痙攣した。
ハッ、ハッ、ハッ、ハー
その息を大きく伸ばして吐くところで仁の体が中に浮いた。何度、跳んだだろう。この飛翔にすべてのものが興奮した。仁の飛翔が終わると仁は再び目を開いた。その視線でヒロムとヒデオが動いた。二人は仁に向かい座禅のスタイルのままの仁を脇のしたと膝に手を掛ける形で持ち上げ、中央のステージに運んだ。それを感じたのかヒトミが体をずらし、仁の位置を空けた。仁をその位置に据えると二人は正面のステージに戻り、手を繋ぎ、呼吸を続けた。仁の目が半開きに戻った。そして両の手を天に向かって大きく差し伸べた。その手の動きに同調するようにヒトミは起き上がり、仁の前に立った。そして、仁の頭を抱え込むようにゆっくりと仁に重なった。
仁の見開いた目、視線の力に円形のステージの周りに位置した衣装をつけた常任、常連が動いた。立ち膝のまま、中央のステージに進み、ヒトミの衣装に手を掛けた。そして、仁の呼吸のリズムに合わせゆっくりと幾重にも重なる手がヒトミ衣装を引き始めた。ヒトミの衣装は限界まで伸び、張り詰め、その限界を超えた時、勢いよく裂けた。ヒトミはその朝から続く妄想の中のいたのか、それとも、疲労の極限状態でトランス状態に移行したのか、あの時のマサミのように自分の両手を股間に沈めた。仁の目が半開きに戻った。それは次への進行の合図となり、ヒロムとアキコが仁の衣装を厳かに剥いだ。そして、ヒロムの衣装をアキコとヒデオが、アキコの衣装をヒデオが、ヒデオの衣装をアキコが一枚づつ丁寧に剥いだ。といってもこのとき衣装を着けているものたちは衣装の下は何もつけていなかった。全裸になりまた手を繋いで仁の呼吸に集中した。その動きは会場全体に瞬く間に伝染し、仕込みの常連、常任の誘導を待つまでもなくそこにいるすべての人々が自ら衣服を脱ぎまわりの人間と手を繋ぎ、仁の呼吸に集中した。吸い込む呼吸、仁の呼吸の始めのパターンのスーっとゆっくり吸いハーっとゆっくり吐く。その呼吸のテンポに合わせ仁が座った。アキコもヒロムもヒデオもそれに従った。呼吸がシンクロしてゆく。これだけの人数の呼吸が統一されるとそれはうねりとなって会場全体を揺り動かした。仁の呼吸は吐く息への集中に変わっていく。全裸で目を瞑って横たわるヒトミはその呼吸のテンポに合わせて腰を上下し始めた。
ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、
ヒトミはその左手を股間に残し、右手を上に大きく伸ばし呼吸のリズムで舞った。仁が手をほどいた。座禅のような格好に戻った。仁の膝が激しく痙攣した。
ハッ、ハッ、ハッ、ハー
その息を大きく伸ばして吐くところで仁の体が中に浮いた。何度、跳んだだろう。この飛翔にすべてのものが興奮した。仁の飛翔が終わると仁は再び目を開いた。その視線でヒロムとヒデオが動いた。二人は仁に向かい座禅のスタイルのままの仁を脇のしたと膝に手を掛ける形で持ち上げ、中央のステージに運んだ。それを感じたのかヒトミが体をずらし、仁の位置を空けた。仁をその位置に据えると二人は正面のステージに戻り、手を繋ぎ、呼吸を続けた。仁の目が半開きに戻った。そして両の手を天に向かって大きく差し伸べた。その手の動きに同調するようにヒトミは起き上がり、仁の前に立った。そして、仁の頭を抱え込むようにゆっくりと仁に重なった。