仁、そして、皆へ

そこから 聞こえる声
そして 今

影を感じてⅣ

2008年04月23日 15時54分16秒 | Weblog
 第一回「神聖な儀式」の後、ヒロムは音楽を聴きあさった。クラシックからニューミュージックまでありとあらゆる音を聞いた。勉強熱心なヒロムは一ヶ月もしないうちに演劇部とマサミのピアノについて語るようになった。演劇部にヒロムはマサミのピアノの特異性を語り、クラシック音楽の中ではマサミのピアノを表現するのは難しいといった。ショパン、バッハ、ベートーベン、リストなど著名な作曲家の名前を挙げ、マサミの雰囲気はどれにも一致しないと評論家のように語った。そして二人は一番近い雰囲気を持つのはフリージャズのキースジャレットであるという結論に至った。
 この性格からヒロムはその当時、ミッション系の大学で信者を増やしていたTG会について興味を持ち、その営業スタイルを研究し始めた。マサルの話によるとTK大、AG大では目標が定められ、かなりえげつない方法で勧誘が行われたらしい。マサルの母校、MG大にもその勢力が出没し始めた、と言うことだった。