ヒトミは仁の腰をまたぐ形で立ち、仁の肩に手を掛けた。ヒトミの毛が仁の鼻先をくすぐった。ヒトミは仁の胸板から引き締まった腹筋を這うようにして腰を沈めた。ヒトミが仁に触れた。手を使って位置を確かめることなくヒトミは仁を受け入れた。ヒトミは仁の腰に足を絡ませ、首の後ろで手を組んだ。仁とヒトミが完全に密着するとヒトミは稲妻が、天から降り注ぐ稲妻が下腹部から全身に突き上げるように激しい快感に襲われた。ヒトミは大きく仰け反った。仁はヒトミの腰に手を回し、ヒトミを支えた。ヒトミは稲妻の勢いのままに・・・・・
アーーー
その声が会場全体に響き渡った。ヒトミはすべての力が抜け、ヒクヒク動く腰を除いては、腕も頭もダランとなった。
マサミの音が消えた。既にフラフラの状態のマサミがピアノを離れた。会場で唯1人衣装を着ていたマサミだったが、マサミの衣装はその汗でずぶ濡れになり、薄いその布はすでにマサミを肌を隠すことはできず裸体よりも露わな状態になっていた。呼吸の勢いが徐々に静かになった。ヒデオとアキコとヒロムのところにマサミはようやくという感じでたどり着いた。3人はマサミの衣装を剥ぎ、手を取って中央のステージに向かった。仁の手でようやく支えられているマサミを起こし、二人をあの時のように負担にならない程度の力で包み込んだ。明りが徐々に落ちていった。そして、天井に格納されていた布がゆっくりと降りてきた。中央のステージの周りに同じように重なる人の円ができた。照明は完全に消えた。
どれ位の時間がその闇の中で過ぎたのだろう。明りのない状態は意識がある限りとても長く感じられる。その闇は長かった。不安を感じる手前で深海のような青が会場に戻ってきた。布の突起が重なる体温の中で大きな生物の体内にいるような感触をもたらした。気づけば、中央のステージには誰の姿もなかった。ヒロムの声がした。
命の儀式を体験された皆さん、今のお気持ちを心づくしの形で我々に教えて下さい。そして「ベース」は今、あまた方の場所となったのです。目覚めの時が来るまでこの温もりの中でお過ごしください。
アーーー
その声が会場全体に響き渡った。ヒトミはすべての力が抜け、ヒクヒク動く腰を除いては、腕も頭もダランとなった。
マサミの音が消えた。既にフラフラの状態のマサミがピアノを離れた。会場で唯1人衣装を着ていたマサミだったが、マサミの衣装はその汗でずぶ濡れになり、薄いその布はすでにマサミを肌を隠すことはできず裸体よりも露わな状態になっていた。呼吸の勢いが徐々に静かになった。ヒデオとアキコとヒロムのところにマサミはようやくという感じでたどり着いた。3人はマサミの衣装を剥ぎ、手を取って中央のステージに向かった。仁の手でようやく支えられているマサミを起こし、二人をあの時のように負担にならない程度の力で包み込んだ。明りが徐々に落ちていった。そして、天井に格納されていた布がゆっくりと降りてきた。中央のステージの周りに同じように重なる人の円ができた。照明は完全に消えた。
どれ位の時間がその闇の中で過ぎたのだろう。明りのない状態は意識がある限りとても長く感じられる。その闇は長かった。不安を感じる手前で深海のような青が会場に戻ってきた。布の突起が重なる体温の中で大きな生物の体内にいるような感触をもたらした。気づけば、中央のステージには誰の姿もなかった。ヒロムの声がした。
命の儀式を体験された皆さん、今のお気持ちを心づくしの形で我々に教えて下さい。そして「ベース」は今、あまた方の場所となったのです。目覚めの時が来るまでこの温もりの中でお過ごしください。