仁、そして、皆へ

そこから 聞こえる声
そして 今

影を感じてⅤ

2008年04月24日 16時30分54秒 | Weblog
 TG会はC国に根拠地を置き、1人のメシアを中心に教団を展開していた。基本的な教理はK教を基にしているが、その内容は、もともと一つだった血の系統が混血の始まりによって汚れ、世界が間違った方向に進んでしまったというもので、この世界を正しい方向に戻せるのはメシアしかいないとし、メシアの意思に従い男女が結ばれ、血の浄化を進めることが唯一の救済につながると言うものだった。ヒロムが興味を持ったのはその教理ではなく勧誘方法だった。マサルとヒカルを囮にしてその実態を知ろうとした。教団は大学の中に研究会の形でサークルを作り、それを拠点として他校の信者も交えて勧誘活動を展開していた。悩める若者を装い、マサルとヒカルはそのサークルの勧誘に乗った。