心ときめくというのはどんな時だろう。
様々なときめきがある。
異性を思うときめきは切なく、そして強い。
ときめきは想う心になり、それは行動に繋がっていくことが多い。
受け止められない想いは、心に辛くそしてしまい込むしかなくなる。
もっと激しい場合は断ち切るというのだろう。
想いあっているようにみえても、行き違っている想いはなお切ない。
自分の夢に向かう思いもまた、心をときめかす。
夢に向かって生き続けられる人は何と幸せで、魅力的だろう。
ただ魅力的だと思えるのは、共感できる夢の時のように思われる。
今日の夕刻、我が家に急ぐ私は繰り広げられる夕景に心ときめいていた。
もうすぐ、太陽が沈んでしまう時。
東の上空は銀鼠色の雲に覆われていた。
山の端に落ちかかった夕陽は言葉もないほどに、すべてのものを、
静寂のなかに、美しく照らし出す。
ありふれた団地のビルでさえ。
滅びの前の一瞬の輝きなのかもしれない。
朝からの病院めぐりですっかり疲れていた私の心はときめいていた。
身体は疲れを忘れ、心は軽い、そう感じられた。
私は、この心のときめきの中で幸せでいられる・・・。
それが嬉しかった。
誰とも共有できない一瞬だけれど、行き違いを悲しく思うこともない。
写し撮りたくて、車を停めてカメラを取り出したのだけれど。
なんとスイッチ・オンの状態で電池切れらしく動かない。
帰り着いてカメラで写した夕景は、先ほどのときめく光景ではなかった。
そうまるで抜け殻のよう。
皆さんに見ていただくのはそんな抜け殻で申し訳ないのだけれど。