”・・・福島の復興を実現する為にはALPS(多核種除去設備)処理水の処分は先送りできない課題です。
ALPS処理水の処分については、6年以上に渡る専門家による検討を踏まえ、2年程度後をめどに海洋放出する基本方針を決定いたしました。・・・本年7月には、IAEA(国際原子力機関)の報告書が公表され、ALPS処理水に関する取り組みや活動が国際安全基準に合致している事や、人及び環境に与える放射線の影響は無視できる程である事が結論づけられています。・・・私自身がこの目で確かめ、東京電力の経営陣に対し、責任と覚悟を持って万全の対応をとるよう指示をいたしました。
ALPS処理水の海洋放出に係る日本やIAEAの科学的根拠に基づいた取り組みに対し、幅広い地域の国々から理解が確実に広がりつつあると考えています。・・・加えて、漁業継続の為の事業継続基金を設置し、風評影響が生じた場合の対策基金の創設や損害が生じた場合の東電による賠償など、万全を期し、責任を持って適切に対応してまいります。
一部に見られる輸入規制等の動きに対し、科学的根拠に基づき早期撤廃をするよう求めていく。
具体的な放出時期については8月24日を見込み、ALPS処理水の処分が完了するまで、政府として責任を持って取り組んでまいります”
これは、岸田総理がALPS処理水の処分に関する関係閣僚等会議に出席した時の言葉である。
一部を抜粋したが、”科学的根拠”という割には科学的な単語が1つもない。それに、責任や適切、理解や覚悟といった聞こえのいい言葉が並ぶが、肝心のその根拠となる言葉がない。
ALPS処理水は安全なのか?
国民的レベルで大きな焦点になってる”トリチウム以外の核種の危険性”の問題だが、環境省は”東電福島第1原子力発電所で発生する汚染水には、トリチウムの他、セシウム137、ストロンチウム90、ヨウ素などの放射性物質が含まれる。これらの放射性物質は、通常の原子力発電所では燃料棒の中に留まり、その排水からは殆ど検出されない。
これら放射性物質は、海洋放出に先立ち、ALPS(多核種除去設備)等により、規制基準未満となるまで浄化処理され、更にトリチウムに併せ、少なくとも100倍以上に希釈されます。こうした処理を行う事で、実際の放出時には規制基準値の1/100未満となる。
なお、ALPS処理水では、希釈前の段階でトリチウム以外の核種の多くは検出限界値未満となる。
他方、日本の原子力発電所等から環境中に放出される液体や気体廃棄物に含まれる放射性物質の規制基準は、どんな核種が含まれるかではなく、廃棄物に含まれる全ての放射性物質による影響を総合して考えられ、これらが検出されたとしても、人体や環境への影響に問題が生じるものではない。
また、国内外の原発・再処理施設でも、各国の法令を遵守した上で放射性物質を含む廃棄物が海洋や河川等へ、また換気等に伴い大気中へ排出されている。
ALPS処理水を海洋放出するに、放出するトリチウムの年間の総量は事故前の福島第一原発の放出管理値(年間22兆Bq)を下回る水準とする方針です。トリチウムは国内外の原発・再処理施設においても発生し、各国の法令を遵守した上で海洋や河川等へ、また換気等に伴い大気中へ排出されています。
このトリチウムの年間総量22兆Bq未満という量は、海外の多くの原子力発電所等からの放出量と比べても低い水準です”と説明している(2022/3/31収録)。
これだけ読めば、処理水は安全なようにも思える。”トリチウム以外の核種の危険性”も基準以下なら人体に影響はないと。
しかし、これは一般の処理水であって、以下でも説明するが、通常の原発から放出される排水と、メルトダウンを起こした福島原発から放出される”ALPS処理水”は全く性質が異なる。
因みに、通常の原発では燃料棒は被膜管に覆われ、冷却水が直接燃料棒に触れる事はない。が、福島第一原発では、溶け落ちて固まったむき出しの核燃料デブリに直接触れた放射能汚染水であり、危険性は通常の原発排水どころではない。
事実、2018年にはALPSで処理した処理水には、セシウム137やストロンチウム90、ヨウ素131などトリチウム以外の放射性核種が検出限界値を超えて発見された。
そこで、処理水の扱いに困惑した東電と政府は、その処分方法として5つの方法を提示した。その処分方法別費用は34億~3976億円と幅があったが、結局は最も安い費用で済む海洋放出(費用34億円)に決定。
つまり、科学的な安全性より”安さ”を選択したのだ。
以下、「トリチウム水の危険性・・・」より一部抜粋です。
安全神話の崩壊
当時の菅政府は福島原発のメルトダウン事故で溜まり続ける放射能汚染水の海洋放出を決めたが、その後の会見で麻生副総理は”あの水を飲んでも何という事はない”と発言した。
国内の漁業者を先頭に国内外で汚染水の海洋放出に抗議や反発が広がっていた中で、トリチウム水ははたして”飲んでも何てこたない”程に安全なのか?
2011年の東日本大震災での地震や津波によって全電源を喪失した、福島第一原発1〜3号機で溶け落ちた核燃料を冷却し続けている汚染水だが、流入した地下水が核燃料デブリに触れて更に厄介な汚染水となり、現在では1日に140トンが発生している。
政府や東京電力は、この汚染水をALPS(多核種除去設備)で処理し、海洋放出される処理水には”トリチウム以外は含まれないし、またトリチウムは海外の原発や国内の原発でも海洋放出してるので安全だ”としている。
上述したが、通常の原発処理水とALPS処理水は全く異なる。それに、ALPSで除去できないのはトリチウムだけではなく、(処理水から検出された)セシウム137やストロンチウム90、ヨウ素131/139など12の核種も除去できない。これら核種のうち、11核種は通常の原発排水には含まれない。
東電が用意した資料では”トリチウムは自然界にも存在し、全国の原発で40年以上排出されてるが健康への影響は確認されていない”と安全性を強調する。が、世界各地の原発や核処理施設の周辺地域では、事故が起きなくても稼働させるだけで周辺住民や子どもたちを中心に健康被害が報告され、その原因の1つとしてトリチウムがあげられている。
トリチウムは水素の同位体で、三重水素とも呼ばれ、化学的性質は普通の水素と同一だが、β線を放出する放射性物質である。半減期は12.3年で、天然にも宇宙線と大気の反応によりごく微量に存在し、雨水やその他の天然水の中にも入っている。が、戦後の核実験や原発稼働により自然界のトリチウム量は急増した。
処理水の真実
トリチウム水の分子構造は水と殆ど変わらない為、人体にそれほど重大な影響は及ぼさないと政府は言うが、分子生物学者はむしろ”それは逆だ”と指摘する。
人の体重の約61%は水が占める。トリチウムは水と殆ど変わらない分子構造をしてる為、人体はトリチウムを区別できずに容易に体内にとり込みやすい。トリチウムを体内にとり込むと、体内のタンパク質・糖・脂肪などの有機物にも結合し、有機結合型トリチウム(OBT)となり、トリチウム水とは異なる影響を人体に与える。長くは15年間も体内に留まり、人体を内部被曝に晒し続ける場合がある。
一方で、トリチウムが染色体異常を引き起こす事や、母乳を通じて子どもに残留する事が動物実験で報告されている。その実験では、トリチウム被曝にあった動物の子孫の卵巣に腫瘍が発生する確率が5倍増加し、精巣萎縮や卵巣の縮みなどの生殖器異常が観察されている。
日本の放射性物質の海洋放出の基準は1L当り6万Bq(ベクレル)で、これはICRP(国際放射線防護委員会)の勧告に則ったものだが、分子生物学者らはICRP勧告は”トリチウムのOBTとしての作用を過小評価してる”と指摘する。
一方アメリカでは、内部被曝による人体への影響はマンハッタン計画以来、軍事機密として隠ぺいされ続けてきた。トリチウムが殆ど無害とされてきた根拠は、ICRPの線量係数の設定によるもので、政治的意図によるものだ。
政府の有識者会議は、トリチウムの生体への影響として、マウスやラットで発がん性や催奇形性が確認されたデータの存在を認めながら、ヒトに対する疫学的データが存在しない事を理由に、”トリチウムが人体に影響を及ぼす事を裏付けるエビデンスはない”と主張し、海洋放出を正当化している。しかし実際には、トリチウムの人体への影響はこれまでもくり返し指摘されてきた。
ドイツでは、1992年と1998年の2度、原発周辺のがんと白血病の増加を調査した結果、原発周辺5km以内の5歳以下の子どもに明らかに影響があり、白血病の相対危険度が5km以遠に比べて2.19、他の固形がん発病の相対危険度は1.61と報告された。
カナダでは、重水炉というトリチウムを多く出すタイプの原子炉が稼働後しばらくして住民の間で健康被害の増加が問題にされた。調査の結果、原発周辺都市では小児白血病や新生児死亡率が増加し、ダウン症候群が80%も増加。また、イギリスのセラフィールド再処理工場周辺地域の子どもたちの小児白血病増加に関し、サダンプト大学の教授は原因核種としてトリチウムとプルトニウムの関与を報告している。
日本国内でもトリチウム放出量が多い加圧水型原発周辺で、白血病やがんでの死亡率が高いとの調査結果も出てる。
ノーベル物理学者の小柴昌俊氏とマックスウェル賞受賞者の長谷川晃氏が2003年に”トリチウムを燃料とする核融合は極めて危険で中止してほしい”との嘆願書を当時の小泉総理あてに提出した。その中で、トリチウムは”僅か1mgで致死量に、約2kgで200万人の殺傷能力がある”と訴えた。
トリチウムは通常の原発からも海洋放出しているから安全なのではなく、人体にとって危険なトリチウムを排出する通常の原発稼働も止める事が必要だ。東電と政府は真実をウソで覆い隠すではない。
以上、長周新聞(2021/4/22)からでした。
最後に〜海洋放出という最悪の選択
水俣病災害と同じで、大企業にとって都合の悪すぎる事は、政府とタッグを組み隠蔽しようとする。
今回の原発事故による汚染水問題にしても、海洋放出よりも有効とされる方法が提案されてはいた。例えば、RosRAO社(露)が僅か6ヶ月で作った実用プラントでは、汚染水を1万分の1に濃縮する。
この方法だと、毎日増え続ける汚染水を処理しながら、11年でタンク全部に溜められた汚染水を処理・濃縮し、僅かにタンク1つの半分に減らす事が可能とされる。
これは、石油化学工業で使われてる”多段蒸留”や”水の海水の真水化などに使われる電気分解”、更に日本の増殖炉(ふげん)でも行われてるトリチウム濃縮技術(CECE)などを組み合わせた汚染水処理プラントである。
例え、この濃縮プラントの設備投資額が大きいとしても、日本の水産業を後世に残す為と考えれば安いもんである。
運転40年を超す原発1基あたりの25億の交付金や、廃炉となる高速増殖炉に投じられる(不必要と思われる)数百億円の研究費を廃止し、処理プラント建設に回すのが理性的で正しい判断と言える。
一方で、福島原発事故から12年が経過してるにも拘らず、汚染水が未だに増え続けてるという致命的な問題も解決されてはいない。
福島の原子炉建屋はかなり古く、天井が壊れて雨水が入り込む。更に、第一原発は浅い所に大量の地下水がある場所に建ってるが故に、地下水が入り込みやすい。よって、阿武隈山地がある西側から海側に向けて地下水が流れ、その地下水が建屋内に入り込み、溶け落ちた燃料デブリに触れて汚染水になる。
2013年頃から汚染水は深刻になり、東電は地下水バイパスなどの対策をとるも殆ど効果がなかった。その後、サブドレンの復旧や凍土壁などで何とか汚染水の量は減ったが、止まる事はない。
2018年以降、汚染水の量は下げ止まりの状況のまま今も増え続けている為、タンクが満杯になり”海洋放出”という話になった。つまり、汚染水の発生を止めきれてない事が海洋放出の大きな原因である。
専門家の視点で言えば(だが)、地下水の流入を止め、これ以上汚染水を増やさず、今貯まってる処理水を安全に保管すればいい。また、原子炉を冷やす水は必要なので(汚染水を)冷却水として循環させればいい。
他方で、電気代と維持費が高く付きすぎる凍土壁に代わり、”広域遮水壁”を深い地層にまで囲む様に作り、地下水の流入を止めるという”地下ダム”の提案もある。
更に、地下水を効果的に集める”集水井”を設置する事で地下水の流入を防ぐ事も可能だ。ただ、広域凍土壁は大手ゼネコンが絡み、莫大な工費と維持管理費が必要だが、集水井なら福島県内の業者でも作れ、実績もあるし、ずっと安く付く。
以上の様に、やり方は(海洋放出以外に)いくらでもある。なのに、何かに屁理屈を付け、政府と東電は何ら新しいアイデアやプランを出そうとはしない。また何かをやったとしても、古い考えに固執し、同じ失敗を延々と繰り返す。多分、海洋放出も”水俣”と同じ悲劇をもたらすだろう。
つまり、(プーチンじゃないが)バカが上に立つと日本国内だけでなく、世界中に悲劇をもたらすだけである。
一方で少し調べただけでも、これだけの事が判る時代。我ら国民もあらゆる可能性をSNS上で発信すべきだろう。でないと、日本は汚染列島と化し、廃人と無能な住人の溜まり場になるだけである。
勉強になりました。
環境省はセシウムやトリチウムはALPS処理で「検出限界値未満になる」と言っているんですね。
しかし、そのデータは本当に正しいのか?
同時に「食物連鎖」がありますからね……。
たとえ検出不能の微量であっても、海底のセシウムをプランクトンが食べて、プランクトンがを小魚が食べて、小魚をマグロが食べて。
これはすぐには発覚しないでしょうが、何年後かに汚染された魚が発見された場合、世界の国々からの補償問題になるでしょうね。
何しろセシウム・ストロンチウムを排出しているのは日本だけなのですから。
エンタメさんの記事がなかったら
ここまで調べる事はなかったでしょう。
こちらこそ色々と勉強になります。
平等を期す為に、岸田首相と環境省の言い分を長々と紹介しましたが、思ってた以上に言い逃れとウソが目立ちますね。
言われる通り、放射性物質を溜め込んだ魚を我々は食わされ、水俣病災害みたいな結果になるのは自明な気がします。
専門家がこれだけ口酸っぱくして危険性を訴えてるのに、政府も東電も全く危機意識がない。
どんな基準値を超える猛毒も、海に流して薄めれば基準値を下回るという呆れた愚論ですが、こういう事がまかり通る岸田内閣も恐ろしい。
こういう事は我々も必死で叫ぶ必要がありますが、本当に危険な事はネット上でもなかなか拡散しない。
今やSNSも旅とペットとグルメに特化し、ジャーナル系は堅苦しいと敬遠される。
そう思うと悲しくなりますね。
政府が専門家と話し合って出した苦肉の策だと思ってた。
しかし政府の返答には”大丈夫”だという根拠やデータが殆ど提示されない。
怪しいと思い少し調べたら、実態はその逆だという事が判明しました。
騙された私もアホでしたが、フォロワーの記事がなかったらまんまと騙される所でした。
私も含め(勿論限界はありますが)常に政府のする事には警戒心を持つ必要がある。
国家レベルだけでなく、個人レベルでリスク管理を行う必要がある時代になりました。
そういう意味でも、我ら国民はもっと賢く神経質になる必要があります。
今回は中国が反対したから、汚染水の海洋放出が高い確率で深刻な被害を生む事が科学的根拠によっても露呈した訳ですが
日本も北朝鮮みたいな事を平気でする様な劣等国に成り下がったと思うと、とても辛いですね。
正直、もう少し賢い国だと思ってましたから・・・
丸め込まれるんだろうな
権力とか政治とか企業論理ってもんに
データをそのまま流せば国民はパニックに陷るし、科学的検証をそのまま受け入れれば企業は潰れる。
企業や政治的論理に押され、環境問題は後回しになる。
東電にしてもトリチウムに焦点を絞れば何とか誤魔化せると踏んでたつもりだろうが
トリチウム単体でも致命的な問題が判明した。
バカは叩いても治らないが、こういう問題は叩けばいくらでもアラは出るんだよな。
ただ今回の問題は国民の命に関わる重要な問題で、処理水と言っても殺傷能力の高い毒性の強い汚染水を水で薄めただけの代物。
今すぐに海洋放出を撤回し、ゼロから検討し直すべきだ。
そういう意味では、表立って堂々と反対してくれた中国に感謝すべきだろうが、露骨な嫌がらせは逆効果なんだよ。
一方で、中国の露骨な嫌がらせ行為も目立ってきてます。
そう言えば、私も中国メーカーのデスクライトを購入予約したんですが、海洋放出を決めたのとタイミングを合わせる様に一方的にキャンセルされました。
アメリカの圧力もあるとは思うんですが、汚染水の放出というタブーに触れた日本政府と東電には、どんな理由があろうと明確なペナルティーを与えるべきです。
これを機会に、脱原発のリアルを国民レベルで議論すべきですね。
同じ犯罪としてみれば、処理水の海洋放出の方がずっと重い犯罪です。
しかし、福島市内外にその迷惑行為は集中し、中国政府は外交ルートを通じで、科学的根拠を提示して正確に抗議すべきですし、それが出来るはずです。
日本国内でも、処理水の海洋放水については専門家を中心に反対の和が広がっています。
科学的根拠に基づき反対が成されてるのに、日本政府と東電は”安い”という理由だけで強引に推し進める。
今回の騒ぎも起こるべくして起きた騒ぎとも言えます。
中国政府も外交ルートを通じて、有識者の意見を交え、海洋放出の危険性を世界中に示すべきです。
少なくとも、一般人への嫌がらせは中国政府のイメージを悪くするだけです。
中国の主張は正しいので、実に残念ですね。
しかしこの騒ぎが、海洋放出のブレーキになればいいんですが・・・
コメント有り難うです。
トリチウム水の濃縮に使用できる触媒ですが、疎水性高分子から作製されたものが過去に数例だけ開発され、日本では新型転換炉(ふげん)の重水精製に使用した実績がある。
トリチウム水は軽水素と水蒸気−水素間の水素同位体の交換を可能にする触媒に接触させ、減容・濃縮する。
一般の触媒では水蒸気下での触媒性能が失われる為、触媒には高度な疎水性が必要となる。故に、トリチウム水からのトリチウム回収は、その技術的難易度が触媒開発の大きなハードルとなっていました。
更に、弱い高分子から作製された従来の触媒は放射線の影響や耐熱性の問題点があり、コストも高く付く。
そこで新たに、無機材料を疎水化させた後に触媒化する技術が登場した。一方で、触媒となる白金の量や無機材料の表面状態や細孔径など多岐に渡るパラメータが触媒性能に大きな影響を与える。そこで、トリチウムと水素の同位体を交換する効率の評価を行い、製造パラメータの最適化を実施し、高性能な白金触媒開発の成功に至ったという。
こうした新たな触媒技術では、耐熱温度も従来の70度を大きく超える600度超を実現し、交換効率も1.3倍に向上。また無機材料で出来てる為に製造コストも低減でき、大量の触媒を必要とするトリチウム回収に対しても有利とされる。
但し、実用化に向けては長期的に見た性能安定性などが当面の課題だという。
これは、2015年時点での(株)田中貴金属工業の報告書ですが、こうした情報も政府や東電には伝わってる訳で、国民が知りたい情報でもあるし、無視できない情報でもあります。
原理としては、ウィスキーの蒸留装置と同じなんですかね。
ウイスキーの場合は発酵させてアルコールを取り出すが、トリチウム水の場合は、高分子の金属(白金)触媒を使い、トリチウムを引きつける。
しかし、従来は耐熱温度が70度と低く、すぐに触媒が焼き付いたが、600度超となると理論上は何度でも使える。
それに、元々はトリチウムを取り出して再利用する技術でしたが、今回は濃縮するだけでいい。故に、ハードルは少し低くなる筈ですね。
ロシアの濃縮プラントは、触媒技術と多段蒸留と電気分解を組み合わせたものですが、2015年時点で、高度な触媒技術を有してた日本の技術力も凄い。
政府もこうした高度な技術を知ってながら、時代遅れの濾過システムに拘ったが故に、海洋放出という安易で安価なシステムを採用した。
勿論、セシウムやストロンチウムなど結晶化できる核種であれば、濾過システムでも通用するんですが、トリチウムは結晶化しにくい。
専門的な事を知れば知る程に、政府と東電の黒い癒着が見え隠れしますね。
今回もとても勉強になりました。今後も宜しくです。
海洋放出に対しても
政府は強気でいられるんじゃないのかな。
日本のALPS(核種除去)の技術は世界でもトップクラスだと
そうした信頼もあるから、問題が起きない限りは、IAEAも黙っている。
そう思わないとやってられない??
いや、そう思いたいです。
日本には技術がありますから、政府や東電幹部が無能でも技術は裏切らない。
IAEAも日本政府や東電ではなく、そうした世界トップレベルの日本の技術に信頼を置いてるのかもです。
確かに、政治や企業は嘘をつくし、すぐに腐れるけど、技術と理論は腐れないし嘘はつかない。
そう思わないと、世の中やってられません。